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aoiルーム
aoiルーム(https://club.brokore.com/hollyhock)
aoi32の創作ストーリーを集めたお部屋です。 どなたでもご覧いただけます。 どうぞごゆっくりお過ごしくださいませ。
サークルオーナー: aoi32 | サークルタイプ: 公開 | メンバー数: 297 | 開設:2008.03.05 | ランキング:100(3927)| 訪問者:1352054/1889295
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ホテリアー創作
妄想爆走!ホテリアー二次創作。                                                     大好きなドンヒョクと 可愛いジニョンの物語…
No 122 HIT数 7920
日付 2011/04/26 ハンドルネーム aoi32
タイトル Bad Day ― 彼が髪を伸ばした理由 ―
本文

Bad Day ― 彼が髪を伸ばした理由 ― 

 



 
「…素敵ね~。」
「ホント、高貴な王様の役がぴったりだわ!」
「やっぱりカリスマ性がある俳優よね。」
「長髪があんなに似合う男なんて なかなかいないわ~!」

 


「…ほんと…。」

つい、ジニョンも同じようにうなずいてしまった。


そして うっとりと大型TVの画面に見とれている。

 

「……」

ドンヒョクは 黙ったまま、そんな妻の横顔を見ている。

あくまでもポーカーフェイス。 しかし・・眼鏡の奥のクールな瞳が・・・光る。

 

 

ソウル マタニティークリニック

韓国ソウル市内でも高い医療技術を誇り その上、最高の入院施設を備えているということで
評判の産婦人科の病院である。


ジニョンの妊娠定期検診日のこの日、ドンヒョクは初めて彼女に付き添ってここに来た。


クリニックの待合室にあるTVは ボリュームを下げて映像だけを流している。

室内に流れるBGMは 優雅なクラシック音楽でゆったりとした雰囲気を醸し出している。


病院とは思えないような シックで上品なインテリアの待合室。

 

 


ジニョンは ソファで一緒に座っているドンヒョクを見た。


レオを強引に承諾させ 仕事の合い間に来たドンヒョクは 
いつものように びしっと完璧にスーツを着こなし 
足を優雅に組んでゆったりと座っている。


そんなクールな彼には 産婦人科医院は不似合いな場所だった。

 

妊娠6ヶ月に入り お腹の膨らみも目立ち始めたジニョンを
ドンヒョクは 以前にもまして いたわるように大切に大切にしていた。

ドンヒョクはジニョンの傍にぴったりと寄り添うように座り 彼女の肩を抱いていた。

時折、彼は シンプルなマタニティードレスを着たジニョンのお腹に
その大きな手を当てて優しく撫でていた。


ジニョンはそんなドンヒョクの行動に頬を染める。

ドンヒョクは ジニョンにやわらかく微笑みかける。


「…あの、ドンヒョクさん。」


「うん?」


「その…ドンヒョクさん、恥ずかしくない?」


「何が?」


「マタニティークリニックに男の人が一人で… 他はみんな妊婦さんで…
 居心地が悪いんじゃないかと思って…。」

ジニョンが困ったようにドンヒョクを見上げる。


「なぜ? 今日、僕はやっとここに来れて嬉しいのに。
 今までだって ずっとジニョンと一緒に来たいと思ってたんだ。
 やっと念願がかなって 最高の気分だよ。」

ドンヒョクはきっぱりと言ってのける。

さすが 世界一の愛妻家である。


「でも…。」

ジニョンは優しくて頼もしい夫を複雑な気分で見上げる。

 


…それは・・わたしだって ドンヒョクさんが一緒に来てくれてすごく安心だし 嬉しいけど…

でも、あなた 気づいてる?

さっきから・・あそこに座っている妊婦さん達が あなたのこと見てるの。

それも うっとりとした目で あなたを見ているのよ。


ジニョンは 自分の心がざわついていることに気づく。


…わたし もしかして 嫉妬してる? 

 

「ジニョン どうかした?」

黙ってしまったジニョンを ドンヒョクは不思議そうに見る。


「ううん、何でもないわ。」

ジニョンはあわてて首を振る。


ドンヒョクはジニョンの手を取って握り締める。

「ジニョンのお腹のベイビーは僕の子供でもあるんだ。
 その子が順調に育っているかどうか 自分の目で確認するのは
 夫で父親である僕には当然のことだよ。」

 


はぁ~っとため息、そして パチパチパチ! と 拍手

一瞬で ドンヒョクは そこにいた妊婦さん達のハートを掴んでしまった。

 

「……」

彼女達の思わぬ反応に ドンヒョクとジニョンは目を丸くする。


「ステキ! うちの夫にも聞かせたいわ!」
「ほんとよ。わたしの夫なんて優しい言葉のひとつもないのよ。」
「まさに理想の夫ね~~。」

妊婦さん達が賑やかに喋り、そして また ドンヒョクをうっとりと見つめる。

 

…美しい絵画を鑑賞したり 綺麗な音楽を聴くのは胎教に良いのよ。


その両方を持っているドンヒョクの容姿と甘いベルベッドヴォイス…


なんて素晴らしいーーー!

