【 ドンヒョク! 鬼のかく乱 はじめての病気 … 】 理事退院おめでと~♪
ガチャ!
ドンヒョクは、
多分同じ音だろうがこの音すら 新鮮で心地よく
大きく深呼吸とともに目を閉じ ドアノブに手をかけ
宝箱を開けあけるような心境だった。
いつもなら 中にいるジニョンに早く逢いたくて
一気に大きく開く同じドアを
心臓の高鳴りを押さえ 少し … そして! また少し …
後ろから
「 早く! 入りましょうよ~ 」 と …
そして! ジニョンが手を伸ばし一気にあける。
ジニョンがドンヒョクを押しのけ玄関フロアーに入り
くるりとドンヒョクのほうに向き
「 おかえりなさい! 」
ジニョンスマイルで迎えられた。
ジニョンの手が差し伸べられドンヒョクの手を …
ドンヒョクは 大きなため息をひとつ。
数日の留守にもかかわらず 長く家を空けていたという感じがする。
ドンヒョクとジニョンは むかい合い しばらく見つめ合っていた。
ドンヒョクは大波小波のおしよせる動悸を感じながら
ジニョンを引き寄せ そっと包み込んだ。
ジニョンもドンヒョクの背中に手をまわし
ドンヒョクから打ち寄せる鼓動感じながら
水鳥の羽のように やわらかく …
優しく … 暖かく … 穏やかに …
ドンヒョクの腕の中に包み込まれ 温もりを全身で受け止めた。
ドンヒョクも ジニョンを愛おしく今まで以上にジニョンへの思いを
全身で … 心で … 感じ取った。
そして 見つめあい どちらともなく 唇を …
ドンヒョクは 数日前まで いや! 正確には 入院前までは
ジニョンという女神を 息が出来ないくらい強く強く力いっぱい
しっかりと腕の中に 抱きしめ ジニョンを感じようとしていた。
どうしたというのだ? シン・ドンヒョク!
今 この瞬間 僕の唇が 君の唇に軽く触れ
そして 見つめ合い ジニョン … 君を強く強く抱きしめなくても
ソ・ジニョンを 心で … 全身で …
どうして! どうしてなんだ?
” はあ~ ” っ と 大きな吐息を吐き ジニョンの顔を眺め
そしてまた胸の中に包み込み
静かに時をの流れを感じながら …
唇を重ね
どちらともなく お互いの唇の奥の温もりを …
けたたましくチャイムの音が …
ドアの外が騒がしい …
二人の世界が一転した。
二人はドアに目をやり 顔を見合わせながらドアに向かう。
ドアが開き 「 あっ ! あいているぞ 」 と言いながらテジュンが入ってきた。
そのあとに続き 手にそれぞれが何やら提げ
制服のままのホテリアー達が ドヤドヤと!
「 退院おめでとうございます 」
「 理事大変でしたね 」
「 おめでとう♪ 」
「 お帰りなさい … 」
「 もう大丈夫なんですか? 」
「 入院なんて驚きました! 」
口々に それはそれは 収めどころがないぐらい賑やかに …
テジュンが
「 皆が退院を知ってお祝いを … お見舞いにいけなかったから … 」
スンジョンが
「 社長 違いますよ。 お見舞いにいけなかったからではなく
行かせてもらえなかったでしょう。 正確にお話してください!」
「 細かい事は抜きにして 急がないと時間がないぞ 」
ドンヒョクとジニョンは呆れ顔で顔を見合わせながら ジニョンが
「 時間がないって? 」
「 休憩時間だ! 」
慌ただしく 持ってきたジュースをグラスに注ぎながら それぞれに配り
仕事中と言う事でアルコールはさけたようだ。
「 その前に ちょっとお待ちになって ! 」
そう言いながら スンジョンが ドンヒョクのグラスを手からとりジニョンに …
「 理事 御退院おめでとうございます。
でも お顔色よろしくございませんが …
でも素敵! ああ~失礼致しました。
急な御退院で
ソウル中 真紅のバラを捜し求めましたが 300本 間に合いませんでした。
