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Milky Way Library
Milky Way Library(https://club.brokore.com/sunjyon)
「Hotelier」にインスパイアされた創作(written by orionn222)の世界です
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D&J


こちらは、ドンヒョク&ジニョンを中心としたお話の部屋です。
私なりに想像した二人のその後・・・というお話になります。 婚約時代から、結婚後、ファミリーのお話・・・とありますが、時系列がばらばらだったりして、読みにくい一面もあると思いますが、よろしければお付き合いくださいませ。
No 387 HIT数 1743
日付 2012/04/21 ハンドルネーム Library Staff
タイトル Sentimental journey (6)
本文
『 Sentimental journey (6) 』




懐かしい同級生たちの顔、顔、顔・・・みんなしっかりと年を重ね、おじさん、おばさんと称される年代になっていても、こうして集まればたちまち高校生に逆戻りした。
薄くなった頭髪や、脂肪が蓄えられた腹部を笑い合いながらも、往年の少年、少女たちは、大はしゃぎだった。
恩師の「ここにこうして来られる、というだけで、皆さんはどれだけ幸せなのか、しっかりと認識してください。」
というスピーチも心に迫った。
すでに、亡くなっている同級生もいた。

思いっきりしゃべって、食べて、飲んで・・当時を思い出して少ししんみりしたり、「ドッキリDVD」に驚いたり、
大笑いしたり・・

それはそれは幸せな夢のような時間だった。
もしかしたら、ジニョンの知らないところで、噂話やバッシングなどあったのかもしれない。
けれど、そんなことより、この時間が愛しく、幸せで、きっとずっと、一生心に残る出来事だろうと、
ジニョンは思った。来て良かった・・と・・・

ありがとう・・ヒジン・・リヨン・・スヨン・・
ジニョンは、会場を見渡した。

会場の隅々まで目を配り、老舗の若女将らしい気遣いを見せるヒジン・・・

とびっきりシックなファッションで、楽しい話題を次々と提供して場を盛り上げるリヨン・・・

にこにこと笑顔を振りまき、その美魔女ぶりで、男性陣の視線を釘付けにし、
女性陣からは質問攻めにあっているスヨン・・・

ありがとう・・みんな・・・三人は私の誇りよ・・・
ジニョンは、心の中で囁いた。

こうして楽しい一夜は更けていった。


同窓会が終わった頃から、レオの尽力もようやく功を奏し、事態は少しずつ収束に向かっていた。


これには、またも親友たちの協力があった。

リヨンは、自社の雑誌で、「メディアの功罪、メディアリテラシーの必要性」というキャンペーンを展開して、
今回の騒動を見直した。

また、スヨンとヒョンジンssiは、経済界におけるその人脈を生かして、真相究明に協力した。

また、ジニョンは知らなかったのだが、ヒジンはあの同窓会で、集まった同級生たちにそれとなくジニョンの擁護をしていた。

こうして、テレビや雑誌でジュリの姿を見かけなくなる事が多くなってきた頃、ジニョンは体調に異変をきたした。

発熱し、体も重く、腹部に鈍い痛みが続いていたが、今回の騒動でホテルのスタッフに迷惑をかけていたので、
ここでまた自分が休んでは・・・と無理をして仕事を続けていた。

そんな折、ドンヒョクから、嬉しい連絡があった。
なんとか、仕事がまとまり、あと2,3日で、契約にこぎつけられるらしい。
ジニョンは、もうひと頑張りだと自分に言い聞かせ仕事を続けていた。

しかし、ある日、その日行われるイベントの説明中に、とうとうジニョンは倒れた。
あわてて、自分を支えるスンジョンの驚いた顔を見たのが最後にジニョンは意識を失った。

微かに響く救急車のサイレン・・・ストレッチャーの音・・・消毒薬の匂いと真っ白な壁・・・
意識の向こう側でそれらをかすかに感じ取りながら、ジニョンはゆっくりと意識を取り戻した。



「母さん、大丈夫?」

心配そうなかれんの顔がジニョンの目に飛び込んできた。

「・・・か・・れん・・?」

「僕もいるよ、大丈夫?」
いつもより数段元気のないジェイの声も聞こえてきた。

「・・ジェ・・イ・・」

「・・・ここは?」

「病院よ。オンニ」

ジェニーのほっとした声も聞こえてきて、ジニョンはようやく事態を理解した。

「・・・私・・仕事中にホテルで倒れて・・・それで・・病院に運ばれたの?」

「そうよ、オンニ・・・ただし二日前にね」

「二日前?」

「母さんは過労だそうよ。それでまる二日眠り続けてたのよ。」

「・・過労・・・」

「まぁ、いろいろあったから・・・」

ジェニーが少し声を潜めた。

「でも、オンニが意識を取り戻したら、検査するそうよ。病気の可能性もあるって・・・」

ジェニーがそこまで言ったとき、「ジニョン!」という大声が病室前の廊下から響いてきた。

「えっ・・?」

「ジニョン!!ジニョン!!」

廊下をバタバタと走る足音がして、「奥様はこちらの病室です。落ち着いてください。ドンヒョクssi」と、
病院のスタッフの気遣わしげな声が聞こえたと思うと、いきなり病室の扉が開いて、狼狽したドンヒョクが
飛び込んできた。


