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続【koko … 白いぺージ】 |
《 続 》 【 koko の Valentine's Day♪ 白いページ 】 は
【 koko の Valentine's Day♪ 】 の 続編です。
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No |
27 |
HIT数 |
5298 |
日付 |
2009/12/13 |
ハンドルネーム |
maako4 |
タイトル |
27話 《 続 》 【 koko の Valentine's Day♪ … 白いページ … 】 |
本文 |
《 続 》 【 koko の Valentine's Day♪ …
白いページ … 27話 】
二人の顔から笑みが消えた。
そして、 同時に
…
「 「 おなかすかない? 」
」
またまた、 二人は笑いのつぼに、はまったかのようにほほ笑んだ。
また、 その行動がおかしく笑った。
「
そうだ! これこれ
… これってこんな時にだろ~」
そう言ってちょくが冷蔵庫から箱を取り出した。
畳1畳強の大きな冷蔵庫の中身はいつも満たされていないため、
このような30
/ 40センチ 四方 高さ20センチぐらいの箱が
すっぽりおさまってしまう。
「 いつも思っていたの? なにかしら
…? と! 」
「 よく言うよ! 呼子 がここ生活し始めたころ
こお子さんから 『 呼子
は何かに没頭すると
食事とらなくなるからとりあえずそんな時にはこれを
与えておいてね。 勿論、すなおも食べていいよ。
追伸で、お願いね。
呼子 の事。』
お願いね。 呼子
の事。 の短い文字を読んだとき、
胸が熱くなったよ。 そのときかな~
10ヵ月。 あの華奢な人のおなかの中で同じ時間、
こんな素敵な人と共有していたと思うと
… 」
そのあとの言葉は聞こえにくく、涙がこみ上げてきたのだろ
呼子
に背を向けた。
「 あの頃、呼子 は帰ってくると、その日に経験したことや
文献を読みあさっていたから
…
結局そういうことだったんだ!
僕の話はきいていなかったということなんだ。 」
呼子
はそんなちょくを不思議そうに見ながら、
「
…… はいはい。 そうかもしれなかったけれど
何がはいっているの~ 」
「 パックしたごはん。 チーンするんだって
…
チーン って知ってる。 レンジで温めることらいいよ。」
「 ちょくさん知らなかったの。
『
チーン! してね。』 と言ったらそういうことなのよ。
早くチーンしょう~ それから何が … 」
変にはしゃぐ
呼子 を見ながら、
「 これは? お漬物のパック?
しば漬け。 すぐき? みぶな? それから
… 」
「
うわ~ こお子ちゃんお茶づけができるように
送ってくれていたのね。
も~ ちょくさんどうしてもっと早く
…
知ってる。 京都ではお茶漬け屋さんのお店があるの。
他府県の人は納得いかないようだけど、いろいろなお漬物を
いっぱい盛りつけられていて、そこそこのお値段するから
お茶漬けに、こんなお金かけるのだったら他の物でおなか満たすよ。
と、評判悪いようだけれど、京都の人間はこんなごちそうないのよ。」
「
よく言うよ。 京都に行くと期待しておいしいものを
食べさせてもらえると思っていたら、
いつも、お茶漬け屋さんへ連れて行かれて …
」
「 そうだった。?」
”チーン ”
呼子
は、ますます興奮冷めやらずでちょくを驚かせた。
呼子 は 少し大きめのうつわを出し、
「
ちょくさん。 ここにパックのごはん出してね。
ふたつともよ。」
「 え! どうして
… お茶漬けをするのだろ~
こっちのお茶碗にいれて、お茶かけてたべるのだろ~」
「
チーンしたごはんは、いったんここに出して、
それから、お茶碗へつぎ分けるのよ。
ああ~ お漬物どれにする~ ちょくさんはどれがいい
… 」
ちょくは、この先の 呼子 の行動は読めていた。
多分! 絶対
… この一言を待っているにちがいないと …
「 じゃ~ みんな開けて食べてみる。」
呼子
は、待っていましたとばかり …
「 そうよね。 そうよね~ そうする~
」
と言い5種類5袋を小鉢につぎつぎと
…
そして、箱に残されたご飯のパックを出し、ひと袋を手に
「
うわ~ こお子ちゃんお茶も~
