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aoiルーム
aoiルーム(https://club.brokore.com/hollyhock)
aoi32の創作ストーリーを集めたお部屋です。 どなたでもご覧いただけます。 どうぞごゆっくりお過ごしくださいませ。
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ホテリアー創作
妄想爆走!ホテリアー二次創作。                                                     大好きなドンヒョクと 可愛いジニョンの物語…
No 126 HIT数 7762
日付 2011/08/09 ハンドルネーム aoi32
タイトル Jewelry days 前編
本文

Jewelry days 前編

 





   ―― NY JFK国際空港 ――

 

「I want to change my flight of earlier airplane! 

 ・・The baby is about to born!  I need your help, please!」

 (もっと早い便に変更したいんだ! 子供が生まれそうなんだよ! 何とかならないか?頼むよ!)

 

カン・レウォンがあまりに必死に懇願したので、空港の係員は手元のキーボードを叩いて画面を見た。

そしてOKサインを出すと、にっこり笑った。

 

「I hope you'll meet a lovely baby who looks like daddy.  Good luck!」

 (パパに似た可愛い子が生まれるといいわね。幸運を祈るわ) 

 

 
「やった! これで 6時間早く韓国に帰れる!」

レウォンはガッツポーズをして叫んだ後、呟いた。


「・・・パパ似の可愛い子供?・・・それはどうかなーーー。

 パパに似たらすげーおっかない赤ん坊になるかも・・・。

 俺に似れば 愛くるしい赤ちゃーん・・になるんだが・・・。」


ドンヒョクに聞かれたら半殺しにされそうなセリフをはくレウォン。


  ・・俺は嘘は言ってない。

    子供が生まれるのは本当だ。・・・ただし、ボスとジニョンさんの子供だが・・

 


ドンヒョク部下でNY支社勤務の カン・レウォンは 

なぜかジニョンの出産予定日に合わせて休暇を取り、明日の朝の便で帰る予定だった。

しかし、今朝になって 予定より2日早くジニョンが入院したとジェニーから連絡が入った。

レウォンは慌てたが、彼はこんなことには慣れていた。

彼は手馴れた手付きで、あっという間に荷物をまとめると 30分後にはアパートを飛び出していた。

 

レウォンは もうすぐ生まれてくる小さなボス(女の子希望)のために買った

黄色いくまのぬいぐるみをギュッと抱きしめるとまた嬉しそうに叫んだ。

 

「ボス、ジニョンさ~ん、待っててください! もうすぐ帰りますからーー!!」

 

彼の声は空港ロビーに響き渡った・・・。

 


その日は眩しいほどに晴れ渡り 澄みきった青空がどこまでも広がっていた。

 

 







 

 

 





   ―― ソウル マタニティークリニック ――




「うっ・・・・・。」

ドンヒョクは ぶるっと寒気がしたので、思わず両腕で身体を抱えこんだ。

 

「・・どうしたの、ドンヒョクさん?」

病院のベッドで寝ているジニョンは不思議な顔をした。


「いや、何だか悪寒が・・・。

 それより、ジニョン・・今は痛くないのか?・・苦しくない? 大丈夫?」

ドンヒョクはジニョンの手を取ると両手で包み込んだ。


「大丈夫よ、ドンヒョクさん。まだ、陣痛は始まってないの。

 赤ちゃんが生まれるにはまだ時間がかかるかもしれないわ。
 
 明日までお腹にいてくれると嬉しいな。赤ちゃんもそう思ってるかもね。」

ジニョンは嬉しそうに微笑んだ。


「ジニョン。」

ドンヒョクは何と言っていいかわからなかった。

 

一時間前、突然 ジニョンは破水した。

病院に連絡すると 感染症予防のために急きょ入院ということになった。


ジニョンからの連絡を受けたドンヒョクは またいつものようにオフィスを飛び出し

信じられない速さで自宅まで帰ってきた。


ジニョンは慌てふためくドンヒョクを何とか落ち着かせて 無事に入院したのだった。


「ふふ・・・、ドンヒョクさんがあんなに慌てているところを初めて見たわ。

 妊娠がわかった時より何倍も動揺していたわ。」

 

ジニョンは その時のドンヒョクの事を思い出してくすくす笑い出した。


「ジニョン。」

ドンヒョクは困ったように楽しそうな妻を見つめる。

 

「脅かさないでくれよ、ジニョン。破水したと聞いて心臓が止まるかと思ったよ。」

ジニョンに関しては 世界でいちばん心配性のドンヒョクの瞳が揺れる。

 

「ごめんなさい。・・・でもね、ドンヒョクさん。

 破水した時って本当にお腹の中で風船がパチンって割れたみたいだったわ。

 びっくりしちゃった。イ先輩もそうだったんですって。」

ジニョンは目を丸くして面白そうに笑った。

 

「・・・ジニョン・・。」

居た堪れなくなったドンヒョクは 横になっているジニョンの背中にそっと手を当てて

ゆっくりと抱き起こした。

そして やわらかく包み込むように彼女を抱きしめた。

ジニョンのお腹の膨らみがドンヒョクの身体とぴったり合わせるのを邪魔する。

 

「・・ドンヒョクさん?」

ジニョンが彼の胸の中で呼んだ。

 

「・・かわいそうに・・ジニョン。

 僕達のベイビーを生むのに・・なぜ、ジニョンだけこんなに大変なんだ?

