【 ドンヒョク 鬼のかく乱! はじめての病気 …
】 6話
医師が語りだした。
「
点滴の摂取量の目安です。
私たち人間は、 水分と言うものはとても大事なんですよ。
病気の時だけではなく元気な時でも経口から
体重25キロで大体
1000 mm
1リットルを、目安に摂取するといいのですよ。
シンさんの体重は?
ドンヒョクは 「
74キロで前後です 。」
「 では 最低3リトルということですね。
あ~ 勿論ドンドンくちからも …
」
「 それは私が … 」
ジニョンが得意な顔で 「 思ったより上手に出来ました。
」
テジュンが慌てて 「 ジニョン!
」
医師は 最初はキョトンと そのあとすぐに
少し口を開けたまま 2~3回首を上下に振り
「
私も熱が出たときにはワイフにたのもうかな~
そうですか。
上手に出来ましたか。
」
尚も ジニョンは得意げに話を続ける。
「 はい! 朝 テジュンが水を飲ませろって …
」
テジュンの方が顔を赤らめジニョンを黙らせた。
医師はドンヒョクの方を見て 「
シンさんはお幸せですね。 」
ドンヒョクも薄目であんなに医師をにらみつけていたにもかかわらず
この時ばかりは 素直に即答で 「 はい!
」
この医師は言葉のキャッチボールもなかなかのものである。
「
それではそちらの方は 奥様にお任せするとして … 」
ジニョンがまた口を開いた。
「
はい!
ドンヒョクがワインを飲ませてくれた時を思い出しながら上手に … 」
レオが 「
ボス! 二人の時は何をしてるんだ …
世界をまたに駆けたハンターが …
」
医師とナースが不思議に
「 シンさんのお仕事は 確かソウルホテルの理事を …
」
テジュンが 「 はい! そうですが … なにか? 」
医師が 「
ああ~ 今! ボスとかハンターとか? 」
「 シンは ソウルホテルの理事の他に 経営コンサルタントの会社を …
こちらは そこで弁護士兼 シンのいろいろお世話係と申しますか?
ソウルホテルでは理事と呼んでおりますが
別会社の方では従業員全員、 ボスと読んでいるようです。
」
「 ほお~ 」
「 その他の事はまた雑誌か何かで …
」 と 言いかけると
ドンヒョクが 「 そこまでに! 」
その一言で 雰囲気が
…
テジュンが 「 ひとつお伺いしてよろしいでしょうか? 」
「 どうぞ 」
「
シンがお世話になりました 昨夜 ホテルの医務室の
当直医の先生にお会いになられる事がおありでしょうか?
昨夜はいつも来ていただいております先生の代行と聞きました。
多分ホテルの医務室には こられないように聞きました。?
」
「
ああ~ シンさんの紹介者ですね。
シンさんの紹介者の医師と私は同級生で
あの医師は ああ見えてもすごいやつでしてね。
私と同級生なんですよ。
私も 彼から直接電話が入り シンさんの報告のあと
不思議だったので
質問したのです。
『 お前がどうしてそんな所から患者を紹介するんだ。
』 と?
昨夜ホテルの夜勤に行くはずの教え子が
奇跡に望みをかけている
担当している患者さんの
希望で誕生会を病院の屋上で急遽決まり、
かわってやったんだ。 と 言っていました。
それで! あの医師に何か?
」
テジュンが 「 バタバタしておりまして、 ご挨拶もしないままに
…
お会いされる事がありましたら、 大変お世話になりまた。
このようにすばやい対応に感謝していたと!
それからシンが大変失礼を
… 」
ドンヒョクはテジュンをにらんだ。
「
何かあったのですか? 私が聞きましたのは
大変素晴らしい患者さんと聞きましたが
逢いましたら 必ず伝えておきましょう。
」
看護師が 「
いち度ナースステイションに戻りまして
処置の用意をしてまいります。
点滴を行いますので排尿を済ませておいてください。
」
と、 言い残し医師達もひきあげた。
テジュンが非尿のためトイレに誘導しようとドンヒョクを
起こしかけたが ドンヒョクは手で言いと言う合図を
…
レオがドンヒョクの顔を覗き込み
「 ボス! ボスは注射したことあるのか?
」
「 いや … 」
「 俺もだ。
怖くはないか? 痛いだろうなぁ~
ボスが注射すると思うだけでも身震いするよ。
点滴ってあのぶら下がっている大きなやつだろ。
」
あのハンター達の会話とは思えないかわいい流れに テジュンが加わり
「
レオやめとけよ。
ドンヒョクそれでなくても大変なのに脅かしてどうするんだ。
それにしても本当に一度も注射したことがないなんて
そっちの方が七不思議だよ?
それじゃ~ 注射は別として血液型とか?
健康診断のときの血液検査は? 採血すっるだろう?
」
「 健康診断? そんなのしたことないよなあ~ ボス!
採血? 注射器でという事か? しなかったな …
」
「 じゃ! どうして血液型がわかるんだ。 」
「
何か小さなものをあてがい耳たぶからと、
もう一回は指の先からとった。
蚊に刺された程度 チュクってとこかな。
」
「 へぇ~ それで解るのか? 」
「 そうだったよな~ ボス!
」
「 ああ~ 」
今度はジニョンも加わり …
「
それにしても 幸せねえなことよね。
今まで注射をした事がないって言う事は
元気だったって言う事でしょう
。 」
「 そうだなぁ。 ボスもおれも病気なんてする暇がなかったんだ。 」
「
そしたらドンヒョクさんはじめて身体に針をさすのよね。
点滴怖い … ちょっと怖いでしょう?
」
さっきはレオから同じ質問には無視していたドンヒョクも
ジニョンに聞かれると素直に
「 うん … 」
聞き取りにくい小さな声で答えた。
「 やっぱり …
」
「 いやに素直だな~ 俺もこわいよ。 泣くなよ。 」
「 もお~ レオさん!
ドンヒョクさん大丈夫。
私の手を握っていたら … 」
「
それはそうと ジニョンさんやテジュンはしたことあるのか? 」
「
注射? 病気ではめったにないけれど ソウルホテルでは一年に一回
健康診断で採血するもの。 そしたら今度からドンヒョクさんもよね?
」
「 そういうことになるかな。 ドンヒョクはソウルホテルの理事だからな 」
テジュンが言った。
レオが …
「
どうして健康診断を一年に一回するんだ? 」
「
勿論 従業員の健康の管理と言う事だが
一番はお客さんに対しての責任というか? 」
「 責任?
」
「 知らない間にたとえば結核とか? 感染するような病気に
かかっていると大変だろう。 ホテリアーは健康でなければ
…
採血だけではなしにレントゲン写真とか
厨房などは 便の検査は度々している。
」
トントン!
ドアが開き
トレイになにやらいろいろ入ったものを持った担当看護師
と、 主治医
そしてもう一人若い医師が入ってきた。
看護師が 「 排尿済ませましたか? 」
「 はい … 」
ジニョンが答えた。
テジュン と レオ がジニョンの顔を見て苦笑した。
ドンヒョクが緊張するのはわかるが
他の3人もそれ以上にカチカチに固まっている。
点滴も 無事と言っていいのだろか?
針がさされたる時に
ドンヒョクの眉間のしわがいつもより多くよせられた程度で開始された。