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aoiルーム
aoiルーム(https://club.brokore.com/hollyhock)
aoi32の創作ストーリーを集めたお部屋です。 どなたでもご覧いただけます。 どうぞごゆっくりお過ごしくださいませ。
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ホテリアー創作
妄想爆走!ホテリアー二次創作。                                                     大好きなドンヒョクと 可愛いジニョンの物語…
No 119 HIT数 8471
日付 2011/03/04 ハンドルネーム aoi32
タイトル あなたの瞳に映る私 -5- サファイア・ロマンスをもう一度 後編
本文  






-5- サファイア・ロマンスをもう一度 後編










「・・・・・・・」

黙ったままユリの話を聞いていたドンヒョクは 思わず
ソファに深く身を沈め 両手で顔を覆った・・・。


   ・・・・・・・

         ・・・・・・・・・・


あまりにも呆れ果てて 声が出なかった。


   ・・・邪魔なレウォンを追い出す・・?

        ・・・それは・・・・・認める。

            そんな気が全然なかったとは言い切れない。

 

    しかし・・ジニョンがレウォンを誘惑・・・?

       彼女からレウォンを奪ったのがジニョン・・・?

 


「あ、あの、ボス。 今の話は全て誤解だと説明しましたから!
 こいつ・・昔から すごい思い込みが激しくて・・。
 頭脳明晰なんだけど どこか抜けてて・・。」

「あの・・本当にごめんなさい。
 全て、わたしの早とちりで・・。
 奥さま・・ジニョンさんにも 本当に申し訳ないことをしました。
 許してもらえるまで ジニョンさんに謝りますから・・。」

ユリは青ざめた顔で言った。

「・・奥さま・・妊娠してらっしゃるんですよね。                
 どうしよう・・わたしのせいで 何かあったら・・。」


「ボ、ボス~~。ジニョンさんに会わせてください!
 俺も一緒に謝りますから!」


「・・・・・」

ドンヒョクは黙ったまま 二人を見つめた。

 

その時に 隣のベッドルームのドアが開いた。

「・・・ドンヒョクさん、もういいでしょう?
 誤解も解けたみたいだし、わたしは大丈夫だから。」

昨夜の黒いドレスに ドンヒョクの上着を羽織った
ジニョンが 部屋から出てきた。

顔色も良くなって すっかり元気になったジニョンだった。


「ジニョンさん!!」

レウォンとユリは驚いて立ち上がった。


「・・もう起きても大丈夫なのか?」

ドンヒョクは ジニョンをかばうように抱き寄せた。


「ええ、もう大丈夫よ ドンヒョクさん。 ごめんなさい、わたし
 途中で目が覚めて 隣の部屋で話を聞いてたの。」


「そうか。 ・・それで ジニョンはもういいの?」 


「・・ドンヒョクさんだって もう許してるんでしょう?
 ユリさんがレウォンさんの知り合いだってわかって
 その後、何もしないで ただ二人が来るのを待ってたでしょう?」

ジニョンは ドンヒョクを見上げて笑いかけた。


「・・・・・」


「ボス~~!!・・俺の事、信じてくれてたんですか?
 お、俺、嬉しいです!!」

レウォンは感激して泣きそうになった。


「・・・なぜ そんなに前向きなんだ? カン・レウォン・・。」


「俺はボスの優秀な部下ですから! それに・・
 ・・・俺もボスのことを信じてますから!!!」


「・・・・・」

 

 

“現在 カン・レウォンがハン・ユリと接触中”

ユリのプロフィールとともに 昨夜遅く送られてきた報告書にあったこの一行で 
ドンヒョクは この二人を待つことにした。


・・・シン・ドンヒョクもかなり甘くなったな・・。


ドンヒョクは 苦笑いをしながらも満足している自分に気がついていた。

 


「ハン・ユリさん。」

突然、ジニョンがユリをじっと見つめた。

 

「は、はい。」


「・・・すべて誤解だとわかってくれたのなら それでいいの。」


「はい。」


「でも・・一つだけ どうしても許せない事があるわ。」


「え?」

    パシッ・・・!!


