【 ドンヒョク 鬼のかく乱! はじめての病気 …
】 最終話
「
ナースステイションから ジニョンさんを見たときは
景色がスローモーションに … 」
「
そうだよ。 僕は ジニョンさんだと思い
カン君に教えてやろうと 横を見るとカン君がなんだかおかしな表情に
…
声をかけてもただぽ~っと!
頬を軽く数回叩き大丈夫か …
と
声をかけやっと我に返ったカン君が 涙声で
『 ジニョン! ソ・ジニョン … さん!
』 と 指をさしたんです。
カン君とは かれこれ8年近くの付き合いなんです。
最近は二人とも研修場所が違い以前のように
逢うことがなかったのですがそれが 早朝 廊下でばったり。
二人とも夜勤明けで今日は休みなので 久しぶりにお茶でも飲んで
近況を話し合い その後早めのランチをする事に
… 」
「 それが ソン君がその前にひと仕事を …
珍しい事に身なりは整え 夜勤明けとは思えない動きに
…
質問をしたのです。
すると! 教えてやるとから 君は早く昨夜の申し送りをして
10階のナースステイションにくるようにと言うのです。
ソン君が 『
心がときめく人にであったんだ。 』
と 話し出したとたん ジニョンさんが目の前に … 」
二人は 代わる代わるせきを切るように話し出した。
「 カン君の謎が解けました。 こんなに長く付き合っているのに何かが …
」
ソンは大きな掌を胸に …
「
このあたりにつかえるものがあり すっきりしなくて!
先ほど話しましたが カン君とは長い付き合いで
かと言っていい入り込まない入らないとでも言うか
距離を保ちいい関係できました。
ですから 相手からはなさない限り
特に初恋の話などこちらから聞くこともありませんでした。
僕は話しましたけれど
…
勿論集まれば男性は女性の話になることもありましたが
そういうとカン君は いつも静かに聞いているだけでした。
学生時代は 何かあるたびに飲み会があり
2次会はほとんどといって言いぐらい よくカラオケに行きました。
カン君は 音楽は嫌いではないようなんですが
ただ一人 絶対歌わないカン君に ある時 どうしてもとみんなで
…
断りきれなくなったカン君が マイクを
…
そしたらアカペラで ボソボソ歌い始め
最初は冷やかしも入っていましたが そのうち静まり返り涙するものも
…
上手とは言えないものの 僕はその歌は 聞き覚えがありました。
歌いだした時 以前から 時折ポッンと一人の時に
僕の存在に気がつかずいつも同じ曲を口ずさんでいた曲でした。
歌詞はいつもボソボソと歌ったいるので
その時 初めてはっきりと聞きすごい素敵な歌を歌ったんです。
あの曲を口ずさみながら
ジニョンさんの事を思いだしていたんだな~と 今思いました。
」
「 聞きたいわ … ね! ドンヒョクさん …
」
ドンヒョクの心中はそれどころではなかった。
ふたりの研修医が語る内容に口元は一文字。
こぶしを握り閉めていた。
ジニョンに声をかけられたがジニョンをチラッと見ただけだった。
うつむいたままのカンを横目で ソンが
「
じゃ~ 僕が暗唱してる歌詞でいいですか?
でも ちょっとてれるな~ はい! ソン 頑張ります~ 」
体育系ののりでいったものの ソンはちょっとテレながら語りだした。
ところどころ 思い出したのかメロディーにのって
…
~ ・ ~ ・ ~ ・ ~ ・ ~ ・ ~ ・
~
そ~っと! もらすため息は そっくりみんな君のため
もう一度 もう一度 逢いたい~
さざんかの咲いているこの道を 君と歩いたこの道を
…
頬に流れるその涙 そ~っくり みんな君のため
もう一度 もう一度 逢いたい~い
・ ・ ・
~ ・ ~ ・ ~ ・ ~ ・ ~ ・ ~ ・
~
途中ですがこんな歌詞なんですが メロディーがスローで
カン君がボソボソゆっくりと哀愁があって何ともいえないんですよね。
ある時 カン君に この曲の事聞いたんです。
すると 医学部に入学したての頃に
ギターを弾きながら歌っているのを聞き
耳にした時は 涙が止まらなかったそうです。
一度聞いただけで覚えたらしいです?
」
トントン!
ドアが開き看護師が入ってきた。
「
あれ~ どうしたんですか? 先生方? あっ! 遅くなりました。
」
ジニョンに用紙が渡された。
看護師から 大学の付属病院では
一日かなりの数の退院があり
殆んどの方が前もって退院日が決まります。」
ジニョンが
「
急で … 私もびっくりしたのですよ。」
と、 ” 急 ” での後に
「 すみません
…」 の 断わりの言葉と思っていた看護師は
あとにつけられた言葉に唖然としながら説明を続けた。
いろいろ手続きがあり ドンヒョクのように急な退院の場合は
手続きが手間取る と いう 遅くなった弁解の説明が長々と
…
研修医達もひきあげる事に
…
研修医達が 手続きが終わったあと みんなでお昼にという話題に
ジニョンが それだったらソウルホテルでと提案したが
ドンヒョクが社長室にいるから3人でと体裁よく断った。
ジニョンは ドンヒョクさんが行かないのだったら
また後日にと二人には改めての約束をした。
カン研修医が
「
ソウルホテルには良く食事にいきます。
実家の行事は 事あるごとにソウルホテルをよく使います。
母は従業員の教育がよく行き届いていて安心して
お客様の接待が出来ると
…
母はソウルホテルがお気に入りで … 」
ジニョンが 「 ありがとうございます。
」
「 どうして ジニョンさんがお礼を? 」
「
ジニョンさん ソウルホテルで支配人をされているんだ!
シンさんはソウルホテルの理事でそれだけではないんだ。
ああ~ その話は食事の時に
… 」
二人は そつなく丁重に挨拶をし 特にカンは目にうっすらと光るものが
…
ふたりは帰って行った。
ジニョンは いつものように元気印だが
ドンヒョクはジニョンを見ながら大きなため息を
…
ジニョンは 一人で大丈夫と言い
退院窓口に退院の為の手続きと支払いに
…
ドンヒョクは 深くソファーに身をまかせ 静かに目を閉じ
初めて床に伏せたった数日間を思い浮かべていた。
妹であるジェニが ジニョンの肌の温もりや匂いに
記憶のない母の面影や温もりを感じ涙したことを
…
そして! レオの生い立ち
…
ハン・テジュンと言う人物が シン・ドンヒョクにとって
現在もこれからも単なる存在ではないという事。
ソ・ジニョンが シン・ドンヒョクだけではなく 多くの人々に
常に影響の大きい女神であるという事。
そして! ジニョンの知らなかった過去の一部。
二人の医師からは プロフェッショナルとしての生き様。
人としての幅?
大きさを …
二人の研修医 自分が歩まなかった青春の一部を
…
数日の時の流れの中で多くの収穫を
…
心のアルバムに収め
ドンヒョクは
今回改めて人との出会いをふれあいを大切にして行こうと
…
いや! していかなければと
…
病気は完治? し 健康な身体を取り戻しただけではなく
心の健康をも 取り戻したドンヒョクは
…
まだ見ぬ 知りえない未来に 明かりを灯し続けてくれるであろう
…
ソ・ジニョンという女神とともに
愛の巣へと …
ソ ・ ジニヨン
… 愛してる …
そして …
シン ・ ドンヒョクをいつまでも
…
… 愛して欲しい …
・ ・ ・ ・ ・
【 完 】
|