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【 I'm loving you. 追憶 】 |
【 I'm loving you. 追憶 】 は 【 I'm loving you. 】の続編です。
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No |
10 |
HIT数 |
3640 |
日付 |
2010/02/02 |
ハンドルネーム |
maako4 |
タイトル |
10話 【 I'm loving you. 追憶 】 |
本文 |
【 I'm loving you. 追憶
】 10話
レストランの外に飛び出し空を仰ぎ大きくひと呼吸した。
私は駐車場に止めていた車に
…
エンジンはかけたが発進することができないまま
ハンドルを両手で握りしめハンドルに頭をあずけた。
どれぐらいそうしていただろうエンジンを切りそのまま車の中にいた。
何を考えているというわけでもなくただ頭の中も
心の中までも無(む)の状態だった。
道路をいきかうライトの明かりを目にしながら
”
偶然ではなく いとこが引き合わせたのですね。”
” それでは今日ひょっとして祖父母に
… ”
フラワーショップの彼女の話が思いだされた。
そして、
昼間のひとこまを…
”
このように孫の事を忍んでまた大切な貴重なお時間を
なんて申していいやらありがたい限りです。
しかし、われわれは過ぎた時間(とき)を思い
なつかしがり 過ごす日々
あなた様はまだまだこれからのお方。
誰も知りえない 輝かしい時間(とき)が刻まれていくでしょ~
今回の夏休みをすべて孫にいただいた時間を最後にと願っています。
是非そうしていただきたい。
本当にありがと~ ”
と、 私の手を包み込み 深々と頭を下げられた
祖父母の後姿を思い浮かべていた。
そうだな~ 今すぐでなくても考えてみよ~
と
新たに何かの始まりのような期待にも似た一歩を …
しかし 数時間後 …
… 今 …
この瞬間 …
この出来事をどうしていいのか 受け止めれば
…
またハンドルを抱え込み ぼ~っ と 流れゆく景色を
…
そんな空間から我に返ったのは騒がしく人の声が耳に入ってきた。
レストラン到着時 並べて駐車することができず
少し離れた所に駐車したフラワーショップの彼女の車のまわりに人がいる。
そして店の方に走り出した。
腕時計を見た。
日が変わり真夜中の1時半を回っていた。
大人3人。
乗ってきた車はライン内に停められず無造作に停め
店のドアをたたき大きな声で叫んでいる。
ドアが開けられたようだ。
私は車をおり 店に目をやると中から人影が
…
ひとりは私ぐらいの男性。
フラワーショップの彼女の両脇には中年の男女。
その後ろに先輩が
…
無造作に停められた車に私たちと同年輩の男性が乗り込み
彼女の車には中年男女と彼女が
…
すぐにその場を走り去った。
彼女は車に乗り込む前に私に気がついた様子だった。
彼女の視線が私に向けられた時 先輩も気がついたようだ。
車が走り去ったあと先輩が苦笑しながら
お手上げといったポーズで両手を上げ私に近づいてきた。
私を車から離れさせ ドアをあけ鍵を抜きドアを閉めた。
私の肩に腕をまわし店に入った。
店の電気は警備用の明かりと切り替えられ
先輩の居住となっている階上へと私を誘導した。
いつも私用のスリッパを私の足もとに出してくれるが
今日は気配りの先輩は玄関フロアーにおかれた
自分のスリッパはをはきリビングに
直行した。
私は勝手に私用にと用意されているスリッパを出し
先輩のあとをついてリビングへ
…
メインライトはつけられず
いくつかのコーナーライトの明かりがつけられた。
先輩はこちらまで伝わってくるような勢いで
3人掛けのゆったりとしたソファーにドスンと横たわった。
「
はあ~~
」 と 大きな声をあげた。
この部屋の私の指定場所のソファーに身を預けた。
いつのころからか先輩と二人のときには
今先輩が転がっているソファーが先輩の指定地で
私は反対の壁際におかれているゆったりしたソファー。
操作すればベットにも変身する。
また先輩が大きな声で 「
はあー
」 と声をあげ
むくっとおきあがり部屋を出て行った。
缶ビールを5-6本お盆に載せ運んできた。
テーブルに置き私の横に腰をおろし
缶ビールを私に手渡し 先輩は、一気に飲み干した。
新しいものの栓をあけ元のソファーに足を投げ出しビールを
…
私も次のビールの栓を開きかけた時、先輩が
「 そろそろ彼女ついいたかな~
」
「 ………
」
彼女の居住地がどこなのか知らない。
夜中だからと言ってもまだつくには早いだろ~
そこそこの事情をあの訪問者達に話すだろうし
先輩の期待する運びはこの時点ではありえないだろ~
と 冷静に分析している私がいた。
先輩は 「
そうだ! 」 と 声をはっし
リビングにおかれている電話をいじっている。
不思議そうに私が見ていると
「
彼女 店の電話番号しか知らないから
こっち切り替えておいた方が
… 」
先輩は落ちつかない様子でビールを片手に部屋をうろうろし始めた。
以前 このリビングは20数畳はあるようなことは言っていた。
大きなゆったりした3人掛けのソファーが2つ
二人掛けのこちらもゆったりとしたソファーがふたつ
テーブルも少し大きめ
その他 ワイドなテレビやピアノ 体裁のいい収納家具
細々したものは置いていない。
リビングを熊がうろうろしているようで落ちつかない。
今度は私がソファーに身体を横たえた。
すると先輩が私の足元よりのソファーを背に床にすわり
「
それにしても驚いたよなあ~
ドアが叩かれ大声で叫んでいると思ったら
大きな声で怒鳴られ
お前が店を出て行ったあと 彼女は黙ったままで
何回か携帯の着信音が聞こえたが彼女でなかったんだ。
勿論女性がこんな時間まで
家族が心配して いるのではと 思ったが
声をかけれなかったんだ。
あの男性がちょっと気になるところだな~
あとの二人は彼女の両親のようだった。
興奮して はや口で話された内容を解説すると
彼女からフラワーショップ閉店後
人と会い食事にをして帰るので遅くなるという連絡があり
日が変わりいくら携帯に連絡を入れてもつながらない。
心配になり 両親ともう一人の男性がフラワーショップに
見にきたが店は閉じられていて
こうなったら警察に相談しようとした矢先
レストランの前の道を通ると 見覚えのある車に気がつき
ナンバーを確認すると彼女の車のものだった。
もしや彼女の事が何か聞ければとドアをたたいた。
まさかいないと思っていた彼女が店内にいた。
勿論事情の説明など聞く耳を持たない状況で
この時点では僕の印象は悪く
こんなに遅くまで どういう理由があるにせよ
連絡もさせないでと責められるまま
とにかく元気でよかったと涙を流しながら
両親? と 男性が彼女を連れて帰った。
と いうことだな~ 」
先輩が立ちあがりリビングを出て行った。
しばらくしてワインとワイングラス。
それにガラス皿に簡単なつまみ盛り付け
そのままテーブルに置いたと同時に 電話の呼び出し音が鳴った。
先輩は彼女に違いないと慌てて
テーブルの角で足をぶつけ足をさすりながら電話に出た。
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