【 ドンヒョク 鬼のかく乱! はじめての病気 … 】 21話
「
あとあとまで語り継がれたのは ジニョンさんの卒業式の出来事なんです。
卒業生を見送るのは1年生 新入生を迎えるのが2年生だったのです。
だから僕はジニョンさんの卒業式に出席をする事が出来ました。
僕達は前日 体育館の卒業式の準備をしていました。
そろそろ終わる頃に 体育館の扉が開き3年生の担任教師と
後ろからついてくる女子生徒がひとり?
あっ! ジニョンさんだ。
僕は叫びそうになりましたが 慌てて声を呑み込みました。
壇上へ上がる階段横で 教師とジニョンさんが何か話していました。
そして壇上へ
…
ジニョンさんは 教師の話を首を縦に振りながら聞いていました。
僕は ひょっとして
ジニョンさんが卒業生代表で挨拶をするのではと?
きっとそうだ! と思いました。
しばらくして教師に 『
さよなら 』 とジニョンさんの声が体育館に
響きわたりました。
この時も やはり走って出口へと
…
教師が大声で 『 ソ・ジニョン!』
ジニョンさんは振り向き 『 は~い
!』
『 忘れ物 … 明日大丈夫か? しっかり練習してきてくれよ?
』
と 言って
少し大きめの白い封筒を手渡しました。
ジニョンさんが生徒代表で答辞を
…
僕は 急に心臓がドキドキと
…
そうだったら
僕が送辞の代表になっておけばよかったとこの時は後悔しました。
推薦されていましたので これだけは後々まで悔やまれました
」
「 そうそう! そうだった。 私 代表で … 」
「 すごいですね 」 と研修医のソンが
…
ドンヒョクも ほお~ と言う感じで満足感に慕っているようだ。
「
そして3年生の卒業式が拍手で始まり 事なく進められ
いよいよジニョンさんの名前が呼ばれました。
ジニョンさんは壇上に
…
シーンと静まりかえった会場内では 次の流れは ジニョンさんが
用意されたものを読み上げ
多分 涙涙でお別れという事だったのでしょうが?
壇上にあがったジニョンさんは笑顔で きょろきょろしているだけでした。
慌てた教師が 『
ジニョンどうした? 』 マイクが入ったままだったので
静まりかえった会場全体に響きわたり
参加者全員がジニョンさんに注目を
…
ジニョンさんは 『 はい! 』 返事はしたもののジニョンさんの第一声は
『
こんな眺めだったのですね 』 教師が
『 何がだ? 』
『
3年間 壇上を見上げていました。
壇上からの景色はこんなふうに見えるのですね 』
『 さあ。 もういいだろ~
』 と 教師が …
するとジニョンさんが マイクに向かい
『
三年生の皆さん 壇上に上がってみてみませんか? 卒業の前に … 』
教師は大声で
『
ソ・ジニョン! 何を考えているんだ! 皆も上がらないように … 』
..........
もう 時 遅し ..........
一瞬の間に数人を残し 3年生の生徒が壇上へ
…
それはそれは 大変な事に …
教師も収集が付かず
『
ジニョンどうにかして 早くはじめろ! 』
教師は諦め 退散 。
ジニョンさんが後ろを向いて同級生に何かを話していました。
そしてマイクに向かい
『
私は小心者。
壇上で一人マイクに向かうなんて! 今 後ろの皆にお願いしました。
私を助けて欲しいと
…
気持ちよく了解してくれましたのでこのままの状態で
ご挨拶させていただきます。
』
壇上から数人が下にいる3年生を呼びにいき 全員が壇上へ
当のジニョン自身も
ドンヒョクも研修医ソンも いよいよだといった感じで 新たな空気が
…
キム研修医が 今 見てきた話をするかのように続きを語りだした。
「 素晴らしい笑顔で 『
おはようございます。 ソ・ジニョンです。
とうとうこの日を迎えてしまいました。 複雑な心境です。
私は 毎朝毎朝 母に起され なかなか起きようとしない私に
母が最後の手段としていつも
『
じゃ お休みね。 学校に電話するわね
』 の一言で
勉強は別として 私は学校生活が生きがいでした。
電話で欠席などと言われるとその日一日は 私にとって地獄の一日です。
この戦いを続けて 一日も休む事無く この日を迎えました。
かあさん お疲れ様でした。 ありがとう。
それから 1年の皆さん大変だったでしょう。 会場の準備
…
ありがとう。
それから いつもやさしく私を 授業中眠らせていただき
先生方の御慈悲感謝します。 ありがとうございました。
』
会場内は大爆笑 …
すると教師の中から 『 いえいえどういたしまして!
