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D&J |
こちらは、ドンヒョク&ジニョンを中心としたお話の部屋です。
私なりに想像した二人のその後・・・というお話になります。
婚約時代から、結婚後、ファミリーのお話・・・とありますが、時系列がばらばらだったりして、読みにくい一面もあると思いますが、よろしければお付き合いくださいませ。
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No |
305 |
HIT数 |
903 |
日付 |
2009/03/05 |
ハンドルネーム |
Library Staff |
タイトル |
レオのつぶやき by hant55 |
本文 |
orionnさんの世界を壊さない事を祈って・・・
『レオのつぶやき by
hant55』
「おじちゃん、レオおじちゃん。」
かれん・・・ この子が生まれる前、俺は絶対厳しく接すると誓った_____
「今夜は帰らないとちゃんと、言ってきたんだろうな?」 「ああ、でも、後場が終わるのが4時だろう?だったらそれから帰るよ。」
NY時間の午前8時半、こちらでは午後9時半にアメリカの商務省から今後の相場を左右する経済指標が発表になる。 その後、NY市場が開く10時から朝の4時まで相場を追いかけ徹夜をするつもりでいた。
「帰ったって、また、すぐ出てくる事になるぞ、ここでトーキョー市場が開くまで仮眠すればいいじゃないか。」 「いや、帰るよ、レオ。ジニョンは今、とても不安がっているはずだ。少しでもそばにいてあげたい。」
このオフィスにはいつでも泊まれるようにプライベートルームが用意してある。 もっとも、泊まるのは俺だけだが・・・
ジニョンさんに子供ができてから俺は新しくボスの中に「困惑」という表情を発見した。 彼女の具合が悪く、何もしてやれない時期の困惑。 仕事が忙しく、早く家に帰ってやれない時の困惑。 そして、家族を持つという困惑______
愛情に包まれた家庭で育っていない自分に果たして、子供を持ち家庭を築いていけるのだろうかと思い、戸惑ってるようにみえる。 親に捨てられた子が親になって子供を育てられるか、不安を感じているようだった。 だがな、ボス、ボスは立派に妻を愛してるじゃないか。 ジニョンさんから受け取ったものは、なんだ? 「愛」 それだけで充分じゃないか。だったら、それを子供に返してやればいい。 ただ、愛するだけでいいじゃないか。 無条件に愛するだけで。
しかし、よくも飽きずに何週間も子供の名前を考えられるな。 そのリスト、今日のディールのために用意した資料より厚いだろう。 考えれば考えるほど、リストは絞り込まれるはずなのに、逆に増えていくのは何故だ?
まだ足りないのか?どうだ、今まで振った女の名前もそこに加えたら? ____睨むなよ、ジョークだよ。 じゃあ、俺が振られた女の名前を教えようか? ____だから、ジョークだって言ってるだろう。
でも、なんで、女の子の名前ばかりなんだ? ボスはジニョンさんに似た女の子しか頭にないのか? ボスそっくりな男の子だったらどうする?いや、俺もそれは考えたくないな。 俺の苦労が一つ増えるだけだ。
さあ、もうすぐ時間だ、そのリストをしまって戦場にいくぞ!
発表された経済指標はアメリカの景気回復は予想以上に鈍く、これから新たな金融緩和政策が期待できるものだった。 我々にとっては、あきらかな好材料だ。
NY時間午前9時、モニターの数字が一斉に点滅を始めた。 これまで設備投資はマイナス傾向が続いていたが,最近になって,プラスとマイナスが交互に出ている。このままプラス傾向が続けば,アメリカの景気は回復基調に載るかもしれない。 2重のチャンスだ。なあ、ボス! これからチャンスはまだまだ広がるぞ。
おい、聞いてるのか?
「聞いてるよ、レオ。設備投資が増えると,GDPが増える。生産性がアップするからだ。その分だけ将来のGDPにもよい影響を与えるはずだ。 ところで、レオは、こっちとこっちではどっちのほうがいいと思う?」
また、名前の話か!それはしまえと言っただろう。
忙しく点滅を続けていた市場も動きが鈍くなり、そして殆どその動きを止めてしまった。 動かなければ、リスクもないかわりにチャンスもなかった。
「ダメだ、動かなくなった、様子見にしちゃあ早くないか?」 「週末を控えているからな、今、動くより週明けを期待しているんだろう。 レオ、やっぱり僕はこれよりこっちのほうがいいと思うな、どうだ?」
「・・・・・・・・・ もう!いい! 勝手に考えてろ!」
その後も相場は一進一退の繰り返しを見せ、さしたる大きな取引もなく、前場を終了し、後場に至っては手の内を全く晒さないつまらない展開で終わった。 その間、ボスは俺の質問には的確に答えるものの、見ているリストは全く違うものだった。
これは当分だめだな、名前を決めるだけでこれじゃあ、生まれたらどうなる? こんなにも仕事に支障が出るとは思わなかったぞ。
生まれてくるチビちゃん、ドンヒョク・ジュニアかリトル・ジニョンか知らないが、君のパパとママはきっと君を至上の宝のように愛するだろう。 君のパパは仕事の上では冷酷といわれるハンターだ。 だが、君と君のママを愛する気持ちは掛け値なしに世界一かもしれない。 君は愛されるために生まれてくるんだよ、パパが求めても得られなかった愛を受け取るために生まれておいで。 パパが君に甘くする分、このおじちゃんが世の中の厳しさを教えてやろう。覚悟しておけよ。
急いで帰り支度をするボスの背中を見ながらまだ見ぬbabyに言って聞かせた。
ボスはドアのところで振り返り、 「レオ、政府支出だけが増えているのに民間経済がよくない時は、政府の操作で見た目の景気をよくしているだけだから注意したほうがいい。 おやすみ。」
そういい残し帰っていった。
ほほ~、歌を忘れたカナリアってわけでもなさそうだな。でも、もう朝だ。________
「おじちゃん、レオおじちゃん。」 膝にまとわりつくかれんは_______ かわいい!
上目使いで見つめられる。____ この目に弱い・・・・
パパには内緒? OK! なんでも聞いてやるぞ・・・・・
(written
by hant55 2005/03/06 サファイアUP)
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