容量 : 211M/300M |
メンバー |
Total :30 |
Today : 0 |
書き込み |
Total : 5205 |
Today : 9 |
|
|
【 I'm loving you. 追憶 】 |
【 I'm loving you. 追憶 】 は 【 I'm loving you. 】の続編です。
|
No |
23 |
HIT数 |
3006 |
日付 |
2010/02/23 |
ハンドルネーム |
maako4 |
タイトル |
22話 【 I'm loving you. 追憶 】 |
本文 |
【 I'm loving you. 追憶
】 22話
私の車を確認したのだろう。
大きく腕をまわし店の駐車場に誘導した。
駐車場に車を止めると先輩が助手席のドアをあけ
そばにいた従業員が持っていた荷物を手に乗り込んできた。
顔を見合わせ先輩が顎をしゃくり発進の合図をした。
言葉を交わさず私は発進した。
マンションが数分でつきかける頃
「
大丈夫か? 」
と 先輩が声をかけた。
その声でやっとおさまっていた涙が
…
気がついた先輩がごそごそしたかと思うとハンカチを手渡した。
鍵をあけドアを開けると先輩はさっさと部屋に上がり
無動作に靴を脱ぎ 灯りをつけキッチンへ姿を消した。
私は開けられた玄関に入ると 手の力が抜け玄関フロアーに
ドスンと荷物が手から離れた。
手から離れた荷物を眺めその横に腰をおろした。
今の顔を先輩に見られたくなかったのも知れない。
後ろでひと影に気がついたがそのまま振り向かなかった。
すぐその気配はなくなった。
先輩も気がついていたのかしばらくしてから背後から
「
先にシャワーしたらどうだ! 」
と 声がかかり先輩がキッチンに戻ったのを足音で確認し
そのまま浴室に
…
浴室から出てきたらリビングに食べ物が並べられていた。
ビールの缶を渡されソファーに腰をおろしひとくち飲んだ。
先輩はワインをあけグラスに注ぎながら
「
食べろ!」
食べ物を眺めていた私に先輩は小皿に盛り付け私の前におき
ビールの缶を私の手から取り箸を持たせた。
「
とにかく食べろ …
」
先輩はワインの入ったグラスをテーブルに置き
ソファーに私の方にむかって横になり
立て腕の手のひらに頭を預けしばらく私を眺めていたが
「
明日はどうする? 」
「 ……… 」
「 明日も行くのか?
彼女が言っていたが花は今日で最後だったんだろ。」
今回の夏休みには、彼女の所へは今日を最後に
明日は長く心配をかけていただろう
両親の顔を見に行くつもりにいしていた。
実家に行き 帰りは職場に顔を出し
患者の状況の把握をしに行くと予定を話した。
「
そうか。」
そのあとも沈黙が続きいたが 先輩が横たわった身体の姿勢を変え、
ひとりでいたいか? それとも帰った方がいいかと聞いてきた。
正直一人でいたいような
このまま先輩にいてもらった方がいいのか分からなかった。
「
わからない。」 と答えた。
先輩は戸惑っていたようにも感じたが
「
シャワーでもしてくるか!」
と席を立った。
しばらく出てこなかったので先輩が横になっていたソファーに横になった。
目が覚めたら明かりは落とされていた。
テーブルの上は片付いていた。
眠ってしまっていたようだ。
ケットがかけられていた。
私がソファーで眠ってしまっていたので寝室で先輩はと思いながら
のどの渇きもあったのでキッチンへ行った。
食べ残したものは冷蔵庫に収められキッチンも片付いていた。
”
帰る。 鍵はポストから投げ入れておく。”
と メモが冷蔵庫に貼られていた。
冷蔵庫からミネラルウォーターを出しひと口飲み玄関に
…
ポストから鍵を出し下駄箱の上に置いた。
玄関フロアーの荷物を眺めながらまた手に持っていた
ミネラルウォーターを飲んだ。
そのまま寝室へ
…
携帯を手に取り2時を回りかけていたのでかけるのはよそう。
ベットに横になったがまた携帯を
…
” ありがと~ ” とだけ文字を打ち込みメールを送信した。
すぐに先輩から ” またな。 寝る
” の返信が
…
苦笑しながら携帯をしばらく眺めていた。
ベットに横になりさっき目が覚めたばかりなのに眠気が
…
眠気を振りきり起き上がり玄関フロアーに …
ギターケースを手に持ち寝室へ
…
ギターケースをあけギターを出し書棚の前に立てかけ
「 今日からここが …
」
そこまで話しかけたがあとは声にならなかった。
眺めていたがベットに横になりすぐに睡魔が
…
