【 ドンヒョク 鬼のかく乱! はじめての病気 … 】 5話
”
チ-ン
”
10階のエレベーターの扉が開いた。
この階に入院する病室が用意されている。
エレベーターの扉が開きジニョンが
「
うわ~
」
階下の雑然とした雰囲気とは別世界。
ジニョンの驚きは無理もなかった。
エレベーターの扉一枚の仕切りで別世界が目の前に現れた。
ナースステーションは 一部カウンター式で
ナースステーションを中心に広い廊下に面し 病室が設けれている。
この階は 特別室が10室余りあるが
各部屋のタイプはそれぞれ違っている。
高級ホテルを思わせる。
各階は 診療科ごとに区分されているが
この階は科には関係なく入院患者を扱っている。
この階に配属されている看護師達は 高度な医療技術のみならず
人格その他あらゆる分野の教育がされている。
もっとも重要視されるのは秘密厳守という項目である。
国や大企業を動かすような事柄に遭遇する。
聞いてはならない事や 見てははならないことを 判断しなくてはならない。
また、
ナーステーション内のカルテにおいても通常のカルテの扱いから見ると
個人情報等を含みかなり厳重に保管・管理されている。
ドンヒョクを迎えにいった看護師は 今 予備軍として教育中である。
畑違いのようにも思われるが プロの目からは
この看護師にも隠れた才能があるらしい
…
ドンヒョク達はエレベーターを降り
ナースステーションのカウンターの前に誘導してきた看護師が
「
3号室の シン・ドンヒョクさん お願いいたします。」
カウンターの横のドアが開き 30歳前後と思われる中肉中背
美人ではないが清潔感が漂う看護師が
「 こちらです … 」
ジニョンが押してきた車椅子を押しながら 1003号室の前で止まり
「
こちらのお部屋です。 」
1003 と 表示されたドアの前で
「
このお部屋は1003号室です。
前二桁の数字は階をあらわしています。」
ですから ここは10階ですのでいちまる! 後ろ二桁は部屋番号です。
通常この部屋は3号室と読んでおります。
書類等に部屋番号をお書きになられる時には
1003号とお書きください。
」
落ちついた 一定のリズムでメリハリがあり
聞き取りやすく 耳ざわりのよい説明だ。
「
どうぞ … 」 部屋が開けられた。
ジニョンがまたも 「 うわー 素敵! ホテルみたい。
」
そんなジニョンに少し驚いた看護師は 苦笑しながら
「
こちらの寝着に着替えられましたら
枕もとのナースコールで連絡してください。
通常は この時点で簡単なお部屋の説明 病院の日課等
を
ご説明させたいただいておりますが 患者さんが
高熱があるとのことですので着替えが済み次第
医師の診察があり 指示のもと処置にかかります。
その後 患者様はご無理のようですので
ご家族の方にカンファレンスをさせていただきます。
」
看護師はベットの枕元の方に行き
「 このボタンで …
」 と いいかけ振り返り
うなじをたれていたドンヒョクが顔を持ち上げた。
看護師は この時にはじめてドンヒョクの顔を正面から
…
目と目があった。
最初の看護師ほどではないが 確かに動揺は隠せない。
あらためてナースコールの説明をし始めた。
「
このボタンです。 」
と 言い部屋を後にした。
テジュンが ベットの布団の上をポンポンとたたきドンヒョクに
「 ここに
… 大丈夫か?
」
車椅子から立ち上がったドンヒョクはふらつき
テジュンとレオに支えられベットに腰を下ろす。
ジニョンは まだ部屋の中が気になるらしくキョロキョロ
・ うろうろ …
そんなジニョンにテジュンが荒声で
「 ジニョン着替え!
」
ジニョンは 頭をペコッと 舌をペロッと出し
ベットの上に用意されていた寝着に着替えさせ
ドンヒョクはベットに横になる。
テジュンがナースコールをおす。
「
はい! いかがされましたか?
」
ジニョンは 天井から聞こえてきた声に驚き
テジュンの方を見てジニョンが 「 テジュン
はやく~ 」
テジュンがジニョンをにらみながら
「 着替え終わりました。
」
「 はい。 わかりました。 」
「 なんだ! 簡単なんだ 」
「 ジニョン!
」
「 なによ! 」
「 さっきは なかなかのもんだなあ~ と 感心したのに … 」
「 さっきて! 」
「 看護師から車椅子 奪いとった時だ。 」
「
ああ~ あの時ね~ だって ドンヒョクが殺されると思ったのよ。
あの車椅子の押し方 すごいスピードで
…
ねえ ドンヒョク辛かったでしょう~ 」
ドンヒョクは 苦笑いしながら 心の中で
…
” あのぐらいのスピードは楽勝だよ。 ジニョンのあれに比べれば …
”
ドアがノックされた。
先程の看護師と 白衣を着た小太りの優しそうな
おじさんと言う感じの医師が笑みを浮かべながら
「 おはようございます。 シン・ドンヒョクさんですね。」
ドンヒョクの脈をとり
…
「 はい。 いいですよ … 次は胸を …
」
看護師が胸を開けると 医師が
「 ほお~
」 と 一言! 看護師は かなりの動揺を隠せない。
医師は聴診器で聴診 … そして、 軽く膝を曲げさせ お腹を
…
「 痛いところありませんか? 」
膝の下の骨の部分を軽く押し 「
浮腫はないようですね。
それでは 口を大きく開けてください。 」
テジュンは ” ほお~
” ドンヒョク学習したなぁ。
偉いぞ~ それとも!
嵐の前の静けさか?
ここまでは何とかクリアーと言う所だ。
次に問題は
のどか? 不思議な事にスムーズに …
医師への 不信感は消えたようだ。
「
ああ~ これはひどい!
よく頑張りましてね。相当痛みがあったでしょうね。
当然これだけの炎症 高熱は …
当分食事も取りにくいでしょうね。
食べれるようでしたら なんでも食べていただいていいですよ。
」
医師はカルテを見ながら 紹介者と称するホテルの待機医師からの
経過報告書をかいつまみ読み上げた。
本来ならまったく同じような事を 患者に質問するのだが
今のドンヒョクの症状からでは大変だろうと このような形を
…
ただし既往歴・アレルギーに関しては再度確認された。
「
付け加える事はありませんか。 報告された内容でよろしいですか? 」
「 それでは治療といたしましては 点滴に抗生物質
ビタミン剤
その他詳細につきましては点滴時に表示いたします。
勿論 点滴事態が水分の補給と言う事になりますが 体重は?
」
それぞれが顔を見合わせるが 知っている者はおらず
ドンヒョクにジニョンが
「
ドンヒョク さん 」
目を閉じていたドンヒョクが … テジュンは変な予感???
「 どうして体重を?
」
テジュンは ” はあ~
” と 軽く頭を数回横に振り
またか! どうして? なぜの始まりだ。
” 体重ぐらい聞かれたら答えろよ!
”