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YongJoon-Room
YongJoon-Room(https://club.brokore.com/maakoyon)
ぺ・ヨンジュンさんのことは勿論、これから成長される若い俳優さん達の成長も楽しみに楽しくお話できたらいいな~と思っています。 そして♪ あなたの私のあんな事 ・ こんな事も …
サークルオーナー: maako4 | サークルタイプ: 公開 | メンバー数: 30 | 開設:2009.06.23 | ランキング:80(5485)| 訪問者:9828191/11635836
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【 I'm loving you. 追憶 】



【 I'm loving you. 追憶 】 は 【 I'm loving you. 】の続編です。








No 18 HIT数 3267
日付 2010/02/17 ハンドルネーム maako4
タイトル 17話 【 I'm loving you. 追憶 】 
本文









【 I'm loving you. 追憶 】 17話




先輩はすぐに上がってきた。



大きな声で

私にもシャワーだけではなくたまにはゆっくりお湯につかれと

バスタオルを腰に巻き もう一枚バスタオルを首からぶら下げ

ミネラルウォターを片手にリビングに入ってきた。



瞼が腫れている。



この顔で店に出れないだろうとふてくされて話した。



結局明け方まで千代紙の裏に書き込まれた文を読み

ノートも読んでいいと許可をもらっていたから読んだと話した。



ただそれだけ話しながらも涙をこぼし私を抱きしめた。



玄関に靴がなかったことを聞くと

8階のベランダから前の公園を眺めていたら

少し外の風に当たりたくなり

ふらっと着替えないまま公園の中を散歩していたら糞便を踏み、

そのまま捨てようとしたがイタリアで買ったお気に入りの靴で

洗ってベランダに干しているということで解明した。



お吸い物を作るダシだけはとってあるが

買い出しに行く元気がなかったから

お寿司をとって食べようということになった。



待っている間に今日の報告をした。



勿論先輩が一番反応を示したのは

忘れな草が置かれていたと話した時だった。



ひつこく何度もいつ置きに来たのだろうと訪ねた。



私だけがビールを飲み先輩は今日は帰るから飲酒しなかった。



夜が更け先輩は帰って行った。



帰った後 茶封筒にノートと彼女へ一通の手紙?

そんな大げさなものでは …



メモ程度のペーパーを入れ封を閉じた。




~・~・~ ? ~・~・~



やあ~


ひさしぶり。



怒っている。

 

一言の挨拶もなく行くかな。



どう~

住み心地は …



とにかく …  とにかくだな~


こういうことだ。



ノートなかったらこの続きかけないだろ~



そうだ。



忘れな草でお世話になった花屋さん。


いとこだって …



まあ何かあったら連絡してくれ …

すぐに飛んでいくからとはいかないかあ~

じゃ~ 



明日



~・~・~・~・~・~・~・~・~




ノートの入った茶封筒を忘れないうちにカバンに収めた。



なかなか寝つかれなかったが目覚めは悪くない。



シャワーを済ませ先輩が簡単な朝食にと用意してくれていた

食事を取り寝室に隣接している部屋で今日着ていく服に迷った。



喪服というのも …



そうだ! 先輩だ!



携帯を手に取りダイヤルボタンを …



私が今日 何を着ていけばいいかとそこまで話すと 


さほど考えないで



「 濃紺のスーツもっていただろ~


それにしろ。


ネクタイも黒というのはなあ~


そうだ! 濃紺にグレーの織りがある 


ほれ …


お前の母さんから京都のお土産で 

僕のは少し派手目で一緒にもらったのがあるだろ。



それにしろ …


じゃあ なぁ 」



先輩は話すだけ話し さっさと切った。



どうしたのだろ~


店で何かあったのかな~?



そんなことを思いながら携帯を眺めていた。



あとでわかったが その日はフラワーショップの彼女が

花をいけ換えに来る日だった。



電話をかけた時間は彼女が訪れる時間まで

3時間ほどあるはずだったが

その時間から先輩は外を出たり入ったりしていたと話していた。



言われた服とネクタイを出し なるほどとうなずきながら着替えた。



墓地の駐車場には8時前についた。



いつもの荷物は車に残して ショルダーバッグだけを肩にかけ

彼女のもとに向かう。



「あっ! 」 と声をあげた。



素敵にラッピングされた真紅の薔薇が一輪置かれてあった。



手に取り少し眺めていた。



この薔薇は今日 行事がすべてが終わり 彼女と二人になった時に …



敷地内の片隅に置いた。



いつもしていることはお休みだ。



あ目玉もコーヒーもミネラルウォーターも車の中においてきたから …



何もしないで無の状態で彼女の前に立っていた。




携帯の着信音で我に返った。



住職からだった。



あなた様がもう来られていると窓口に座っていた者から聞き

祖父に連絡を入れたらすぐにこちらに向かうということです。



供養と言ってもお経を誦えその後墓石を …



お経を誦るのはわたくしがさせていただきますので


どうでしょ~


祖父がつき次第ということでもいいかという電話だった。



電話を切り 動揺し始めた自分がいた。



カバンに1本ぐらいは飲み物を入れておけばよかった。



今から取りに行くか自動販売機でと些細なことに戸惑い

何がそうさせているか分からない。




そうこうしていると人の気配に気がついた。



慌てて携帯電話の電源を落とした。



祖父が優しい眼差しで



「 ありがと~ そうされますか? 」



私にひと言声をかけ数回軽くうなずかれた。



住職様のお経が誦えられ穏やかな気持ちだったが

次の段階に事が運ばれようとしたあたりからどうしたのか?



また動揺している。



旅立つ前夜 

手術に時間がかかり

彼女のもとに行ったのは 消灯時間の数十分後だった。



そのころ 衰弱がひどく起き上がれない状態で

会話もなく彼女の手を握り見つめあい 

彼女の上瞼と下まぶたが瞳をおおい

少し見ているとうっすら瞼が離れ また閉じ 

そのうち開かなくなり 小さな寝息を耳にし

部屋を出ていくという日課になっていた。



その日は 何度も瞼が閉じられるが

何度も何度も 一生懸命あけようと …



私の方からもうおやすみ …


と 掛け布団のふとんの上から赤子をあやすかのよう

軽くぽんぽんたたき寝つかした。



彼女は寝つく前に


「 ありがと~ おやすみなさい ...... 」


とかすかにそう聞こえたように思った。



そのあと瞼が開かなかったので10時過ぎに部屋をあとにした。



まさか10数時間後に…




その後葬儀にも …



この夏休みになるまで一度もここに足を運ばなかった。



3年 …



彼女との再会が …



彼女がこんな形で …



涙は不思議と出なかったが 

ひざの力が抜けその場に膝まずいてしまった。



慌てて祖父と住職が駆け寄り大丈夫かと声をかけられ

大丈夫ですと言ったものの立つことができなかった。



周りにいた僧侶の方々の手を借りお経を誦る間用意されていた

椅子に腰をかけさせていただきそんな自分に驚きを隠せなかった。



彼女が死をむかえたということはこういうことなんだ。



と …



正気に戻ったのは事が全て終わり

あらためて住職と祖父から声がかけられた時だった。



住職から本堂に茶の席を設けてあるからと誘いがあったが

首を横に振り お二人は私の心中をお察しいただき

それではと何度か振り返りながら本堂に戻られた。



供養に使われた運ばれてきた物は 速やかに僧侶達の手で片づけられた。




椅子 1脚だけ残されていた。

 






 

 


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