《 続 》 【 koko の Valentine's Day♪ … 白いページ … 22話 】
呼子
は、 職場をあとにし広い通りに出たが、
ふと! 立ち止まり 職場にまた戻った。
はじめての長期休暇。
できるだけ職場の仲間たちに迷惑がかからないように、
申し送りというか 仕事の手順等を
文章にまとめておいた方がいいのではと思つた。
職場に戻り、 仕事の邪魔にならないように、
パソコンに向かい作業をした。
机の上に置いていた携帯が振動した。
直
からのメールだ。
========
koko
今どこ?
= Re ======
職場。
= Re ======
そう。
= Re ======
そちらに行くのはもう少し時間がかかります。
= Re ======
じゃ~
= Re ======
じゃ~
===================
淡々としたメールに 直
は 心中定かではないが、
大きなため息をつきキッチンに戻り食事をした。
「 直 。 呼子
に 連絡してきたのでしょ~ なんて! 」
「 こちらに来るのは遅くなるらしいです。」
「 そうどすかあ~ なんで
…? 」
「 さあ~ 」
「 も~ はがいいなあ~
さあ~ って 子供の使いじゃあるまいし
… 」
光子 が
携帯を帯の間から取り出し、
ダイヤルボタンを押した。
「
いや~ でれませんのメッセージですわ~ 」
光子 は
メッセージを残さず切った。
机の上の振動で携帯画面をみると 光子
からだった。
職場での電話はでれないというメッセージを流すようにしている。
呼子
は、 席を立ち廊下におかれた椅子に腰を下ろし、
携帯ボタンを押した。
イライラしていた 光子 の
携帯が振動した。
テーブルに置かれていた 光子 の 携帯が振動した。
「 呼子
からどすわ~ 」
と、 携帯画面を見た 光子 が 携帯を耳にあてた。
「 呼子
おそなるんやて! 」
いきなり、 元気印の 光子 の
声が携帯を通して聞こえてきた。
呼子 は、 少し携帯を耳からはなした。
「
・・・・・ 」
「 なんでやのん? お休みとれなかったの? 」
「 とれました。 」
「
ほんなら、 なんでやのん … 」
「 帰ったらはなします。 」
「
も~ はがいいな~ 」
光子 が 話続けようとしたが …
「
じゃ~ 」
そう言い、 呼子 は 携帯を切り、 仕事に戻った。
光子
は、 切られた携帯携帯をにらみながら …
「 も~ 呼子 ったら! 」
直 も
他の二人も食事の箸を置いて 光子 に 注目していた。
「
切られました。 お休みはとれたみたいです。
さあ~ さっさっとお食事たべましょ~
それにしてもなんであの子は あ~ なんやろねえ~ 」
つぶやきながら食事を始めた。
直
は、 いらいらしている 光子 とは反対に …
” 休みはとれたんだ。 ”
と、 胸をなでおろした。
呼子
は、 思い浮かぶままに書き記しておこうとした
作業はなかなかはかどらなかった。
あちら、 こちらから声がかかり
さりげなく今まで過ごしてきた職場内での呼子の存在は
大きかった。
「
加賀美先生。 すいません。
これはこれでいいのですか?」
染色がうまくいかない? などとその他、
声がかかり結局7時過ぎまで職場をあとにできなかった。
その間、 数回
光子 からメールや電話が入ったが、
返信しないでそのままにしておいた。
園田家では、 光子 の
いらだちの矛先は 直 に 行った。
そんな様子を見かね、 医師である夫に仕えた華子が
「
こお子ちゃん。 お医者さんはそんなもんです。」
と、 言いながらなだめた。
「
も~ あと少しで八時になります。
もう、 まてまへん! 私だけでもお食事します。」
と、 吸い物を温め直した。
「
そうどすね。 私たちもいただきましょうか? 」
と、 直穂子が …
直 は、 「 僕は、 呼子
が 帰ってからでいいです。 」
「 はいはい。 いつまででもまってなさい。 」
光子 が
席に着くと、 玄関があいた。
「 門のカギしめていいの~ 」
と、 呼子
の 声がした。
直 が 席を立ち
「 おかえり。 いいよ。 僕がしめてくるから
… 」
玄関から少し先にある門扉にむかった。
呼子 が 玄関で待っていると、 光子 が
出てきた。
「 はいはい。 お熱いことで … 遅かったね。 おつかれさん。 」
そう言って 直
が 戻ってくる姿を 呼子
と 眺めていた。
3人がキッチンへ入っていくと、
直穂子はお吸い物を温め、 直 と 呼子
の 前に置いていた。
「 さあ~ いただきましょ~ 」
「
待ってくれてたの~ ごめん。」
「
いいや~ 待たされてました。」
と、 冗談をいいながら
「
私たちは食べかけるところどした。
すなお は、 呼子
と、 一緒でいいです。
なんて、 いうたんよ。 」
直 と、 呼子
は 顔を見合わせほほ笑んだ。
「ほれほれ、 はよ~ 食べなはれ! 今日は、 どうします。 」
と、 直穂子 が 言った。
直 光子 華子は、 要領がえず、お互いに顔を見た。
呼子
は その言葉は理解した。
「 私は、 マンションへ帰ります。 明日は、 出勤しますさかい。」
「
お電話でお休みとれたいうてましたやん? 」
「 食事のあと、 直さんと相談してから、 報告します。 」
「
そうどすか? 」
呼子
は、 帰り道 明日からの休みを先に延ばそうと思い直した。
急な申し入れで、 そのうえ長めの休暇だけに休むことを前提に
もう少し、 しておかなければならないことがあった。
食事を済ませたあと、 光子
が呼子に
「 あと片付けは私たちに任せて、
直 と お話があるのでしょ~ してきなさい。」
直
と、 呼子 は 顔を見合わせ
「 そうさせてもらおうかな~
」
二人は、 リビングに移動した。
しばらくすると、 華子がお茶を運んできた。
呼子
は、 気持ちよく教授が研修休暇ということで
休暇の許可を出してくれ手続きをしたあとの出来事から話だし、
休暇の手続きをすませ、 仕事の申し送り等を
簡単に済ませようとしたが、 急なことだけに少し無理な所が
いくつかあり、 帰り道思いついたことを ちょくに相談した。
直 は
アメリカへ帰る時、 できれば一緒に行きたいと
…
それまでは、 今までどおりに仕事にでて、
留守の間の申し送りを済ませられないかと話した。
呼子は直
の 予定を具体的に
いつ、ア メリカに帰るのかかということを聞いた。
明日、 今日出した休暇届を書きかえるため、
そのことは早急に話したかった。
直
も、
早朝、 自室でそのことは考えていた。
すぐに戻るつもりでの葬儀の出席で、 流れが変わり、
職場が気になりかけていた。
少し沈黙が続いたが、 一応、 初七日を終え
いったんアメリカに引きあげ、 49日に帰り、
その期間で、 すべてを引きあげるということは、
無理だろうから、 再度渡米すると
直 が 提案した。
食事の後片付けをおえ、 光子 ・ 直穂子 ・ 華子が加わり
直
と 呼子 の 予定はもう少し話し合うという報告をし、
光太郎の亡き後の予定等を5人で確認しあい、 この日は、
直 が
呼子達をマンションへ送りとどけた。
今夜は 直 と 華子は各自の部屋で休むことにした。