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Milky Way Library
Milky Way Library(https://club.brokore.com/sunjyon)
「Hotelier」にインスパイアされた創作(written by orionn222)の世界です
サークルオーナー: Library Staff | サークルタイプ: 公開 | メンバー数: 732 | 開設:2008.11.22 | ランキング:51(8198)| 訪問者:141258/418669
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D&J


こちらは、ドンヒョク&ジニョンを中心としたお話の部屋です。
私なりに想像した二人のその後・・・というお話になります。 婚約時代から、結婚後、ファミリーのお話・・・とありますが、時系列がばらばらだったりして、読みにくい一面もあると思いますが、よろしければお付き合いくださいませ。
No 69 HIT数 1486
日付 2009/03/04 ハンドルネーム Library Staff
タイトル 愛がなくっちゃね
本文
『愛がなくっちゃね』




「ドンヒョクssi  コーヒー飲む?」
「・・・・・ああ・・」
「じゃ・・じゃあ、淹れるわね。」
ジニョンは自分の問いかけにも読んでいた新聞から目も離さないで答えたドンヒョクを困惑した気持ちで見ていた。

・ ・・・まったく まだ怒っているのかしら? 本当に扱いにくいったら・・・

そんな思いを抱えたままジニョンは子供部屋の戸口に立った。
「かれん、おやつにするけど、なにがいい?」
「うーーんとプリンとオレンジジュース」
「わかったわ。すぐ用意するわね。」

そう言って子供部屋を後にしようとしたジニョンをかれんが呼び止めた。
「パパ、ご機嫌が悪そうね。」
「そ、そう?」
「そうよ、もう2日もあんな恐い顔をして・・・いい加減に仲直りしたら?」
「べ、別に、けんかしてるわけじゃ・・・」

「そうよね、パパが怒ってるのよね。原因はあれね。この前ママが酔っ払って帰ってきたからよね」
「な、なんでかれんがそんな事知ってるのよ?」
「とにかく、早く仲直りしてよね、全くいい迷惑よ。」

「ごめんなさい・・・ってかれん、あなた何をしてるの?」
「るーのデーターをとって記録してるのよ」
「データー?」

ジニョンはかれんのるーと名づけられたウサギのぬいぐるみを、かれんがメジャーを使って、背丈や胴回り、
足の長さを計っているのを不思議な気持ちで眺めた。
「それ・・楽しい?」
「楽しいわよ。」
「そ、それなら・・いいけど・・・」

・ ・・・全く、あの二人は私の理解の範疇を超えているわ。
・ ・・・ドンヒョクssiだって、なにもあんなに怒らなくても・・・

かれんのためにおやつを用意しながらジニョンはため息をつきながらそう考えていた。

・ ・・それに・・仕返しならちゃんとしたじゃない!ドンヒョクssi!!
今度はドンヒョクのためにコーヒーを淹れながらジニョンは昨日リヨンと会った時の会話を思い出していた。

結婚後も雑誌社に勤めるリヨンとはお互い忙しい時間をやりくりして、月に何度かランチをとるようにしていたが、
その日も混雑したイタリアンレストランで二人はパスタを食べていた。

「で?」
「だから、いつまでもしつこいのよ。まったく本当に子供みたいなんだから・・」
「だから、原因は何なのよ」
「だから・・・・その・・2日ほど前の事なんだけど・・」
「うん、うん」

「その日ホテルで社長主催の慰労会があって・・ほら、ここのところずっと大きなレセプションやら、
国際会議やらが続いていたから・・・」
「で?」
「それで・・・まあ、ちょっと飲みすぎたというか・・酔っ払ちゃって・・・」
「それだけで、ずっと怒ってるの?」
「・・・酔っ払った私を・・その・・テジュンssiが家まで送ってくれたんだけど・・・私かなり飲んだみたいで・・
なんかそれもよく覚えてなくて・・・夜中の3時頃だったと思うんだけど・・・」

「ちょっと、待った」
「えっ?」
「ジニョン・・あなた、酔っ払って意識のない状態で元彼に家まで送ってもらったって事?」
「も、元彼って・・」
「しかも夜中の3時に・・」

