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Milky Way Library
Milky Way Library(https://club.brokore.com/sunjyon)
「Hotelier」にインスパイアされた創作(written by orionn222)の世界です
サークルオーナー: Library Staff | サークルタイプ: 公開 | メンバー数: 732 | 開設:2008.11.22 | ランキング:51(8198)| 訪問者:141269/418680
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D&J


こちらは、ドンヒョク&ジニョンを中心としたお話の部屋です。
私なりに想像した二人のその後・・・というお話になります。 婚約時代から、結婚後、ファミリーのお話・・・とありますが、時系列がばらばらだったりして、読みにくい一面もあると思いますが、よろしければお付き合いくださいませ。
No 352 HIT数 1312
日付 2009/03/08 ハンドルネーム Library Staff
タイトル レオのつぶやき・・・by hant55
本文
orionnさんの世界を壊さない事を祈って・・・




『レオのつぶやき』





『素敵なドレスだね。ドレス無しの君も見てみたい・・』             



いや、いくら何でもそれは唐突だろう。

女性はドラマチックな出会いに憧れるっていうから・・




『君って俺の知ってる人に似ているんだけど・・』


ありふれてないか?こんなの・・

それよりもっと、インパクトのあるセリフはどうだ?




『一目惚れって信じるかい?なんなら、もう一回向こうから歩いて来ようか?』


相手も一目惚れならこれでバッチリ落とせるんだが・・

いったい、ボスはどんな言葉でジニョンssiを口説いたんだろう。




『もう始まってしまった・・』とか?


『あなたのように明るく純粋に生きてみたい』とか?


『誕生日に家で一人で過ごさせたりはしません』とか?


『僕の目を見て。僕の話だけを聞いて・・』とか?


『永遠に。永遠にあなたのそばにいます・・』とか?





まさか・・そんなクサイせりふ・・

いくらボスでも言わないだろう、あはは・・



広げていた本を頭の上からいきなり取られた。




ボス!



「【魔法の会話実践講座】・・

ずいぶんと、高尚な本を読んでるじゃないか、レオ・・」


パラパラとページを捲るボスから慌てて本を奪い返した。




「ボス・・、ノックくらいしろよ。

あ、いや・・、こんな本が役に立つとは思えないけど、いざって時に気の効いた

殺し文句のひとつも言えないようじゃ、チャンスは掴めないからな」


「レオ・・

君には武器があるじゃないか。

その人畜無害な笑顔。

それさえあれば、どんな相手だって、疑うことなく君に一杯おごられる」



ああ、そうだな。

それでいいところまでいって、頭からコップの水を掛けられて終わりさ。



大股で部屋を横切るボスの肩が小さく震えてる・・


デスクに就いた顔にはほんの少しの憐れみ以外は

いつもの鋭いハンターの眼差しだけがあった。

株式チャートのチェック、データ入力と忙しく指を動かし始め、

モニターから顔を上げもせずに、


「実践講座は後にして、木浦の韓進重工と大韓造船の合併締結の報告を」と、言う。




俺の話はおわりか!?

ふん、本当に甘い言葉なんかささやくのか、あれで・・



恋のマニュアルと入れ違いに、ブリーフケースから書類を取り出す。


「韓進重工も大韓造船もそれぞれ、泣くところは泣いて締結OKだ。

笑うのは俺達だけ」


ボスのデスクにファイルを投げた。




「この話はこれで2度目だ。

前回は合併の可能性を探っている段階で不調に終わった。

合併比率でまだまだ、納得してない役員がいるのも確かだし、

ここでまた、第三の企業が現れたら、話は当然、お流れになる。

締結したとはいえ、これからもしっかり見張っておいてくれ」



OK、ボス。

情報管理にかけちゃ、ウチの右にでるところなんてないさ。

何重にもかけた覆いを剥がせるヤツなんているもんか。

ネズミ一匹、アリ一匹入れやしない。

だから、どこからもリークはなしだ、安心しろ。







結婚したばかりだとは言っても、ジニョンssiの仕事が仕事だから、当直もあれば

遅番もあったりで、中々二人は一緒の時間が過ごせないらしい。

夕べも急な呼び出しがあって、二人はすれ違いだったようだ。

そんな時に悪いんだが・・




「出張?」




モニターから上げた目が凍るほど、冷たい・・


判ってる!判ってるさ!

判ってはいるけど・・




「どうしても、僕が行かないとダメなのか?」


どーしても!!


「僕が行けば高くつくことになるぞ。

相応の利益は確保できるんだろうな?」




ボ~ス、頼むよ~

この件は従来の合併とは違う。

新規合併は上場申請から許認可、免許の再取得。

やる事は山のようにあるんだ。


俺、一人にさせる訳じゃないだろ?

トップが顔を揃える時くらい行ってくれよ。

場所は海の見えるリゾートホテルで、何でも今、

「噂のホテル」とか言って話題になってるところらしいぞ。

ちょうど、韓進重工と大韓造船も近くにある。

そっちの視察も兼ねてどうだ?いいだろう?



