容量 : 39M/100M |
メンバー |
Total :732 |
Today : 0 |
書き込み |
Total : 898 |
Today : 0 |
|
|
D&J |
こちらは、ドンヒョク&ジニョンを中心としたお話の部屋です。
私なりに想像した二人のその後・・・というお話になります。
婚約時代から、結婚後、ファミリーのお話・・・とありますが、時系列がばらばらだったりして、読みにくい一面もあると思いますが、よろしければお付き合いくださいませ。
|
No |
304 |
HIT数 |
987 |
日付 |
2009/03/05 |
ハンドルネーム |
Library Staff |
タイトル |
レオのつぶやき by hant55 |
本文 |
orionnさんの世界を壊さない事を祈って・・・
『レオのつぶやき by
hant55』
「今夜が勝負だぞ、ボス!」 久しぶりに大きな契約がまとまりそうだった。 何ヶ月もかけて準備してきた契約だ。 あらゆる場面の想定とその対策、練りに練ったプランだった。 あとは、「GO」の合図を待つだけで、我々は、すぐに動き出し予定通りの勝利を収めることができる。 こちらの提示に今夜、取締役会の議決が出そうだと連絡が入った。
「今夜、会議が終わったらすぐ、契約の調印に入ってもいいと先方は言っている、やったな!ボス!」 NY市場の開く時間がこっちでは夜中だ、何日もかけNYの動きを見つめ、朝まで追いかけてきた。 それも、今夜で終わりだ。 「今夜・・・」 ボスは腕時計にちらっと目を走らせ電話を見つめた。
おいおい、かんべんしてくれ。今日に限って何の約束だ? ・・・今日に限って・・・
今日は朝から、来客の多い日だった。 ビジネスの客じゃない。 このインテリジェント・オフィスで働く女性全てがこの部屋を訪ねてきたんじゃないかっていうくらい、ひっきりなしにチャイムが鳴っていた。 みんな手に手に、リボンの懸った箱を持ちながら。
『St.Valentine day』 誰がこんな余計なお祭りを作ったんだ!
NYにいた頃は違っていた。 ボスは仕事以外、何も目にはいらない顔をしていたせいだろう。 オフィスがある同じビルの中でボスにチョコレートを渡そうなんて勇気のある女性はいなかった。 どうせ、そんなものを持ってきたところで、ボスは冷たい視線で一瞥してしまっただろう。
ところがどうだ、韓国へ来てからのボスといったら、仕事に没頭している時を除けば、廊下やエレベーターの中で出会った女性が会釈をすればにっこりと微笑み返す始末だ。 あの笑顔に参らない女性はいないだろうな。 その結果が、今日のチョコレートの山というわけだ。
そうか、今夜はジニョンさんもチョコレートを用意してボスの帰りを待っているわけか。
「・・・ジニョン・・・ごめん・・ちょっと遅くなりそうなんだ。いや・・あと1時間・・いや、2時間ちょっと・・・かな・・・」 「ボス、行くぞ!」 悪いな、どんなに今夜が特別の日でも、それだけは譲れない。
車に乗り込み、PDAを見つめるボスはさすがにハンターの顔になっていた。 この契約がまとまれば、俺も約束を守ろう。だから、今夜だけは許してくれ、ジニョンさん。
プランの見通しが立った頃、ボスがなにやら言いにくそうに話を切り出した。 「この契約がまとまったら、休暇をくれないか・・・」 「休暇?」 「この前、買った海辺のコテージを覚えているか?」 「ああ、なんであんな辺鄙なところに小さなコテージを買ったんだ?投資用ってわけでもあるまい。」 「僕達二人が初めて一緒に旅行した海なんだ。」
ボスの悪い癖だ。自分の気持ちを話す時、けして俺の目を見ようとしない。 意味もなく書類を広げたり、めくったりしながらまるで、ついでのように話しつづける。
「それで?」 俺はボスから書類を取り上げ続きを促した。
「この契約がまとまったといっても、まだまだ忙しいのはわかってる。 本当はクリスマスプレゼントにしたかったんだけど、なかなかいい物件が見つからず、結局今頃になってしまった。だから、早くジニョンを連れて行って驚かせたいんだ。」 手元の書類がなくなったせいで、今度は俺の目をまっすぐ見詰めて、一気にそう言った。
OK,ボス。だがな、ボスのためじゃない。ジニョンさんのために休暇をやろう。 そのあとの事はなんとかスケジュールを調整するよ。
さあ、今夜、契約がまとまったらボスは休暇、俺はそのかわり二人分働くってわけだな。結構な事で。 覚えておけよ、休暇をとった日と同じだけ口をきいてやらないからな。
ところで、ボス、あのチョコレートはどうする気だ?全部を家に持って帰る勇気がボスにはあるか?・・・ 俺?俺はいらないよ、人が貰ったチョコなんて。 俺だって貰ったさ、ああ、そうだよ。ボスへのついでの義理チョコをな。
(written
by hant55 2005/03/01 サファイアUP)
|
|
|