ブロコリ サイトマップ | ご利用ガイド | 会員登録 | メルマガ登録 | 有料会員のご案内 | ログイン
トップ ニュース コンテンツ ショッピング サークル ブログ マイページ
aoiルーム
aoiルーム(https://club.brokore.com/hollyhock)
aoi32の創作ストーリーを集めたお部屋です。 どなたでもご覧いただけます。 どうぞごゆっくりお過ごしくださいませ。
サークルオーナー: aoi32 | サークルタイプ: 公開 | メンバー数: 297 | 開設:2008.03.05 | ランキング:100(3927)| 訪問者:1352133/1889374
開設サークル数: 1238
[お知らせ] 更新のお知らせ
容量 : 30M/100M
メンバー Total :297
Today : 0
書き込み Total : 957
Today : 0
ホテリアー創作
妄想爆走!ホテリアー二次創作。                                                     大好きなドンヒョクと 可愛いジニョンの物語…
No 120 HIT数 8467
日付 2011/04/01 ハンドルネーム aoi32
タイトル 恋する二人のホワイトデー・・ト 前編
本文

今回は二月にお届けした「チョコレートの約束」のお返し編をお届けします。
結婚前の二人が迎える 初めてのホワイトデーです。




 



  

 



 


オフィスビルのエントランスホールを シン・ドンヒョクが足早に歩く。

彼の右手には 抱えきれないほどの ミルクホワイトの薔薇の花束

  左手には 可愛いリボンのついたバスケット

       ・・・中身は多分・・・たくさんのキャンディー


  ダークスーツを着てるのに・・・信じられないほど似合っている。

 

「まあ。」
「え?」
「・・・本物?」
「嘘・・笑ってるわよ。」


色とりどりのスーツを着たオフィスレディ達は 目を丸くしていた。

このビルの中で いちばん有名な男 シン・ドンヒョク。

すらりとした容姿 端正な顔立ち 誰もが認めるやり手の青年実業家。 

そして・・何と言っても・・花の華の 独・身。

どんなに冷たくされても 無視されても 近寄りがたくても

・・・・・つい見つめてしまうのは・・・止められない。

     彼を見るとため息が出るのは しかたがない。


ヴァレンタイン・デーに サイン入り・カード付きのチョコレートを贈っても
今日 彼からの“お返し”はなかった・・・。


そう、あの多量のチョコレートは 彼には見向きもされないまま 
ドンヒョク・オフィス スタッフのエネルギー源になった。
 


「・・いいのよ、名前だけでも覚えてもらえば・・。」

H・F カンパニーの 湯戸あおい は、半ば自虐的に呟いた。

・・・そのカードさえも見てもらってないということを 彼女は知らない。


彼女は 日本からソウル支社に赴任して もうすぐ半年になる。

3か月前に このオフィスビルで シン・ドンヒョクを初めて見た時に
不覚にも一目惚れをしてしまった・・・。

もちろん、彼女にも それなりに付き合った男性はいたが
まさか 韓国にこれほどの極上の男性が存在するとは思わなかった。


母国のイケメン俳優にも関心がなかった彼女だったのに・・・。

シン・ドンヒョクは その辺の俳優より数段上をいく男性だったのだ。


彼女とOL仲間達は 冷たいドンヒョクに嘆いている。


「・・きっと、女嫌いなのよ・・。」
「そうね。 だって 誰一人として興味を示さないんだもの・・彼は。」
「そうそう、きっと今は仕事一筋なのよ。」
「でも・・あの花束は?」
「あのキャンディーは?」

・・・彼女達はざわめきながら シン・ドンヒョクの後を追った。

 


