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D&J |
こちらは、ドンヒョク&ジニョンを中心としたお話の部屋です。
私なりに想像した二人のその後・・・というお話になります。
婚約時代から、結婚後、ファミリーのお話・・・とありますが、時系列がばらばらだったりして、読みにくい一面もあると思いますが、よろしければお付き合いくださいませ。
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No |
376 |
HIT数 |
2034 |
日付 |
2009/03/31 |
ハンドルネーム |
Library Staff |
タイトル |
night walker ホワイトデーに寄せて・・・ |
本文 |
『 night walker ホワイトデーに寄せて・・・ 』
ぱたん・・・ ふぅ・・・
スーツを脱ぐ。シャワーを浴びる。濡れた髪をタオルで拭きながらナイトキャップを一杯。
リビングボードの上に飾られたジニョンssiの少しはにかんだ笑顔を見ながら、淡いため息と共に、PCの電源を落として・・・一日の激務を終え・・・ベッドサイドの灯りを消して眠りにつこうとしたその時に・・
突然湧き起こった渇望 君に逢いたい 『おやすみなさい・・・ドンヒョクssi・・・』 オフィスから電話したときに聞いた、受話器越しの君の声
急に耳元で甦ってきて、僕を苦しめる。 声だけ聞いて、君に逢えない。
そんな数日を過ごして、僕の全てが悲鳴をあげていた。 思わず、ベッドから起き上がって、バスローブを纏う。 ベッドを出て、ベランダのドアを開けると、開け放ったドアから吹き込んでくる夜風に、ほんの少しなまめかしい幻想をかきたてられる。
一人ぼっちのミッドナイト・・・ ジニョンssiは、今、何をしているのだろう。 たぶん僕のフィアンセは、もう深い夢の中だ。 ベランダに立って、君の家の方向を眺める。
そういえば、こんな風にベランダに立って、君を想ったことがあった。 あれは・・・早朝の大勝負に勝って、あのヴィラのベランダから朝焼けを見た。
その後、どうしても君に逢いたくなって・・・・気がつけば、僕はジャケットに袖を通していた。 そして、携帯だけを手に僕は部屋を出た。
少し離れた所に車を止めて、辿り着いた君のアパート この胸の火照りを鎮めるには、少し夜風に当たって歩いたほうがよさそうだ。君の部屋は・・・見上げながら、少し切なげな目で探す。
・・・あそこだ・・・
小さな灯りが、カーテンの隙間から微かに零れている。 君の顔を見たい気持ちは、募るばかりだけど・・・
ジニョンssiは、今、夢の中かな・・・・ その夢に、僕は出てくる?
まるで、子供のような問いかけが僕の胸に浮かんできて、自嘲気味に笑ってしまう。 君は、時に、僕を子供にするね。
眠りに落ちる一瞬前に、君は、僕の事を想ったかな・・・ 今夜の僕のように・・・
電話して、君を起こしたいという衝動と、このまま部屋のインターホンを押してしまいそうな自分と闘いながら・・・
こんな真夜中でも、フィアンセなら許される? でも、きっとジェニーに怒られそうだ。 ジニョンssiの安らかな寝顔を思い浮かべて、自分を押しとどめる。 ポケットから煙草を取り出し、火をつけようとして・・・ ・・・止めておこうか・・ジニョンssiと結婚したら、家で吸うこともなくなるだろうし・・
そんなことを考えながら、煙草をしまう自分に我ながら驚いてしまう。
僕も随分変わったな・・・ ジニョンssiの部屋を見上げながら、ふっ・・と小さく笑う。
誰かの為に自分を変えるなんて、今まで一度もなかったことだ。 この僕を、そんなふうに変えてしまった唯一の女性
ソ・ジニョンssi 君に逢うまでは・・・
そして、もうすぐ僕たちは結婚しようとしている。
ジニョンssiと「結婚」・・・ その言葉を頭の中で反芻する。
あの夜空に輝く星よりも遥か遠くで手の届かないものだと想っていた「幸福」を、僕はもうすぐこの手にしようとしている。