 僕が代わってあげられたらいいのに・・。」

 

「・・ドンヒョクさんが・・?」


思わずジニョンは吹き出してしまった。


「う~ん、それは不可能なことだわ。ハーバードで勉強してもそれだけは無理よね。

 でもね、ドンヒョクさん。・・・あなたは わたしの妊娠中にそれ以上のことをしてくれたわ。

 ずっと傍にいてくれたし、毎日お腹を撫でてくれたし、とても優しくしてくれたわ。

 もう、それで十分よ。・・最高のだんな様だわ。・・・ありがとう、ドンヒョクさん。」


ジニョンはそう言うとドンヒョクに微笑みかけた。


「・・ジニョン・・。」

ドンヒョクはもう一度ジニョンを抱きしめた。


   何て可愛い僕のジニョン。


   これから君が母親になっても 

      ジニョンは僕にとって たった一人のかけがえのない女性だよ

 

「・・キスしてもいい?」


ドンヒョクの甘い囁きにジニョンは頬を染める。

何年たっても 何度キスしても 恥ずかしそうな微笑は出会った頃と変わらない。


ジニョンは返事をする代わりに大きな瞳をゆっくりと閉じる。


もう少しで ドンヒョクのキスを独り占めできなくなると思ったジニョンは

今のうちにたくさんしてもらおうと長い睫毛を震わせた。


ドンヒョクの顔がゆっくりと近づく・・・。


   ・・・・・・・・・・・


       ・・・・・・・・・・・・・・・

 

「いたたたたーーー!!!!!」


その時、突然ジニョンがお腹を押さえて叫んだ。

 

「ジニョン!?」


ドンヒョクの叫び声が病室、そして病院中に響き渡った・・・。

 

 

 


   ――――――

 

 


「・・・で、ドンヒョクはジニョンが分娩室に移動するまでの12時間

 ずっとジニョンの傍にいたのか?・・ほとんど部屋から出ずに?」

ハン・テジュンは驚いた顔で言った。


「当然だ。 陣痛で苦しんでるジニョンを置いてどこかに行けるはずがない。」

ドンヒョクは真剣な顔で答える。


「すごかったのよ、兄さん。お姉さんが痛がり始めると、腰とかお腹とかさすってあげるの。

 そして何度もチャン先生や看護師さんを呼び出して・・そんなすぐには生まれないのにね~!」

ジェニーが呆れたように笑う。


「・・じゃあ、ドンヒョクさんはまたこの病院では有名人ですね~?」

ジニョンの友人のコ・イェジンが悪戯っぽく微笑む。


「・・ボス、“初めての妊娠と出産”の本を全部、暗記してましたよね。

 その本にも書いてあったのでは・・・?」

秘書のイ・ヘヨンが不思議そうに首を傾げる。


「さすがのボスも、頭の中が真っ白になって全て吹っ飛んじまったか?」

レオがつぶらな瞳でくっくと笑い出す。


「・・情けないな~! いつもはビシッと決めてカッコいいボスも

 ジニョンさんの出産に際してはパニックに陥ったってことですねーーー?」


「・・・・・」


「ボスも普通の男なんだ~!」


「だ・か・ら、なぜここにお前がいるんだ!!!」


ついにドンヒョクは怒り出し、その暴言を吐いたカン・レウォンの胸ぐらをつかんだ。

彼は1時間前にNYから韓国に帰ってきたばかりだった。

空港から脇目も振らずにこの病院に直行したレウォンは、

新生児室のガラス越しに生まれたばかりのドンヒョクとジニョンの子供に対面することができた。

彼は感動でぽろぽろ涙を流し、周囲からはその新生児の父親に違いないと思われた。


「やだな、ボス。言ったじゃないですか。・・ボス・ジュニアが生まれる時には

 韓国に帰って来ますって・・。 俺は約束は守る男なんです。」

レウォンはいつものように太陽のように眩しい笑顔を向けた。


「確かあの時 当分帰ってくるなと言ったはずだ。」

ドンヒョクは睨みつける。

あの時とは 半年前、レウォンの元カノがひと騒ぎを起こした時のことだ。  (*「あなたの瞳に映るわたし」参照)


「そうでしたっけ? ・・忘れたなあ、そんな昔のことは。

 それに、明日はボスの誕生日だし・・元々、帰って来ようと思ってたんですよ。」


「え?」
「え?」
「まあ。」
「あ!」
「そうだった!」

テジュン、レオ、イェジン、ヘヨン、ジェニーの5人は揃って声をあげた。

「そうだったわ! ああ、昨日まで覚えてたのに!

