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D&J |
こちらは、ドンヒョク&ジニョンを中心としたお話の部屋です。
私なりに想像した二人のその後・・・というお話になります。
婚約時代から、結婚後、ファミリーのお話・・・とありますが、時系列がばらばらだったりして、読みにくい一面もあると思いますが、よろしければお付き合いくださいませ。
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No |
309 |
HIT数 |
978 |
日付 |
2009/03/05 |
ハンドルネーム |
Library Staff |
タイトル |
レオのつぶやき by hant55 |
本文 |
orionnさんの世界を壊さない事を祈って・・・
『レオのつぶやき by hant55』
トリニティー教会・・・ 建設されてから250年、世界経済をリードするウォール街でそこだけ切り取られたように異次元の尖塔を天に向けて突き上げ、見る者を圧倒する建物。 ニューヨーク最初の教会として建てられたゴシック様式のこの教会は、戦いに疲れた我々、ウォール街の住民にとって、しばしの心の休息場所でもある。
焦げ茶色の砂岩で覆われた外観から、一歩中に入ると、正面の祭壇を覆い尽くすように広がるステンドグラス。 カメラを手に首を巡らす多くの観光客の中、回りに人を寄せ付けず、一人、祈りに浸るボスの姿を何度目にしたことだろう。
ここで一度も声を掛けたことがなかったのは、ボスの心の内に誰も立ち入る事の出来ない突き崩せない何かがあることを俺は知っていたからだ。 いつもは鋭いその目を閉じ、言葉もなく祈りつづけるその背中は、狩人として獲物と対峙しているボスからは想像できないほど、脆く儚く見えたのは俺の感傷か。
俺の元を始めて訪ねてきたあの日以来、かけがえのないパートナーとして二人でこの 戦場を生き抜いてきた。 人は孤独に生きたくない。だからこそ愛し合い、求め合う相手を探す旅をつづけてい るはずだ。 なのに、全てを拒絶したかのように、日々、感情を抑え、牽制しあい、神経を研ぎ澄 まし果てる事のない戦いに身を置くのは何故だ。 親に捨てられた子供・・・そのレッテルを剥がすために挑み続けるボスの心に灯火を点すことができるのは、いったい誰なのか。
眩い朝の光が溢れる教会の重厚なドアの向こうにその人は立っている。
彼女を迎えるボスの顔は今まで戦ってきたどの場面よりも、険しく緊張して見える。 ボス・・・そんな顔をするな、相手は獲物でもなんでもない。愛する人だぞ。 精一杯、温かい笑顔で迎えてやったらどうだ。
ジニョンさんのご両親、多くのホテルの仲間たち、アメリカの養父母、東海のお父さん、妹・・・ 俺はこんなにもたくさんのボスに繋がる人々を見たことがない。 そして、その頂点に輝くジニョンさんが真っ白なドレスの裾を長く引きずりながら、一歩、一歩奇跡に向かって近づいてくる。 二人の出会いがもたらした奇跡の帰路に向かって・・・
苦しく長い過去の呪縛から解き放たれた今、これからの未来に待っているのは、あのNYの教会でボスが祈り、神に求めていた答えなのだろうか。
笑顔と歓声の中ジニョンさんの手から投げられたブーケがくるくると舞って一瞬青空に吸い込まれ、まばゆい光の中煌きながら・・・ 俺の手の中に落ちてきた。
お・俺?
(written by hant55 2005/03/16 サファイアUP)
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