でも、きっと・・・
そう、きっと、ジニョンssiが、あの教会のヴァージンロードを歩いて、僕の目の前に立つその瞬間まで、僕は小さな不安を抱えて過ごすのだろうな・・・
そんなことを想いながら・・・ 君の部屋を見上げる。
あの窓を見上げるのは、これで何度目? 自分に問いかけてみる。
確か一度目は・・・ そう、一度目は・・・
あの早朝に、寝ているジニョンssiを電話で起こした。
君は、きっかり5分で出てきてくれたね。 示し合わせたわけでもないのに、僕たちは同じようなblueのジャケットだった。
それが、何故か嬉しくて・・・ そして、二度目は・・・ 君の誕生日
まるで、思春期の高校生みたいに期待に胸を膨らませ、君のナンバーをコールした。 そして、三度目は・・・
あの辛くて長い夜のことだ。 目の前で、世界が・・・君によって開かれた世界ががらがらと音を立てて崩れていくのを僕はなす術もなく見つめていた。
あれから、全てが僕の思うようにいかなくなった。
回り道をし、躓き、何度も迷いながら、ようやく辿り着いた君の心へと続く道切なく苦しい季節を超え、僕は今、ここに立っている。 そして・・・今夜・・・ こうして、ここに立ち、あの窓を見上げている。
だけど、今、僕の心は穏やかだ。 小さな明かりが灯る君の部屋 今、君があの部屋で眠っている。
僕の愛する人が・・・そして、僕を愛してくれる人が・・・ そう思うだけで不思議と心が満ち、知らずに微笑が浮かんでくる。 ジニョンssi・・
そこに君がいるだけで、僕はもう底なし沼のような孤独の淵を覗かずにすむ。 あの灯りのように、優しく柔らかな光が、今僕の胸の中には灯っている。 ふぅ・・・と淡いため息をついて、もう一度見上げる君が眠る部屋
今夜は、これで帰るとしよう。
たとえ、君に逢えなくても・・・僕の心はもう、温まったから・・
おやすみ、ジニョンssi・・・
君の明日が、いい日でありますように・・ そう願って、歩き出す。
なんだか、今夜は歩きたい気分だ。 幸せと寂しさと愛しさと切なさが同居するこの胸を抱えて僕は夜に歩き出した。
そういえば・・・
君に出逢う前、幾度となくこうして夜を彷徨った。
大学時代、ガソリンスタンドでのバイトの帰り 本を買うため、バス代も節約して、すきっ腹を抱えて夜の街を歩いた。
冷え切った体と、胸には永久凍土のような氷の塊 それから、仕事を始め、レオと組んでの駆け引きの数々・・・ あざといやり口で賭けに出たこともあったし、ひやりとするデッドラインを綱渡りで渡り切った事もあった。 大勝負に勝って、高揚した気分で夜の街を歩いたこともある。
あれは、僕を捨てた、誰かや何かに仕返しできたような気分だった。
それから、大金を儲けて、口座の数字が増えていって・・・ でも・・・満たされはしなかった・・・そして、大勝負を繰り返し、資産家と呼ばれるようになっても・・・
くだらないパーティーをはしごして、人生を浪費していたあの夜だって、ウォール街を歩く僕の心は、いつだって、苛立ちと怒りと孤独と焦燥にまみれ・・・
「幸福」とは程遠い心の闇に、僕の夜は益々その暗さを深めていった。
だけど、今・・・
不思議なくらい、僕の心は凪いでいる。 振り返って君の窓を見上げる。 やっぱり、明日の朝早く君の家の前で電話をしようかな。 君はまた5分で出てきてくれるかな。 そうしたら、またあの教会に行こう。
神様の前で、僕が誓う愛の言葉を聞く前に、君はまた居眠りを始めるかな。
あれこれと、明日を想いながら、ふっ・・・と、微笑が零れる。 こんなふうに、明日を夢見ることができる・・・それが、僕にとってどんなに幸せなことか、ジニョンssi
君は知っているかな。
明日を、明後日を・・・これからの人生をずっと・・・
君と歩くことを夢見ながら、僕の夜に灯った君という明りを胸に家路を辿る。
僕は、世界一、幸せなnight walker
(2009/03/14 Milky WayUP)
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