 


「!!!」

ジニョンは思わず ドンヒョクの腕を取って彼の肩に頬を寄せる。


「ジニョン? 気分が悪いの?」

ドンヒョクは驚いてジニョンを見た。


「ううん。…少しだけ このままでいさせて。」

ジニョンは目を閉じて静かに答えた。


「ジニョン?」

ドンヒョクはジニョンの肩をそっと抱きしめる。


ジニョンはドンヒョクの胸の中に身をまかせる。

 

…だめよ そんな目でドンヒョクさんを見ないで。

この人はわたしの夫なんだから・・!

わたしだけのドンヒョクさんなんだから…

 

・・・・・・・・・・・

 

  ・・・・・・・・・・・

 

あ~あ 何だかわたし 意地悪だわ


わたしって こんなに嫉妬深かったの?

 

ジニョンはそう思いながらも ドンヒョクの長い指に自分の指を絡ませた。


ドンヒョクさんも 他の人を見ないで…

 

ジニョンは なぜ自分がこんなに不安定なのかわからなかった。


愛する人の子供を授かり 今は安定期に入って とても幸せなのに…


なぜ こんなに不安になるのかしら?


ジニョンはしがみつくようにドンヒョクの胸に顔を埋めた。

 


そんな二人を見て 落胆した妊婦さん達は 諦めてTV画面に視線を移した。

そして ワイドショーで新作ドラマの紹介をしている超人気俳優を発見したのだった。


彼女達はどうでもよかったが 最愛のジニョンまで その俳優に興味を示したことに

ドンヒョクは気に入らなかった。

そして あっという間に不機嫌になった。


数分前までは ジニョンは可愛いくらい必死でしがみついてきたのに…

 

 

ドンヒョクのついてない日の始まりだった。
 

 


―――――

 


受付でジニョンの名前を呼ばれて 診察室に案内される頃にも
ドンヒョクの機嫌は直らなかった。

しかし 妻思いのドンヒョクは ジニョンに付き添うことをやめなかった。


…まあいい。 これで ジニョンの関心はお腹のベイビーにいくに違いない。


そう思うと ドンヒョクは気を取り直すことが出来た。

 

 

しかし…                            


一分も経たないうちに 診察室のドアが物凄い勢いで開いたかと思うと
ドンヒョクがジニョンを引きずるように出てきた。


「ドンヒョクさんーーー!!!」


「だめだ! 今日は帰ろう! 診察はまた別の日にしよう!」


「ドンヒョクさんったら どうしたのーー?」


「ジニョン! 僕には 君の診察をするドクターが男に見えたが?」


「そっ、そうね、男の先生だと思うわ。」


「なぜ?君の担当医は女性のはずだ!」


「だって仕方ないじゃない。 いつもの チャン・ヨンエ先生は緊急の手術で
 いらっしゃらないんだもの! だから、今日は代わりのドクターなのよーー!」


「代わりのドクターなんて許さない! あの男がジニョンに触れるのかと思うと… うっ…」


ドンヒョクは 想像しただけで気を失いそうになった。 

 

「そんなこと言ったらドクターに失礼じゃない! もう、ドンヒョクさんったら
 どうかしてるわ! お腹の赤ちゃんを診てもらうのよ?
 なのに こんなことして…」

ジニョンがドンヒョクを責める。


「何と言っても駄目なものは駄目だ! 絶対許さない!」

ドンヒョクは興奮して激しい口調で叫ぶ。


「ひどいわ!何て横暴なの!」


「ああ、僕は横暴な男だ。そう思ってくれていい。 だから 今日はもう帰るんだ!」


「わ、わかったわ! 帰るわ! だから、手を離して!」

ジニョンはドンヒョクを睨みつけると 彼の手を振り解いた。


「ジニョン?」


「ドンヒョクさんの言うとおり今日はこのまま帰ります。
 だから、どうぞドンヒョクさんはお仕事に戻ってください。」


「家まで送るよ。」


「けっこうです。・・もうすぐ会議が始まる時間でしょう?
 一人で帰れますから・・大丈夫です。」

ジニョンは冷たく言うとドンヒョクに背を向けた。

丁寧な言葉を使う時のジニョンは怒っている時と決まっている。 


「ジニョン…」

ドンヒョクの顔が・・青ざめてきた。


「今のドンヒョクさんは嫌い。ドクターに失礼だわ。
 わたし… 恥ずかしくて、もうここには来れないわ。」

ジニョンはドンヒョクの顔を見ようともしない。

「…さようなら ドンヒョクさん。」

そして ジニョンは背を向けたまま歩き出した。

 

