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aoiルーム
aoiルーム(https://club.brokore.com/hollyhock)
aoi32の創作ストーリーを集めたお部屋です。 どなたでもご覧いただけます。 どうぞごゆっくりお過ごしくださいませ。
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ホテリアー創作
妄想爆走!ホテリアー二次創作。                                                     大好きなドンヒョクと 可愛いジニョンの物語…
No 124 HIT数 8113
日付 2011/05/17 ハンドルネーム aoi32
タイトル 若葉のころ -First of May - 前編
本文



 

- 前編 -




 

5月 ―― わたしの好きな季節。

淡いパステル調の春から 新緑の清々しい初夏に移り行く頃。

薄ピンクの桜の花は散ってしまったけれど その後はやわらかな黄緑の葉桜になる。

公園の木々や通りの街路樹の下を深呼吸しながら歩く。

すうっと思いっきり息を吸って ふうーーっとゆっくりと吐く。

体中にエネルギーが満ちてきて わたしは元気になる。

目にも眩しくて 艶々に光り輝く若葉を見ていると心がうきうきしてくるの。

 

ねえ ドンヒョクさん。

あなたが 毎朝ランニングをする時も同じように感じてるのかしら?

ドンヒョクさんの体にも たくさんのエネルギーが溢れて、きらきらと包んでくれるといいな。

いつも元気で 病気なんかしないで 怪我もしないように・・そう思ってるの。

明るい日差しを浴びて いつまでも颯爽と凛としててほしいの。


以前 あなたは言ったわ。

“ 自分を追い込むように走るのが 僕のスタイルなんです”

ドンヒョクさんは 自分に厳しくストイックに生きている。

それは 以前とほとんど変わらない。

あなたは 一人で生きていくために強くなりたかった?

目的も持たず ただ何となく過ごしていくのは不安だった?

でも 今のあなたは それだけではないわよね。

あなたは 豊かな自然に目を向けて 身体で感じて 溶け込んでるみたい。

眩しい日差しを浴びて あなたは輝いている。

 

あなたの心には冷たい氷壁があって それが静かな情熱を隠していたの。

でも あなたの心に芽生えた小さな炎が 少しずつ氷を溶かしていった。


ソウルに戻ってからのあなたは 惜しみなくその情熱を向けてくれた。

 

わたしと一緒にいる時は・・もう一人のあなたが現れる。

わたしの前であなたは 信じられないくらい優しくて甘いドンヒョクさんになる。

きっと・・誰も こんなあなたを知らないでしょうね。

 

ソファに深く身を沈め 難しそうな顔で本を読み 

時々、小さなため息をついて ぼんやりと外を眺めるあなた。


眼鏡を外し 神経質そうにこめかみを押さえるあなた。


でも・・・

わたしが炒れたコーヒーを飲んだ後は必ず “美味しいよ”と微笑むあなた。


“ここにおいで”と言って ソファをポンポンと叩くあなた。


次に何が起こるかわかっているから・・わたしは今でも少し緊張するの。


そんなわたしを見て あなたはからかうように笑うのね。


あなたは 隣に座ったわたしを満足そうに眺める。


あなたの大きな手がわたしの頭を撫でて その長い指を髪に絡ませて弄ぶ。


   ・・・・・・・・


あなたの黒くて深い瞳に見つめられて わたしは身動きできなくなる。


      ・・・・・・・・・・


あなたのやわらかな唇が わたしの額と頬に降りてくる。


そして唇が重なりあうと わたしはもう何も考えられなくなるの。


あなたのキスは 魔法のようにわたしをうっとりとさせる。

あなたとのキスは 深くて熱くて甘くて他の何よりも夢中になる。

あなたは その逞しい腕でわたしを抱きしめてくれるの。 

あなたの心臓の音を聞きながら わたしはあなたの胸の温もりにすっぽりと包まれる。


     ・・・・・・・・・・・・・ 


その時 わたしがどんなに幸せで心が安らぐか・・あなた、知ってる?

