orionnさんの世界を壊さない事を祈って・・・
『 「虹色」 レオのつぶやき 』
「考えさせてくれ」
「考えるまでもないでしょう?レオssi以外にこの企画の適任者はいないと思うわ」
さすがに名うての編集者だ。
ジニョンssiの友人のキ・リヨンssiが数々の言われなき迫害に耐え、実力で掴んだ今の地位。
一女性誌をここまで幅広い読者に受け入れられるような総合誌に成長させたのは、
彼女のこれまで培ってきた人脈を一般の読者にマッチさせた数々の企画に他ならない。
だが、なんで俺なんだ?
俺が今まで身につけたものは、テクニックとかノウハウなんて生易しいもんじゃない。
まさに、生きるか、死ぬか。
「そこよ!それを語って下さいな。経済界、いいえ、さまざまな分野で注目を浴びてる
シン・ドンヒョクの影にこの人ありと言われるレオナルド・パクssiの謎は、ドンヒョクssi以上の注目でもあるんです。
あのシン・ドンヒョクssiをあそこまで操縦できる秘訣とは?
それは現代の奇跡とも呼ばれているんですよ。ぜひ、そこのところを・・・」
操縦とか、奇跡なんかじゃない。
もっと、こう、なんていうか・・・
切実な、地獄を這うような、身を切られるような・・・
そんな話が本当に役に立つのか。
特別企画 ”気難しい上司との付き合い方”
顔色だけではわからない、「不機嫌で扱いにくい子供」のような上司
仕事は覚えなければならない、同僚ともうまくやりたい、
その上、「気難しい上司」との関係に悩む。
そんなあなたにアドバイス。
編集者 :本日はお越し頂きありがとうございます。
レオさん :い、いや、どうも・・・
編集者 :まず、お仕事の内容はどのような?
レオさん
:「M&A」・・・わかりますか?
編集者 :日本のホ○エモンとかで話題になった、あれですか?
レオさん
:そうです、そうです。企業買収をやっています。
編集者 :では、あなたの上司もホ○エモンのような方なんですか?
レオさん
:いや、全然!ウチのボスは、そりゃあ、いい男ですよ。
バレンタインデーの時もね、オフィスが入ってるビルの全ての女性がチョコを持ってやってきましたよ。
そのチョコの始末にどんなに苦労したか・・・
あ、中には俺にも持ってきてくれた子もいる事はいました。まあ、義理ってやつなんでしょうけど。
編集者 :それは、それは。とてもハンサムな上司なんですね。
レオさん
:ええ、もてていましたよ、アメリカ時代から。
ハーバードを卒業してすぐ、俺のところにやってきました。70ドルで俺を雇いたいと。
編集者 :ええっ!? 70ドルで雇われたんですか?
レオさん
:雇われたといっても、もちろん初めからあっちが上司だったわけじゃありません。
我々は50:50のビジネスパートナーです。
アメリカでは主にホテルの買収をやっていました。
あることをきっかけに韓国に来ました。
編集者 :ある事とは?どんなことです?
レオさん :砂漠で女性を拾いました。
編集者 :砂漠で?拾った?
レオさん :ヒッチハイクです。1日中、1台も車なんか通らないかもしれない砂漠で、
彼女はヒッチハイクをしていました。
全く、なんで、あんなところでヒッチハイクなんかを・・・
ボスの奥さんですがね、彼女くらいでしょうね、あんな事ができるのは。
編集者 :では、その人が気に入ってこちらにいらしたわけですね。情熱的なお話ですねぇ。
レオさん :情熱もなにも、まるで「思春期のガキ」に逆戻りしたような狂い方でしたよ。
お陰で、一時は全財産を無くすかと思うくらいの盲信ぶりでした。 自分の全財産を投げ打って、彼女の勤めるホテルの株を買ったんですから。
それも、俺には、なんの相談もなしに・・・
一言くらい言ってくれてもいいじじゃないですか!!
いつも、そうなんです。一人で考え、一人で決める。
編集者 :それは、「気難しい上司」ですね。
レオさん
:以前、結婚して間もなくの頃、3ヶ月アメリカで仕事をしたことがあるんですが、
その時はもう、大変でした。仕事の段取りに走り回らなければならないのに、
まるで口をきかないんですから。
編集者 :また、どうして?
