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aoiルーム
aoiルーム(https://club.brokore.com/hollyhock)
aoi32の創作ストーリーを集めたお部屋です。 どなたでもご覧いただけます。 どうぞごゆっくりお過ごしくださいませ。
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ホテリアー創作
妄想爆走!ホテリアー二次創作。                                                     大好きなドンヒョクと 可愛いジニョンの物語…
No 114 HIT数 12285
日付 2011/03/04 ハンドルネーム aoi32
タイトル あなたの瞳に映る私 -1- 披露パーティー
本文












-1- 披露パーティー

 





  ―― ねえ、ドンヒョクさん。

     あなたの瞳に映っているわたしは

     あなたのことを どんなふうに見てるのかしら。

     ・・・“わたしはあなたを信じてる”っていう顔をしてる? ――

 

 

            ―――――――

 

 

ふう・・っと 小さなため息をひとつ・・・。

ドンヒョクは 目を閉じてじっと考え込んでいる。
しかし、何も解決しないまま、ゆっくりと目を開けて窓から外の景色を眺めた。
そして、腕を組んで首を傾げる。

  ―― だめだ・・。 どうしても思い出せない ――


外は雪が降り始めていた。
さらさらとしたパウダースノーが空から舞い降りてくる。

ドンヒョクは 憂いを含んだ目でそれを見ている。

  ―― あんなに大切な物なのに・・どうすればいい? ――

ドンヒョクの心は後悔で満ち溢れていた。

 

 

「・・ドンヒョクさん。」

その時、背後から 愛しい人が彼の名前を呼んだ。

しなやかな白い腕が ドンヒョクの身体に伸びてきて
背中からふわりと抱きしめる。

それだけで ドンヒョクの気持ちまで温かくなってくる。

「・・ジニョン、仕度はできた?」

「ええ、できたわ。」

「じゃあ、艶やかなシン夫人のドレス姿を見せて欲しいな。」

「ええ・・。でも、ドンヒョクさん どうかした?」

「ん? 僕が?」

「何だかぼんやりしてたみたいだけど、お仕事で何かあったの?」

「・・何もないよ。」

「本当に?」

「うん。 今年も結局、ジニョンとスキーに行けないなと思って
 がっかりしてたんだ。教えてあげようと思ってたのに・・・。」

「そうね。 わたしも楽しみにしていたのに、残念だわ。」

「・・本気でそう思ってる?」

「・・・半分ね。」
ジニョンはくすくす笑いながら言った。

「まったく・・僕の奥さんは、どうしてこんなに運動音痴なんだ?」
ドンヒョクも笑いながら身体の向きを変えると、ジニョンを見た。
そして 驚きのあまり息を呑んだ。


「・・だって・・わたし、寒いのも苦手なんだもの。」
ジニョンは困ったようにドンヒョクを見上げる。

彼女の艶やかな巻き毛が、ほんのり上気した頬で揺れている。

光沢のある黒いドレスが ジニョンのスレンダーな身体を包み
白くほっそりとした肩と腕を いっそう際立たせている。


「・・・ジニョン、何て綺麗なんだ!」
ドンヒョクはため息とともに賞賛する。

「・・本当に?」
ジニョンは恥ずかしそうに頬を染める。

「うん。今夜のジニョンは 最高に美しい。」
誰にも真似できない賛辞が、ドンヒョクの口からさらっと出てくる。

「・・ドンヒョクさんったら。」
ジニョンは微笑んでうつむいた。

「・・わたしが綺麗に見えるのは、ドンヒョクさんのおかげかも・・。
 あなたが いつも褒めてくれるから、わたし・・つい、その気になっちゃうの。
 自分が綺麗なんだと錯覚してしまうの。」

「錯覚?」

「そうよ。 錯覚して、嬉しくて、まっすぐ前を見て歩けるの。」

ジニョンの耳元で揺れるダイヤモンドのイヤリングのように
大きな黒い瞳がきらきら輝いている。
信頼と愛情に満ちた彼女の目はドンヒョクだけを見つめている。


ドンヒョクは 思わずジニョンを抱きしめる。
そして、熱いキスを一つ・・二つ・・・最後に長い口づけを贈る。


「・・ドンヒョクさん・・・。」
頬を赤くしたジニョンは ドンヒョクの唇に移った淡いルージュを
そっと指で拭ってあげる。

ドンヒョクは 子供のように無邪気に微笑む。

「・・愛してる、ジニョン・・。」

 
   可愛くて・・言葉で表現できないくらい可愛くて愛しいジニョン。

   僕のこの思いも錯覚だと、君は言うのかな。


「錯覚なんかじゃないよ。 ジニョンは本当に綺麗だ。
 パーティーなんか行かないでずっとこうしていたいよ。」

「え・・・?」

「こんなに魅力的なジニョンを 他の男も見るのかと思うと
 ・・我慢できない。」

「ドンヒョクさんったら。」

「ハン・テジュンが必死な顔で頼み込んでくるから、
 仕方なく承諾したが・・やっぱり僕一人で出席することにすれば良かった。」

「・・・・」

「それに・・まだ安定期とは言えないのに パーティーなんて 
 今のジニョンには負担になるだけだ。」

「大丈夫よ、ドンヒョクさん。不思議なんだけど
 ドンヒョクさんと一緒なら、つわりも苦しくないの。
 ・・イ先輩の言うとおり、あなたを見て
 あなたの声を聞くのって 胎教にいいのかもね。」

