容量 : 39M/100M |
メンバー |
Total :732 |
Today : 0 |
書き込み |
Total : 898 |
Today : 0 |
|
|
D&J |
こちらは、ドンヒョク&ジニョンを中心としたお話の部屋です。
私なりに想像した二人のその後・・・というお話になります。
婚約時代から、結婚後、ファミリーのお話・・・とありますが、時系列がばらばらだったりして、読みにくい一面もあると思いますが、よろしければお付き合いくださいませ。
|
No |
310 |
HIT数 |
883 |
日付 |
2009/03/05 |
ハンドルネーム |
Library Staff |
タイトル |
レオのつぶやき by hant55 |
本文 |
orionnさんの世界を壊さない事を祈って・・・
『レオのつぶやき by
hant55』
「レオ、今夜はウチで夕飯を食べないか?」 「久しぶりにディナーに招待したいとジニョンが言ってる。」
デスクの片付けをしている俺にボスが声を掛けた。
ディナーねえ、あれがホントにディナーと呼べるものなら、喜んで行くんだがなあ。
ジニョンさんの手料理はいつもどこか、普通と違っていた。 以前、食べたオムレツは実に変わっていた。 ふわふわのオムレツにキノコのソースがけ。見た目も良くてこれは美味しそうだ、と食べてみると、何か不思議な食感がある。 「こんにゃくを入れたの。不思議な食感が楽しめるようにした、私の創作よ!」
ボスは毎日、あんな不思議なものを食べているんだろうか。
「心配しなくていい。今日は僕も手伝うから。かれんも、レオに会いたいと言っていたよ。」 かれん・・・♪ よし!行こう!
ディナーは心配したほど不思議なものではなく、ステーキに付け合せ。サラダにスープ。 ジニョンさんのお母さん特製のキムチだった。 もっとも、キッチンにはボスも一緒にいたから、どこまでがジニョンさんの手料理なのかはわからない。
後片付けをするジニョンさんをキッチンに残し、俺達はリビングのソファーに移った。
おいで、と呼ぶとかれんは勢いをつけて俺の膝に飛び乗った。 「重くなったなあ~。」 かれんは怒ったような顔を向け、抗議した。 「重くなんかないわ、背も伸びたのよ、大きくなっただけ!」 レディに失言をした。ごめんよ、かれん。 ちっちゃな赤ん坊だった時から、お前を抱いているんだ、こんなに大きくなったんだな、って思ったださ。
「おじちゃん、今度私、サマーキャンプに行くの!」
へえ~、サマーキャンプか、オレもよく行かされたな。 かれんも木の枝にマシュマロを刺して火であぶって食べてみるといい。 あれは、おいしいぞ。 親は、子供は自然の中で仲間と触れ合って育って欲しいとか、なんとか理由をつけて送り出すが、 だいたい、サマーキャンプなんて、子供のいない間に、親が自分達だけの休暇を取るためのものなのさ。
_______休暇・・・
「そうだ!おじちゃん、私がサマーキャンプに行ってる間にパパにお休みをあげて。」 「かれん、無理を言っちゃあ、だめだよ。パパとおじちゃんはすごく忙しいんだから、休暇なんて取れないよ。」
「・・・・・・・・。」
「そうなの?おじちゃん?」 下から、上目遣いで見つめられる・・・ いつになく、優しげなボスの声が後に続く。 「なあ、レオ、無理だよなあ。」
そうか、お前達親子はそうやって俺を落とす為の作戦を立てていたのか!