レオさん
:奥さんですよ。奥さんがいない。
ただ、それだけで不機嫌になちゃうんですよ、ウチのボスは。
編集者 :愛妻家なんですね。
レオさん
:一言で言えばね。
でも、彼はそこのところが普通じゃない。
編集者 :と、言うと?
レオさん
:「理事特権」という言葉を知ってますか?
編集者 :理事に与えられた特別な権利ですね。
レオさん
:普通は「特定の職務にある者が、その職務の故に与えられている特別な権利」
ですからね。仕事上で発揮されるべきなんですが、ウチのボスは違う。
夜勤中の妻の元を訪れ、部屋へ案内させたら、その後いいように「休憩」や「休暇」を与えてしまう。
編集者 :はぁ~、夜勤中なのに・・・
レオさん
:「理事特権」を振りかざしてね。
でも、逆にこれを利用しない手はない。
オフィスの女の子がお茶の時間にケーキを出したとします。
「悪いが甘い物は苦手なんだ」と、にべもなく、見向きもしない。
なのに、それが奥さんからの差し入れだと知った途端、
「美味しいね」と食べる。
コーヒーもそうです。
決まった銘柄のコーヒーをいつものカップで。
これ以外は口にしない。
なのに!
奥さんが「この前飲んで美味しかったのよ」
と言ってプラスチックの容器に入ったコーヒーを差し出すと、
「そうだね。なかなか美味しいよ」と相好を崩す。
つまり、基準が2重にある事を知って対処する。
そこをちゃんと理解すれば、自ずと道は開かれるというわけです。
編集者 :つまり、上司の価値基準や弱点を掴むという事ですか?
レオさん :そうです。
何が1番大切なのか、知ってこそうまく付き合えるというわけです。
編集者 :ご苦労されてますね。
レオさん
:もう、慣れました・・・。
「不機嫌で扱いにくい子供」そう思えばなんともありません。
編集者 :それではこれから社会にはばたく新人のために何かアドバイスを。
レオさん
:口数が少なかったり、態度が素っ気無かったり・・・
それは決して、君に不満を持っている訳じゃない。
その上司の心の拠り所がどこにあるか把握し、それに添った対処の仕方をすれば、
きっと、それは「扱いにくい上司」ではなくなるはずです。
現に、私はそれで彼と10数年厳しいビジネスの世界を生き抜いてきた。
調査を任され、ホテルの全従業員の住所と電話番号、メールアドレスを調べさせられても、
欲しい情報はたった一人。
それでもいいじゃないですか!
後で、1200人分のデータをゴミ箱で見つけたとしても!(涙)
編集者 :あのぉ~、レオさん・・・
レオさん
:し、失礼しました。
長い付き合いの間には、それは人知れず涙する事だってありますよ。
でもね、これだけは言いたい。
あなたの上司は愛するに値する人物ですか?命を懸けて守りたいですか?
そこをちゃんと見きわめなければ、ただの上下関係だ。
編集者 :では、レオさんの上司にはそれがあると?
レオさん
:今まで、一度だって言った事はありませんが、初めて会った時から彼の可能性に
懸けてました。
編集者 :だからこそ、今の成功があるんですね。
レオさん
:信じる事です。信じられない事を信じる事です。
編集者 :そこに秘訣があるんですね。今日は大変ためになるお話が聞けました。
皆さんも何かヒントを掴んだ事だと思います。今日は本当にありがとうございました。
レオ :あの、これ、もちろん匿名ですよね?
編集者 :いいえ。だって、これ、『レオナルド・パクssiによる「気難しい上司との付き合い方」』って
ちゃんと「グランクレア」の連載インタビューになってますもの。
じゃあ、来月の日程もここで決めちゃっていいですかぁ~?
あれ?レオssi!レオssi!レオssi――!
この雑誌をどうボスの目から遠ざけるか。
そんな特集が載った雑誌はないのか―――――――――!
(`□´)
(written by
hant55 2007/03/14 Milky WayUP)
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