ブロコリ サイトマップ | ご利用ガイド | 会員登録 | メルマガ登録 | 有料会員のご案内 | ログイン
トップ ニュース コンテンツ ショッピング サークル ブログ マイページ
aoiルーム
aoiルーム(https://club.brokore.com/hollyhock)
aoi32の創作ストーリーを集めたお部屋です。 どなたでもご覧いただけます。 どうぞごゆっくりお過ごしくださいませ。
サークルオーナー: aoi32 | サークルタイプ: 公開 | メンバー数: 297 | 開設:2008.03.05 | ランキング:100(3927)| 訪問者:1357940/1895181
開設サークル数: 1238
[お知らせ] 更新のお知らせ
容量 : 30M/100M
メンバー Total :297
Today : 0
書き込み Total : 957
Today : 0
短編
短編・その他の作品のコーナーです^^
No 1 HIT数 2702
日付 2010/06/16 ハンドルネーム aoi32
タイトル 彼と私のバラ色の毎日 ― 午前の恋人 ―
本文 妄想100%(*^_^*)
皆さんも“私”になりきって読んでくださいね(笑)





 



 

 

 

“でんわだよ”

“デンワダヨ”


「はい、いいですね。次は…」


“めーるがとどいたよ”

“メールガトドイタヨ”


「はい、OKです。(私の着信音はこれなの♪)…次はちょっと難しいかしら」


“おたんじょうび おめでとうございます”

“オタンジョウビ… オメ…デトウゴジャイマ…ス?”


「ふふ、やっぱり韓国の方にはザの発音が難しいですよね。
 おめでとうございます、です。もう一度、どうぞ」


“オメデトウゴ…ザイマス?”


「はい、お上手ですね。ジュンさんはとっても優秀な生徒さんだわ。
 発音がとっても綺麗だし… いつか私より日本語が上手になったりして…」


「先生の教え方がいいんですよ。
 それにあなたの韓国語もとても上手です」


彼はそう言うとやわらかく微笑んだ。


私は思わずうつむいた。 …顔が赤くなるのを隠したかったから…


この人は何て綺麗に笑うんだろう…


その微笑は周りの人を幸せにするわ


それに…唇が可愛い!のよね


いけない、いけない!


これは仕事なのよ


彼にみとれて授業にならないなんて駄目だわ!

 


三年前、私はソウルの大学に語学留学した。


それは 将来、韓国語の通訳の仕事をしたかったからだ。


その時に 語学の先生を通じてこのアルバイトを紹介された。


日本人で、その上 ある程度 韓国語も話せる人間という条件だった。


仕事は日本語の個人レッスンで、週に一度 場所はこの事務所でという内容で
授業の初日、個人レッスンを受ける相手を見て、私は驚いてしまった。


彼は日本でもかなり有名な韓国の俳優だった。


端正な顔立ちと優雅な物腰。


すらりと長身の彼は 私の目の前に颯爽と現れた。


それだけで彼の周りはキラキラと輝いて、彼のニックネームである“貴公子”は
表現がぴったりだと納得した。


週に一度の日本語のレッスンはもうすぐ一年を迎えるところだった。


最近のレッスンは 携帯電話の着ボイスやテレビCM用のナレーションの練習が多かった。

 


「はい、では次にいきますね」


“いいゆめをみてください”

“イイユメヲミテ…クダサイ”


“ずっときみのそばにいるよ”

“ズットキミノソバニイルヨ”


きゃ~、これは殺し文句だわね!


こんなこと言われたらどうしよう…


それにしても、この人は本当に魅力的な声をしてるわ


低くて甘くて深い声… まるでチェロが奏でる旋律のようだわ


でも こんなに近くであなたの声を聞けるのも…

 


「…とても… お上手です…ね…」


私は胸がつまって何も言えなくなってしまった


そう、今日は最後の授業だった


一年契約の私の仕事は終了するのだ


もうすぐ あなたの優しい笑顔を見られなくなるわ


もう あなたとこうして話すこともなくなるの?


韓国語で、時折 日本語を混ぜたりして、とりとめのない話をしたわ


ほんの些細なことで笑って、それがとても楽しかった


あなたは穏やかで優しくて朗らかで 一緒にいるだけで幸せだった

 


「…先生、どうかしましたか?」


黙ってしまった私を 眼鏡の奥の黒い瞳が不思議そうに見つめる。


どこまでも澄んだ深い湖のような神秘的な瞳。


「…いいえ」


私はやっとの思いで顔を上げると、何とか笑うことができた。


もうすぐお別れなのね… 私はその思いを胸に閉じ込める。


初めからわかっていたことじゃない…


「ごめんなさい、ジュンさん。 続けますね」


私は唇を噛み締めた。


お願い… 涙こぼれないで… 泣き顔なんて見せたくない…


彼は黙って私を見つめている。


そして、静かに首を横に振ると私の唇に指を当てて“黙って”と囁いた。

 


「…ジュンさん?」

 


「…ボクト… ケッコン…シテ… クダサイ…」

 


彼が囁いた たどたどしい日本語… 


え? …そんな項目あったかしら?