ちょくさん。 ほら! ほうじ茶まで
…
私ね。 ほうじ茶でお茶づけするのがすきなの。」
koko
のすごい食欲につられちょくも懐かしさも手伝って
なんとすべて二人であっという間にこお子から送られた
すべてを食べてしまった。
「
はあ~ もう動けない
… 」
また二人は顔を見合わせ声をあげて笑った。
おなかが満たされ二人はそのままソファーでうとうとし始めた。
ちょくが肌寒さを感じ目がさめた。
まだ夜が明けていない。
すぐ横にいる
koko は規則正しい寝息をたてぐっすり眠っている。
寝室のドアをあけ、掛け布団をめくり 呼子
を
抱きかかえベットに寝かせた。
数年前に日本の掛け布団に近いキルト状の物をみつけ
心地よくやすめるようになった。
ちょくは、リビングの電話の受話器をとりメモを見ながら、
ダイヤルボタンを押しだした。
「
加賀美さ … 」
まで言いかけると …
「 すなお。 すなおなん! 驚かさんとって
…
呼子
に何かあったん? 」
相変わらずこちらがはなす間がなく次々話し出した。
このテンポが懐かしく受話器から流れてくる こお子の声を聞いていた。
時間的にまだ休んではいないだろうと思ったが、
遅い時間帯には違いないので少し驚かせたようだ。
「
呼子 は元気にしています。
お父様。 お願できますでしょうか? 」
珍しく少し間があき
…
「
…… それがね~ 初七日が終わって京都に帰ったころから
えらい弱り、寝たり起きたりなんよ。
いろいろ検査はしてもらいましたけど、悪いという所はないのよ。
呼子。 心配するから言わんとってね。
遠いところで心配かけたくないから
…
そうそう。 すなお聞きました。 お父さんから …
初七日にあんたにお父さんが話したこと。
あんたも驚いたでしょ~
もう。 私なんかまるで、テレビドラマの上をいく、
加賀美家と園田家やと居直りましたわ~
こちらから、何度もあんたに電話いれかけたんよ。
こんなことお母さんは知ってますけど、もう年ですやろ~
相談できる状況ではないし、かと言っていくら隠しごとのない
夫婦でも、言えることといえないこともあるしねえ~
もう少しはっきりしてからと思うて
…
そやけど、あんたが 呼子
に話したかどうかが
分からなかったし、こうして電話がかかるの今か今かと待ってました。
…… 長かったわ~
どうなん。 それで、呼子
には話したの? 」
ちょくはこお子に頼むのが一番だと思っていたが
加賀美のお父様が話されているかが分からない状況だったので
こお子から切り出された時には安堵した。
今日というか昨晩
呼子 に 話し、その後の流れを事細かく告げた。
「 そう~ それで、私はどうしたらいいの~
今の話からだと、呼子
がこっちに帰ってきて採決する日が
決まったら、あんたからか 呼子
ちゃんから連絡がきたら
支持してくれる病院へおとうはんを連れて行ったらええねんね~
あとは、病院の方がいいようにしてくれはるということですか?
」
「 そのように手配しておきます。」
「
わかったわ。
それはそうと こうして長くお話しているけれど 呼子 は? 」
ちょくは ” おなかすかない
” からの話の一部始終を話した。
こお子も元気印の声と笑いが受話器から聞こえ …
「
はあ~ おふたりさんようやるわ。
心配いらないようやね。
似た者同士で、無口な二人。
24時間どう過ごしてるのかしらなんて心配してたんよ。
すなおもこんなにいっぱい話せるんやね。
ああ~ 呼子
のことだけかな~
すなおありがと~ 呼子
のことお願いね。
そしたら連絡まっているわね。
安心したところでもう寝るわ。
そちらは、おはようさんかな~ 」
「
こちらこそお世話かけます。
こお子さんよろしくお願いします。」
「
うそ~ 感激やわ~ こお子さんなんて!
すなおからこお子さんなんて初めてどす。
あの~ とか すぐに用件話していたのに、
まあ~ お姉ちゃんやおねえさんは無理やろけど
すなおからこお子さんなんて
… 」
すなおは少し照れながら
「 呼子 からも言われました。」
「
そしたらきるえ~ 」
柔らかい京都弁ですなおも穏やかな気持ちになっていた。
「 おやすみなさい
… 」
すなおは、しばらく受話器を眺めて受話器をおいた。
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