《 続 》【 koko の Valentine's Day♪ … 白いページ …
】 7話
そして、 光子が
「
呼子ちゃんもようわかってる。
おかあはんもつらおしたな~
おつかれさんどす。 よう話してくれました。」
光子はそこまではなし、 呼子
と 直 のそばに行き
「 呼子 ちゃん。」
そう言いながら 呼子 を抱きしめた。
「
そうや~ あんたは私の自慢のいもうとや~
今まで … いいや~ もっと、 自慢のいもうとやで …
」
涙をふきながら、
「 ほんまに 呼子
のおかげやね~
そうでなかったら、 私、 父子家庭か母子家庭でした。」
そう言って 呼子
の顔をのぞきこみ笑って見せた。
そして、 すなおの方を見て、 少し声のトーンをあげ …
「
直。 ええか! 私の妹の 呼子
を
幸せにせえへんかったらこの光子さんが許せんからねえ~
なかすようなことがあったら、 あんたのおねえちゃんが許さへんよ。
ああ~ なんや! ややこしいな~ 」
と言いながら、 涙する光子だった。
その場から祭壇の前に行き
「
園田パパ驚きはったやろね。
そうか?
おじい様やおばあ様のお出迎えでお話知ってはりました。
小さい時の事って幼稚園の年長さんぐらいの事でも飛び飛びで、
そんなに詳しく思い出せまへんけど、
呼子ちゃんのあの日の事は
よ~に覚えています。
朝おきたら、 あんた今日からおねえちゃんやで~
ほら~ かわいいやろ~
呼子ちゃんやで
…
その時の事はいまでも夢にようでてきます。
ほんまにかわいくて、 ず~っとそばにいてたように思います。」
「
そうやな~ あんたは扱いにくいお子で みんなぴりぴりしていました。
と言うより、 環境があんたをそうさせていたんやね。
その日をさかいに、 光子も変わりました。
変な話。 この子も笑うんだ。
笑顔がこんなにかわいい子だったんだ!
よく笑う子に
…
ええおねえちゃんで … といより小さなお母さん。
も~ 光子は 呼子の事になると大変で
…
みんなよ~ 怒られました。」
「 いややわ。 おかあさん。 また! なみだが
…
呼子は、 いつもひ弱い子で、みんながいらいまわっていましたな~。
ほら! 小学校入り立ての事。
あんた、 いつまでも下駄箱の前に立ってた事。
呼子ちゃん。 おぼえてはりますかあ~
あの日は、 私は、朝、おかあはんと学校行く前に、
しょーもない事で口げんかして、学校についてもいらいらしてて、
さっさと自分の教室に行きました。
しばらくして、 急に、
呼子
の事がなんや気になって
お教室のぞきにいったら、 あんたいなくて、これは、 えらい事や!
職員室に行こうとしたら、 あんた、下駄箱の前に
ランドセルせよたままたってましたなあ~
『
あんたこんな所で何してんの~? 』
と怒って言ったら、 呼子は、にこにこ私の顔をみて
『 光子ちゃん。 くつ!
』
入学式のあくる日からず~っと 学校に着いて、
下駄箱から上靴を出して、 靴を履き変えさせて
お部屋までつれて行くのが日課どした。
いつものように、はかせかけましたけど、ふと気がつきました。
『
ここあけて … そうそう …
ええか。 今度は上靴っだして … そうそう
…
はいたら、 脱いだ靴は下駄箱にしまうの。
これからは、 こうして自分でするのよ。』
そう言って、 手をひきお教室へ連れて行こうとした時、
手をはなして、 『
koko 。 ひとりでお教室にいける?
いけるかなあ~ はよ~ いかないとお勉強はじまるよ。』
koko は 『
はい。』 と言って教室に …
行けるか心配であとをついて … 」
「
そやそや。 そうどした。 そのあとが大変で、
あんたの方が 私より、 呼子 の おかあちゃんどしたな~
食事の時も、 だれかが いつものように 呼子 のお手手に
お箸をもたせたら、 あんたが偉いけんまくで
…
『 いつまでもそんなことしてたら、 お弁当がはじまったら
呼子
のことや。 お箸もたせてくれへんからって、
いつまでもお弁当箱前に食べへんよ。』
みんながそんなことって笑ったら、 下駄箱のお話してくれて、
それから、 あんたがあれもあかん。
これもあかんと私達に指示しました。
困るのは
呼子 やで~ というて …
呼子 のおねえちゃんというよりおかあさんどしたな~
」
華子が
「
なんや、
その場にいなくても光子ちゃんの様子が目に浮かびますわ。
呼子
ちゃん怖かったでしょ~
このごろ、
私達も光子ちゃんには、 あれやこれやとよく注意されています。」
呼子 もうつむき加減だったのが、 顔をあげ、
笑みを浮かべた。
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