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Milky Way Library
Milky Way Library(https://club.brokore.com/sunjyon)
「Hotelier」にインスパイアされた創作(written by orionn222)の世界です
サークルオーナー: Library Staff | サークルタイプ: 公開 | メンバー数: 732 | 開設:2008.11.22 | ランキング:51(8198)| 訪問者:141258/418669
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D&J


こちらは、ドンヒョク&ジニョンを中心としたお話の部屋です。
私なりに想像した二人のその後・・・というお話になります。 婚約時代から、結婚後、ファミリーのお話・・・とありますが、時系列がばらばらだったりして、読みにくい一面もあると思いますが、よろしければお付き合いくださいませ。
No 71 HIT数 1516
日付 2009/03/04 ハンドルネーム Library Staff
タイトル 貴方のクリスマス
本文
『貴方のクリスマス』




Dear サンタさん
今年のプレゼントを書いておきます。
さっきママに聞かれて答えた時、ママの目が微妙に泳いだのでちゃんと書いておくことにします。


天体望遠鏡です。
別紙に品番と色とお店の電話番号を書いておきます。
インターネットでも注文できます。そしたら5%引きです。

サンタさんには必要ないことかもしれませんが、念のため・・・
それと、今年はもうサンタクロースの格好をして、窓から入ってこなくてもいいと思います。

「子供達が目をさますといけないでしょう?」という誰かさんの発言ももっともだと思いますが、
心配しなくても私は目を覚ましたりして、お二人の夢を壊すようなことはしませんのでご安心を・・・

それと、プレゼントを置いたらすみやかに部屋を退出してください。
去年のように・・「キャー ドンヒョクssi その格好かわいいーー」とはしゃぐママがサンタとキスをする・・・・
夢を見たような気がしましたから・・

それと、ママにもプレゼントがあるようなら、もう少し簡単で使いやすいカーナビを贈ってあげてください。
いちいち使い方を説明するのは面倒ですので・・・

では、この手紙はオフィスの方にお送りします。
その方がなにかと間違いがなさそうですので・・・
それでは、よろしくお願いします。

              from  シン・かれん

PS 今度の保護者会には一番地味なスーツで来てください。
   この前のような騒ぎはちょっと困りますので・・・


・・・・・そんな、かれん7歳のクリスマス・・・・


ったく なんだよ もう降参か
だらしねーな
覚えてろって覚えてられねーよ お前らみたいな奴

ため息をついて見上げた夜空から白い雪

------おー ジェイ ホワイトクリスマスだぜ------

真っ白な雪が舞い降りてあたりを優しく包みこみながら降り積もる。
目の前の汚れた街並みにも、多角形のように尖った俺の心にも・・・

------今夜はオールナイトではじけようぜ-------

今夜・・・・
今朝、母さんから言われた言葉が急によみがえる。
“ジェイ、今夜、父さんから大事なお話があるからちゃんと帰ってきなさい”

父さんから大事な話・・・・

「やっぱ、俺帰るわ」
「えーーなんでだよーージェイ お前今日帰んないほうがいいんじゃないの?
だって、ほら、親父さん学校に呼び出しくらったんだろ」

そう・・・あのシン・ドンヒョクが俺のために頭を下げるなんて・・・
ちょっと面白い気もするし・・・やっぱり申し訳ない気もする・・・
だって父さんは・・・

小さい頃、父さんは俺のヒーローだった。
格好良くて、大きくて、何でも出来て・・・・
だけど、いつの頃からだろう・・・

あまりに大きすぎて俺はその影から抜け出せない
生れ落ちた瞬間からの俺の運命・・・・シン・ドンヒョクの息子

そのとき携帯がメールの着信を告げた。

-----ジェイ、さっさと帰ってきなさい。
あんたも、父さんが何故フランクなのか知りたいでしょう?
ううん、知るべきよ。
                   From  かれん------------

姉貴からのメールを見た瞬間、俺の足元がぐらっと揺らいだ気がした。
俺があちこちへ飛び込んでいけるのは、帰る場所があったからだ。
たしかな足元があったからなのに・・・