目がさめシャワーをし昨夜の食べ物を冷蔵庫から出しほとんど食べた。
朝刊を読みながらコーヒーを
…
9時をまわり身支度をして実家に向かった。
父は日曜日だったが出かけていた。
母がうれしそうに微笑み迎えた。
縁側に腰を下ろし庭を眺めていた。
お茶と和菓子が運ばれてきた。
ゆっくりできるのかと聞かれお昼過ぎには帰ると告げると
じゃ~ お昼は一緒に食べれるのね。 と言ったが出かける前に
多く食べてきたので食べられないと話すと少しさみしげな様子を見せた。
しばらくして、 あのあ目玉の袋はあるかと尋ねると
少しはあるけれど どうしてかと聞かれたので、
夏休みをとり休んでいたと話した。
「
明日職場に持っていくと告げると相変わらずね。
いい歳をして …
」
と 小言を言いながら縁側に隣接している和室の
電話の受話器を手に取った。
以前行った老舗のあ目玉の店のようだ。
みつくろって体裁のいいように箱詰めにと注文している。
私は席を立ちそばに行き もうふたつと合図した。
電話を切り帰りにお店によってもらっていきなさい
と お尻をポンとたたいた。
いつものことだが会話もなくしばらくして帰ると告げた。
門の外に停めた車まで見送りにきた時、元気になったのね。
と 背中をなでた。
小さくなった母が大きく感じた。
車を走らせ まず母が頼んでいたものを取りに行き
職場に行く前にフラワーショップに寄った。
彼女は出かけていたがお世話になりました。
という言葉を添え母が用意したものを渡した。
日曜日の医局には誰もいなかった。
ロッカーから白衣を出し手を通し 病棟の詰所に
…
あちこちからお久しぶりですねと声をかけられた。
新患が増えており やはり忙しいかったようだった。
2時間程度であとにした。
そのまま先輩の店方向に車を走らせた。
駐車場に止め店のドアにはお昼の営業は終了。
17時30分からという準備中の札がかかっていた。
ドアノブに手をかけると中から人が出てきてお互いに驚いた。
店の従業員だろう。
17時半からで今は営業していないと丁重告げられた。
オーナーに用事があると話したが急用でなければ
5時30分以降にしてほしいと言われ 少しためらったが引き上げることにした。
車に戻りかけたが戻りその従業員に 手に持っていた紙袋を渡しながら
オーナーにではなく皆様でどうぞと手渡した。
名前を聞かれたがまた来るとだけ告げ駐車してある車の方に
…
しばらく走っていると携帯の着信音が
…
路肩に止め携帯に出た。
先輩からだった。
「 すぐ戻ってこい! 」
と
だけ耳が痛くなるほどの声で怒鳴りつけ切った。
どうしようかとも思ったが、
行かなければきっとマンションへやってくると思い
このたびは振り回し お礼は会って言いたかったので
Uターンをし店に向かった。
駐車場に先輩は出ていた。
2-3日前に知人に頼まれアルバイトで入った者の
言いなりにならずどうして上に上がってこなかったかと
ぶつぶつ文句を言いながら店に入った。
入ると店をまかされている支配人が謝りに近寄ってきた。
そのあと手土産のお礼を言われ
そのまま先輩の住居の階段を上がっていった。
夕方の仕込みで厨房は忙しくしていた。
部屋に入るとコーヒーのいい香りが漂っていた。
「
いいところにきたな~
聞いて驚いたんだかすごく高級な豆をもらった。
目ざましにたてたところなんだ。
」
と 言いながらカップを温めコーヒーを手渡された。
それぞれがカップを持ちリビングに
…
今日は予約が入っていていそがしい。
今から用事があるのかと聞かれ特にないと答えた。
すると暇だったら手伝えと言われた。
これも先輩流の思いやりだろう。
開店当初 規模が今の半分ぐらいだったが
従業員を十分雇いきれない状態だったので
ふら~っと尋ねるといつもこき使われていた。
これが結構気分転換になり、 先輩のようにお客様を
うまくあしらうことはできないが、 先輩の指示したことを
言われるがままに動いた。
部屋に帰ってもすることがないので気晴らしにいいかな~と思い了解した。
コーヒーを飲み終わったころ 電話が鳴り
店からの呼ぶ出しだった。
先輩は二人のカップを両手に持ち、 私の前に立ち頭からつま先まで眺め
「
まあ~ このままでよろしい。
それにしてもいつまでもカッコいいよなあ~
無職になったらいつでも雇ってやるからな。
」
と 言い笑った。
ネクタイはしていなかったがブレザースーツとでも言うか
先輩のようにセンス抜群ではないものの OKが出たので着替えなくて済んだ。
|
|
|