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メンバー |
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書き込み |
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【 短編 】 |
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No |
1 |
HIT数 |
1261 |
日付 |
2010/04/13 |
ハンドルネーム |
maako4 |
タイトル |
【 ドンヒョクさん ハード―ドでは … 赤い糸 】 |
本文 |
【 ドンヒョクさん ハード―ドでは … 赤い糸 】
私 シン ・ ドンヒョク あなた ソ ・ ジニョン
あなた ソ ・ ジニョンは私に 前触れもなく
「 ねえ~ そうでしょう。 そうよねえ~ 」 と …
私は リビングのソファーに深く座り
足を組み 手には経済紙を …
「 今日もドンヒョクさんは忙しくて大変だったのでしょう。
私は 一日中 暇だったの。 」
二人で片付けば早く終わると言う私の申し入れも
うわの空で 私の手に残りのワインとグラスを手渡され
無理やりリビングのソファーに私をすわらた。
たまには一人で後片付けをするわ~ と …
いつも以上に鼻歌も調子よさそうだ。
そしてキッチンから つかつかと歩み寄り手に持たされた
ワインとグラスを
無理やり取り ソファーの前のテーブルに置き
今度は テーブルのうえにおいてあった経済紙を手に持たせ
「 これでも読んでいてね。 」
この新聞は 資料としてとっておきたい記事があり
処理済の新聞で書斎に置き忘れていた。
着替えを済ませ
書斎から片付けようと持ってきたかなり前の新聞だ。
でも まあいいか。
あなたを眺めながら 私は微笑んでいる自分を感じながら
ソファーに身をまかせ
時として声を出して笑いたくなるしぐさを
あなたは繰り返し 私を楽しませていたが
いつものことながら急にまったく前触れもなく
振り返り 大きな声で
「 ねえ~ そうでしょう。 そうよねえ~ 」 と …
ねえ~ そうでしょう? そうよねえ~ と
急に言われても何をどう答えれば?
「 ・・・・・ 」
あなたの中では私の即答を期待しているのだろう。
いや即答でなければならなかったようだ。
あなたは水道の蛇口から流れ出す水で次々と洗浄しながら
あなたの頭蓋の中の回路を何かが駆け巡ったのだろう?
あなたは 穏やかなこのひと時 感の虫が起き
声のトーンを1オクターブ いや 2オクターブも上げ
「 ねえ~ 私達は 赤い糸で結ばれているのよね~ 」 と …
ああ~ 最初からそう言ってもらうと そういうことなんだね。
この時点で ジニョンの 「 ねえ~ 」 が
私の回路にインプットされる。
急に 「 ねえ~ そうでしょう。 そうよねえ~ 」 では?
それでも 反応しない私のもとに 私の顔を両手で挟み
大きく上下に揺らす。
それにしても 赤い糸 … ?
突然 何処からの発想なんだろ?
私は そんなジニョンが愛おしく 可愛く どうにもたまらない。
きれいにふき取られていない湿り気の両手で
されるがままにそんなジニョンを
今日は じっくりと味あわせてもらっていると諦めたのか
手を離し その場を離れようとしたジニョンに 私は
「 ねえ ジニョン どうして? 赤い糸なんだろう?
赤い糸でないといけないのかな~? 」
あなたがくるりっと振り返り 首を傾げ 口を一文字に …
少し困った顔でじっと私の顔を見た。
「 そうよねえ? 」 ドスンと私の横に腰をおろす。
” おいおい! そんなに真面目に考えなくても …
ちょっと! ちょっとだけ … ふと! 思いついただけなんだ ”
そう 心の中で語りながら ジニョンの方に身体をむけ
肩を引き寄せ あなたの顔を覗き込む。
” あっ! しまった ”
あなたのこの顔つきは いつものあれを …
「 ドンヒョクさん! 」
” ほ~ら 来た! ”
「 ドンヒョクさん! ハーバードでは習わはなかったの? 」
最近 よく耳にする … ジニョンの口から
” ハーバードでは? ”
「 そうよねえ。 別に赤い糸でなくても? 」
数分前のかん高い声は 静かに 独り言のように …
身体の向きを少し変え 少し鼻にかかった声で
「 ねえ~ ねえ~ ドンヒョクさんは何色の糸がいい。
同じ色でないと … 」
なんと! 数分であなたの変身ぶりは …
悟られないように
楽しんでいる別の私がそこにいるのを感じながら
即答しない私に ジニョンは感情をむき出し 少しヒステリックに
… また新たなジニョンを …
そうだ。 この間 こんな事が …
スンジョン女史に待望のベビー誕生。
知らせを聞いたジニョンは自分のことのように喜び
すぐに病院へ
帰宅後 夕食も済ませ二人であと片付けを …
その夜のジニョンは興奮冷めやらず
頭には 髪の毛が 目にまつ毛が
指にはつめが 鼻にはちゃんと穴が2つもあいているの?
