【 I'm loving you. 追憶
】 13話
私は驚いた。
昨日の話でも二人が知り合ってかなりの月日がたつている。
「
先輩 いい店って行った事なかったの~」
「 彼女が週2回 店に来る。 こちらから行くことはなかったな~」
「 1度も
… 」
「 そうだ! 1度もだ。 用もないのに
…
お前のマンションでも同じ方向にあればよかったのに 」
またコーヒーを飲みながら不服そうな先輩を眺めながら
今いる墓地からだと 墓地 フラワーショップ
先輩のレストラン それから私のマンション。
そんな事を思っていたら 先輩が話し出した。
「
彼女の店の前を通りかけると人の気配が
…
昨日 ああ~ 日が変わっていたから今日か。
あのような別れだったから気になって
車を店の前の駐車場に停め店をのぞいたんだ。
開店準備中のようでいや開店はしていたのかな~
とにかく忙しく2-3人が働いていた。
中をのぞいていると
…
そうだ! あの店って…」
私は苦笑いしながらほらまた! 話が …
「
あの店って彼女もそんなに愛そういい方ではないだろ~
応対した店員も
… あれで店はやっていけてるのかな~」
そう話す先輩も似たりよったりで
決して愛そうがいいとはいえないが店は繁盛している。
「
のぞいていたら
『 どうぞ … あちらのお席へ …
』
あの店って変わっているよな~
花屋って余り行った事がないけれど最近はあんなふうなのか?
大きなテーブルが真ん中にあってフラワーティーを出された。
お前飲んだことあるか?」
先輩は私の返事など関係なく
「
あれは口に合わないなあ~
そして、
『
お花のご注文ということでよろしいでしょうか?
ご用意させていただきますお花はお決まりでしょうか?』
ついいいえと答えたら
『
それではご自宅用かプレゼントそれともお供えその他
…』
ご予算等も聞かせていただけましたらと言っていたな~
ご希望でしたらイメージデッサンをさせていただきます。
えらいことになってきたと思いオーナーは? と 聞いたんだ。
すると オーナーと約束していたか?
失礼ですがどちら様でしょうか?
と聞かれ 名刺を出した。
様子からだと会うのは初めてだが僕を知っていたようだ。
そらそうだなあ~
週2回はうちの店の花を扱っているのだから
…
はじめまして
… と言いながら名刺を出し肩書きはチーフだった。
失礼いたしました。
いつもごひいきにありがとうございます。
オーナーは本日急用でお店には
…
ということでいなかった。
何か用事かと聞かれたがこの先に用事があって
前を通りかかったから これは嘘ではないだろ~
そう言うとだな~
『
せっかく来ていただきましたのに
オーナーに連絡を入れた方がよろしいでしょうか?』
今からこの先の墓地に行きますので
…
そこまで言いかけて何かを期待して言っている自分に気がついた。
この彼女は絶対オーナーに僕が来たことを電話するに違いない。
墓地に言っていると話しておくとひょっとして彼女が
…
『
この先の墓地ですよね。』
そうですと答えたらオーナーもよくいかれます。
と言っていた。
あの店 最初驚いたんだ!
どんな店かも知らなかっただろ~
お詫びにと花をもらって
店にかざっていたら花もいいものだと思い もらった名刺に電話して
店に派手ではなくさりげなく花を飾りたい。
その管理はそちらに任すと依頼したんだ。
するとだな~ きちっと契約条項が書かれた書類で契約したんだ。
内容もきっちりしたものだった。
普通口約束で済むだろ~
花を店に飾ってもらうというだけなのに
…
」
私は時間はたっぷりあるので
先輩が勝手に話す分はいいだろうと黙って聞いていた。
「
それでだな~
その契約時に搬入時間は何時ごろがいいかとか
花への要望 とにかく、
もういいだろうと思うぐらい質問攻めで、 書き留めていた。
そしてお願することになった。
今は当たり前でなれたが
とにかく 最初数回は感心するやら驚くことばかりだった。
契約したあくる日 早出の者が
『
オーナー 出勤してきた時からあの車
ず~っと あそこに停まっています
』
と 報告に来たんだ!