ジニョンの平手打ちが ユリの白い頬に飛んだ。


「・・・え・・・?」

「・・・わおっ!・・・」


ドンヒョクとレウォンは 驚いて同時に声をあげた。

 

ジニョンは まっすぐにユリに向かって言った。


「・・・ドンヒョクさんの唇を奪った罰よ。」


・・・ジニョンはにっこり微笑んだ。

 

レウォンは呟いた。

「・・・あの時と同じ・・? 俺もボスに殴られたっけ・・。」

 

ドンヒョクは ふっと笑うと少しうつむいた・・・。

 

 

   ―――――

 

「じゃあ、ボス 俺、これからNYに戻ります。」


「ああ、これでまた静かな日々が戻って来る。」


「そんな事言って、本当は寂しかったりして・・。」


「・・・もう当分、帰って来なくていい。」


「何言ってるんですか。 8月に ボス・ジュニアが生まれたら
 帰ってきますから。・・ああ、ジニョンさんにそっくりな
 女の子だったらいいな~!!可愛いだろうな~!!
 彼女が二十歳になった時 俺は・・45歳?
 まだまだイケてるかもしれない。デートできるかな。
 ああ・・楽しみだ~!!」


この後、怒涛の嵐のような勢いで レウォンがサファイアヴィラから
追い出されたのは言うまでもない。

その後 カン・レウォンには ドンヒョクの絶対的な命令により
ここ数年間の韓国への帰国禁止令が下された。

 

   ―――――

 

サファイアヴィラからの帰り道 レウォンとユリは並んで歩いていた。

 

「・・ジョークなのに 本気で怒ってたな、ボス。」

どんなに怒られても懲りないレウォンは 面白そうに笑った。


「・・レウォン、ごめんね。迷惑かけちゃったわね。」

ユリは ジニョンに叩かれた頬に手を当てながら
すっきりした顔でレウォンに笑いかけた。


「・・いいさ。元はと言えば 俺のせいでもあるし・・ごめんな ユリ。」


「レウォンが謝る事ないわ。・・勝手に思い込んだわたしがいけないの。」


「そうだよな~。 だけど おまえ、俺の元彼女だから助かったんだぜ。」


「・・何が?」


「ただ ボスに熱上げて あんな事をしたとしたら、今頃どうなっていたか・・。
 まず、この国では仕事は出来なくなってただろうし・・国外逃亡しかないかな。」


「・・・・・」


「お前のこと あっという間に調べ上げただろう?・・すごい情報網を持ってるんだ
 うちのオフィス。 特に今回はジニョンさんが関係してるから
 ボスは本気出しただろうし・・。・・・ボスはジニョンさんの事になると
 すっげ~怖いんだ。全力で守るんだ。・・そこがカッコいいんだけどさ。」


「・・そうね。」


「だけど、ユリ。 お前、随分大胆な事したよな~。あのボスに・・キスするなんて。
 ・・・昔のユリでは考えられないな。」


「・・・・・」


「・・・好きでもない相手に そんな事するのはやめろよ。」


「・・・・・」


「・・そんなことしたら 周りの人達も・・お前も傷つく・・。
 ・・・ユリならわかるだろう?」


「・・・わたしが 好きでもない男にキスなんてすると思う?」


「え・・?」


「・・万年筆を見せて 嘘を言うだけでも かなり効果があると思うけど?」


「・・ユリ・・お前・・もしかして・・。」


「・・・でも ・・あの人・・わたしの顔さえ覚えてなかったわ。」


「・・ユリ・・。」


「失礼しちゃうわ・・。四日前よ? ほんの四日前に会ったのよ。
 うちの会長の後ろで・・顔も合わせたのよ。
 昨夜のパーティーだって いちばん似合う青いドレスを選んだのに・・。
 ほんと・・失礼な人よ、あなたのボスは・・。」

ユリはぶつぶつ言った。


「・・ユリ・・。」


「昨夜・・あの人が わたしのことを ほんの少しでも覚えててくれたら
 ・・・キス・・なんて しなかったかも・・。
 ・・・何だか・・無性に悔しかったのよ・・・。」


「・・・・・」

レウォンは 黙ってユリの肩をぽんぽんと叩いた。

そして ため息をつくと首を横に振った。


   ・・・ああ、ボスとジニョンさん。

       そろいも揃って 本当に罪作りな二人ですーーーー。

 


レウォンは 晴れ渡った冬の空を見上げた。


そして やはり笑ってしまうのだった・・・。

 

 


   ―――――――

 
 

 

再び 二人きりになると ジニョンはドンヒョクに身体を寄せてきた。


「・・・ジニョン、どうかした?」

ドンヒョクはジニョンをゆっくりと抱きしめた。               


「・・ドンヒョクさん・・・驚いた?」

ジニョンが胸の中で小さく呟いた。


「何が?」


「・・彼女を叩いてしまったこと・・。」


「あ、ああ・・。・・少しね。」


「・・呆れた?・・・わたしのこと・・軽蔑した?」


「そんなことないよ。」


「・・わたしのこと・・嫌いになった?」


「嫌いになんてならないよ。・・大好きだよ。」


「大好き?」


「大好きだし 愛してるよ。」


「・・わたしも・・大好きよ ドンヒョクさん。」

ジニョンは ドンヒョクをぎゅっと抱きしめた。

「・・・わたしを抱きしめて。」


「ジニョン?」


「もっと強く抱きしめて。」

ドンヒョクは ジニョンの華奢な身体をきつく抱きしめる。


「・・これから先も ずっとドンヒョクさんを信じられるように
 もっと強くなれるように・・こんな事で心が揺れないように
 ずっと抱きしめていて・・・。」


ドンヒョクの逞しい腕の中に すっぽりとおさまったジニョンは目を閉じる。

 

