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Milky Way Library
Milky Way Library(https://club.brokore.com/sunjyon)
「Hotelier」にインスパイアされた創作(written by orionn222)の世界です
サークルオーナー: Library Staff | サークルタイプ: 公開 | メンバー数: 732 | 開設:2008.11.22 | ランキング:51(8198)| 訪問者:141172/418583
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Imagination
Cottage
Private
Congratulations
Gratitude
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D&J


こちらは、ドンヒョク&ジニョンを中心としたお話の部屋です。
私なりに想像した二人のその後・・・というお話になります。 婚約時代から、結婚後、ファミリーのお話・・・とありますが、時系列がばらばらだったりして、読みにくい一面もあると思いますが、よろしければお付き合いくださいませ。
No 153 HIT数 1157
日付 2009/03/04 ハンドルネーム Library Staff
タイトル 月下美人
本文
『月下美人』




「ねぇ・・知ってる?」

薄い闇の中、重なってくる貴方の唇を避けるようにそっとつぶやく。



「たった一晩だけしか咲かない花があるのよ・・・」

私の唇を滑って、貴方がキスを首筋に並べはじめる。



「たった一晩だけ・・・闇の中で真っ白な花が咲くの・・
  甘い芳香が夜の中に広がって・・純白の花が咲くのよ・・・・」

貴方のキスが熱を帯びて、私の胸元をしっとりと濡らしてゆく。



「ジニョンの方がいい香りだ・・・僕を酔わせる・・」

くぐもった貴方のベルベットボイスが夜の中に落ちていって・・



「でもね・・朝にはしおれているの・・・たった数時間だけしか咲かないのよ・・」

貴方のキスが、うなじにひとつ、肩にひとつ、背中にひとつ・・・私の体に次々と花を咲かせてゆく。



「1年に一度だけ・・・一晩だけしか咲かないの・・・」

闇の中で私の声が甘く掠れて、涙が一筋、頬を流れ落ちる。



「ジニョン・・」

零れ落ちた涙を貴方の唇がそっと吸い取って、私の睫毛を震わせる・・・

「でももう、翌朝にはしおれているの・・」



薄暗い部屋の隅で貴方のスーツケースが冷たく光る。

「翌朝には・・・しおれているのよ・・・」



「もう黙って・・・」

貴方の唇が重なってきて、私の言葉を飲み込んでゆく。



その熱い唇が私の耳を甘噛みして、貴方の足がちょっと乱暴に私の膝を割る。

瞳を濡らす私を上から見下ろして、貴方がそっと囁く。



「2週間なんて、あっという間だよ」

まるで自分に言い聞かせるような貴方の呟き・・



そうなの?

貴方にとっては、あっという間なの?



寂しい・・・哀しい・・・苦しい・・・切ない・・・心細い・・・

貴方が行ってしまう前の晩は、私はいつでもこんな気持ちになるのに・・



「・・あっ・・・」

貴方の指が繊細な快楽を奏で初め、私の背中が甘くのけぞる。



閉じた瞼の裏に浮かび上がる真っ白な月下美人

きらびやかに花開いていられるのは、あとどれくらい?



「あぁ・・ドンヒョクssi・・」

「もっと・・僕の名前を呼んで・・・」



私を捉えて動き出す貴方の背中に爪を立てて、そこに名前を刻み込む。

甘い呻き声が、私を熱くして、さらって、昇りつめて、砕け散って・・



でも・・



貴方のスーツの内ポケットのパスポートとチケットが私の心の時間を止める。

もうすぐ夜が明けるのかしら・・



妖しく花びらを震わせながら、切なく閉じてゆく純白のはかない命

明日の朝には残り香だけが、存在の証



1年に1度、一晩だけ咲き誇る月下美人

ねぇ・・次に咲く夜は、いつ?・・・・・




(2005/09/30 Milky WayUP)

 
 
 

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