』
またまた 大爆笑
…
ジニョンさんが
また後ろの3年生に何か言った後 一人ずつ順番に話し出し
時には笑いが
…
そして! 涙が
…
僕が 卒業を迎える時に知ったのですが
僕達の学校は教師と生徒が卒業式の2週間前頃に答辞の生徒代表を
投票するのです。
そして教師から選ばれた生徒と
生徒から選ばれた生徒をもう一度選挙し
その年の答辞代表が決められる仕組みだということを
…
ジニョンさんが選ばれた年は教師側も生徒側もジニョンさんだったのです。
この方法を導入して
両者が同じ人物を選んだと言うのは 初めてのことだったそうです。
午前中で終わるはずの卒業式がお昼がすぎ
父兄の方々から
パンと飲み物の差し入れなどがあり 会場内は大宴会場に
…
一通り 3年生の話が終わり 最後にジニョンさんが
『
こんなに素晴らしい卒業式を ありがとうございました。
学校生活最後の日に 学ばしていただいた事に感謝いたします。 』
教師の一人が 『
今日は寝なかったな~ 』 またまた大爆笑。
ジニョンさんが照れくさそうに
『
はい。 今日をもって眠り姫返上です。
』
勿論 またまた大爆笑!
それから ジニョンさんが続きを
…
『 私達 今日はひとつの場所から物を見るのではなく
場所を … 角度を … 高さを … 変えることで
… 』
ジニョンさんは そのような事を話され最後に
『 今日は さよなら ! そして
… こんにちわ! です。
ありがとございました。 』
僕達一年生全員も自然に3年生に 『 ありがとございました
』 と …
教師側からも 『 ありがとう~ がんばれ!
』 など声がかかり
すごい歓声で 終わりました。
2年後 僕達の卒業式があったのですが 全く例年通りの式典でした。
ただ違うのは
僕達の心の中で ジニョンさん達の卒業式を忘れる事ができず
その卒業式をそれぞれが胸にいだきながらの卒業式だっと思います。
僕はジニョンさんが卒業してしまったあと
学校に 行ったり行かなかったりで
また! 数年前の僕に
…
それでも 何とか卒業だけはできました。
僕は高校時代の同級生とは
殆んど付き合いもなく その後のジニョンさんの噂は
少ない情報の中で ホテルの専門学校の名門
UNLU に進まれたと
…
僕が このようにその当時の事を 鮮明にお話できるのは
いつもこの時の光景を
事あるごとに思い出し忘れる事が出来ませんでした。
ソ・ジニョンという女性を忘れる事が と 訂正させていただこうかな
」
この時 ドンヒョクは激しい嫉妬が ?…
いや! 静かなジェラシーが
…
とにかく心中 定かではなかった。
「
これで長い時間かかりましたが 青春時代のけじめがつきました。
あと数ヶ月で 研修医としての研修も終わります。
これで社会人として
新しく一歩が すがすがしい気持ちで踏み出せそうです。
こうしてジニョンさんとの再会で
また大切なお時間をいただき 話を聞いていただき
人生の節目を乗り越えられたように思います。
ジニョンさんの名言
…
『 今日は さよなら! そして … こんにちわ♪ 』 と 言う事で …
」
ジニョンが 『 こちらこそありがと~ 』