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D&J |
こちらは、ドンヒョク&ジニョンを中心としたお話の部屋です。
私なりに想像した二人のその後・・・というお話になります。
婚約時代から、結婚後、ファミリーのお話・・・とありますが、時系列がばらばらだったりして、読みにくい一面もあると思いますが、よろしければお付き合いくださいませ。
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No |
375 |
HIT数 |
2303 |
日付 |
2009/03/31 |
ハンドルネーム |
Library Staff |
タイトル |
貴方に、逢えて‥・ |
本文 |
『 貴方に、逢えて・・・ 』
「3月って、なんだか、ちょっと寂しい季節よねぇ・・」 君が、書斎の窓から外を見ながら、小さくつぶやいた。
君の視線の先には、庭の樹木たちが、ちょっぴり気の早い春風に、さわさわと芽吹いたばかりの若葉を揺らしている。
「春なんだけど・・・」 なんて、君らしくもなく、物憂げな表情だ。
原因は、あれかな? 僕もPCを打つ手を止めて、君の背中に語りかける。
3月にはいってからというもの、ホテルでは、連日、卒業パーティーや謝恩会、送別会などの行事が目白押しだ。 たくさんの「お別れ」を見送って、君もちょっと寂しくなったのかな
「ホテルは、忙しそうだね」
「そうなの」 そう言うと、君はようやく僕の方に向き直った。
ジニョン
寂しい顔でも泣き顔でも、やっぱり僕を見てくれるだけで、僕の心はふわりと温かくなる。
まるで、春の陽だまりのように・・・
「だってね、ドンヒョクssi、卒業や、送別って、お別れでしょう・・・昨日もホテルで卒業パーティーがあったんだけど・・・みんな、とても泣いててね・・・私はホテルのスタッフだけど、それでもやっぱり、なんだか寂しくなっちゃって・・だって、これまで毎日会って、おしゃべりて・・・楽しいことも辛いことも一緒に同じ時間を過ごしてきた仲間とのお別れなのよ。寂しくないわけないわよね・・・」 って、君は、うっすらと涙ぐんだ。
やれやれ、僕の奥様は、人一倍センチメンタルなんだな。
テジュンのやつなんか、「今がホテルの稼ぎ時だ」って、張り切っていたというのに・・・
僕は、立ち上がって机を離れると、君の側に立った。 そっと後ろから抱きしめる。
君の柔らかな体と、少し寂しげな心と・・・君を全部抱きしめて・・・
「でもね、ジニョン。卒業は新たな旅立ちなんだよ。」 「新たな旅立ち?」
君は、少し僕を振り返って聞き返す。 その仕草に、僕も少し甘い感傷に浸る。
「そう・・旅立ち・・・決して『お別れ』ではなくて、それぞれが、次のステージを目指して出発する旅立ちの日でもあるんだ。」
「次のステージって?」 「さぁ、それは、人それぞれだけど・・・」
君の質問にちょっと笑うと、君は、つん・・・と前を向いた。
ごめん、ジニョン 機嫌を直して、僕の方を向いて。 君を抱きしめる腕にぎゅっと力を込める。
「涙するような時間がもてたからこそ、人はそこから卒業することができるんだと思うよ。そして、旅立てるんだよ。」
「どういう意味?」 そう言いながら、君がそっと僕に寄りかかった。
そう。いつでも、君を全部抱きとめているから、僕から離れないでいて・・
「幸せな時間を過ごすことができたからこそ、次のステップへ旅立つ勇気が生まれるんだよ。卒業して、それぞれの道に進んだ時、きっと辛いことや苦しいことに出合う瞬間があるだろう。その時、自分が過ごしてきた幸せな時間や出逢って来た人たち・・・たくさんの笑顔や元気のでる言葉の数々・・そんなことを思い出して、新しい場所で頑張れるエネルギーにすることができるんだと思うよ。」
「そうかもね・・・・ええ・・・きっとそうね」 って、君はやっと笑顔になった。
「昨日もね・・・学生たちが、同級生や先生、見送ってくれる後輩たちに言ってたの。 『出逢えてよかった』って・・・それって、とても素敵なことよね・・・たとえ、お別れ・・・いいえ、卒業して旅立つにしても・・・」
「『貴方に出逢えて本当によかった』そう言える、人や時間をもてたこと・・・これはかけがえのない人生の宝物だと思う。」
「ええ・・・そうね・・・」 君は、また前に向き直ると、今度は輝くような笑顔で庭の樹木たちを指差した。
「ほら、ドンヒョクssi、蕾があんなにたくさん・・・」 「本当だ・・・」
僕も君の指差す先を眺める。
寒い季節を耐えてたくさんの蕾をつけた樹木たち・・ やがて、春風に蕾をほころばせ、綺麗な花を咲かせるのだろう。
「ドンヒョクssi、やっぱり、春っていいわね」
そうだね、ジニョン 僕は返事の代わりに、君の顔を掌で包む込むと、そっと優しくkissをした。
あの春風のように・・・
春、3月 卒業と旅立ちの季節
だけど、いつだって・・・どんなときでも・・・どこに行っても・・・ 貴方に出逢えて、本当に、よかった・・・
(2009/03/06 Milky
WayUP)
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