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Milky Way Library
Milky Way Library(https://club.brokore.com/sunjyon)
「Hotelier」にインスパイアされた創作(written by orionn222)の世界です
サークルオーナー: Library Staff | サークルタイプ: 公開 | メンバー数: 732 | 開設:2008.11.22 | ランキング:51(8198)| 訪問者:141496/418907
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Imagination
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D&J


こちらは、ドンヒョク&ジニョンを中心としたお話の部屋です。
私なりに想像した二人のその後・・・というお話になります。 婚約時代から、結婚後、ファミリーのお話・・・とありますが、時系列がばらばらだったりして、読みにくい一面もあると思いますが、よろしければお付き合いくださいませ。
No 278 HIT数 1607
日付 2009/03/04 ハンドルネーム Library Staff
タイトル CHANGE
本文
『CHANGE』




「えっ!?引越し?!?!」
「どうかな」

「ドンヒョクssi・・・引っ越すって・・・そんな・・・突然そんなこと言われても・・・」
ジニョンは、ドンヒョクの突然の発言にただただ驚くばかりだった。

「実は、ずっと以前から考えていたことなんだ。ジニョンのお父さんがお元気なうちに、
僕たちの家を設計してもらおうと・・・」
「それは・・・そうだけど・・・・」

ジニョンは、おろおろと動揺した頭を抱えながらも、父の顔を思い浮かべてみた。
建築設計事務所を経営するジニョンの父は、ジニョンたちの家を訪れるたび、
ここが気に入らない、だの、お父さんならこんな設計はしない、だのと始終文句ばかりつけていた。

ドンヒョクssiとの結婚が慌しかったので、お父さんに一から設計して建ててもらうことは
あの時は無理だったから・・・
だから、ドンヒョクssiが、そう言ってくれたのは、本当に嬉しいけど・・・でも・・・

「かれんも、春から高校だろう?高等部はこの家からだと少し遠くなる。
女の子だから、遅くなると心配だ。ジェイももうすぐ中等部だし、どちらにも近い場所に移ったらどうかな。」

確かに・・・・確かにドンヒョクssiの言うとおりなんだけど・・・・

かれんとジェイの二人の通う学園は、小学部と、中・高等部に分かれていて、ドンヒョクの言うとおり、
かれんが高等部に通学するにはこの家からは少し距離がある。
その上、ジェイが中等部に進学する頃には、新学舎建設に伴い中等部の移転が決まっていた。
ここからは遠くなると思っていたんだけど・・・でも・・・だからって・・・

「引越しを考えるのなら、今がいい機会なんじゃないかな・・・」
ドンヒョクの決定的な言葉に、ジニョンは、おろおろと家の中を見回してみた。

でも・・・・だって・・・・
この家・・・
この家は、ドンヒョクssiと結婚して、妻として暮らし始めた。
そして、かれんが生まれ、ジェイが生まれて・・・
一から二人で築き上げてきた。
ここを離れるって・・・・
その時、ジニョンの目に窓の外の風景が映った。
ここ・・・・
この街・・・・

誰も知り合いのいない中から始まったこの街での生活
お休みごとにドンヒョクssiと街を散策した。

「ジニョンは、まるで探検に行くみたいだね」ってドンヒョクssiに笑われながらも、あちこちを歩き回った。
映画館、遊園地、お気に入りのベーカリー、ドーナッツショップ・・・
いつの間にか、体になじんでいったこの街の空気・・
それに・・・ご近所さんだって・・・
気さくで気取りのないご近所さんたちの顔が次々とジニョンの脳裏に浮かんで胸が一杯になる。

あっ!
その時、ジニョンの目に庭の樅ノ木が飛び込んできた。

「ドンヒョクssi!!あの樹!ほら、初めてのクリスマスに二人で植えた樅ノ木が・・・」

ジニョンの焦った声にも、ドンヒョクは落ち着いて返事をした。

「心配いらないよ。信用のおける造園業者に依頼してある。植え替えは可能だよ。」
・ ・・・そうなの・・・もうドンヒョクssiはそこまで考えているのね・・・
急に黙り込んだジニョンの肩をそっと抱き寄せると「ゆっくり考えてみて。
ジニョンの意思を尊重するから。」と、ドンヒョクは、優しく囁いた。

ええ・・・・

ドンヒョクの胸の中で、ジニョンは淡いため息を零した。

全く、ドンヒョクssiは、心得てるわね。

賑やかな夕食を終えて、子供たちが自室に引き上げた後、ドンヒョクは、一人書斎に入っていった。

私ひとりで、ゆっくり、じっくり考える時間を作ってくれたのよね・・

ドンヒョクの思惑を感じ取って、ジニョンはゆっくりと家の中を歩き回った。
そんなジニョンの後ろを、何かを感じ取ったのだろうか
ジェイの愛犬、ウイッシュが、静かに付き従っていた。