 


「…ボクノ… オクサン…ニ ナッテクダサ…イ」


はい? あの、それは… ジュンさん?

 


「ボクノ ソバニ… イテクダサ…イ…」

 


彼の言葉がふわふわと羽根のように舞い降りてくる


低くて甘い声が私にだけ囁きかけてくる


熱くて優しい眼差しが私だけを見つめている


待って… 待って… 頭の中が混乱してる


何を…? 何を言ってるの? 


私をからかってるの?


そんな真剣な顔で言われたら… 本気にしてしまう…


待って、お願いだから… 待って…


もう少しだけ待ってください

 


最後のレッスンの日、彼は予習してきた言葉を私に告げた。


それは 幸せな幸せなプロポーズの言葉だった……。

 

 

 









 

 

 



「ねえ、あなた 起きてください」


私は彼の肩を揺り動かした。


真っ白なシーツに包まれた彼の身体がもぞもぞっと動く。


「ねえったら… ジュンさん… ねえ、あなた 起きて」


「…う…ん… もう少し… 寝かせて…」


わたしの呼びかけにあなたはくぐもった声で答える。


「だめです。今日は打ち合わせの日よ。もう、起きなくちゃ…」


「…まだ眠いんです…」


甘えるような声がシーツの中から聞こえてくる。


何気ない仕草まで美しくて、いつも静かに優雅にたたずんでいるひと…


…本当に、この人があの彼なの?  私は呆れてしまう。


「もうっ、しょうがない人ですね。 くすぐっちゃうから!」


私は思いっきりシーツをめくると、彼の上にのしかかった。


「わ!やめてください! やめてって… ちょ、ちょっとーーー!!!」


彼は大声をあげながら笑い出した。


「だめです。早く起きないとくすぐりますよ! 
 あなたの弱い所を知ってるんですから!」


私の脅しが効いたのか、彼は慌てて起き上がると私の両手を掴んだ。


そして、攻撃を防ぐように私の身体を引き寄せて胸の中に閉じ込めた。


「………」


その一瞬で、私は呼吸が止まったように動けなくなる。


彼の柔和な顔からは想像できないような逞しい身体。


裸の胸が眩しくて、私は息もできない。

 


「…ひどい人ですね、僕の奥さんは…」


私の頭の上で 彼の少し掠れたような声が響く。


でも、笑ってるのよね?


「だって… なかなか起きてくれないんですもの。
 あなた 寝起きは良い方でしたよね?」


彼の温かい胸の中で、私は目を閉じた。


あなたの心臓の音が聞こえるわ…


規則正しい音が私をゆったりとした気分にさせてくれる。

 

「…幸せだから、ずっと眠っていたいんです」


「え?」


「僕はあなたに夢中で… 愛してるから満ち足りていて… 
 だからよく眠れるんです」


「ジュンさん?」


「あなたが傍にいてくれるから、僕は安心してぐっすり眠れます」

 


眼鏡を外した黒い瞳が私の顔を覗き込む。


彼は嬉しそうに微笑むと、私の額にそっとキスをする。

 


「…ずるい…」


「何がですか?」


「そんなこと言われたら、もっと寝かせてあげたくなるじゃないですか」


「そうなんですか?」


「そうです」


「じゃあ、もう一度 一緒に寝ましょう」


「え?」


彼の言葉の意味に気づいた時には遅かった。


私の抵抗などお構いなしに、彼は私をベッドの中に引きずり込んだ。


そして だめ… という私の言葉は彼の唇で塞がれてしまった……。

 

 

 









 

 

 



「…本当にもう服を着て準備しないと…
 もうすぐマネージャーさんが迎えに来ますよ」


私は彼の胸の中で呟いた。


私たちはベッドの中でぴったりと身体を寄せ合っていた。


自分で言った言葉とは裏腹に 彼と離れたくなくて 
私はその身体をぎゅっと抱きしめる。


それに応えるように逞しい彼の腕が私をすっぽりと包んでくれる。


お互いの素肌の温もりに泣きたいくらい幸せになる。


彼はふっと笑うと私の乱れた髪を指で直してくれた。

 