「・・ジニョン!」

ドンヒョクは 恋人のジニョンを見つけると叫んだ。

彼女は もうすぐドンヒョクの花嫁になる。

ホールのソファに座っていた美しい婚約者は 
立ち上がると ドンヒョクに笑いかけた。

初春らしい明るいオフホワイトの薄手のコートを着たジニョンの衿元には
鮮やかな薔薇のプリントのスカーフがふわりと結ばれている。


「・・・ジニョン そのスカーフは・・。」

ドンヒョクの言葉が詰まる。


「ふふ・・綺麗でしょう? 去年の今頃だったかしら。
 と~っても素敵な人に ルームサービスでいただいたのよ。」

ジニョンが その薔薇の花にも負けないくらい輝く笑顔をくれる。


思わず ドンヒョクの顔にも やわらかな笑みが浮かぶ。

 

 ・・・何てかわいい 僕のジニョン!・・

    今でも あのスカーフを使ってくれるんだね・・・。


     ドンヒョクは ちょっとした感動で・・目の奥がつんとする。


ジニョンは ドンヒョクが贈った スカーフもネックレスも指輪も

それは大事に使ってくれる。・・それは尊敬すべき彼女の人柄だ。
 


「ドンヒョクさん、お仕事は終わったの?」

ジニョンは 初めて訪れたオフィスビルのせいか 何となく落ち着かない。

「もちろんだよ、よく来たね ジニョン。 あ・・これを・・。
 チョコレートのお返しだよ。」

ドンヒョクはそう言うと 花束とバスケットをジニョンに渡した。

この国のイベントにそった方法を 
ホワイトデー初心者のドンヒョクは忠実に守っている。


ジニョンの腕の中で 薔薇の甘い香りが広がった。

バスケットの中には 綺麗な色のキャンデーが溢れている。


「・・・ありがとう、ドンヒョクさん。・・すごく嬉しい。」

必ずしも高価とは言えないプレゼントに ジニョンはこの上なく
幸せそうな笑顔とともに感謝する。


 ・・ドンヒョクにとって そんな彼女は愛すべき理由のひとつになる。


ジニョンと一緒にいるだけで どんな些細な事も幸せな香りがする。


「・・・ドンヒョクさん?」

ただ黙って自分を見つめているドンヒョクを ジニョンが不思議そうに見上げた。


「・・・僕の方こそ・・ありがとう ジニョン。」

ドンヒョクはやわらかく微笑む。

 

一年前 ラスベガスのあのレストランで ジニョンと出会わなかったら

ウェイターがジニョンのスカーフに コーヒーをこぼさなかったら

ハン・テジュンが 砂漠にジニョンを置き去りにしなかったら
 (・・・何てひどい事をする男なんだ・・・!)

 

   ・・・僕は 今頃 どうしていたのだろう・・・。


   マンハッタンのビル街で 季節の移り変わりなど気にもせず

   冷ややかな目で 殺伐としたマネーゲームを繰り返し

   もちろん ホワイトデーという存在も知らない僕は

   恋人へのプレゼントは何がいいか とか
   
   大切な人の愛し方も知らなかった・・と思うよ。


   僕は ずっと思ってきた。


   僕が ジニョンと出逢えたことは・・・やっぱり 奇跡なんだ。


   僕の人生で たった一度の出会いだった・・。 

 


ドンヒョクは ジニョンに手を差し出した。


 “さあ、行こうか ジニョン。
  今日は ジニョンが観たがっていたラブ・ロマンスの映画を観て
  イタリアンレストランで食事して プリクラ撮って
  え?・・その後 トッポッキを食べるの?・・・大丈夫?
  ・・・いいよ、わかったよ。今日はホワイトデーだ。
  普通の恋人達みたいに 普通のデートをしよう。
  
       ・・・でもその前に・・・”
 

ドンヒョクは ジニョンの身体を引き寄せて 胸の中へ閉じ込めた。


ジニョンは驚いて声を上げたが それ以上の抵抗は出来なかった。

なぜなら 彼女の両手は花束とバスケットでふさがっていたからだ・・。

 






 


                              後編へ続く…














前の書き込み 恋する二人のホワイトデー・・ト 後編...
次の書き込み あなたの瞳に映る私 -5- サファイ...
 
 
 

IMX