「ジニョン!」


ドンヒョクの叫び声が聞こえたが ジニョンは振り向きもしなかった。

 

 

―――――――

 


「もう、もう、もうーーー!!!
 ホントに・・信じられないーーーーーーーー!!!
 どうして・・どうして・・ああなのかしら・・。もーーー!!」

ジニョンは首を振りながら叫んだかと思うと 今度は両手で顔を覆った。


「ジ、ジニョンさん、落ち着いて。あまり興奮すると
 お腹の赤ちゃんに良くないわよ。」

コ・イェジンが慌ててなだめるようにジニョンの肩に手を置いた。


「だってだって、本当にドンヒョクさんって横暴なんだもの。
 我儘で、強引で、冷たくて…」

ジニョンはまた思い出して 腹が立ってきた。

 

ソウル グランドハイアットホテル

その中にあるカフェで ジニョンは このホテルの支配人でジニョンの友人でもある
コ・イェジンと一緒だった。


あのまま家に帰る気にならず イェジンを訪ねてきたのだった。

                

「それだけ愛されちゃってるのよ、ジニョンさんは。
 ドンヒョクさんはあなたのこと一人占めしたいんだわ。
 他の男性には 触れて欲しくないのよ。」


「だからって、あんな失礼な事…
 もう、わたし あのクリニックに行けないわ。
 ドンヒョクさんは あの後 わたしがどんなに困るか
 全然考えてくれないのよ。」


「大丈夫よ、ジニョンさん そんなに気にしなくても。
 きっと色々な患者さんがいるはずよ。だから、妻の診察は女医さん以外は拒否っていう
 ご主人だってきっと…。」


「…いると思う?」

ジニョンが イェジンの顔を覗き込む。


「う… う~ん、い、いるんじゃない…かな?」

イェジンは引きつった笑いを浮かべる。


「…やっぱりいないわよねーーー。」

ジニョンは悲観して言った。

「ドンヒョクさんみたいに 横暴で、我儘で、強引で、冷たい人なんて
 他にいるはずないわ!」


「わたしには ドンヒョクさんみたいに 情熱的で、子供みたいに素直で、頼れて、クールで
 でも、本当はすごく優しい人は 他にいないから大好き!
 …って言ってるように聞こえるけど?」


「え?」

ジニョンが驚いてイェジンを見つめる。


「もしかして、当たってる?」

イェジンは楽しそうに笑うと、ジニョンの顔を覗き込んだ。


「それは… あの、その…」

ジニョンは 心なしか頬を染めてソワソワし始めた。


「かわいいーー! ジニョンさんって本当に可愛いわあ。 これじゃあ
 ドンヒョクさんが溺愛するのも無理ないわね~!」


「で、溺愛って、そんな…」


「ふふ… さあ、もうわかったでしょう?
 ドンヒョクさんはジニョンさんのことが大切だから、つい強引になってしまうし
 ジニョンさんは そんなドンヒョクさんのこと理解してあげてるじゃない。
 だから、もう家に帰りなさいよ。ね、ジニョンさん。」


「そうね… そろそろ帰ろうかしらね。
 イェジンさんもお仕事中だものね。」

つい愚痴をこぼしに来てしまったが、彼女は勤務中だったのだ。


「そうなのよ。もっとゆっくりできるといいんだけど。
 実はこれから うちのホテルでTVドラマの撮影があって…
 わたしも 色々やる事があって・・。」


「TVドラマの撮影?」


「そうよ。しかも 日本のTVドラマなの。ホテルを舞台にしたストーリーなんですって。」


「ホテル?」


「ほら、韓国でも放映されたでしょう?あれのリメイク版なんですって。
 日本の女優さんがいらっしゃってるのよ。それに…何と、韓国からは
 あの時の彼が特別出演するのよ。その撮影ですって。」


「もっ、もしかして… 最近、髪を伸ばしている、あの…
 …あのーーーーー?」


ジニョンは 眩しいほど顔を輝かせて興奮して叫んだ。

 

そして ついさっきまで怒っていたことは すっかり忘れてしまったジニョンだった。  

 

 


――――――

 


―夜―

 