その車の停車場所に行くと彼女が乗っていた。
理由を聞くと開店までの店の流れを見ていると言うんだ。
話が読めなくて詳しく聞くと
できるだけお店に迷惑のかからない時間を見ている。
できれば店内の開店までの流れも知りたいというんだ。
まあ~ いいだろうと店に入ってもらい開店するまで
邪魔にならないように従業員の行動を見ていた。
そして明日から花の飾りつけに来ると言い残し帰った。
そして、開店30分前ぐらいかな~
この頃はほとんど店内の掃除も終わっている。
多分それも計算していたのだろうなあ~
そこへ彼女ともう一人が箱にテーブルの数ぐらいの
一輪ざしって言うのか?
水も入り花が1輪。
それを手際よくテーブルに置き
そのあと彼女が見て回って花を生けられた一輪ざしの位置や
花を確認して行き そのあとカウンターの花を
…
花は花瓶に入っていたが、手直し 納品書を渡し帰っていった。
ものの10分程度だったかな~
とにか手早い。
それもガサガサするでもなく物静かに
…
あっ! その眼は疑っているだろ~
今度店に泊まった時 隠れて見てみろ!」
私が疑う? どうして
… と思いながら
そうじゃない!
こんなにおしゃべりな先輩ははじめてだったから
眺めているだけだと言いたかった。
2回目からはひとりが空箱を
…
その中にこれも早いというか素早く
すべての花をその箱に収め
彼女が用意してきたものをテーブルに置いていき
先に飾ってある花をさげた者が
カウンター用の花を置きそれを彼女が手直しして 帰っていく。
本当に無駄がなく驚いたよ。
プロの仕事技というかすべてフラワーショップで
用意をしてくるんだな~と思った。
あとで知ったがうちだけではなく契約店どこもそうらしい。
噂がうわさを呼んで結構評判いいらしい。
それでな~
ここからだ! お前どう思う。」
何も話さないうちにお前どう思うはないだろ~ と 思いながら聞いていると
…
「 チーフが話すにはだな~ 」
先輩は鼻をぴくぴくさせながら
「
すべて彼女が契約に立会い
うちの店を偵察にきたようにそこまでは彼女がするらしい。
その後はそれぞれ二人ないし3人が組みを組み
仕事をこなしているというのだ。
しかしだな~ うちの店だけは契約当初から彼女が
…
花選びも用意も彼女の手でしているというんだ。
だからこれって
… どういうことだ!
チーフが言うには
『
今日お会いしてそういうことだったのですね。
こんな素敵なオーナー様ですもの~
ご結婚されるのですか?
』
って聞かれた。」
ますます上機嫌な先輩に
「
そうなの? 結婚するの?」
昨日の話では食事いや二人でお茶すらまだのようだったので
まさかと思いながらひやかし半分で聞いた。
案の定 先輩は昨日も話しただろ~ 何も彼女とは
…
でもいい気分だと嬉しそうに話した。
「
結婚なんて考えもしてなかったが彼女なら…」
と 語り少し照れながら席を立ち
「
今頃何をしているのかな~
急用って何かあったのかな~ 」
私は昨日のことが影響しているのだろ~ と話した。
今日は彼女もここへはきそうにないから帰ればとすすめた。
そうするかとその場を引き上げかけたが戻ってきた。
「
鍵をかせ
… 帰り寄れと言っても
お前のこといだ。 今日は帰ると言うだろ~
今日は僕がお前のところへ行ってやる。
食事を作ってお迎えしてやるから
… 」
苦笑しながら鍵を渡した。
しばらくして携帯の着信音が
…
先輩からだった。
出るなり …
「
おい! 今 彼女の店の前からだ。 店がしまっているぞ~」
そんな電話をかけられても返事に困った。
あとで分かったが通常している先輩の店のような仕事をこなし
済めば店は閉店するようにという連絡だけがあったらしい。
日が落ち帰途に
…
彼女の店の前で停車し シャッターは閉められていた。
車を降りた。
シャッターに はり紙が貼られていた。
迷惑をかけるというわびの言葉と
勝手ながら都合により数日休むという内容だった。
私はひとりごとで
”
明日は花はお休みだ。
朝、先輩の店によってカウンターの花を一輪もらっていこうかな~
忘れな草じゃないけどいい …
”
マンションにつきドアを開けるといいにおいがした。
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