おいおい ジニョン! と 突込みを入れたくなるような
意味不明の言葉にも気がつかないで
私の指を握ったの 笑った 泣いた と 永遠に続く …
後片付けが終わり ワインを飲みながらも尚も続いた。
そんな時 やはり 今日のように 「 ドンヒョクさん!」
ジニョンの口から ハーバードが出る
” ドンヒョクさん ” は
独得な言い回しで 内容も 今回のように
シンプルなものではなく 回答に困る事も多々ある。
この時の ” ドンヒョクさん ” は いつものように私は
” ほら来た ”
「 ドンヒョクさん! ねえ~ 不思議よね。 何が~? 」
少し 様子がおかしい … 沈黙が続いたので
顔をのぞきこむと! 恥ずかしそうに 顔を紅潮させ
「愛し合って あの うにゃうにゃ べチャべチャが どうして?
あの可愛いベビーと結びつくの?
ハーバードでは習ったの? 」
私は ハーバードでは習わなかったが それなりに説明を …
だが ジニョンの不思議は永遠に続き夜が明け
二人はふらふらで仕事に …
結局 ジニョンは理解不能のまま …
いつの日にか また そのうち … きっと …
ソ ・ ジニョンというこの女性は
ハーバードという名の大学は 知らないこと 知りたいこと
すべてが 『 即答処理機? 』 のように
” ハーバードでは・・・ ” と …
日ごと 何? なぜ? が あなたの脳裏に …
そして? 解決しない限り …
「 ハーバードでは … 」 の オンパレードが続くだろう。
あんな事 こんな事と 数えきれない。
「 ハーバードでは習わなかったの?
ハーバードでは? ハーバードでは? 」 と …
今回 赤い糸の件は 私はこう思った。
赤い色は血の色とも 情熱をあらわす色とも言われるが
色は何色でもいいのではと …
問題は糸の先端だ。
目に見えない糸の先端が 平行のままだったらどうだろう?
絡まっていたら?
問題は糸の赤い色ではなく 糸の先端がと!
と 言うように ジニョンにとっては通りすがりに
ふと、 思い巡ったことを投げかけられ
私はあまり使わない回路をつなぎ合わせながら
変な理屈を 結論の出ないまま?
いや すでに出ている?
別に赤い糸というのなら赤いとでいいのでは?
おさまりのいいのが赤い糸なんだろ~
苦笑しながら この明晰な頭脳が悲鳴を上げる。
定かではないが 中国に赤い糸に類似した
「 赤縄 」 という言葉があったように記憶する。
赤い糸のように繊細な感じではなく
赤縄はたとえ 斧で切ったとしても
切れることなく 強い気綱を
ソ ・ ジニョン この私 シン ・ ドンヒョクは
あなたと私が たとえ違った色の糸であろうとも
糸がどれだけ 絡みあっていようとも
切れのいい斧で 丈夫な赤縄を切ったとしても
あなた ソ ・ ジニョンは 私 シン ・ ドンヒョクの運命のひと
私 シン ・ ドンヒョクは ソ ・ ジニョンを愛している。
ソ ・ ジニョン
ある日 あの時 私はあなたに 「 僕だけを … 」 と …
いつまでも 私 シン・ドンヒョクだけを みつめていてほしい …
そして いつまでも いついつまでも …
私 シン ・ ドンヒョクを 愛して ほしい と 願う …
.............. 完 .............
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