「お帰りなさ~い! ドンヒョクさん!」

いつものように ジニョンは帰宅したドンヒョクを迎える。

そして ジニョンはドンヒョクの胸に飛び込む。


「う、うん ただいま ジニョン。あの…」

ドンヒョクは少し戸惑いながら 両腕でジニョンの身体を包み込む。


「なあに?ドンヒョクさん。」

ジニョンは嬉しそうにドンヒョクの胸の中から見上げる。


「その… もう怒ってないのかな、ジニョンは…」

ドンヒョクの瞳は不安げにジニョンを見つめる。


「怒ってるわよ。でも、ドンヒョクさんなら ああするかな~と思って。
 でも、もう あんな事しないでね。 今回は許してあげるけど 
 また同じような事をしたら許さないんだから。わかった?」

ジニョンは少し睨んだが すぐに笑いかける。


「わかったよ。 でも、それは 代わりのドクターがまた男だったら
 必ずしも約束できないな。」

安心したドンヒョクは いつものように復活する。


「もうっ…」 

ジニョンはあきれたように頬を膨らませる。


ドンヒョクは嬉しそうに微笑むと ジニョンの膨れた頬を両手で包み込んだ。


そして ふわりとやわらかなキスで謝罪する。

 


「ごめん ジニョン。」


「いいわ、許してあげる。」


「今日は寛大だね。 何かいい事でもあった?」


「そうなの! あのね、今日イェジンさんのホテルで ドラマの撮影があって
 それを見てきたの。そしたら、何とあの長髪の、ほら クリニックのTVで見た
 あの俳優さんも出てて すご~く素敵だったのーー! 長い黒髪がさらさらしてて…
 実物の方が ず~っと格好良かったの~!!あ~、うちのホテルでも撮影… ……」

 

 
“ジニョン… それ以上は聞きたくないよ…”

 

“ああ、もう ドンヒョクさんったら…”

 

 

 
  

―数ヶ月後―

 

「ドンヒョクさん 髪、伸びたわね。」


「これはジニョンのせいだ。」


「え?わたし?」


「いつだったか、長髪の俳優を見て うっとりしてたじゃないか。」


「やだ! ドンヒョクさんったら。 あれは あの俳優さんが主演するドラマのために
 髪を伸ばしてたのよ。 わたしのドンヒョクさんは短い髪の方が ず~っと素敵よ!」


「…今すぐ切って来る!」




 







 

 

 








 

 

 














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aoi32
クールなドンヒョクも結婚して赤ちゃんができて、可愛くなっちゃったんですね(笑)イメージダウンかしら~^m^ 2011/05/10 17:53
aoi32
ヨンkissさん、ありがとうございます。>ジニョンの言う事にすぐ反応するドンヒョク・・・可愛いし大好きだなあ❤ …そう言っていただくと、すごく嬉しいです^^  2011/05/10 17:50
aoi32
置き換えたお話、ですか?。。。えっと、それは また今度ね~(さりげなくごまかす(笑) 2011/05/10 17:49
aoi32
お返事が遅くなってすみませ~ん(^_^.) まさりんさん、ありがとうございます。はい、今思い出すと 髪を伸ばした男性であれほど清潔感があって品がある人はいないだろうと思います。ステキでした~♪ 2011/05/10 17:45
ヨンkiss
「わたしのドンヒョクさんは短い髪の方が ず~っと素敵よ!」「…今すぐ切って来る!」ジニョンの言う事にすぐ反応するドンヒョク・・・可愛いし大好きだなあ❤ 2011/04/28 04:38
まさりん
ところで・・・ドンちゃんを永瀬さんに・・ジニョンを柚子ちゃんに置き換えてみると・・何だかありそうな展開になりますね^m^置き換えたお話・・読みたいなぁ~~(さりげなく催促^m^) 2011/04/27 21:38
まさりん
こんばんは^^。私もあのロン毛のヨンジュン結構ツボだったんですよ^m^それにしてもaoiさんのドンちゃんは可愛い♪読みながらニヤニヤしてしまいます(爆) 2011/04/27 21:36
aoi32
やっぱり素材が最高の彼は何をしてもステキなんですね(*^_^*) ところで、このお話のドンヒョクを永瀬に、ジニョンを柚子にしてみてください。そうすると あら~、不思議! 何だかありそうな展開に?(笑) 2011/04/26 22:19
aoi32
このお話はヨンジュンさんが長髪だった頃に書いたものです。あの時は早く髪を切らないかな~と思っていましたが、今 思い返してみると なかなか似合っていてステキだったな~❤と。。。 2011/04/26 22:14
 
 

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