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D&J |
こちらは、ドンヒョク&ジニョンを中心としたお話の部屋です。
私なりに想像した二人のその後・・・というお話になります。
婚約時代から、結婚後、ファミリーのお話・・・とありますが、時系列がばらばらだったりして、読みにくい一面もあると思いますが、よろしければお付き合いくださいませ。
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No |
74 |
HIT数 |
1516 |
日付 |
2009/03/04 |
ハンドルネーム |
Library Staff |
タイトル |
僕たちの失敗 |
本文 |
『僕たちの失敗』
AM
9:00
「もう、あなたとはおわりよ。」 そう言って僕の足元に投げつけられたネックレス。 君が僕にこれを投げつけるのはこれで2回目だ 僕は呆然とたたずみながら去って行く君の背中を見つめていた。
AM
10:00
「ソ支配人」 いつも元気なイ・スンジョンがどこかぼうっとしているジニョンに声をかけた。 「ねぇ、知ってる?最近うちのホテルの近くに出来たあのスーパー。 今日は月に一度の特売日らしいわよ。帰りに寄ってみない?」 「・・・・・あーうちはいいです。」 「あら、どうして?」 「・・・・どうせ、かれんと二人だから・・・たくさん買いこんでも無駄にするだけだから・・」 デスクの上で頬杖をつきながら、心ここにあらずのジニョンを見て、スンジョンはため息をついた。 まったく、そろそろしっかりしてよね! ソ支配人!
PM
12:30
「話し合おう」 僕の言葉など、まるで耳に届かなかったかのように君は横をむいたままだ。 テーブルの上で醒めてゆく僕達の昼食・・・ もう、僕達は終わりなの? 本当に・・これで終わりなのかい?
PM3:00
「かれんちゃん」 「はい?」 「あの・・・えっとね・・・その・・・」 「キ先生、どうかしたんですか?」 「あの、その・・あのね、最近お父様をずっとお見かけしないから・・どうさなったのかと思って・・・ ほら、以前はよくお迎えにもいらしてたから・・・」 「キ先生、パパは・・・」
「キ先生!」 「はい、園長先生?」 「ちょっと、貴方、こちらにいらっしゃい・・ いいですか、園児の家庭の事は特に気をつけないと・・・ 無神経な事を言ってはいけませんよ。 かれんちゃんはよく出来た生徒だけど、だからこそ悩みや苦しみを見せないという事もありますからね。 最近ご家庭でなにかあったのかもしれないし・・・」
「園長先生・・・そうなんです。今までよくお迎えに来てらしたあの・・お父様が・うふっ・ い、いえ・・最近ぱったりとお見えにならなくて・・・ かれんちゃんもどことなく元気がなさそうに見えて・・だから私・・」 「そういう事なら、もっと気をつけて対処しなくては・・・・ あの・・お父様・・・素敵な方ですものね・・・何があっても不思議じゃないというか・・ むしろ無い方がおかしいとも言えたりして・・・」
「園長先生?」 「あ、あら・・私としたことが・・・とにかく、もう少し様子を見て・・・ 気になる様子が続くようなら、家庭訪問も考えてみなくてはね」 「はい、園長先生。家庭訪問なら是非私が・・・うふっ・・」
AM
0:15
「good night
ボス」深夜のバーでレオはそう言って席を立った。 ドンヒョクはカクテルグラスを前にレオに挨拶を送った。 「good night
レオ 明日の会議に遅れないように」 「ok ボス、ボスこそあんまり飲みすぎるなよ」
そう言って帰ってゆくレオを目の端で捕らえながらドンヒョクはグラスを空けた。 もう一杯注文しようとしたドンヒョクの前にドライマティーニがすっと置かれた。 どういう事かと目を上げてバーテンダーを見るドンヒョクに彼は目でカウンターの端を示した。
女が一人ドンヒョクを見つめて意味ありげに微笑んでいる。 「あちらのレディからのプレゼントです。」バーテンダーはグラスを拭きながら感情を抑えた声でドンヒョクに説明をした。 こんな場所では毎日でも行われている男と女のラヴゲームなのだろう
・
・・・つまらないな、もう少し芸のある誘い方ができないのかな ・
・・・こんなんじゃ考えてみる価値もないな・・・
少し酔いの回った頭でそう考えるとドンヒョクはグラスを手に彼女の後ろに立った。 耳元で優しく囁く 「貴方には楽しい夜を、過ごしてほしいな」 グラスをすっと彼女の前に滑らせる。 「・・・僕抜きで・・・」
あきらかにむっとした女性に謎めいた微笑を投げかけてドンヒョクは店を出た。 酔った体に冷たい風が心地いい。 微かに見える星を見上げてため息をつく。 この空は君のいるところまでつながっているのだろうか?