 

あなたはいつでも“愛してる”と言ってくれる。


わたしは・・恥ずかしくて あなたのように何度も言えないけど


わたしも あなたを愛してる・・・そして いつでも恋してる。

 

 

 

 


「・・ジニョンさん?」


「え?」


「ぼんやりして、どうかしましたか?」


「あ、ううん、何でもない。」


「・・良かった。気分でも悪いのかと思った。」


「大丈夫よ ミナさん。ありがとう、心配してくれて。」


わたしは 心配顔のミナさんに笑いかけた。

彼女は安心したように わたしの顔を覗き込んだ。


「お腹・・だいぶ目立ってきましたね。」


「そうね。もう7か月なのよ。」

わたしはそう言うと 自分の膨らんだお腹に手を当てた。

そう・・ここにドンヒョクさんとわたしの赤ちゃんがいるの。

自然と顔がほころんでくるのがわかる。


「ドンヒョクさんはいつ帰って来るんですか?」


「ふふ、明日よ。今回はちゃんと予定通りなの。」


「ジニョンさん、嬉しそうーー! 良かったですね!
 わたしもまたドンヒョクさんのジョギング姿を見られるのかと思うと嬉しいです。」

ミナさんは Vサインをすると本当に楽しそうに笑った。

 

公園通りにあるカフェ “モン・フォレ”― 森のカフェ ―

この店の前の通りは ドンヒョクさんのジョギングコースなのだった。

カフェの店員のミナさんは・・ドンヒョクさんのファンの女の子だった。

歳は・・多分ジェニーと同じくらいかしら?

 

ドンヒョクさんは二週間前に仕事で日本へ向かった。

わたしの身体を気遣って出発する直前までごねていたけど(いつものように?)
レオさんに泣きつかれて、半ば無理矢理に連れて行かれた。


大丈夫よ ドンヒョクさん。心配しないで。

もう安定期に入ってるもの。

お腹の赤ちゃんは順調に とても元気に育っているわ。


ソウル マタニティー・クリニックの“女医”のチャン・ヨンエ先生が
言ってくれたでしょう?
 
あなたも今度は一緒に聞いたでしょう?

わたしは恥ずかしかったわ。 だって・・あなたは あのクリニックでもう有名人なのよ。

この前の事を謝罪したら チャン先生は笑ってくれたわ。

「素敵なご主人ね。」とまで言ったのよ。


ミナさんといい チャン先生といい 本当にあなたは女の人にモテモテね。


   ・・何だか憎らしい・・・。

 


「ジニョンさん、ミルクのお代わりいかがですか?」

「あ、ごめんなさい、もういいの。これから出かけるの。
 ご馳走さまでした。」

わたしは肝心な事を思い出して 慌てて立ち上がった。

ここで 遅めの朝食をとっていたんだったわ、わたしったら!

ドンヒョクさんのことを思い出して物思いにふけってしまった。

 

「そうなんですか~? じゃあ、気をつけて。転ばないでくださいね!」


「・・はい。」


“転ばないように気をつけて”

どうしてこう・・わたしが歩こうとすると 皆、口を揃えて同じ事を言うの?


大丈夫よ、いくらわたしでも、何もない所で転んだりしないわ。


・・って、今、つまづきそうになったわ!!!

  ・・き、気をつけないとーーー!

 

わたしは ゆっくりと歩き出した。


5月の爽やかな風が気持ちいい。

眩しい日差しが降りそそぎ 森の繁った木々を萌えるような緑に輝かせる。

 

「さあ、赤ちゃん 今日はママと一緒にお出かけよ!
 あなたのパパとママがデートした場所を あなたに見せてあげる。」

 


五月晴れの空の下 わたしのお腹は重かったけど 足取りは軽やかだった・・・。

 

 

   ―――――

 


   ― ドンヒョクさんへのメール ―

 

   ドンヒョクさん、お仕事の方は大丈夫?

   今、何してるの?

   お昼時だから 取引先の方達とビジネスランチの真っ最中かしら。

   いいわね。美味しい日本食をたくさん食べてきてね。

   ところで わたし、今どこにいると思う?

   宗廟なの。 そう、ドンヒョクさんと初めてデート(?)した所よ。

   今日は あなたと行った思い出の場所を巡る旅なの・・な~んて。

   心配しないで、最近 とっても体調がいいの。

   これからもっとお腹は大きくなるし、赤ちゃんが生まれたらなかなか外出できないでしょう?

   だから、今のうちにこの子に見せてあげるの。

   止めても無駄よ。 だって、あなたはここにいないんだもの。

   大丈夫。わたしはとっても元気だから!

   じゃあ、またね。行って来ます。

                     ジニョン

 


   ―――――

 

驚いた!

ドンヒョクさんがあんなに焦って電話をして来るなんて初めてだわ。

あ~あ、やっぱり全部終わって 家に帰ってから報告すればよかった。

“今すぐ家に戻るんだ!”ですって?  嫌よ。せっかく来たのに。

それに こんなにいい天気なのよ。

これから 綿菓子を買って食べるのよ。

・・誤解しないで、お腹の赤ちゃんが食べたいって言ってるの。


“そっちに戻ったら僕が連れて行くから”ですって?

