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aoiルーム
aoiルーム(https://club.brokore.com/hollyhock)
aoi32の創作ストーリーを集めたお部屋です。 どなたでもご覧いただけます。 どうぞごゆっくりお過ごしくださいませ。
サークルオーナー: aoi32 | サークルタイプ: 公開 | メンバー数: 297 | 開設:2008.03.05 | ランキング:100(3927)| 訪問者:1352162/1889403
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ホテリアー創作
妄想爆走!ホテリアー二次創作。                                                     大好きなドンヒョクと 可愛いジニョンの物語…
No 121 HIT数 8140
日付 2011/04/01 ハンドルネーム aoi32
タイトル 恋する二人のホワイトデー・・ト 後編
本文




マンションの駐車場にシルバーのジャガーが滑り込む。


「送ってくれてありがとう、ドンヒョクさん。今夜はとても楽しかったわ。」

ジニョンはシートベルトを外しながら笑顔を向けた。


「・・部屋の前まで送っていくよ。」


「大丈夫よ、ドンヒョクさん。」


「ジニョンが ちゃんと部屋に入るまで見届けるよ。」


「え・・?」


「少しでも長く ジニョンと一緒にいたいんだ。」

まっすぐにジニョンを見つめるドンヒョクの瞳は 深く切ない。


・・どきん・・と ジニョンの胸が高鳴る。


自分の気持ちを 飾らない言葉でストレートにぶつけてくるドンヒョクに
ジニョンは 少しだけ戸惑い そして 頬を染めてうつむく。


ドンヒョクは そんなジニョンを愛しいと思い 彼女の頬にそっと触れる。


少しでも長く一緒にいたい・・それはジニョンも同じ・・。


   ・・・恋する二人は おたがいを見つめ合う・・・。

 


ドンヒョクは車から降りると 助手席に回りドアを開けた。

そして ごく自然に手を差し出した。


「・・どうぞ。」


ジニョンは躊躇いながらも 自分の手を重ねる。

そして 彼女はため息混じりに言うのだった。

「・・・ドンヒョクさんって 本当に紳士ね。」


「・・今頃、気づいた?」

ドンヒョクはやわらかく微笑んだ。


「・・これなら 送りオオカミにはならないわね。」

ジニョンは 悪戯っぽい笑顔で見上げる。


「・・・え・・・。」

   ・・・釘をさされてしまった・・・。

    
ドンヒョクは小さく咳払いをすると ジニョンの手を引いて歩き出した。

 

 

部屋の前まで来ると ドンヒョクはジニョンに言う。

「ジニョン、部屋の鍵を貸して。」


「え?」


「開けてあげるよ。」


「・・・・・」


前科の事などすっかり忘れ ドンヒョクが紳士だと信じ込んでいるジニョンは 
バッグの中から鍵を取り出して渡す。


「これは・・・」

ドンヒョクが静かに微笑んだ。


ジニョンの部屋の鍵と仲良く並んでいるのは 
ドンヒョクがクリスマスプレゼントとして贈った 
彼の家の鍵ときらきら輝くビーズで作られたプーさんのキーホルダー。


「・・あの・・こうしておけば いつでもドンヒョクさんの家に
 行けるでしょう?」

ジニョンが恥ずかしそうに言う。


「・・・・・」


ジニョンのひと言で“紳士のドンヒョク”はどこかへ消えてなくなる。

どうして いつもジニョンは 心を震わせる言葉を何気なく語りかけてくれるのだろう。

何の打算もない素直なジニョンに ドンヒョクはいつもかなわない。


ドンヒョクはドアの鍵を開けると ジニョンの肩を抱いて中に入った。
部屋の中は薄暗く 何の気配もない。


「・・あの、ありがとう・・ドンヒョクさん。」

ジニョンはどこかぎこちなく笑うと ドンヒョクを見上げた。


「うん・・ゆっくり休んで。」

ドンヒョクは静かに言うと ジニョンをじっと見つめる。

彼の視線は その言葉とは裏腹に 先ほどまでの穏やかさは感じられず
ただ 熱くまっすぐにジニョンを求めている。 


「・・・・・」

ジニョンの胸は痛いほどときめいて “お休みなさい”が言えなくなる。


ドンヒョクの顔がゆっくりと近づいて 二人の唇が触れ合う。


「・・・ドンヒョクさん・。」


「・・愛してる、ジニョン。」


「だめよ・・ジェニーが・・・。」


「まだ帰っていないみたいだけど・・・?」

ドンヒョクの両手がジニョンの頬を包み込む。


「でも・・。」

戸惑うジニョンの言葉は続かない。


ドンヒョクのやわらかな唇が ジニョンの唇に降りてくる。

 