「そ、そういう事になるかな・・」
「あなたねえ・・・」
リヨンはフォークを置くと大げさにため息をついた。
「普通、そりゃあ、怒るでしょう」

「そ、そう?」
「当たり前でしょう。」
「だって、相手はテジュンssiなのよ。他の人ならともかく絶対安全だし、ドンヒョクssiだってよく知ってる友人なのに・・・」

リヨンは再びフォークを持つとパスタをすくいあげながらあきれたようにジニョンを見た。
「やっぱり、これだから・・・ドンヒョクssiも苦労するわよねぇ・・」
「これだからって、どれよ」
「鈍いというか、救いようもない単細胞というか・・」
「ちょっと!リヨン!」

「だって、そうでしょう? ドンヒョクssiにしたら、ジニョンがテジュンssiを今でも、心から深く信頼してることはよくわかっていても、
目の前で自分の妻が無防備によその男といるだけでも面白くないのに、その男がよりにもよって、妻の元彼だなんて・・・
普通絶対的に信用してもらいたいのは夫という自分一人っていうものよ。
だけど、テジュンssiの事はドンヒョクssiもよく知っている・・
むしろ貴方たち二人の事は知りすぎるくらいにね・・・
だからこそ、余計にそういうことはしちゃいけないのよ。」
「・・・リヨンって、やっぱりすごいわ・・・」

ジニョンは食べかけのパスタを口元にとどめたまま尊敬の眼差しで目の前の友人を眺めた。
「で、ドンヒョクssiにこっぴどく怒られたとか?」
「そんなに単純なら苦労しないわよ。昔朝帰りした時だってひどい仕返しをされたんだから!」
「って、これが初犯じゃないのね、ジニョン」
「い・・いや・・あの・・」

「で、何をされたの?」
ジニョンは多くの人で混雑するレストランを見回し、声を潜めて打ち明けた。
「次の朝、夕べの事をまったく覚えていないもんだから、まぁ、ドンヒョクssiに聞いたのよ。
そしたら、いつものようなポーカーフェイスで「とりあえずシャワーでも浴びてきたら」っていうもんだから、
まあいう事を聞いておこうとバスルームにいって服を脱いだら・・」
「脱いだら?」

「思わず悲鳴を上げたわよ!」
「どうして?」
「だ、だって・・・キ、キスマークが・・・」
「・・・・それくらい・・」

ジニョンにつられてリヨンも声を潜めて聞き返してきた。
「い、いたるところに・・・全身についていたのよ!」
「全身に・・・キスマーク?」

リヨンは食べかけのフォークをもったままジニョンに聞き返した。
「そ、そうよ。もう全身、いたるところによ。」
「ほう・・それは・・まあ・・・なかなかやるわね。お宅の旦那様」
そう言って、男性心理に詳しいジニョンの友人はにっこりと笑った。

「それで、ジニョンは何も覚えてないの? その夜の事は?」
「・・・う・・ん・・まあ・・・ところどころの記憶はあるような・・ないような・・」
あやふやな顔をしてジニョンは力なく答えた。

「まさか、元彼の仕業ってわけじゃないでしょうね!!」
「まさか!!それだけは絶対にないわ」
思わず大きな声を上げた二人を、周りの人々が驚いて見た。

「なら・・良かったわ・・・もし、それでドンヒョクssiが怒ってるのなら冗談じゃすまないものね。」
「当たり前よ。もしそんな事だったら、殺されちゃうわ。」
ジニョンはあながち冗談ともつかない思いで答えを出した。

「へぇ・・・でも、なかなか刺激的な光景ね。酔って意識のない妻の全身に嫉妬に駆られた夫がキスマークを刻み付ける・・
これも一つの愛情の形か?貴方には理解できますか?
って・・いいわね。次の特集記事になるわ。」
「ちょっと、リヨン!」

「しかも、あの旦那様だものね・・・うーーん なかなかそそられる光景だわ」
そう言ってリヨンは含み笑いをもらした。
「笑い事じゃないわよ。おかげで大変な思いをしてるんだから」
「でも・・あまりわからないけど?」

「すぐに強力カバーファンデーションをまとめ買いに走ったわよ。今日だって誰よりも早く出社して、ロッカーの隅でこそこそ着替えたのよ。
お風呂だって・・・
ママは風邪気味なのってかれんに言い訳して、夜中にこっそりシャワーを浴びてるんだから!」
ジニョンは盛大なため息と共にそう答えた。