「どのくらい?」

「先方次第だ。

今は何日とは言えない」



ハンターはふっと、息を吐いた。

そして、目をモニターに戻すと、マシンガンのようにキーを叩き始めた。



NOじゃなきゃ、OKって事だな。

結構、結構。

仕事あっての俺達だ、な、ボス。



部屋を出る俺の背中に電話をかけるボスの声が聞こえた。


「急な出張に行くことになったんだ。帰りはちょっとわからない。また連絡するよ」


結構、結構!










空港へ行く途中、荷物を取りにボスの自宅へ寄った。

高速道路を制限速度いっぱいに飛ばす車の後部座席に

身を沈めたボスが何かの紙をじっと見ている。

 

「レオ・・

君は僕の顧問弁護士だな?

どんな罪からも僕を救ってくれるか?」


何を言い出すんだ、ボス。


「僕は・・

指名手配された・・らしい・・」



何だって!?指名手配!?

どの件だ?

ええっと、先月のTOBの事か?

いや、あれは経営陣の裏を斯いた形で始めたが、

結局は友好的買収に終わったじゃないか。

それとも、その前のインサイダー取引を疑われたあれか?

あれだってプレスリリースの13時間後の株取得だ。

ちゃんと、『12時間ルール』は守ってる。

じゃあ、なんだ、指名手配って!?



バックミラーを覗くと、紙切れを片手にハンターの目は妖しく笑っていた。


は?


指名手配って、まさか、ジニョンssiに・・・



ばかばかしい!!!




俺はここで急ブレーキを踏んだらボスがどんな風になるか・・





想像しただけで我慢する事にした。





新規合併は当事者である2社を解散させたのち、

新たに設立させた会社にそれぞれの

権利を継承させた形になる。

それぞれの利点を持ち寄り、関係は対等。

新規の会社だが、今までの業績も引き継がれるので

今後、大きな発展が期待できる企業となりそうだ。

橋渡し役の俺たちにもまずまずの成果といえよう。







「噂のホテル」というだけあって、そのホテルは上層階がメゾネットタイプで、

各室テラスには雄大な海を望むジャグジーバスを完備。
 
リゾートと呼ぶにふさわしいホテルだった。





会議のあと、今回の合併の主体となるKTGコーポレーションの会長が

ボスを呼び止めた。


「紹介しよう。

このホテルの総支配人のキム・ソンファンssiだ。

こちらは向かうところ敵なしのM&Aの専門家、シン・ドンヒョクssi」


「お目にかかれて光栄です、シン・ドンヒョクssi。

会長、シン・ドンヒョクssiはM&Aの専門家としても高名ですが、

我々の業界では知らない者はいない

ソウルホテルの筆頭株主で理事でもいらっしゃいます。

当ホテルへようこそ、シン理事」


皺ひとつないスーツに身を包んだ総支配人は満面の笑顔でボスと握手を交わした。


「今日は、ここで奥様と待ち合わせですか?シン理事」


ボスの顔が揺らぐ。


「いえ、今回は仕事で来たので、妻とは・・

何故ですか?」



さっきまでの柔和な顔から笑みが消えた。

これは一波乱きそうだぞ。



「そうでしたか。失礼しました。

実は第一新聞社の企画で“一流ホテルの支配人と検証する噂のホテルの実力”と

いう特集記事の取材を受けておりまして、第一新聞社のイ・ジョンウォン記者が

ソウルホテルのソ・ジニョン支配人を同行され、当ホテルの取材にみえると伺い、

スイートを・・もちろん、2部屋ですが用意させて頂いております。

シン理事もこちらへいらっしゃると聞いて、それで奥様と合流なさるのかと思いまして・・

大変失礼いたしました」



「第一新聞社、イ・ジョンウォン・・ですか・・」



なんて事だ!

