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Milky Way Library
Milky Way Library(https://club.brokore.com/sunjyon)
「Hotelier」にインスパイアされた創作(written by orionn222)の世界です
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D&J


こちらは、ドンヒョク&ジニョンを中心としたお話の部屋です。
私なりに想像した二人のその後・・・というお話になります。 婚約時代から、結婚後、ファミリーのお話・・・とありますが、時系列がばらばらだったりして、読みにくい一面もあると思いますが、よろしければお付き合いくださいませ。
No 72 HIT数 1504
日付 2009/03/04 ハンドルネーム Library Staff
タイトル kiss bridging 2years
本文
『kiss bridging 2years』




床に掃除機をかけた後、背伸びをしてカーテンレールにたまった埃を払い落としながら
ジニョンは大きなくしゃみをした。
「大丈夫?」

書斎から不要になった本や雑誌を運び出しながら、椅子の上に立ちあちこちの埃を払い落とす
ジニョンにドンヒョクが声をかけた。
「うーーん。ドンヒョクssiは終わった?」
「だいたい終わったよ。ここはまだ?」

あちこちに雑巾やモップ、掃除機などが散乱するリビングを見渡す。
「あと、ちょっとよ・・・ハ、ハクション」
ふわりと舞い降りた埃にジニョンはまたもや大きなくしゃみをした。

その様子を見ていたドンヒョクが落ち着いた声で進言した。
「ジニョン、掃除は上から下にやった方が効率がいいよ。」
「・・・・・そうよね・・・」
やれやれといった感じで乗っていた椅子の上からため息をつきながらジニョンは降りてきた。

「ドンヒョクssiは、なんでもよく知ってるわね。」
埃が舞い落ちた床に腰を下ろす。
「一人暮らしが長かったからね。」
ドンヒョクはかかんでジニョンの鼻の頭についていた埃を笑いながら払い落とした。
私も結構長かったんだけど・・・とジニョンは心の中で情けなくつぶやいた。

「あーーあ、結構大変ね。でもこれで気持ちよくNew Yearが迎えられるわね。」
ドンヒョクはそう言いながらも早くも休憩の態勢に入ったジニョンを見てちょっとあきれたように笑った。

New yearの前に掃除をしようと言い出したのはジニョンだった。
たまたま12月の31日に二人の休みが合ったので、ジニョンにとっては普段忙しさにかまけて行き届かないあちこちの掃除を済ませるいいきっかけになったのだろう。
しかし、大騒ぎして部屋中をかき乱すわりには、あまりはかどっているとはいえない始末だった。

・ ・・だけど、こんなnew year’s eve は初めてだな。
・ ・・タイムズスクエアのカウントダウンで紙吹雪が舞うのを見るかわりに
・ ・・君が埃をあちこちに撒き散らしているのを見る事が出来る。
・ ・・これも、なかなか面白いよ。

ドンヒョクは床で伸びをするジニョンを見てまたふっと笑った。
「あーなんだか疲れちゃったわ。」そう言ってドンヒョクを見たジニョンの瞳が急に輝き出した。
ドンヒョクの警戒警報が鳴る。

・ ・・また何か変な事を思いついたな・・・

「ドンヒョクssi、そのままじゃ汚れちゃうわよ。来て、エプロンを貸してあげる。」
別にいいよと言うドンヒョクの小さな抵抗もあっけなく無視して、ドンヒョクの手をつかむと引きずるように部屋に連れ込み、ジニョンは嬉々としてエプロンを選び始めた。

・ ・・ピンクは・・ちょっとかわいそうかしら?レースも・・やっぱり駄目ね。
・ ・・あ、プーさんのはどう? この水玉か・・・
やっぱり、このラブリーなオレンジのハート柄のが一番・・・

ジニョンの手が派手なオレンジのハート柄に伸びるのより一瞬早くドンヒョクの手がその横のデニム地をつかんだ。
「えーーそれ?」
思わず不満の声を上げる。

ドンヒョクはジニョンに捕まる前にさっと身を翻すと、「早くしないと夜になってしまうよ。」と言い残して部屋を出た。
「なーんだ、つまんないの。」とふくれながら掃除を再開するジニョンを見ているとなんだか可笑しくなって思わず笑ってしまう。

