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aoiルーム
aoiルーム(https://club.brokore.com/hollyhock)
aoi32の創作ストーリーを集めたお部屋です。 どなたでもご覧いただけます。 どうぞごゆっくりお過ごしくださいませ。
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ホテリアー創作
妄想爆走!ホテリアー二次創作。                                                     大好きなドンヒョクと 可愛いジニョンの物語…
No 118 HIT数 8702
日付 2011/03/04 ハンドルネーム aoi32
タイトル あなたの瞳に映る私 -5- サファイア・ロマンスをもう一度 前編
本文









-5- サファイア・ロマンスをもう一度 前編

 

 





「あの~、ボス・・。ジニョンさんは・・・・?」

レウォンは いつになく遠慮がちにドンヒョクを見た。


「・・昨夜からショックで寝込んでいる。」

ソファに深く身を沈めたドンヒョクは 隣の部屋の方に視線を向ける。

「・・あまり話をしたくないと言って 目も合わせようともしない・・。」

ドンヒョクはそう言うと 大きなため息をついた。


「すっ、すみません!! ・・・ほら、ユリも謝れ!」

真っ青になったレウォンは深く頭を下げると 隣に座っているユリにも叫んだ。


「申し訳ありません! あの・・本当にごめんなさい。」

ユリも慌てて頭を下げた。


「なぜ、おまえまで謝るんだ? カン・レウォン。
 もしかして 今回の事はレウォンが企んだ事なのか?」

眼鏡の奥のドンヒョクの瞳が鋭く光った。


「ち、違います! 全てわたしが一人でやった事で・・
 レウォンは全然関係ないんです。
 彼とは昨夜会ったばかりで・・わたしの仕業だと知って・・
 それで・・わたしの誤解を解いてくれて・・一緒に行くから
 謝りに行こうって言ってくれたんです。」

ユリが 言葉に詰まりながら言った。

昨夜の大胆な行動をした彼女とは まるで別人だった。


「すみません、ボス。 ユリは・・昔の彼女で・・今は、大切な友人だから
 ・・それに・・ユリの激しい誤解は俺のことが原因でもあるし・・。」

レウォンが肩を落としている。

 


「・・・じゃあ、最初から話してもらおうか。
 テハングループ会長秘書 ハン・ユリさん。」

ドンヒョクは 静かに言うと冷ややかにユリを見た・・。

 


   ―――――――

 

   ―― 四日前 ――


テハングループの本社に シン・ドンヒョクの秘書から
会長とのアポイントメントの連絡が入ったのが始まりだった。

もちろん、ユリは レウォンからその名前は何度も聞かされていたし
新聞や経済誌でも ドンヒョクのインタビュー記事は目にしていたので 
彼のことは知っているつもりだった。

だが、ユリはレウォンと別れてからは、その名前も次第に忘れかけていた。

そのドンヒョクがこの本社に訪れることを知って、ユリは再び興味がわいてきた。

   ・・・一体、どんな人物なんだろう・・・?

 


会長の元へやってきた シン・ドンヒョクを見て、ユリは驚いた。

記事の写真で見るよりも 実際の彼は、もっと端正な顔立ちで、
眼鏡の奥の瞳は 理知的で思慮深さを感じさせる。
仕立ての良いスーツを完璧に着こなした彼は、すらりとした長身で
歩く姿は颯爽としてて ただ立っているだけでも 周囲の目を引いた。

そして 何よりも意外だったのは シン・ドンヒョクの印象だった。

テハングループの会長でさえも緊張するような やり手のレイダース。

冷たく気難しい人物かと思っていたが 彼は あくまでも静かで
落ち着いていて 時折見せる笑みはエレガントだった・・。

  

   ・・・レウォンとはまるで正反対ね・・。

       この人を目標にするなんて無謀すぎるわ。
 

ユリは 久しぶりにレウォンのあの屈託のない笑顔を思い出していた。

 


   ―――

 

シン・ドンヒョクが会長室を後にして間もなく ユリは 彼が座っていた席の下に
落ちている万年筆を見つけた。
彼が忘れていった物に違いなかった。

まだ間に合うかもしれないと思い ユリは部屋を出て エレベーターに向かった。

・・・レウォンが元気でやってるかどうか聞いてみようかしら。

ユリの中でカン・レウォンは ほろ苦くて甘い、懐かしい存在になっていた。

 


シン・ドンヒョクは エレベーターホールに静かにたたずんでいた。

 

ユリが声を掛けようとした時 ドンヒョクの携帯電話が鳴った。


「・・もしもし ジニョン?」

それまで 無表情で静寂を保っていた彼の顔が 一瞬で輝いた。

「・・・今、どこ? ・・・ああ、もう少しで着くね。・・うん、そのビルで
 待ってるから・・・。うん、ちょうど今、終わったところだ。・・・
 それで・・検診の結果は? お腹のベイビーは・・順調?
 それは良かった。・・うん、お昼は何か美味しい物を食べよう。
 ・・・・うん、待ってる。 じゃあ、後で・・。」

ドンヒョクは携帯電話を切ると 満足そうに微笑んだ・・。

 


氷のようにクールな男を笑顔にさせる 相手の顔を見てみたかった。

それはシン・ドンヒョクの妻だろうか?

