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Milky Way Library
Milky Way Library(https://club.brokore.com/sunjyon)
「Hotelier」にインスパイアされた創作(written by orionn222)の世界です
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D&J


こちらは、ドンヒョク&ジニョンを中心としたお話の部屋です。
私なりに想像した二人のその後・・・というお話になります。 婚約時代から、結婚後、ファミリーのお話・・・とありますが、時系列がばらばらだったりして、読みにくい一面もあると思いますが、よろしければお付き合いくださいませ。
No 84 HIT数 1403
日付 2009/03/04 ハンドルネーム Library Staff
タイトル some day
本文
『some day』




「いいよ。ジニョン 今度は僕が行くよ。 
いや、仕事は大丈夫だよ。いつもジニョンばかりじゃ君もつらいだろうから・・
ああ、わかった。じゃあ、また後で・・・」

「ボス、あの件だが・・」
「レオ、悪いが午後の予定をキャンセルしてくれないか」

「何だ。何かあったのか?」
「・・・学校へ行く」

「ジェイか?」
「・・ああ・・」

「全く、しょうがない奴だな。また呼び出しか」
「そうだな」

「ボスが行くのか?」
「いつもジニョンに押し付けるわけには行かないよ。たまには父親も行かないとな。」

「たまには・・・って、ボスはいつも・・」
「いいから、スケジュールを調整してくれないか」

「OK 任せておけ」
「悪いな、レオ ありがとう」

小さなため息をついて椅子から立ち上がると、窓からの陽射しが眩しい。
もう、すっかり夏なんだな・・・

「パパ、僕が一番好きな季節は夏だよ。だって、いっぱい遊べるもん」
そういって真っ黒に日焼けをして遊びまわっていた幼い頃のお前の姿が、今でも目に浮かんでくるよ。
まるで昨日の事みたいだな。

でも、お前と僕の間に時は確実に流れていった。
川幅が、少しずつ、少しずつ、下流に向かって広がってゆくようにお前と僕の距離がだんだん遠くなってゆく。
あの時、つないだ手の感触は今も確かにこの手に残っているのにな・・・

「お帰りなさい ドンヒョクssi    あの・・・どうだった」
「大丈夫だよ。ちゃんと謝罪してきたよ。 ジェイは?」

「さっき、帰ってきたわ。今日は一応部屋でおとなしくしているわ。」
「・・そうか・・・」

「ドンヒョクssi  ジェイには・・」

「大丈夫だよ。ジニョン。あのくらいの子はああやって自分を探すんだ。
僕にも覚えがあるよ。あれがジェイの探し方なんだろう。だけど、ジェイは僕とは違う。
自分は傷ついても他人は決して傷つけない。だから、きっと大丈夫だよ。」
「ドンヒョクssi・・・」

深夜、みんなが寝静まった頃、こうしてお前達の部屋を訪れているなんてきっと誰も知らないだろうな。
お前達が生まれた頃から始まった僕の習慣

幼い時は、跳ね上げた布団を直してやったり、その小さな柔らかな頬にキスをしていたけど、大きくなってからは、
忙しくてゆっくり話す時間のない僕とお前達の会話の時間だ。

眠っているお前達に僕はいろいろと話しかける。
学校はどう? 友達とはうまくいっているかな? 
ジニョンから聞いているお前達の毎日を思い浮かべながらその寝顔に話しかける。
誰にも秘密の僕の習慣だ。

眠っているジェイ、お前はいつもより少し幼く見えるよ。
その鋭い目が閉じられているからかな。
その目で見つめられるたび、僕は答えのでない質問をいつも突きつけられているような気持ちになる。

ジェイとの関係を心配するジニョンにいう僕の言葉はそのまま、お前の瞳を通して・・・
あの頃の僕より遥かに澄んだ瞳を鏡のようにして僕に跳ね返ってくる。

「大丈夫だよ。親子なんだから、いつかきっと分かり合える日がくるよ。」
「家族なんだから、きっと愛情は伝わっているよ」

・ ・・本当に?・・・

あの頃の僕にそっくりなお前が問い返してくる。

・ ・・本当に?・・・

そう、そう言いながら、僕はその言葉を本当に信じているのだろうか?

親子なんだから・・・家族なんだから・・・
僕は父をそう思っているのだろうか

分かり合えた? 愛情が伝わった?
その答えが本当はまだ見つかってはいない・・・

ジェニーのように、生きていてくれただけで・・会えただけでもういいと、全てを忘れて許していると・・・まだどうしても思えない
心の底に、捨てられたあの日の幼い僕がまだ住んでいる。

親に捨てられた事が、父親がいない事が僕の唯一の弱点なら、父親がいる事が、僕の存在が、ジェイ・・・お前の弱点になっているのだろうか
僕がお前の父親だという事が今お前をそんなにも苦しめているのだろうか
あの頃の僕のように・・・

なんとも皮肉な展開だな。 

父と僕とお前と・・・・

連綿と続けられる断ち切れない父親と息子の関係
苦い笑いがこみ上げてくる。

まだ、お前には打ち明けられていない僕の封印された過去
その事をお前に語ってやる事がお前をその苦しみから救ってやれる事なのか
そして、僕もようやくこの苦しみから抜け出せることになるのかな・・

いつか・・もう少したったら・・・僕の過去をお前に伝えることができるかもしれないな。

そう・・いつか・・・

いつか、もう少し大人になったお前と僕で一度お酒を飲んでみたいな。
どこの父親も憧れる息子との平凡な夢
けれど、その平凡が最も難しい事を、またどこの父親も知っている。

おやすみ、ジェイ

明日がお前にとって苦しみのないものであるように・・・
あの一緒に過ごした多くの夏の空のように・・
雲ひとつなく澄み渡った日である事を心から願っているよ。

いつか・・・きっと、いつか分かり合える日がくると信じて・・・
この愛がいつかきっと伝わる事を願って・・・

父と僕とお前と・・・
そう・・いつの日か・・




(2005/03/11  サファイアUP)

 
 
 

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