「誰も来ませんよ」


「え?」


「今日の打ち合わせは午後からにしてもらったんです」


「え?」


「当分の間、午前中は仕事をしないことに決めました」


「ジュンさん?」


「毎朝、僕の可愛い奥さんとゆっくりしたいから… 
 そう社長にお願いしました」


「か、可愛い???」


「そう、あなたは僕のとても可愛い奥さんです」


彼はそう言うとまるで天使のように微笑んだ。


「………」


私… きっと真っ赤になってるわ


こんなセリフをすらっと言える人なのよね

 


「あなたには辛い思いをさせてるから… 
 この程度のお願いは社長に要求します」


「え?」


「あなたと僕が結婚したことを公表できないのは社長の方針です。
 僕は… あなたに申し訳なくて…
 あなたのことを 僕の家族の皆さんに堂々と紹介したいのに…」


「ジュンさん」


「今はそれができない。だから謝ります…」

 


彼の声と気持ちが沈んでいくのがわかる。


本当に…この人は何てまっすぐで 心が震えるほど美しい魂の持ち主なんだろう


真摯で繊細でピュアなこの人を 誰も傷つけることなんて出来ないはずだわ

 


「…ねえ、ジュンさん?」


「はい」


「あなたは私のことを奥さんと呼んでくれるんですよね?」


「はい」


「だったら あなたは謝ることなんてありません。
 だって あなたが私のことを認めてくれるから。
 とても、とても大切にしてくれるから…
 だから… 私は辛いことなんて何もないんです」


「本当に辛くないのですか?」


「はい… 私は幸せです」


「幸せ?」


「はい、とても…」


「じゃあ、僕と同じですね」


「はい」

 


彼と私は顔を見合わせると同時にくすっと笑った。


こんな明るい日差しが差し込む部屋で 真っ白なシーツに包まって
ぴったりと身体を寄せ合っている私達。


このひと時が 他の何よりも幸福な時間だと呼ばない人がいるのかしら


愛しい人と迎える朝は 穏やかで眩しいほど輝いていて満ち足りているわ

 


もう一度、私は彼の胸の中に包まれる。


長い指が優しく私の髪を梳いてくれる。


そんな穏やかな愛撫と温もりが気持ちよくて… 


私は彼の首筋に額を擦り寄せた。


そして、私たちは愛の告白をする。

 

 

 


「…愛しています。僕の可愛い奥さん…」


「私も… 愛しています。 私だけのあなたを……」






 

 

 

 


















前の書き込み 40ですけど、何か?
次の書き込み 次の書き込みがありません。
 
aoi32
mizsakiさん、ありがとうございます。そうそう、会社ではまずいから 夜に周りを確かめてからね^^ 2010/06/20 23:00
aoi32
nyanesurinさん、ありがとうございます。私も鏡を見ないようにしたりして かなり無理してるんですよ(笑) それから、彼は真面目なので午後はお仕事しまーす♪ 2010/06/20 22:58
aoi32
cometさん、私も~(*^_^*)  2010/06/20 22:53
aoi32
Francoisさん、ありがとうございます。脳内現実? いいですね~^ 2010/06/20 22:50
aoi32
mizukyさん、ありがとうございます。ふっふっ…妄想は自由だものね^^あんなことや、こんなことも たくさん妄想しましょう♪でも、周りに誰もいない時にね(*^_^*) 2010/06/20 22:39
mizsaki
↓の・・私です。 ごめんなさい。 だって・・ 見とれてたんだもん! 2010/06/17 13:58

うふふ・・・で。 でへへ・・・で。最高! いつかこんな日がいやもうすでに・・・ なんてね。 音読??いいね。 でも今会社です。 夜家で・・でへへ。 2010/06/17 13:56
nyanesurin
「私」を、自分に置き換えたいけど・・・無理がありすぎ(^^;)・・・で、思わず「午前はゆっくり休んで良いから午後は仕事してよね~~~」と、現実的に突っ込み入れてしまいました~~~(笑) 2010/06/17 01:40
comet66
幸せだなぁ・・・ 2010/06/17 01:17
Francois
私も音読~♪ 脳内現実にしちゃえ~ -=≡ヘ(。∂。∂)ノ 2010/06/17 01:14
mizuky
でへへへ・・・いいなぁ~♪完全脳内妄想に入っちゃうよ!!!!私も音読しよっと!!!! 2010/06/16 22:44
aoi32
rzさん、音読する時は周りに注意してね(笑) …って、音読~??? 2010/06/16 22:18
rz
うふふふふふ…これ、何度読んでも音読しても黙読しても…とにかくサイコーです!あったらええなあ~~~❤ 2010/06/16 22:00
 
 

IMX