・・・う~ん、それもステキね! でも・・あなた忙しいでしょう?

無理しないで ドンヒョクさん。


今日も ウェディングドレスを着て、結婚式用の写真を撮影してるカップルがいたわ。

何だか懐かしい・・。わたしたち・・あの時どんな事を話した?

そうそう、不釣合いのカップルだからこそ 相手にない所を補い合えるって・・。

わたしたちはどうなのかしら?


ドンヒョクさんとわたし・・けっこういい感じよね。・・ね? そうよね?

 

   ――――

 

海の向こうで大騒ぎをするドンヒョクさんを何とか説き伏せて
わたしは再び歩き出した。

でも あなたは条件を出してきたわ。。

“ わかった。じゃあ、こうしよう。 目的の場所に着いたらすぐにメールで報告すること。

  そして 次に行く場所を必ず教えること”


はいはい、わかったわ。

本当にドンヒョクさんは心配性ね。

でも・・もう、わたしは子供じゃないのよ。

そんな報告をしなくちゃいけないなんて・・あなた まるでわたしの保護者みたいね。

・・・そう まるでわたしのパパみたい・・・。

あっ、いけない!! ・・・こんなこと言ったら また、あなた拗ねてしまうわ!

“僕は君のパパじゃない! そして お兄さんでもない!”って怒るわね。

そして パパやお兄さんとは 絶対できない・・キスをするのよね。

あぶない、あぶない・・・・。

   ・・・・・・・・・

         ・・・・・・・・・・・


   ・・・でも・・・それもいいかも・・・・


      ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


     はっ! 違うーーー! ・・・わたしったら! 何言ってるの~!

 

とっ、とにかく!


次はまたバスに乗って・・あのハンバーガーショップに向かうわ。

・・・誤解しないで。 お腹の赤ちゃんが食べたいって言うの。


それにしても・・・またドンヒョクさんのキスを思い出してしまった。


いけない、いけない。


足がもつれて転んだりしたら大変だわ。 気をつけないとね。

                         

 

ランチタイムは過ぎていたので ハンバーガーショップは空いていた。


わたしは ハンバーガーとオレンジジュースを買って、窓側の席に着いた。

ガラス張りの店内から外を見た。

外は少し薄暗くなっていた。

空を見ると 今まであんなに晴れていたのにどんよりと暗い雲が出てきたわ。


わたしは 少し気分が滅入ってきたので ドンヒョクさんにメールをすることにした。

もしかしたら また電話をかけてきてくれて 声が聞けるかもしれない。

ああ、でも 今はもうお仕事してる時間ね。


少しぐらい怒ってても、強引でも・・・結局 わたしは あの声が好きなの。

ドンヒョクさんの 静かで低くて甘い声が大好きなの。


・・・ドンヒョクさんの声が聞きたいわ。

 

 


                       
   ― ドンヒョクさんへのメール ―

 

   今、あのハンバーガーショップに着いたわ。

   いちばん大きなハンバーガーを食べるところよ。

   あ、もしかして呆れてるでしょう?

   言っておくけど お腹の赤ちゃんと二人分よ。

   妊婦はお腹が空くのよ。

   


   
メールを打ってると ハンバーガーショップのガラスにポツポツと水滴がつき始めた。


次第にその量は多くなりガラスを濡らして行く。


・・・雨が降ってきたわ・・・。


ここに来る時はいつも雨・・・。


わたしは ガラス越しに降りしきる雨を見つめる。

銀の雫の雨が 外の景色を濡らしていく。


あの日も 次の時も わたしはここから外の雨を見ていたわ。


ドンヒョクさんに見つめられて 胸の鼓動が苦しくて、顔の火照りをごまかすために

目をそらして外を見ていたの・・・。

 

でも 今日はそんなことをする必要がない。

 

   だって・・あなたはここにいないのだから・・・。

 



























































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aoi32
ヨンkissさん、ありがとうございます。夜更かししてらっしゃいますね~^m^ドンヒョクの心配そうな顔… いいですね^^ 2011/08/27 16:51
ヨンkiss
ジニョンの散歩・・・傍にいてあげられないドンヒョクの心配そうな顔が目に浮かぶね (*^_^*) am.2:22 2011/05/19 02:13
 
 

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