ドンヒョクの口づけは 深くて甘くて 切ないくらい優しい。

それが何度も繰り返されると ジニョンのわずかな抵抗は消えてしまう。

ドンヒョクの大きくて温かな手に包まれて 熱い唇で塞がれて

ジニョンは身動き出来なくなり 彼女の手はドンヒョクの背中にしがみつく。


ドンヒョクはキスを止めて ジニョンを愛しそうにゆっくりと見つめる。

彼の長い指が ゆっくりとジニョンの唇をなぞっていく。

 

その時 ジニョンはもっと彼のキスが欲しくなっていた・・・。

 

“・・ドンヒョクさん・・・ドンヒョクさん・・”


“ 何? ジニョン・・”


“・・・お願い・・・もっ・・と・・・”


“・・もっと・・?”


“・・・もっと・・キスして・・”

 

涙が零れそうなほど潤んだジニョンの瞳が ドンヒョクを見つめる。


“・・ジニョン?”

ドンヒョクは驚いてジニョンを見る。


ジニョンは はっとして自分の口に手を当てる。

   ・・わたしったら・・何てことを・・!

思わず自分の口から出た言葉に 体中が熱くなるのがわかる。

 

“ うん・・わかってる・・・”


ドンヒョクはやわらかく微笑むと またジニョンと唇を重ねる。

その口づけは 今の優しいそれとは違っていた。

お互いの情熱が求めるままに 熱く激しく貪りあう。

二人の唇が重なり合う音と吐息だけが しんとした部屋に広がっていく。


キスを重ねるうちに ジニョンの背中が壁に押し付けられた。

ジニョンが小さく声を上げると ドンヒョクは動きを止めて少しうつむいた。


・・・そして またジニョンを見つめる。

  深くて澄んでいて、どこか憂いのある黒い瞳。

    ジニョンが愛してやまない ドンヒョクの瞳。

 ドンヒョクの瞳は切ないくらいにジニョンを求めている。


ジニョンは そんなドンヒョクに見つめられて

逃げ出したいくらい息苦しくて、目を逸らしたいのに

どうしても 彼を見つめてしまう。

ジニョンは その場から身動きできない。

ドンヒョクの瞳は、そんな魅力に満ち溢れていた。


ドンヒョクがまた ゆっくりと動き出した。

彼の唇が ジニョンの額から 瞼、頬、唇に降りてくる。

そして 彼女の細い首筋に唇を這わせた。

ジニョンの身体が震え始める。

突然、ドンヒョクの手が ジニョンの首のスカーフをすっと解いた。


「・・あ、あの ドンヒョクさん・・・。」

ジニョンの動揺した瞳がドンヒョクを見上げる。


ドンヒョクは黙ったまま コートの開いた部分から見える
ジニョンのブラウスのボタンを外していく。

ジニョンは慌ててドンヒョクの手を押さえるが すぐに払われてしまう。

「・・・ドンヒョクさん・・。」

ジニョンの震える声が静寂の中で響く。


まるで ドンヒョクには何も聞こえていないようだった。

彼は ゆっくりと頭を下げ、露わになった首筋と胸のふくらみにそっと唇を押し当てた。

その瞬間、ジニョンの全身に電流が走ったような気がした。

ドンヒョクの熱い唇が 少しずつジニョンの白い肌を移動していく。

 

   “・・・愛してる ジニョン・・”


   “・・・だめよ ドンヒョクさん・・わたし・・恥ずかしい・・”


   “ どうして? こんなに綺麗なのに ”


   “・・だって・・こんな所で・・・”

 

恥ずかしさと息苦しさで 混乱したジニョンは立っているのがやっとだった。

これ以上 ドンヒョクに触れられたら、その場に崩れ落ちてしまいそうだった。

 

   ・・・それなのに・・・

        ジニョンの心は またドンヒョクを求めていた。

 

