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D&J |
こちらは、ドンヒョク&ジニョンを中心としたお話の部屋です。
私なりに想像した二人のその後・・・というお話になります。
婚約時代から、結婚後、ファミリーのお話・・・とありますが、時系列がばらばらだったりして、読みにくい一面もあると思いますが、よろしければお付き合いくださいませ。
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No |
153 |
HIT数 |
1157 |
日付 |
2009/03/04 |
ハンドルネーム |
Library Staff |
タイトル |
月下美人 |
本文 |
『月下美人』
「ねぇ・・知ってる?」
薄い闇の中、重なってくる貴方の唇を避けるようにそっとつぶやく。
「たった一晩だけしか咲かない花があるのよ・・・」
私の唇を滑って、貴方がキスを首筋に並べはじめる。
「たった一晩だけ・・・闇の中で真っ白な花が咲くの・・
甘い芳香が夜の中に広がって・・純白の花が咲くのよ・・・・」
貴方のキスが熱を帯びて、私の胸元をしっとりと濡らしてゆく。
「ジニョンの方がいい香りだ・・・僕を酔わせる・・」
くぐもった貴方のベルベットボイスが夜の中に落ちていって・・
「でもね・・朝にはしおれているの・・・たった数時間だけしか咲かないのよ・・」
貴方のキスが、うなじにひとつ、肩にひとつ、背中にひとつ・・・私の体に次々と花を咲かせてゆく。
「1年に一度だけ・・・一晩だけしか咲かないの・・・」
闇の中で私の声が甘く掠れて、涙が一筋、頬を流れ落ちる。
「ジニョン・・」
零れ落ちた涙を貴方の唇がそっと吸い取って、私の睫毛を震わせる・・・
「でももう、翌朝にはしおれているの・・」
薄暗い部屋の隅で貴方のスーツケースが冷たく光る。
「翌朝には・・・しおれているのよ・・・」
「もう黙って・・・」
貴方の唇が重なってきて、私の言葉を飲み込んでゆく。
その熱い唇が私の耳を甘噛みして、貴方の足がちょっと乱暴に私の膝を割る。
瞳を濡らす私を上から見下ろして、貴方がそっと囁く。
「2週間なんて、あっという間だよ」
まるで自分に言い聞かせるような貴方の呟き・・
そうなの?
貴方にとっては、あっという間なの?
寂しい・・・哀しい・・・苦しい・・・切ない・・・心細い・・・
貴方が行ってしまう前の晩は、私はいつでもこんな気持ちになるのに・・
「・・あっ・・・」
貴方の指が繊細な快楽を奏で初め、私の背中が甘くのけぞる。
閉じた瞼の裏に浮かび上がる真っ白な月下美人
きらびやかに花開いていられるのは、あとどれくらい?
「あぁ・・ドンヒョクssi・・」
「もっと・・僕の名前を呼んで・・・」
私を捉えて動き出す貴方の背中に爪を立てて、そこに名前を刻み込む。
甘い呻き声が、私を熱くして、さらって、昇りつめて、砕け散って・・
でも・・
貴方のスーツの内ポケットのパスポートとチケットが私の心の時間を止める。
もうすぐ夜が明けるのかしら・・
妖しく花びらを震わせながら、切なく閉じてゆく純白のはかない命
明日の朝には残り香だけが、存在の証
1年に1度、一晩だけ咲き誇る月下美人
ねぇ・・次に咲く夜は、いつ?・・・・・
(2005/09/30 Milky
WayUP)
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