玄関・・・廊下・・・キッチン・・・リビング・・・
どこもかしこも家族の思い出で一杯だ。

ここ・・・・バスルーム・・・まずここが気に入ってこの家に決めたのよね・・
ジニョンは、今夜も星星の輝く夜空を天窓から見上げてみた。

もし・・・もしお父さんに家を設計してもらうことになったら・・・バスルームに天窓を作ってもらおうかな・・
物思いに耽りながらも、ジニョンは、自分がすでに新居に想いを馳せていることに気づいた。
・ ・・私ったら・・・
でも、落ち着いて考えてみればドンヒョクの言う事はもっともだ。
あの頃、新婚で住むには適していたこの家も、家族四人で住むには、
いろいろと問題もでてくる。
というか・・欲が出てくる。
ここがこうなっていたら・・とか、ここにこれがあれば・・・とか・・・
それに、ドンヒョクの言うとおり、もし、引っ越すなら今が一番いい時期だ。
かれんにとっても・・ジェイにとっても・・・
それに、父にとっても・・・

ジニョンは、軽くため息をつくと、テラスに出て塀の向こうに広がる街の夜景を眺めてみた。

この街・・・
いろんな場所に出かけたし、たくさんの思い出もある。
まだ赤ちゃんだったかれんを連れてドンヒョクssiと三人でお散歩した公園
ジェイを追いかけまわしたご近所のスーパーマーケット
たくさんの人たちと知り合って、楽しい時間を過ごした・・・

でも・・・そうね・・・
今がいい機会なのかもしれない・・・
歳を重ねるたびに、どこか変化を避けている自分がいる。
今のままで・・・変わらずにこのままで・・・
そんな気持ちもあるけれど・・・
そんな毎日の繰り返しでも子供たちも成長し、ドンヒョクssiと私もずっと同じではない。

私たち家族・・・新しい変化があっても、いいかもね・・・
まさに、シン家の「CHANGE」ね・・

ジニョンは小さく微笑むと、静かに足元に伏せているウイッシュの頭を撫でた。

ね、ウイッシュ・・・どう思う?

ジニョンの問いかけに、ウイッシュはちょっと不思議そうな目でジニョンを見上げた。

ふふっ・・・・ウイッシュのお返事は「Yes、We Can?」

くすっと笑ったジニョンの掌を、ウイッシュはその温かな舌でぺろり・・・となめた。


その後も、ジニョンは心行くまで家の中を歩き回ると、そっと寝室のドアを開けた。
ドンヒョクは、すでにベッドの中にいた。
ガウンをするり・・と肩から落とすと、ドンヒョクの横に滑り込んだ。
すぐに、温かな腕が回され、広い胸の中に包まれる。

「結論はでた?」

ドンヒョクが、優しく問いかけた。

「ええ・・・・」

それだけで、ジニョンの気持ちは伝わったのだろう。
そんな絆を、二人はこの家で紡いできた。

たくさんの出会いと、楽しい想い出が詰まったこの街やこの家・・・
お引越ししてしまうけれど・・・
ここで培った数々の絆は、あの樅ノ木と一緒に、新しい場所に持っていこう。
そして、きっとまた新しい場所でも、温かな風が吹き、素敵な出会いや、
素晴らしい出来事が待っているはず・・・
春風がこの街を抜け、大空に吹き渡るそんな季節に・・・
「ドンヒョクssi・・・私たち・・・お引越ししましょう。」



***************

Milky Way メンバーの皆様へ

皆様、ここMilkyにおいて、3年半もの間、お付き合いくださいまして、本当に
ありがとうございました。 m(__)m

思えば、3年半前、綿密な計画性もなく、ただただ、
私が自由に書ける場所・・・という事以外は、
どんなサークルを目差すとか、どういったお部屋をつくるとか・・などは全く考えずに、
まるで種子が弾けるようにして、思いがけず辿り着いたこの場所で・・・

いろんな出会いがあり、数々の楽しい企画で遊ばせて頂き、たくさんの花を
一緒に咲かさせて頂くことができました。
本当に本当に、幸せな時間を過ごさせていただきました。

そして、このたび、今後ここブロコリでは、サークルをオーナーとして管理していくことができないと判断して
またもや、特に深い計画もなくここブロコリからお引越しをすることとなりました。

本来なら、以前から考えていたエピローグ創作を書き上げて、私が綴ってきたホテリアー創作に
なんらかのピリオドを打ってここMilkyを終えるのが、一番いいのでしょうが・・・頑張ってみますが、
間に合わなかったら、お引越し先まで、時々覗きに来ていただくとありがたいです。m(__)m

今度もまた、どこを目差すでもなく、たんぽぽの綿毛がふわふわと風に運ばれてゆくような旅立ちですが・・・
また新しい場所でたくさんの出会いや、素敵な出来事に恵まれ、可愛い花を一緒に咲かせる事ができたらな・・
と夢見ています。

ここブロコリでの3年半のお付き合い・・・本当にありがとうございました。

愛と感謝を込めて・・・


                    orionn222

(2009/01/16  Milky Way UP)

 
 
 

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