 この騒ぎで忘れていたわ。え?ということは、もう少し生まれるのが遅ければ

 赤ちゃんと兄さんの誕生日は同じだったのねーーー!」

ジェニーが興奮して叫んだ。


「そうだな。惜しかったなー・・というより良かったんじゃないか?

 ドンヒョクと同じ誕生日なんて・・性格も同じだったらどうする?

 目も当てられないぞーー!」

テジュンがニヤニヤしながら言った。


「・・・ボスと同じ性格?・・うう、ぶるる・・考えただけで恐ろしい・・・。」

レオが大袈裟に肩を震わせる。


「・・・・・」

ドンヒョクは不気味なほど黙って話を聞いている。

・・・彼の背後に青白い怒りの炎がゆらめいていることに誰も気づかない。

 

「でも・・お二人の赤ちゃん・・。」

「とても可愛かったですねーー!」

「ほんと! お姉さんにそっくりな女の子~!!!」

イェジンとヘヨンとジェニーが手を叩いて喜んでいる。


「俺も超嬉しいですーー!! いつかデートできるかと思うと、今から楽しみで・・。

 大きくなったらきっとすごい美人になりますよね。

 ジニョンさんとのデートはボスが許してくれなかったから・・ああ、楽しみだ~~!」


レウォンは遥か遠い未来のことを想像してぼ~っとしている。

ドンヒョクの眉がびくっと動く。


「まだそんな事言ってるの? いい加減そんな事諦めて、こっちを向きなさいよ。

 わかってるの? カン・レウォン!」


「え?」


つい叫んでしまったジェニーは慌てて口を押さえたが、ドンヒョクが聞き逃すはずはない。


「ジェニー・・それは・・まさか・・。」

ドンヒョクはかなり狼狽していた。

「ジェニー まさか・・レウォンと付き合ってる・・のか・・?」


「お・・もしかしてドンヒョクは知らなかったのか?」

テジュンが呆れたように言った。


「言えるわけ無いな・・そんなことしたら半殺しだ。」

レオはニヤニヤしている。


「レウォンは度胸がありますよね。」

ヘヨンは感心している。


「ジニョンさんも心配してたわ。ジェニーはいつになったらドンヒョクさんに報告するのかって。」

イェジンは思い出すように言った。


ドンヒョク以外は皆知っていた・・。


「・・・ジニョンも知ってた・・・?」

新事実が次々と明るみに出て ドンヒョクは気を失いそうになった。

ドンヒョクはふらっと歩き出すとソファの背もたれに手を置いてうな垂れた。


   最愛の妹のジェニーがつきあってる男が・・よりにもよってこいつだなんて・・・。


   そして、何よりもドンヒョクに止めを刺したのはジニョンが黙っていたという事だった。

 

   ・・・ジニョンが僕に黙っていたなんて・・・。


昨夜からジニョンに付き添い、一睡もしてないドンヒョクはかなりダメージを受けた。


その時だった。


「おーい! ソ支配人、無事に赤ん坊が生まれたって?

 お、理事、おめでとう!良かったなーー!女の子だって?

 いやーーめでたい、めでたい・・・うん? どうした?理事、さえない顔して。」


賑やかに 建築デザイナーのチェ・ウソンが病室に入ってきた。

ドンヒョクの憂鬱がますますひどくなる。


  ・・・また無駄に明るい男が増えて・・


      ・・なぜこんなに僕の周りは騒がしいんだ・・?



ドンヒョクはふらつく足取りで、隣の部屋で疲れて眠っているジニョンの元へ歩き出した。


そして部屋のドアを開けると、吸い込まれるように中に消えて行った。

 

「・・・? どうしたんだ、理事は。・・・何かあったのか?」

ウソンが、鮮やかなひまわりの花束を抱えたまま首を傾げた。

 

「ドンヒョク・・相当ショックだったらしいな。」
「ボスのあんな顔 久しぶりに見たな。」
「ボス、大丈夫でしょうか。」
「ドンヒョクさん、お気の毒だわ。」
「兄さ~ん・・・。」
「ボス~!」


テジュン、レオ、ヘヨン、イェジン、ジェニー そしてレウォンがほとんど同時に呟いた・・・。

 

 

 











                                          後編へ続く・・・







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aoi32
ヨンkissさん、ありがとうございます。性格がドンヒョク似だったら?う~ん、それはそれで面白いかも(笑) 2011/08/27 17:05
aoi32
訪問者さん、ありがとうございます。思わず木に登ってしまいそうな嬉しいお言葉を頂いて光栄です(ちょっと恥ずかしいけど。。。)嬉しい~♪ありがとう^^ 2011/08/27 16:58
ヨンkiss
二人のベビーがジニョン似?!可愛いでしょうけど性格はきっとお転婆に育つのかなあ?でもドンヒョクがセーブさせるか?! 2011/08/17 02:48
訪問者
二人の子どもの今後がどのように表現されるか身震いするほど楽しみです。情けない感想ばかりでごめんなさい、崇高ささえ感じるこのお話ほのぼのとした幸せをも一杯でただただ嬉しく拝読しています。 2011/08/14 07:43
 
 

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