「・・・・・」

 

 ―― 「ソウルホテル コンベンションホールの完成披露パーティーなんだ。
 華やかに盛大にやろうじゃないか。だから、理事夫妻にも華を添えてもらうし
 “シン・ドンヒョクの知り合いの会長や社長”にも
 招待状を送るからな。ドンヒョクと俺の連名で・・・。
 しかし、顧客リストを見て驚いたね、俺は。
 韓国に戻ってまだ二年? いつの間に こんな人脈を!
 いやあ、大したもんだな。偉い、偉い。褒めてやるよ。
 さすが、ソウルホテルの筆頭株主だな。これで、ホールの利用予約も
 きっと・・・ふっ・・・。」 ―― 

「・・・・・」


ドンヒョクは愛らしい妻の可愛いセリフには思わず口元が緩むが
憎たらしいハン・テジュンの 偉そうな言葉を思い出して眉をしかめる。

  まあ、いい。
  これで“貸し”を作ったから“借り”は倍にして返してもらおう。
  まずは こちらの要求を提示だ。 「ソ支配人のシフト変更・勤務は日勤のみ」
  それから「ソ支配人の完全な週休二日制」、「ソ支配人の勤務内容の見直し」
  ・・・それから・・


「ドンヒョクさん? 何だか楽しそうね。」

「ああ、ジニョン。 無理難題をぶつけて 相手がどんな顔をするか
 楽しみなんだ。そして、どこまで承認させるかは、こっちの腕次第・・。
 ・・・悪くないね、この交渉は・・。」

「よくわからないけど? 良かったわ。
 さっきは落ち込んでたみたいだったから・。これで安心したわ。」
ジニョンはにっこり笑った。

「!!!」


   そうだった。 すっかり忘れていた。
             ああ・・・どうすればいいんだ?

 

ドンヒョクは また心配事を思い出して思わず絶句した。                
                                                
      
      


  ――――――

 


 
広大な丘陵地にそびえる韓国屈指の特級ホテル
そのソウルホテルのコンベンションホールは
二年前の新館に続き この日、オープンを迎えた。

大規模なコンベンションのほか、LEDによる光の演出を凝らしたイベントや
大容量の光ファイバーによるテレビ会議システムを活用した国際会議などが
利用できる ホテル最大級の空間を提供するホールの完成だった。


高さ10mの天井から煌びやかな光を放つシャンデリアの下を
さらに、眩しいほどに美しく輝いた優雅な二人が登場する。

コンベンションホール完成披露パーティーの主催者の一人である
ソウルホテル理事のシン・ドンヒョクと彼の妻である。

二人揃ってすらりとした長身の夫妻は 華やかな正装をさり気なく着こなし
招待客のため息とざわめきとともに 一斉に注目を集める。

羨望と好奇心に満ちた視線。


ジニョンは その独特な雰囲気に戸惑い、緊張した面持ちで隣の夫を見上げる。

ドンヒョクは すぐ、それに気がつき やわらかく微笑む。
そして、彼女の耳元で囁く。

  “大丈夫。 ジニョンがいちばん綺麗だ。自信を持って。
   ずっと僕の傍にいればいい。・・・愛してる、ジニョン”


一瞬でジニョンの頬が薔薇色に染まり、花のように美しい微笑が浮かぶ。

ジニョンはドンヒョクに寄り添い、ドンヒョクの大きな手が
ジニョンの、ほっそりとした白い肩を包み込む。


再び、ゆっくり歩き出した美しい二人は 顔見知りの招待客に挨拶をし始めた。

 


   ―――――

 


「シン・ドンヒョクの あの得意げな顔って、どうなんだ?
 オ総支配人。」
ハン・テジュンがあきれたように言う。

「いやいや、理事もご機嫌だし、この会場も華やかになって
 喜ばしい事じゃないですか。」
オ・ヒョンマンが笑っている。

「ふん。ジニョンもパーティーに同伴させたのは正解だったな。
 無愛想なソウルホテルの理事の顔だけじゃ格好がつかない。」

「確かに、ソ支配人が傍に付いてれば 理事の口元は緩みっ放しですな。
 しかし、これは コンベンションホールというよりも
 理事の自慢の夫人の披露パーティーのような気もしてきましたよ。」

「・・・・・」

「それよりも、社長。 理事が無条件でパーティ出席と韓国経済界の重役クラスの
 リストを差し出したっていうは、嫌な予感が・・。」

「・・・それは、今は言わないでくれ、総支配人。」

「・・・・・」

 

シン・ドンヒョクと顔をつなげようというゲストにつかまり、
なかなか自分達の方には辿り着かない理事夫妻を見て 
テジュンとヒョンマンはぷるっと震えた。


VIPにやわらかな微笑を向けるジニョンと、そんな美しい妻を傍に引き寄せ
自慢げに振舞うドンヒョクは優雅にゲストの間を進んで行く。


「・・・大したもんだ、うちのソ支配人は。」

ソウルホテルの社長と総支配人は、ほとんど同時に呟いた・・・。   

 

 


























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aoi32
まさりんさん、ありがとうございます。そうです、この後 ドンヒョクは何を要求してくるか… 無茶ことを言うんだろうなと思いまーす(笑) 2011/04/07 22:35
まさりん
待ってました♪D&J^^。でもテジュンさんとオ総支配人の会話・・・笑った(爆)借は・・すごいでしょうね^m^ 2011/03/04 22:36
 
 

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