 

   ねえ、ドンヒョクさん。

     あなたの瞳に映ったわたしは

     あなたのことを どんなふうに見てたのかしら。

     ・・・“わたしはあなたを信じてる”っていう顔をしてた? 

         何の疑いもなく あなただけを見つめていた・・・? 


     

 

    ――――――

 

 


サファイアヴィラのベランダで ドンヒョクは手の中の万年筆を眺めていた。


二年前 ジニョンから 初めて贈られたプレゼント。

あの日からずっと ドンヒョクはその万年筆を大切に持ってきた。

ジニョンに全てを告白しようと 教会の礼拝堂でその万年筆を握り締めていた。

いつまでたっても来ないジニョンを 悲痛な思いで待ち続けていた。

十字架と時計と万年筆を何度も眺めていたあの夜。


ついに来なかったジニョンを思うと 苦しくて切なくてどうしようもなかった。

 

アメリカに一人で渡った時も 万年筆を見て 遠く離れたジニョンを思い出していた。

孤独と寂しさに負けそうな時 この万年筆を頬に当ててみた。

   ・・・ジニョンの温もりを思い出せるような気がした。
 

使っているうちに この万年筆の肌触りもペン先も自分のスタイルに馴染んできた。

・・・ジニョンと同じように もう手放せないものになっていた。


そんな大切な万年筆が またドンヒョクの手の中に戻って来た・・。

 


冬の澄みきった空に向かって ドンヒョクは万年筆をかざして見る。

 

そういえば ここで同じように ジニョンに贈ったネックレスを
夜空の下で眺めたことがあった。

持ち主をなくして 行き場のなくなったネックレス。

微かな星明りの下で それは虚しく光っていた。

 


   “・・・ジニョンさん 僕を信じてください。 

           僕だけを見て 僕の話を聞いて・・・

                       ・・・僕を信じて・・・”

 

あの時 ドンヒョクは 心の中でそう叫びながら ネックレスを見ていた。

孤独と悲痛な思いに押し潰されて 深い夜の暗闇に落ちてしまいそうな気がした。

 

 


そして 今


豊かな自然の中で 明るい日差しに包まれたサファイアヴィラ。

きらめく朝の光が 万年筆の金色のリングに反射して輝いている。


ドンヒョクは 眩しそうにそれを見ると やわらかく微笑んだ。

 


    
    “ ドンヒョクさんを信じてるわ ”

 


     ・・・ジニョンは 僕をまっすぐ見つめて そう言った。


        ジニョンは僕を信じてくれている。


        僕がどんなに嬉しかったか 君にわかるだろうか。


     ジニョンが僕を信じてくれるなら もう怖いものなんて何もない。

 

     僕を信じてくれる人 そして 僕が信じられる人


     ジニョンが傍にいるだけで 確実にそれは増えていくんだね。


     僕の周りは 温かい空気と優しい眼差しで満ち溢れている・・・。

 

 

 

 

        もうすぐ 最愛の人が 僕の名前を呼ぶ。

        僕のジニョンが 笑顔を向けてくれる。


         ・・・僕はそれを待っている。

 


       ・・・・・・・・・・・

    
            ・・・・・・・・・・・・

 


    そして・・・

 

 


「・・・ドンヒョクさん、何してるの? ・・寒くない?」

 


    ・・君はそう言って 背中から僕を抱きしめてくれたんだ・・・。

 

 

 

 

                              END


                         















































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aoi32
ヨンkissさん、ありがとうございます。二人の赤ちゃんのことはまだ詳しく書いたことがないのですが… 顔はドンヒョクで性格はジニョン?それとも逆のほうが良いでしょうか(笑) 2011/04/07 22:31
aoi32
mariさん、一気に読んでくれてありがとう~。私もD&Jの二人が大好きです♪ 2011/04/07 22:25
ヨンkiss
aoiちゃん、大好きなD&J物語をありがとう~!!お互いの信頼は何ものにも強い絆だって事ですよね。いつまでもお幸せに~生まれてくるベビーはどちらに似てるのかな? 2011/03/06 09:20
mari181818
ワォ 一気に読みました。やっぱりD&J、最高です(*^^)v ありがとうございました。 2011/03/04 23:56
 
 

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