「で、ドンヒョクssiは何て言ってるの?」
その問いかけにジニョンは思わず身を乗り出して答えた。
「それが、『ジニョンがつけてくれて言うから』って言うのよ!どうよ!これ!」
「どうって言われても・・・でも、意識がないんじゃ否定も出来ないところね。
なるほど、やっぱりお宅の旦那様は一筋縄じゃいかないタイプね。
まぁ、昼間からご馳走様、ソ・ジニョン」
そうリヨンが艶やかに笑って二人のランチは終わりを迎えた。

淹れたての香ばしい香りがジニョンの物思いを中断させる。
コーヒーメーカーからカップにコーヒーを注ぎながら、ジニョンはふと思い立ってミルクを泡立てた。

いつもはブラックのドンヒョクのカップにふんわりと優しい真っ白な泡を注ぎいれる。
出来上がったカプチーノを手にしてジニョンは相変わらず難しい顔をしてソファーに座っている
ドンヒョクの横にそっと腰を下ろした。

「・・・ドンヒョクssi・・・この前の事は私が悪かったわ・・軽率でした。すみません・・」
ジニョンのその言葉にやっとドンヒョクが新聞から目を離した。
でも、まだジニョンを正面から見ようとはしない。

ジニョンは続けて「もう、あんな事はしないと約束するわ」とドンヒョクの膝にそっと手を置いた。
そこでやっとドンヒョクはジニョンのほうを向いた。
それに力を得て、ジニョンは再び思い切って口を開いた。

「で、でも・・ドンヒョクssiだって、あれはよくないと思うわよ」
「あれって?」
「酔って、い、意識のない時にあんな事をするなんて、やっぱりよくないわよ。だいたいああいうことは・・なんていうか・・
ご、合意の上でする事であって・・わけのわからない状態であんな事は、ちょっと・・・」

「そうかな・・とても意識がなかったとは思えなかったな。
ちゃんと反応していたし・・むしろいつもより・・・・・」
「ちょっ・・何を言ってるの!と、とにかく・・ああいう事は二人で、き、気持ちを確かめるためにする事だし・・・
ドンヒョクssiだって、本当は・・た・・楽しくなかったはずよ。」
「僕は結構楽しかったけど?」

「あ、ああいうことはお互いの気持ちを伝えるためのしゅ、手段であって・・」
「僕のした事・・・あれも一種のメッセージだと思うけどな」
「とにかく!私が言いたいのは、ああいう事をする時には愛がなくっちゃだめという事よ。」
ドンヒョクを上目使いでにらみながらジニョンはそう言い切った。

「愛はあると思うけど・・・いつでも、どんな状況でも・・・」
「伝わらなくちゃ意味がないわよ。」
そう言うとジニョンはドンヒョクのカップに注いだカプチーノの白い泡に近くにあった小さなフォークでハートのマークを描いた。

「これからはちゃんと、私にわかるように伝えて・・・・誰と何をしているのか私がちゃんとわかる時に・・・」
そう言ってジニョンはそのカップをドンヒョクに手渡した。

しばらくジニョンを見つめた後、やっとふっと笑うとドンヒョクはそのカップを受け取った。
「かなり伝えたつもりだけど・・でもこれからは君がはっきり意識のある時にしっかり伝えるようにするよ。」
そう言ってドンヒョクはハートの描かれたカップを手にしたまま、そっとジニョンにキスをした。


ドアの影から二人の様子を見ていたかれんは二人の熱いキスが終わる頃を見計らってリビングにはいっていった。
「仲直りした?」
「別にけんかしていたわけじゃないわよ。」
そう取り繕うジニョンとやっと優しい表情になったドンヒョクを見てかれんは軽くため息をついた。

やれやれ、本当に手のかかるパパとママね。
幼稚園のお友達となら、「ごめんね」「いいよ」ってすぐ仲直りできるのに・・・
まったく、大人ってややこしいのね・・・



それから1年後、生まれたばかりのジェイに母乳を与えながらふと思い当たってジニョンはドンヒョクに問いかけた。
「ドンヒョクssi ジェイってもしかして・・・あの時できた子供じゃないわよね・・・」

「・・・それは・・・たぶん・・違うと・・思うけど・・」
どこかジニョンの目を避けたまま、いつもより全然自信のなさそうな声でドンヒョクはそう答えた。




(2005-02-25  サファイアUP)

 
 
 

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