「かれん、パパは子供の頃、サマーキャンプには行った事がなかったんだ。 時間の無駄に思えて。そんな時間があるなら勉強した方がましだと思ってた。 でも、子供の頃は、やっぱり同じ年頃の子と思いっきり遊ぶべきだったと、今は思うよ。 パパやママから離れて、みんなと仲良く遊んでおいで。」
「パパやママも思いっきり遊べればいいのに。」 悲しそうな、かれんのつぶやきに俺はなんと答えるべきなんだ。
「それは、仕方ない。パパはレオおじちゃんとお仕事をしなければならないからね。」
かれんに下から見つめらてるのを無視して、ボスを睨んだ。 いつだって、そうだ。 ボスはもう、全ての手配をつけて、最期に俺の了解を取るんだ。
ドアが開き、ジニョンさんがコーヒーを持って入ってきた。 ありがたい。ジニョンさんの入れるコーヒーはこの家でうまいと言える唯一のものかもしれない。
「何の、お話?」 ボスにコーヒーカップを渡しながら、ジニョンさんが聞いた。 「かれんが、自分がサマーキャンプに行っている間に、僕に休暇をくれと、レオに頼んだのさ。」 ボスはコーヒーを一口飲みながら、説明した。 「まあ、かれん、無理を言っちゃあ、いけないわ。パパもおじさんもとっても忙しいのよ、ねえ、レオさん?」
親子3人の共同戦線か・・・。
わかった、わかった。降参だ。 だがな、ボス、覚えておけよ、いつものとおりだ。 休暇を取ったのと、同じ日数、口をきいてやらないからな。
「OK!かれん、パパに休暇をやろう。パパもママもかれんと同じだけ楽しんでくるといい。」 「本当!おじちゃん!ありがとう!だからかれん、おじちゃんの事大好き!」
首にしがみ付いて喜ぶかれん以上に、ボスとジニョンさんが喜んでいるように見えたのは、俺の思い過ごしではあるまい。
翌日からボスは今まで以上に、ハードなスケジュールをこなしていった。
アメリカ経済は相変わらず、好調だが、ここ数年来続く世界的な金融危機・経済危機の拡大は、我国にも影響を及ぼしている。 既存の会社が不良債権の処理、採算意識を向上させ、効率を高めたいと統合再編に動くのは当然だ。 ボスの得意分野がそこらじゅうに転がっている。 仕事の依頼は、断わっても断わっても、ある。 その中から、この時期に最もふさわしいインパクトのあるものを選び、着手する。
今、手がけている案件は1つ。 業界から注目を浴び、ボスの手腕を皆が見つめているはずだ。
「レオ、調査依頼を出していた大邸グループの情報データは揃っているな、あそこは同族会社だ。 仲の悪い兄弟間の争いを解消するため会社を分割したいのだろう。 ターゲットは次男だ。先ずは、奴の周りを徹底的に調べろ。その後、分割再編のパターンをいくつか作り提示していこう。」
OK,ボス。それで休暇までに目途はつくか。 『殺人的』といっていいスケジュールが待ってるぞ。
だが、心配には及ばなかった。 ボスは鮮やかに次男の急所を突き、赤字子会社を吸収して経営効率を向上させるためのプランを次々と打ち出し、見事に合理的な再編
をやって退けた。 M&Aのハンター、シン・ドンヒョクの本領発揮だ。これで、益々、ボスの名声は高まっていくだろう。
この間、いくつかの国際会議もあったが、休暇を取るための努力は惜しまなかった。
「じゃあ、明日から休ませてもらうよ。レオにも無理をさせて悪かったな。」
いいんだ、ボス。ゆっくりジニョンさんとの休暇を楽しんでくれ。 俺も、ちょっと一息入れさせてもらうよ。
帰り際に、何か言いたそうに振り返ったボスだったが、何も言わずちょっと謎めいた微笑を残しオフィスを後にして行った。
ボスが不在のためか、オフィス全体がちょっとくつろいだ気分に包まれている。 秘書のソヨンと最近このオフィスに入ってきた新人の、みんなからカーヤと呼ばれている女の子も楽しそうにおしゃべりをしている。 大邸グループの最終報告にざっと目を通したら俺も少し骨休めに休暇でも取るか。
パソコンの画面をしばらく見ながら、昨日の帰り際にボスの見せた微笑みの意味がわかった。 くそー、ボス。そうか、俺には休暇は取らせないってわけか! これじゃあ、休めるわけないだろう!
ああ、今頃ボスは、ジニョンさんと俺のうわさをしてるんだな。
「でも、お休みが取れて良かったわ。一段落なんでしょう。レオさんもお休みを取ればいいのに。」 「いや、そうはいかない。完璧に終わらせたように見えて、少しずつ手を入れなければならないようにしておいた。 それも、レオにしか出来ない事を。」 「まあ!それじゃあ、お休みは取れないわねえ。」 「僕がいないんだ、彼にはちゃんとオフィスを守って貰わないとな。」 「お気の毒に・・・。」
ハ~ハ~ハックション!! ほら、やっぱり噂してる・・・。
(written
by hant55 2005/04/12 サファイアUP)
|
|
|