「ジニョン!!」

「ド・・ドンヒョクssi??」

ジニョンは驚いて、飛び起きた。
その拍子に腹部に激痛が走り、「い、痛っ!!」と思わず身を縮めた。

「ジ、ジニョン!!」

その様子にまたドンヒョクが大声を出し、ベッドに駆け寄った。

「だ、大丈夫よ・・ドンヒョクssi・・でも・・一体どうしたの?アメリカじゃ・・・」

「テジュンssiが、オッパに連絡したのよ。そしたら・・・」

ジェニーがため息混じりに苦笑した。

「ドンヒョクssi、奥様は過労で倒れられたようですが、虫垂炎の疑いもありますのでとりあえず検査をして・・」

ようやく追いついたドクターの発言を、ドンヒョクは鋭い一瞥で黙らせた。

「ジニョン・・・・倒れたと聞いて、生きた心地がしなかったよ。とにかくなんとかして帰国しようとしたんだが・・・
申し訳ない。こんなに遅くなってしまって・・・」

ジニョンの手を取り、そういい募るドンヒョクを「問題ないわよ。オッパ。オンニは今目を覚ましたばかりだから・・・」と、ドンヒョクに睨まれて言葉が出ないドクターに代わってジェニーが説明した。

「ジニョン・・・心配で気が変になりそうだった。君がいなければ、僕は生きていけないよ。」

ドンヒョクは、ただジニョンだけを見つめてそう囁いた。

その瞬間、ジニョンは世界中にドンヒョクと二人きりのように感じて、久々に甘い薔薇色の空気に
包まれつつあったが、「ちょっと、二人とも!」というかれんの言葉にあわてて現実に戻った。

「ド・・ドンヒョクssi・・・私は大丈夫だから・・・」とドンヒョクに包まれた手を強く握り返して微笑んだ。

「全く!」とかれんがジェニーに訴えても、「この二人はしょうがないわよ」と、笑いながら肩を竦められてしまった。

それからも、「ジニョン・・」「ドンヒョクssi・・」と見詰め合う二人を残して、かれんたちは部屋を出た。


とりあえず、まずは検査を・・・と、ドクターの判断ですみやかに診察が行われたが、軽度の虫垂炎だと判断され、
今回は投薬による治療が行われることになった。
ドンヒョクは、ずっとジニョンの手を握って付き添っていた。

「ね、ジェニーおばさん、あんなに父さんに凝視されていたら、ドクターも診察しづらいでしょうね。」
かれんがそう小声で囁くと、
「ほら、かれん、ドクターの手が震えてるわよ・・」とジェニーも少し呆れたように答えた。

その後、入院治療中は、レオやテジュン、ホテルのスタッフたちが次々にお見舞いに現れ、花々に溢れた病室は
いっそう賑やかになった。


夜もドンヒョクは病院に泊り込み、ひと時もジニョンの側を離れなかった。
ある日のこと、見舞い客も帰り、夕方の病室でジニョンは、点滴を受けながら、ずっと気になっていたことを
ドンヒョクに尋ねた。

「ドンヒョクssi・・・帰ってきてくれたのは、とっても嬉しいけど・・・お仕事のほうは大丈夫だったの?
ちゃんと契約できた?」

「契約?なんの?」

ドンヒョクは、まったく意味がわからないという顔をして聞き返した。
これには、ジニョンが驚いた。

「な、なんのって・・・ドンヒョクssi、アリシアホテルどうなったの?」

「アリシアホテル・・・・」ドンヒョクは、そこでようやく思い出したようだった。

「さあ・・どうなったのかな・・」

「ど、どうなったのかなって・・・ドンヒョクssi、まさか、テジュンssiから連絡を受けていきなり帰国したわけじゃ
ないでしょう?」

「電話を受けて、すぐに空港に直行したから・・・」

「すぐにって・・・じゃ、仕事は?もうすぐ契約だったんでしょう?ちゃんと相手側に連絡というか、調整というか・・」

「連絡は・・さぁ・・レオか誰かがしたんじゃないかな」


「したんじゃないかって・・・だって、ドンヒョクssi!」

ジニョンは、慌てて身を起こした。「痛っ!」点滴のチューブが引き連れて思わず声を上げたジニョンを
ドンヒョクは優しくベッドに戻した。

「ほら、おとなしくしていないと・・」

「だ、だって、ドンヒョクssi!!大切なプロジェクトだったんでしょう?!
それなのに、私の入院騒ぎくらいで、中断するなんて、そんなこと・・・」

おろおろと言い募るジニョンをドンヒョクはそっと抱きしめた。

「僕にとってジニョン以上に大切な存在はいないよ。全てを失ってもジニョンだけは絶対に失ったりしない。
だから、ジニョンは、余計な心配はしないでいて・・仕事なんてなんとでもなるから・・・」