少し足りませんが
ソウルホテルの従業員全員の情熱の色と 同じ色の真紅のバラを … 」
テジュンが
「 どこから見ても足らない方が多いだろう? 」
スンジョンは 表情ひとつ変える事く
「 まあ~大変申し訳ございません。
この私が …
10分の1に少し足りないと訂正させていただきます 」
大爆笑の中
… 乾杯 …
隅の方にいる料理長をドンヒョクとジニョンが見つけ 料理長のそばに …
「 この度は 大変お世話になりました。 ありがとうございました 」
ドンヒョクが頭を下げた。
ジニョンも料理長に
「 差し入れが待ちどうしくて 入院が長くなっていたら
私の身体大変なことに … 」
そこまで言いかけると 料理長が
「 案外早かったな 」
「 そうなのよ。 ドンヒョクさんが急に今日退院するなんて! 」
「 まあ とにかくよかった。 無理するなよ 」
「 はい! 」
テジュンが
「 さあ 交代しないと … 片付けて! 」
ジニョンが
「 交代って? 」
スンジョンが このサプライズのいきさつを説明しだした。
「 そうなんですのよ。
皆が理事の御退院を知り 一目 お目にかかりお祝いを
誰が行くかで 抽選まで致しましたが まとまらず もめにもめ
結局 本日出勤者全員がということに …
まさか 病み上がりの理事に
順番にまわっていただくというわけにはいきませんでしょう 」
「 私はかまいませんよ … 」 と ドンヒョクがにこやかに答えた。
ドンヒョクも こういう言葉もすぐに返す事が出来るように …
「 そこでですね。
名案が … 3班に分かれまして 交代でこのような形をとりました。
従いまして理事 あと2回のカンパイを …
お疲れでしょうがお願いいたします。
乾杯は紙コップではなく せめてグラスだけはご用意させていただきました。
それはわたくしが 提案いたしました。」
ドンヒョクとジニョンは 顔を見合わせ 幸せを噛み締めていた。
すばやく ホテリアたち達 あっと言うまに もとのリビングに …
いさぎよくひきあげた。
入れ替わりにレオが入ってきた。
「 テジュン連絡ありがとう。
今 聞き 飛んできたんだ。 間に合わなかったみたいだな 」
スンジョンが
「 いいえ まだ大丈夫ですよ 」
「 スンジョン 急がないと! なにしているんだ? 皆帰ってしまうぞ 」
「 社長! 私は 花束の贈呈というお仕事をこなさなくてはなりません。
あっ! 理事、その花束 お返しいただけますか? 」
すまして言うスンジョンに ドンヒョクも呆気にとられて
苦笑しながら言われるままに 花束をスンジョンに手渡した。
レオが 「 ボス … 」
声にならず 握手を … 目には光るものが …
「 ボス! お帰り … 」
首を縦に軽く振りながら 「 よかった! よかった! 」
レオが 心なしか一回り小さくなったようにも?
「 それで まにあったのだな 」
「 はい! もう少しお待ちくださいね 」
スンジョンは そう言って部屋のあちらこちらを探索しだした。
「 ドンヒョクさん ソファーに腰かけたら … 疲れない? 大丈夫?
レオさんも テジュンもどうぞ … 」
テジュンが
「 すまないな。 みんなも心配してたんだ。 後日と言ったのだが
押し切られてしまったよ。
皆 熱いからな~
もう少し我慢してくれ。 出来るだけ早く切り上げるから … 」
また外が賑やかに …
チャイムがなり ドアが開き ホテリアー軍団 2班が …
スンジョンがどこからか現われ 仕切りだした。
「 はいはい こちらで 飲み物の用意を …
はい いいですか? 行き渡りましたね。
それでは 理事お誕生日じゃなくて 御退院おめでとうございます。
これは ソウルホテル従業員全員の思いを
情熱は 300本以上でございます。
どうぞ~ 」
そしてカンパイ!