テジュンから聞いたぞ。

結婚前、「商工会議所主催、ニューリーダー懇親会」なんて大層な看板をつけた

「お見合いパーティー」でジニョンssiを見初めたっていうヤツじゃないか。

なんだって、また、そんなヤツと取材旅行なんかに。



どうか、とばっちりがこっちに来ませんように。







その後の総支配人を交えたランチでは普段と変わりない

『ビジネスマン、シン・ドンヒョク』として振舞っていたボスだったが、

それぞれが部屋に引き上げる時になって、

総支配人の袖を引いた。



「えっ!お部屋を、ですか?」


「ああ、ダブルブッキングとか何とか言って使えなくして欲しい」


「あ、でも、シン理事、そうしますと奥様達はどういたしましょうか?」


「そうだなぁ・・

ホテルでは添乗員専用の部屋なんていうのがありますね。

それを用意して下さい」


「はぁ~

しかし、そこは・・

何と申しますか、もとは一つの部屋で、間をクローゼットで仕切っただけの簡素な

作りでして、とても、奥様・・、いえ、お客様をお通しできる部屋ではないんですが・・」


「なおの事、結構です。そこを用意して二人を案内して下さい。

ご迷惑はお掛けしませんので」




何を企んでるんだか。

しきりにハンカチで汗を拭く総支配人を尻目に、

ボスは、飛び切りの獲物に照準を合わせたハンターそのものになっていた。




どうか、とばっちりがこっちに来ませんように。







全て特注の木製家具を設えているスイートルームは木の香りが漂ってくるような

落ち着いた寛ぎと癒しを満喫できる空間だった。


広々としたテラスデッキには大きなジャグジーが置かれていて、ここで夕日の

落ちる海を眺めながらきりっと冷えたシャンパンなんか飲んだら、

それは至福の時になるに違いない。


だが、ボスの様子から俺がその至福の時を過ごす事はないのも確かだった。





「あー、ボス・・

ジニョンssiも仕事で仕方なく引き受けたのさ。

プロの眼。

きっと、第一新聞社もそれを求めたんだろう。

他のホテルを検分するのも、敵情視察というか、支配人として、いろいろ勉強になる。

社長もその辺を考慮して今回の依頼を引き受けたんじゃないのか」



「忠告は必要な時に」


あぁ・・

もう、運を天に任すしかない。

ボスは備え付けられた大きなデスクでパソコンを一心に打ち続けていた。




どうか、とばっちりがこっちに来ませんように。










RRR~~~

RRRR~~~

RRRRR~~~


判った!判った!今出るから・・


サイドテーブルの受話器を上げる前に時計を見た。

AM00:30

こんな時間に・・

オフィスで何かトラブルでもあったかな?




「・・・はい・・レオナルド・パクですが?

第一新聞社?

それは・・・


ちょっと、待ってくれ!」

俺は飛び起きた。



韓進重工と大韓造船の合併締結が漏れてる。

発表は来週早々。今はまだ、どこもこの情報は掴んでないはずだった。


だが、第一新聞社のデスクはこの合併話の詳細な情報を入手にしていた。

ちょうど、記者が近くに取材で行ってるから、確認に走らせるとも言ってる。



なんて事だ!

あれだけ、徹底した管理をしていたのに!




待てよ・・

・・そうだ、そうに決まってる!


ボスだ・・


ボス以外、この情報を持ち出せるヤツがいる訳ないじゃないか!






ボ~~~ス!!



スイートの主寝室のドアを思いっきり開けた。


「韓進重工と大韓造船の合併話が第一新聞社に漏れたぞ」



落ち着け、俺。

ボスがどう出るか、見てやろうじゃないか。



ボスはこんな時間なのにネクタイを緩めるでもなく、きちんと居住まいを正し座っていた。

まるで俺が来るのを待っていたかのように・・





「そうか・・

情報の管理をしっかりとしていても、たまにあるんだな。こういうことが・・」






やっぱり・・きた・・とばっちり・・





「第一新聞社?

じゃあ、ここには第一新聞社のイ・ジョンウォン記者もいるし、場所も近いから、

情報の確認とか周辺の調査とかに出向くにはちょうどいい。

ツイてたな、あのデスクは」





おいおいおいおい、おい!



いったい、いくらの仕事をぱぁ~にしたんだ~!





「さて、彼が熱心に仕事に飛び出して行くか、見届ける事にしよう。

レオ、僕はこのまま戻らないかもしれない。


そうだな。

明日の朝9時にダイニングルームで会おう、じゃ」



まるで憑き物が落ちたように、爽やかに身軽になったハンターは上着を手に取ると

大きな歩調で、靴音と、パタンとドアの余韻だけを残して、姿を消した。










しばらく呆然とベッドに腰掛けていた。



ニューヨークにいた頃が懐かしい・・

次に何が起こるかわからない、食うか食われるかのぎりぎりの駆け引き。

昨日、握手を交わした相手が今日は敵になる・・



だが!韓国ではボスが敵になるとは思いもしなかった!!



愛する人ができるっていうのは、愛する人を守るっていうのは、こういう事なのか。




ボス・・


俺にはさっぱり理解できないよ。

どのマニュアル本にもそんな事書いてなかった。


当たり前だ。

ボスのような道を歩いたら・・いろんな意味で身の破滅だからな。



『永遠に・・・永遠にソ・ジニョンを拘束する』なんて言ってんじゃないのか~    今頃・・



あーあ、ばかばかしい・・ 寝よ。





RRR~~~

RRRR~~~

RRRRR~~~



今度はどこの社だ!?


「はい・・」


え?チベット、モンゴル、ウズベキスタン・・・

ネパールにカメルーン、マダガスカル諸島・・・?



それは、何の話だ?



辺境の地のビジネス?



第一新聞社で連載?



同行取材?










ボ~~~ス!!


今度は俺を追い払う気かぁ~~~~!!!(`O´ )




(written by hant55 2008/03/01 Milky WayUP)

 
 
 

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