・・・それに・・ベイビーって もしかして?

ユリは レウォンが崇拝するシン・ドンヒョクに興味が湧いてきた。
 

彼女は ランチタイムのエレベーターの混雑に紛れて そっとドンヒョクの後を追った。

 

 

   ――――
 
 
 
   
テハングループ本社ビルのエントランスホール。

エレベーターから降りてきたドンヒョクが 大股でホールを歩いて行く。

このオフィスでは部外者の彼だが
その 颯爽と歩いて行く姿は その場にいた人々の視線を一斉に集める。


ドンヒョクは そんな事には気にも止めず エントランスを出ると
そのビルの前で立ち止まった。

彼は静かにたたずんでいた。

そして 通り過ぎて行く車を見ていた。


そのうちに 一台のタクシーが 彼の近くでゆっくりと停まった。

ドンヒョクは すぐにそれに向かい タクシーの後部座席のドアが
開くと同時に すっと右手を差し出した。

完璧なタイミングだった。

ドンヒョクの大きな手に 白いほっそりとした手が重なる。

彼は その手を包み込んで ゆっくりと相手を外に連れ出した。


優しいコーラルピンクのコートを着たジニョンだった。

 

「・・・待っててくれたの? ドンヒョクさん。」

ジニョンが 困ったように笑いながらドンヒョクを見上げる。


「よく来たね、ジニョン。」

ドンヒョクは満足そうに微笑む。


「もうっ、こんな寒い所で待ってるなんて 風邪をひいたらどうするの。」

ジニョンは少し睨むと 自分のしていた白いマフラーをドンヒョクの首にかけた。

 ・・・ふわり・・とジニョンのほのかな甘い香りとともに 優しい温もりを感じる。

「・・やっぱり スーツにマフラーは似合わないわね。」

ジニョンが楽しそうに笑う。


「・・・マフラーよりも こっちの方が暖かい。」

ドンヒョクはそう言うと ジニョンを抱き寄せた。


「・・・きゃっ・・・。」

いきなり抱きしめられて ジニョンは、ばたばたと手を動かした。

「・・やめて、やめて ドンヒョクさん。」


「嫌だ。」


「もうっ、こんな所で・・ねえ・・ドンヒョクさんったら、やめて・・。」

ジニョンは真っ赤になって ドンヒョクの胸を手で押した。


ドンヒョクは笑いながら もっと強く抱きしめる。

「ジニョン、無駄な抵抗はやめた方がいいよ。」


「もうっ・・ねえ・・ドンヒョクさんってば・・。」


「・・・僕が凍えないように協力して。」


「・・ああ・・もう・・。本当に・・困った人ね・・。」


諦めたジニョンは ゆっくりとドンヒョクの背中に手を回した。

ドンヒョクの冷たい頬に ジニョンのやわらかな頬が重なる。

彼は その温もりを感じながら 幸せそうに目を閉じた。

ジニョンの顔には ドンヒョクと同じ笑顔が浮かんでいた・・・。

 

   ―――


その様子をじっと見つめるユリがいた。

彼女の表情は凍りついたように冷ややかだった。

シン・ドンヒョクが抱きしめている彼女に見覚えがあった。

忘れようとしても忘れられないその顔。

一年前 レウォンに会いに行った時に一緒にいた彼女。

レウォンは 彼女のために泣いていた・・・。


では あの時 彼女を後ろから抱きしめていたのは シン・ドンヒョクだったの? 

 


その後 彼女が ソ・ジニョンという名前で 一年前には、すでに結婚していた
ということを知ったユリは衝撃を受けた。

そして ユリは レウォンが騙されたのではないかと疑い始めた。

そうでなければ ユリと別れてまで あんな年上の人妻を好きになるなんて
レウォンには ありえない事だから。

そして ジニョンの夫がシン・ドンヒョクだということで その疑惑は確信に変わった。


・・・レウォンは ソ・ジニョンに誘惑されたのだ。

一途なレウォンが 彼の崇拝するドンヒョクを裏切ってまで
その妻を好きになるはずがない。


・・シン・ドンヒョクを理想の上司だと 目を輝かせていたレウォンなのに・・・。

シン・ドンヒョクは 自分の妻に思いを寄せるレウォンを疎ましく思い、
そんな彼を 異国の地へと追いやってしまったのだろうか。


  ・・・ばかなレウォン。
        わたしをふったりするからよ・・・。

ユリは 心の中でレウォンを責めた。

しかし、その反面 純粋で人を疑うことを知らないレウォンを
追いつめてしまった二人を許せないと思うようになっていた・・・。


自分から 恋人のレウォンを奪い、シン・ドンヒョクの愛情を一身に受けて
そして 彼の子供まで授かった 幸せの絶頂にいるソ・ジニョン。

夫がいるのに 純粋なレウォンを、あの天使のような微笑で騙して
誘惑したソ・ジニョン。


レウォンは いつだって太陽のような眩しい笑顔を向けてくれたのに。


・・・彼が変わったのは・・・ソ・ジニョンのせいだわ!

 

ユリの心に激しい怒りがこみ上げてきた。

彼女は ドンヒョクが忘れていった万年筆をぎゅっと握り締めた・・・。

   




                            ・・・後編に続く・・・


























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