今、その足元が急に心許くなってきた。
バイクに飛び乗り雪道を走る。

突然、バランスを崩し凍った道をスピンする車輪
投げ出された俺の体

いってぇ・・・
落ちたのは雪の上だ。 ふんわりと冷たい雪の上に・・・

全身に広がる鈍い痛み・・・この痛みは大人になるための通過儀礼なんだろうか?
雪の上に大きく手足を広げて横たわる。

俺が事故った事を知ったら、母さんは大騒ぎをするんだろうな。
姉貴はそれ見たことかと鼻で笑い、父さんは・・

父さんは、しょうがない奴だなという顔をして横を向いてふっと笑うんだろうか・・・
この前偶然聞いたあの話の時のように・・・

俺の事を心配する母さんに父さんはこう言った。
「大丈夫だよ。ジニョン。あのくらいの子はああやって自分を捜すんだ。
僕にも覚えがあるよ。あれがジェイの捜し方なんだろう。だけど、ジェイは僕とは違う。
自分は傷ついても他人は決して傷つけない。だから、きっと大丈夫だよ。」

父さんは誰かを傷つけてきたの? そして自分も傷ついてきたの?
それは姉貴の言うフランクと関係があるの?
フランクっていうのは父さんのアメリカでのただのあだ名だと思っていたのに・・・

違うの?
あの時横を向いて笑った父さんの顔はひどく寂しそうでつらそうだった。
父さんの過去には何があったの?

突然俺の心が明確な結論をだした。
帰ろう。そして父さんの話を聞こう。
父さんが俺らに話しがあるんなら久しぶりにちゃんと父さんの目を見て話を聞こう。

立ち上がり雪を払い落とす俺の耳にどこからか教会の鐘の音が聞こえてきた。
許しと感謝と愛と尊敬と・・・
俺の心に響く鐘の音
何故だか急に涙が出てきた・・・

そんなジェイ17歳のクリスマス


そんな二人がまだ生まれる前のあるクリスマスイブの夜・・・・

「お疲れ様。無事終わった?」
「あーードンヒョクssi  終わったわーー疲れたーー」
迎えに来てくれたドンヒョクの車にジニョンはよろよろと乗り込んだ。

「あーーもう当分クリスマスソングなんか聴きたくない。イルミネーションも見たくない。
どっか静かで人ごみじゃない所に行きたーーい。」
呻くようにそう言うジニョンを横目で見ながらドンヒョクは車を発進させた。

「全く毎年毎年、よく飽きずにクリスマスパーティーなんかするわね。もうみんなすごいんだから・・今日だってね、・・」
そう言うと今日あった事を堰をきったようにジニョンは話し出した。

しばらくはしゃべり続けるジニョンのはなすままにしておく。
こういった時は話したいだけ話をさせて黙って聞いておき、ジニョンがカームダウンするのを待つのが
一番だというのをドンヒョクはすでに学習していた。
「というわけで・・・本当に疲れたわ・・・・」そういい終えてジニョンはようやく一息ついた。
窓の外を見る。

「どこへ行くの?」
「いつ聞くかと思っていたよ。」
車は二人の家のある方角とは全く違うところを走り続けていた。

「クリスマスソングもイルミネーションも人ごみもないところがいいんだろう?」
「それは・・・そうだけど・・・」
でも、いいわ。ドンヒョクssiが連れて行ってくれるところならどこでもいい。
だって今はもう何も考えられないもの・・・

さっきまで嵐のようにしゃべり続けていたのに、急に静かになった助手席をみてみると
ジニョンはすやすやと居眠りを始めていた。

・ ・・まったく・・・ジニョン・・・

ドンヒョクはあきれたように笑いながら、透き通った夜の中、アクセルを踏んだ。

「・・ジニョン・・」
ドンヒョクの優しい声で目を覚ましたジニョンの目の前に夜の海が広がった。

・ ・・海?