・ ・・全く、君の思考はラグビーボールみたいだな。
・ ・・一度弾むとどこに転がるか予測もつかない。

今度は雑巾をつかんで、窓を拭き始めたジニョンは突然こう聞いてきた。
「ドンヒョクssi 来年の目標は何?」
「目標?」

少し驚いて聞き返す。
まるで小学生のような思考
「別に・・・そんな風に考えたこともないな。」
「あら、せっかくの新年なのに・・って言っても旧暦のお正月で実家に帰ったり親戚に挨拶したりしないとやっぱり感じはわかないものかしら? そうだ、お正月は休みが取れるんでしょう?
お義父さんのところにジェニーと一緒に・・・」

またしてもジニョンの思考があちこちへと弾みだした。
それから、親戚の話になり、お正月の料理をドンヒョクが好きかという話になり、ジェニーと作ろうかしらという話を経て、NYのカウントダウンに話が行き着く頃には、大掃除もようやく終わりを迎えた。

さっとシャワーを浴びて、残りわずかになった今年を二人で静かに過ごす。
ワインとチーズとクラッカーと・・・
「今頃NYは大騒ぎかしら?」
ワイングラスを弄びながら、ジニョンがつぶやいた。

・ ・・・・そうだな・・・時差が無ければ・・・・

「ドンヒョクssi、去年はどこでNew Yearを迎えたの?やっぱりNY?」
「・・どうかな・・たぶん・・」
「たぶん?」
ジニョンはそんな淡々としたドンヒョクの様子を見て笑った。

・ ・・全く、ドンヒョクssiらしいわね。

ドンヒョクは少し自嘲気味に笑うとジニョンの肩を引き寄せてソファーに深く沈みこんだ。

新年を僕は今までどこで迎えてきたのだろう。
NYでLAでラスベガスで、
サンタモニカでサンディエゴでボストンで、
あるいはどこか他の国で・・・

だからといって特別な事は何も無かった。
ただ年号が一つプラスになるだけの事・・・
次の日にはもうビジネスはいつも通りで、スケジュール帳だけが新しくなるような、そんな毎日。

過ぎた年に思いを馳せる様な事も無ければ、新しい年に何かを期待する事もない。
ただ目の前の獲物に狙いをつけて引き金をひく毎日。
だから、今こうして君と静かにnew Yearを待つ事が少し不思議に感じるよ。
この1年・・・・
ドンヒョクはジニョンの肩に回した手で彼女の髪を弄びながら考えに耽った。

君と出逢った年
出逢って、恋に落ちて、すれ違って、傷ついて・・・
そして、君と結ばれた年
愛し合い、信じ合い、生涯を誓った年
30数年生きてきてこんな大きな変化の年は初めてだな。
これからも、僕の人生に今年のような年はまだまだあるのだろうか?

ドンヒョクは彼の横で、昼間の疲れからか大きなあくびをしながら、チーズを口に放り込むジニョンを見て笑った。
「何?何が可笑しいの?」
「別に・・・・ジニョンを見てるとなんだかね・・・」
「変なの」
少しすねたようにジニョンがつぶやく。
その様子にまたもドンヒョクは微笑んだ。

ジニョン・・・君を見ているといつもこんな気持ちになるよ。
ただ・・・恋しくて、愛しくて、せつない。
なんてこんな風に感傷的になるなんて僕らしくもないな。
これまでの僕のただ慌しく過ごしてきた年月
まるで何かに追われるように・・・・
今時間がゆっくりと僕達の前を流れてゆく。

どこで迎えるかなんて、やっぱりどうでもいい事だ。
誰と、どうやって迎えるかの方が大事。
今年を君と迎えよう。
流れ行く時間の中でちょっと立ち止まって少し後ろを振り返り、そして又、前を向いて新しい毎日を歩いてゆこう。
君と一緒に・・・

「ジニョン」
「何?」
そう僕を振り仰いだ君の唇にキスをする。

10・9・8・7・6・5・4

カウントダウンの足音だ。

3・2・1
 


Happy New Year


君とキスをしたまま迎えた新しい年。
2年越しの僕達の口付け。
タイムズスクエアのあのボールは今年もまた落ちるんだろうな。
そして紙吹雪と花火と歓声と・・・・

今僕達の静かなHappy New Year
今年の目標は何?
さっきの君の言葉
それは、まだわからないけれど、一つだけ確かな事はある。
今年もまた僕はやっぱり君と恋に落ちる。

そして、毎年こうして君とNew Yearを迎える事を約束しよう。
世界中のどこでもいい。
ただ、君と一緒なら・・・

1年の最後に会う人が君で1年の最初に出逢うのも君
そうやって、二人のキスで1年を終わり、二人のキスから1年を始めよう。
幸せはいつも、君から始まる。
だから・・・
今年もよろしく 僕の奥様




(2005-02-27  サファイアUP)

 
 
 

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