「でも・・ドンヒョクssi・・・だって・・・」

ドンヒョクのその言葉に、ジニョンの胸に、数々の想いが押し寄せてきて、一筋の涙になった。

「あんなに一生懸命に打ち込んで・・レオssiだって・・・それに・・・」

・・アリス・ジョンソンという名前に言いようのない不安を募らせた日々・・・イ・ジュリとのスキャンダル・・・
押し寄せるマスコミたち・・・ドンヒョクの不在・・そんなことたちが次々と今、頭に浮かんできて、
ジニョンの胸を締め付けた。

あのプロジェクトは、ドンヒョクssiにとって、特別な意味があったはず・・・
それを、全てうち捨てて、私のために帰ってきてくれたの?
嬉しいけれど・・・・でも・・ドンヒョクssi、それでほんとうに良かったの?

そんなジニョンの心中を察するように、ドンヒョクが、抱きしめた腕に力を込めた。

「僕にとって、本当に大切なのはジニョンだけだ・・・そのために僕は生きている・・・
今、こうしてジニョンと抱き合うために・・・」

そう言って、そっと唇を重ねられると、ジニョンの胸のわだかまりが、すぅ・・と溶けていき、ジニョンもただドンヒョクだけがいればいい、この胸に抱かれていれば、もうなにも怖いものはないのだと、心から想った。

「いろいろ・・心配かけて、ごめん・・・」

「ドンヒョクssi・・・」

「また、ジニョンを泣かせてしまったね・・・」

ドンヒョクは、ジニョンの頬の涙の後を唇で辿ると、優しく啄ばむように口付けを繰り返した。

「だけど・・・いつでも、どこにいても、どんな時でも、心はジニョンと共にあるよ。これだけは信じて欲しい。」

「ドンヒョクssi・・」


ジニョンは、その瞳の中に、真実の愛を見た。

もう、ジニョンは、アリスのことも、チャールズ・ジョンソンとの間になにがあったのか、知りたいとは思わなかった。
愛だけが、全ての答えだった。



とはいうものの・・・後日、レオが見舞いに来たとき、ジニョンはおずおずと今回の顛末を尋ねてみた。

「全く、ボスのやつ・・・何年もかけてきたこのプロジェクトだったんだが・・とりあえずはすべてご破算です。
ボスが不在じゃ仕事の進めようもない。」

そう、レオは怒ったけれど、どうしてだか、その目は面白そうに輝いていた。

「どっちにしろ、あのオーナーとは、今後も確執がありそうだったし・・今、無理して契約にこぎつけたとしても、
今後もなにやかなやと厄介ごとは続くだろうし・・・ま、今回は痛み分けって所ですかねぇ・・・
なに、心配はいりませんよ。このプロジェクトは中断しても新しいビジネスにつなげていきますから・・」

まだ心配そうなジニョンに、そうからっと言い終えると、レオは病室から高い空を見上げた。

ボス・・・これで、ボスも宿題を終えたんだな・・


とはいえ、一方的な契約破棄でアリシアホテル側からどんな報復があるかと内心ひやひやしていたが、
どういうわけか、その後、何もなく、かえってレオは心配になった。
だが、ドンヒョクとあのチャールズ・ジョンソンの間柄をそれとなく推察すると、なんとなく今回の決着も理解できるような気がした。

レオは、オフィスで今回のプロジェクトにかかわる大量の資料をシュレッダーにかけながら、ひとりごちた。

どうやら相手側もなにかのけりをつけたようだな・・・
お互いに・・・これで、手打ちだ。


やがて、ようやくあのスキャンダル騒動も影を潜め、体調が回復したジニョンは、ホテルの仕事に復帰した。
また今日からVIP担当の支配人よ・・と意気揚々と仕事を始めたジニョンの無線が鳴った。

「あーーソ支配人・・ちょっと部屋まで来てくれるか・・・」

「了解しました。社長」

そう答えて無線を切ったジニョンだったが、テジュンの声がどこか困惑しているように感じられた。

「テジュンssi、なにか問題でも?」

社長室に入ったジニョンから、テジュンは視線をはずすと、「あーーなんだ・・まーーその・・なんだな・・」と
意味不明な言葉を繰り返した。

「テジュンssi?」

「実は・・・その・・仕事のことでちょっとな・・・」

「ええ・・・いいのよ。テジュンssi、なんでも言って。
今回はいろいろと迷惑をかけたんだし、夜勤だろうと、シフト変更だろうと・・・」

「いや、そうじゃない・・んだ・・実は、ジニョン、お前を指名してきたVIPがいるんだが・・・」

「ええ。」

ジニョンは、テジュンの次の言葉を待った。VIP担当は自分の仕事だ。特別に問題でもあるのだろうか?

「それが・・その・・VIPというのは・・女優のイ・ジュリssiなんだ。」





(2011/6/8 MilkyWay@Yahoo UP  Sentimental journey 22・23・24・25・26 )


 
 
 

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