    “・・ドンヒョクさん ドンヒョクさん・・わたし・・

         わたし・・どうかしちゃったみたいなの・・・

          恥ずかしいのに もっとあなたに触れて欲しいの。

          幸せなのに・・涙が出そうなの・・。

             ドンヒョクさんと一緒にいるだけで

                 何だか 泣けてきそうなの・・。

 

ジニョンは ドンヒョクの胸に顔を押し当てて囁いた。

彼女の甘く切ない声が ドンヒョクの胸の中で静かに響く。


ドンヒョクが そんなジニョンをいとおしそうに抱きしめた時だった。 

 


「・・ただいま、お姉さん!・・もしかして兄さんが来て・・え???」
 
ジェニーが突然、玄関の扉を開けたのだ。

 

「・・・!!!・・・」

ジニョンは心臓が止まるほど驚いて 慌てて乱れたブラウスの胸元を押さえた。

ドンヒョクは動揺する事もなく ジニョンをかばうように抱きしめたまま、妹に背を向けた。

ジニョンの華奢な身体は ドンヒョクの大きな胸にすっぽりと隠れて見えない。

ドンヒョクは ゆっくりとジェニーに顔だけ向けると静かに笑って言った。


「お帰り ジェニー。」


「わ・・お・・。」

ジェニーは声を上げると立ち止まってしまった。

しかし すぐに兄に笑いかけると 二人の脇を通り抜けて 自分の部屋に向かった。

そして 通りすがりに言った。

「・・失礼しました~。邪魔者は消えますーーー。」

ジェニーはひらひらと手を振りながら 明るく言った・・・。

 


   ――――――

 


「・・ど、どうしよう・・。ジェニーに・・見られ・・ちゃった・・。」

ブラウスのボタンを留めようとするジニョンは 動揺して手が震えている。


「・・ごめん、ジニョン。」

ドンヒョクはジニョンの手に自分の手を重ねて 代わりにボタンを留めていく。


「・・ジニョンを困らせてしまったかな。」
 
ドンヒョクは 足元に落ちているスカーフを拾うとジニョンの肩にかけた。

そして ジニョンの乱れた髪を直し、彼女の額にそっとキスを落とした。

「 ・・・ジニョンが傍にいると 気持ちが押さえきれなくなるんだ。
 もっとジニョンに触れて キスして 抱きしめて・・それ以上の事を
 したくなる・・。これでは本当に 思春期に逆戻りだな・・・。」

ドンヒョクはそう言うと 少し切なげに笑う。

「僕が強引だったね・・ごめん。」

 

「・・・ドンヒョクさん・・。」

ジニョンはドンヒョクの手を取ると両手で包み込んだ。

「・・謝ったりしないで・・ドンヒョクさん。・・わたしも同じ・・。
 ドンヒョクさんに会えない時は あなたを思い出して
 あなたに抱きしめて欲しいと、いつも思ってる。」

 

  ・・・恋する二人は おたがいを見つめ合い微笑んだ・・・。 

 

 

   ――――― 

 


ジェニーは 部屋に入って 何かをゴソゴソしてたかと思うと
少しして出てきた。 手には 少し大きめのバッグを持っている。

そして 彼女は唐突に言い出した。

「兄さん、家の鍵を貸して。」


「え?」

ドンヒョクは目を丸くする。


「・・今夜は わたしが兄さんの家に泊まるわ。」


「え?」


「だから お二人はここで甘い夜を過ごしてね。」 

ジェニーはジニョンに悪戯っぽい笑みを向ける。


「あっ、甘い夜って・・」

ジニョンは頬を赤くする。
 

「もうっ、お姉さんってば、今夜は兄さんの家にお泊りかと思ってた。
 ・・・でもいいわ。 ホワイトデーだものね。
 ヴァレンタイン・デーのお返しをする日なのよね。
 だから 今日は兄さんがお姉さんにおもてなしをするのよ。
 ・・わかった?兄さん!」

「あ、ああ。」

ジェニーの勢いに押されっぱなしのドンヒョクとジニョンは
唖然として 彼女を見た。


「・・・ジェニー・・怒ってないの?」

ジニョンが躊躇いがちに聞く。


「何を? ・・兄さんとお姉さんはもうすぐ結婚するんだもの、
 いいんじゃない?・・これが違う相手としてたら大問題だけど・・。
 恋する恋人達・・すこしでも一緒にいたい・・切ない思い・・
 あ~あ、独り者のわたしには羨ましい限りだわーーー。」

ジェニーは大げさに叫んだ。
 


  ・・・何て ドライでしっかりした妹・・・

“こんな事するなんて 兄さんもお姉さんも嫌いっ!”とまで言わないにしても

     もう少し動揺してもいいのでは・・・?