どこまでも続く暗い海のあちこちに微かに明かりを点した船が何艘か見える。
空と海の境のみえない深い深いブルーブラックの世界

「降りてみる?」
ドンヒョクはジニョンに厚手のコートを手渡すと刺すように凍てついた静かな夜に降り立った。
「さむーい」
「気持ちいいよ」ドンヒョクは両手を広げて深々と冷たい空気を吸い込んだ。

ドンヒョクにそう言われジニョンもゆっくりと深呼吸をしてみる。
さっきまでの喧騒と疲労が澄んだ潮風の中に吸い込まれてゆくように感じる。
「本当ね・・寒いけど・・・気持ちいいわ。」
「こうすると寒くないよ。」
そういうとドンヒョクはジニョンをしっかりと抱きしめた。
大きくて温かなドンヒョクの胸・・・

ただいま・・・ドンヒョクの胸に抱かれるとジニョンはいつもそんな気持ちになる。
自分の居場所にやっと帰ってきたような気分

私の港・・・

「そうだ、私ドンヒョクssiにクリスマスプレゼントがあったんだけど・・・」
ジニョンは申し訳なさそうに付け足した。
「あのね・・ライターなの・・」
「・・・ジニョン」
「ごめんなさい、買いなおす時間がなかったのよ。だから、プレゼントはもうちょっと待ってってね」
「いいよ、ライターをもらうよ」
「禁煙したのに?」

ジニョンは今朝ドンヒョクから煙草をやめた事を聞かされていた。
もともとヘビースモーカーではなかった彼は結婚してからはあまり吸っていなかったようだったが、
プレゼントを考える時ジニョンはできればいつもドンヒョクの側にいられるものをと考えた。

・ ・だって前に持っていたもお父さんにあげてしまっていたから・・できれば同じも
・ ・のをドンヒョクssiに持っていてもらいたいと思ったの

ドンヒョクはジニョンを抱きしめたまま小さく笑った。
「僕もジニョンと同じだな」
「どういう事?」
「君へのクリスマスプレゼントはイヤリングなんだ」
「あら・・・」

あまりにドンヒョクからプレゼントされたイヤリングを次々と落とすのでジニョンはつい数日前
思い切ってピアスホールを開けたばかりだった。
二人して笑う。

「なんだか、あのお話みたいね。」
「賢者の贈り物?」
「そう・・私達の方がちょっと・・ぬけているけれど・・気持ちは同じよ。
だってずっとドンヒョクssiの身につけていてほしかったんだもの。」
「僕もおなじだよ。ジニョンにくっついていたかった」

冷たい海風の中、自然と温かな二人の唇が触れ合う。
どこか遠くから厳かな教会の鐘の音が聞こえてきた。
抱き合ったまま二人は無言でクリスマスの祈りを捧げる。

「何を祈ったの?」
「内緒」
「まあ、じゃあ私も内緒よ。」
お互いの腰に腕を回して夜の海を眺める。
黒い海、暗い空、遠くに揺らめく小さな灯りの数々・
澄み渡った夜空に瞬く何万光年もの彼方から届く煌く光のプレゼント

貴方とクリスマス
神様がくれた特別な一夜
今夜だけは、争いや諍いや競争や戦いや・・・・
全ての悲しみを消して、穏やかで満ち足りた時間を過ごそう
家族と、パートナーと、愛する人と・・・

「来年は」 「来年は」
二人して同じ言葉を言い合う。
「来年は?」
「ドンヒョクssiこそ、来年は何?」
「・・・内緒」
「じゃあ、私も内緒。」
ちょっと膨れながらジニョンが答える。

・ ・・・来年は・・・そう来年は出来ればもう一人家族が欲しいな。
そうやって君とfamilyを築きたいんだ
そう・・君によく似たかわいい女の子がいいな。

・ ・・・来年は・・・・ねぇ来年は、赤ちゃんがほしくない?
・ ・そうよ、ドンヒョクssiによく似た男の子がいいわ。

「何を笑っているの?」
「ジニョンこそ」
「来年は・・」
「来年は?」
「来年は・・来年も再来年もずっとずっとこうして一緒にクリスマスを過ごしましょう。」

貴方とクリスマス
かれんのジェイの・・・そして貴方のクリスマス

キャンドルもケーキもシャンパンも
豪華なディナーもプレゼントも、
何もなくても幸せなクリスマスを迎える事が出来る。
そう、愛する貴方と一緒なら・・・

ドンヒョクがコートを開いてすっぽりとその中にジニョンを包み込んだ。
ドンヒョクssi、幸せってあったかいね。
凍るような冬の海風に吹かれながらもジニョンの心に優しいキャンドルの灯りが燈っていた。

神様くれた特別な一夜
大切な人と過ごすクリスマスの奇跡
どうか、世界中の人が私達と同じように幸せでありますように・・




(2005-02-27  サファイアUP)

 
 
 

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