ドンヒョク ジニョン テジュンは スンジョンの演出に笑いが止まらなかった。
嵐去りスンジョンは 「 理事 度々 … 」 手を差し出し花束を …
「 次回で この花束は理事の物になりますので 今しばらく … 」
レオだけが この状況を把握できずに落ち着きがない。
ドンヒョク レオ テジュン ジニョンと話が弾みひと息し
スンジョンがいないのに気がつく。
あたりを見渡したが? ジニョンが不吉な予感? 寝室に直行!
「 先輩! 何をしているの? もう~ 」
ジニョンの声に驚き 男性群が寝室に …
男性達の足音に気がつきジニョンが 慌てて 寝室のドアを閉め
「 大丈夫 ! もう少しあちらで待ってて … 」
男性達は お互いに顔を見合わせリビングへ
寝室の中では
「 どういうつもりなの~ 」
「 何が~ 」
「 何がって! 信じられないわ。 とにかく起きて 起きてください! 」
スンジョンが ベットの布団の中で枕を抱え横になっていた。
「 ジニョンって案外けちなのね 」
「 けちとかっていう問題じゃないでしょう! 」
スンジョンはしぶしぶ布団から出る。
まだベットの上でごろごろと!
「 ねえねえ~ ジニョンはどっちに寝ているの? これだけ広ければ 」
意味ありげに
「 まあ~あ! 広さは関係はないけれど … 」
ジニョンはスンジョンをベットから引きずりおろし
なんとかベットを整え
スンジョンの手をひきリビングへ …
ドンヒョクが
「 ジニョンどうしたの? 顔が赤いよ … 」
スンジョンが
「 ジニョンに叱られました 」
また 男性達は要領を得ない顔を …
テジュンが
「 スンジョン 3班おそいな 」
「 お電話でもなさったら … 」
「 なんだ! ご機嫌斜めか? 」
「 何か飲み物でも? 」
「 ジニョン! 3回も乾杯よ 」
「 そうね。 じゃ! 果物でも … 」
ジニョンがキッチンに …
ドンヒョクも立ち上がると スンジョンが
「 あら 理事どちらへ! 」
「 キッチンへ … ジニョンを手伝ってきます 」
「 まあ~ お優しいのね。 それでしたらわたくしが … 」
「 お客様はごゆっくり … 」
「あら そう~ 」
テジュンが
「 スンジョン! あらそう~ じゃないだろ~ 僕達お客じゃ …
まあいいか! 」
ドンヒョクがキッチンへ
「 ジニョン何かあったの? 」
「 あっ! ドンヒョクさん 」
ジニョンは 軽く微笑み
むき終え切ったりんごを一切れドンヒョクの口に …
そして オレンジ等を体裁よく盛り付けリビングへ
外が賑やかに …
3班到来 …
全く同じような流れで 事が運ばれ 退院祝いと称する
ソウルホテルのホテリアー達による乾杯行事は無事に終わり
それぞれが各自の部署に戻っていった。
二人は リビングのソファーに深くすわり
ドンヒョクとジニョンが同時に
大きな吐息をひとつ!
顔を見合わせ口元に笑みを …
この一瞬の出来事に二人は しばらく放心状態が続く。
「 ねえ~ドンヒョクさん 私達ってしあわせよね~ いい人達に恵まれて … 」
………?
返事が返ってこない … ?
ジニョンは 深く座っていたソファーを浅く座りなおし ドンヒョクを …
ジニョンは 目も耳も疑った!
ドンヒョクが? 眠っている … 静かな規則正しい寝息を …
ジニョンは このようなドンヒョクの姿ははじめてだった。
いつもジニョンが
眠ってしまい ドンヒョクは抱きかかえてベットへ …
それは私には不可能 しばらくはこのままで …
目を覚まさないように そ~っと ケットをドンヒョクにかけた。
ジニョンはこの予期せぬ出来事に あらためて幸せを感じながら …
今日は ジニョンが ドンヒョクの寝顔を …
~・~・~ ドンヒョク と ジニョン の 仲間たち ~・~・~