・・・・ジニョン・・・僕は少し遠くまで来過ぎてしまったのかな・・ ・・・・君から・・・・離れて・・・・
PM
4:00
「かれん」 「ママ」 かれんは幼稚園にお迎えに来たジニョンに抱きついた。 「遅くなってごめんね。ちょっと仕事が忙しくて・・」 「ううん。大丈夫よ。もう行ける?」 「ええ、このまま行きましょう。じゃ、かれん、先生にご挨拶して」 「先生、さようなら。」
「え、ええ、かれんちゃん、また明日ね。 えっと・・・お母様・・・」 言いにくそうに口を開く。 「はい?なんでしょうか?」 「あ、あの・・・最近・・い、いかがですか?」 「は?最近ですか・・・ええ、まあ・・あ、そうだ。今度うちのホテルでデザートバイキングをはじめたんですよ。 是非、先生も他の先生方といらして下さい。お待ちしております。」 「まあ、デザートバイキング?それはいいですね。是非・・ってそうじゃなくて・・」
「すみません。ちょっと今日は急ぐもので・・・ほら、かれん、乗って。じゃ、失礼します。」 「先生、バイーバーイー。」 「あっ、その・・・・うーーん、あのお母様は相変わらずっていうか・・いつも通りだけど・・・ でも、いいわよねぇ・・・あの旦那様か・・・羨ましいなぁ・・あーーあ」
PM
5:00
空港の雑踏の中、ジニョンはかれんの手をひいて目的の場に足早にむかっていた。 「かれん、どう?いた?」 「んんーーと・・・あっ、あれかな?」 かれんが指差す方を人ごみの合間から見てみる。 やがて入国のゲートを抜けてこちらへ歩いてくるドンヒョクの姿が見えた。
「おかえりなさい!パパ!!」 「ただいま、かれん」 ドンヒョクは腰を落として駆け寄ってくるかれんを抱き上げた。 「おかえりなさい、ドンヒョクssi」 「ただいま」
抱き上げられたかれんから、熱烈なキスを受けながらドンヒョクは温かな微笑をジニョンにかえした。 「かわいいのをしているな」 ドンヒョクは抱き上げたかれんの胸にかけられたミッキーマウスのネックレスを見て言った。 「あら、かれん、テヒョン君と仲直りしたの?」 「テヒョン君?」
かれんを下に下ろしながらドンヒョクがいぶかしげに聞く。 「かれんのボーイフレンドよ。最近けんかして彼からもらったそのネックレスを返したって言ってたから・・・」 「ボーイフレンド?」
ドンヒョクの鋭い声がする。 「かれん、ボーイフレンドって・・・」 「まぁ、あんまりかわいそうだから仲直りしてあげたの。パパ、ボーイフレンドっていっても お砂場で遊んであげたり一緒にお弁当を食べてあげるくらいよ。」 かれんは大人びた微笑を浮かべてドンヒョクに説明した。
「・・・・ジニョン、どういう事だい?」 「どういう事って・・・そういう事よ。別に心配するような話じゃないわ。」 「こういう問題にたいして君の許容範囲は少し広すぎるよ。」 かれんの手前ドンヒョクは小声でジニョンに抗議した。
「許容範囲って・・・ドンヒョクssi大げさよ」 混雑した空港の中を人ごみを掻き分けて進む二人の声がだんだん大きくなってくる。 「おおげさ? 君は自分の失敗を忘れたのかい?」 「私の何ですって?」
思わず足を止めたジニョンを避けて人々が迷惑げに横をすり抜けて行く 「そうさ、君のファーストキスは幼稚園の時だったんじゃないのかい?」 ドンヒョクも立ち止まってジニョンを見た。
「まぁ、よくそんなくだらない事覚えてるわね」 大きくため息をついて再び歩き出しながらジニョンはドンヒョクに言った。 「くだらない?これのどこがくだらないんだ?」 「くだらないわよ! だって、そうでしょう?幼稚園の時の事なんか・・・ 全く、何を言い出すかと思ったら・・」
「間違った事を言っているとは思わないな。」 「ちょっと、ドンヒョクssi、時差ぼけ?それとも長期出張の疲れで少し変のかしら?」 「僕はいたってノーマルだよ。君よりはるかに・・・」 「まぁ、何ですって?じゃあ、ドンヒョクssiのファーストキスはどうだったのよ!」 「今は、僕の話じゃない」
かれんは二人の先にたって歩きながら小さなため息をついて振り返った。
・
・・・まったく、ふたりとも子供なんだから・・・・
かれんは時々振り返って、大勢の人々で混雑する空港を大きな声で言い争いながら 足早に歩く二人の手が何故かしっかりとつながれているのを愉快な思いで眺めていた。
(2005-02-28 サファイアUP)
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