   この さばさばした、明るいたくましさは一体どこから・・・。


ドンヒョクは改めて 実の妹に感心した。

そして 思えば その後、繰り返されるドンヒョクの“おもてなし”は

このジェニーの提案から始まったのだった・・・・・。

 


   ―――――

 

「今夜のお返しは 最高級フレンチのディナーでいいわ、兄さん。
 ふふ・・“シン・ドンヒョク 初めてフィアンセの部屋にお泊まり~”ね。
 ・・・がんばってね!」

賑やかに言うジェニーを送り出すと ドンヒョクとジニョンは
リビングルームのソファに座った。

 

「ところで・・“おもてなし”って・・何をすればいいんだろう・・?」

ドンヒョクは本気で悩んでいた。

妹に がんばってねと言われたからにはそうするしかない。


ガラスの花瓶に生けたミルクホワイトの薔薇の香りに うっとりしていた
ジニョンは思わずぷっと吹き出した。

「いつものドンヒョクさんでいいのよ。」


「え?」


「いつも・・わたしのことを大切にしてくれるから・・・そのままでいいの・・。」

ジニョンはそう言ってうつむいた。           


「・・・時々 強引になってしまう僕でも・・?」


「・・・・・」

ジニョンは黙ったままこくんとうなずいた。


「・・じゃあ、いつものシン・ドンヒョクでいるよ。」

ドンヒョクはにっこり笑うと立ち上がった。

そして ふわりとジニョンを抱き上げた。


「え・・!?」

初めての経験に ジニョンは驚きのあまり小さく叫んだ。

本当は ヴァレンタイン・デーにも同じ事をされたのだが
ジニョンは眠っていたので覚えていないのだ。

ジニョンは ドンヒョクの逞しい腕に抱かれて動揺を隠す事ができない。


「・・さっきの続きをしよう。」


「え?」


「・・ジニョンの部屋はこっちかな?」


「きゃっ・・やめてやめて、ドンヒョクさん。」

ジニョンは顔を真っ赤にして 足をばたばたさせる。


「・・・いつもの僕でいいと言ったのはジニョンだよ。」


「ドンヒョクさんは紳士じゃなかったのーーー?」


「・・・今頃、気づいた?」

ドンヒョクはやわらかく微笑むと ジニョンのおでこにチュッとキスをした。


その軽やかな音が可愛くて そんな事をするドンヒョクがいとおしくて

ジニョンは抵抗する気をなくしてしまう。


「・・ああ・・もう・・・。」

ジニョンは頬を赤くしながら ドンヒョクの首に両手を回した。

 

 

   恋する二人の甘い夜が始まった・・・。

 

 

 

 


   “ ねえ、ジニョン ”


   “ なあに、ドンヒョクさん ”


   “ 僕は失敗したかもしれないな ”


   “ ・・・わたしと・・結婚すること・・? ”

   
   “それは 僕が今まで生きてきた中で 最高に幸運なことだよ”


   “・・ドンヒョクさんったら・・・” 


   “ 僕達の家のベッドも このくらいの大きさにすれば良かった ”


   " え・・? ”


   “ そうすれば こんなふうに ずっとジニョンと密着していられる
     ぴったり身体を寄せ合っていないと 下に落ちそうだ 
     いいね これは ・・・ジニョンもそう思うだろう? ”


   “ ・・・もう・・ドンヒョクさん・・子供みたいだわ ”

 

 

   “ ・・・今頃 気づいた? ”   

 

 



 

                                     END

                                             





























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aoi32
ヨンkissさん、ありがとうございまーす。ハンターのドンヒョクにしてはお茶目すぎたでしょうか(笑) (* ^)(^ *)チュゥゥゥゥ←可愛い顔文字ですね~^^ 2011/04/07 22:18
ヨンkiss
恋する二人の甘~い夜❤お茶目なドンヒョクが可愛い・・・・・(* ^)(^ *)チュゥゥゥゥ♪ 2011/04/02 04:27
 
 

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