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D&J |
こちらは、ドンヒョク&ジニョンを中心としたお話の部屋です。
私なりに想像した二人のその後・・・というお話になります。
婚約時代から、結婚後、ファミリーのお話・・・とありますが、時系列がばらばらだったりして、読みにくい一面もあると思いますが、よろしければお付き合いくださいませ。
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No |
99 |
HIT数 |
1250 |
日付 |
2009/03/04 |
ハンドルネーム |
Library Staff |
タイトル |
かれん's eye |
本文 |
『かれん's eye』
その用紙を提出した時、予想通りに先生の体が少し固まった。
「シ、シン・かれんさん・・・あの・・これに間違いはありませんか?」 「はい、間違いありません。」
「で、では・・・今度の保護者参観会にはお、お父様がおいでになると?」 「はい、弟が水疱瘡に罹ったので、今回は母ではなく、父が・・・」
「ええ、そうですとも!母親だけに任せるのではなく、父親も積極的に他の保護者との交流を図り、学園生活にかかわりを・・・」
「先生、授業が始まりますので、もう行ってもいいですか?」 「え、ええ、では、シン・かれんさん。お父様によろしく・・ お持ちしておりますとくれぐれもよろしくお伝え下さいね。」
はいはい、伝えておきます。先生・・忘れなければ・・・
全く、いつもこう。パパが何かに参加する時は、なにかと周りが騒がしい。 幼稚園の運動会は私のクラスだけ異常に応援が多かった。
音楽会でのビデオはなぜか壇上の園児より保護者席に向けられていた。 入園式も卒園式もいつもパパの周りは落ち着かない。
そして、それは小学生になっても、変わらない。 全く、彼は8歳と4歳の子供がいる既婚者よ。
みんなその事実をわかってるのかしら? あーあ、今から参観日の騒ぎが心配よ・・
そして、とうとう今日が参観日。 心なしか、いつもより保護者の出席率がいいような気がするわ。
それに・・・何故か、皆の服装がきらびやかよ。 今日の参観にパパが出席する事は、それとなく知れ渡っていたようだけど・・・
それにしても、香水の香りが教室中に立ち込めて、なんだか頭痛がしてきたわ。 ひそひそと保護者同士が囁きあう視線の先は、教室の後ろの扉ね。
「なんかさ、今日の参観、ちょっと変じゃないか?」 隣のテヒョンが不思議そうに聞いてきた。
「うちのお母さんなんか、昨日からやたらうきうきしてさ。 なんで僕の参観がそんなに楽しみなのかよくわからないよ。」
そうでしょうね。テヒョン。 でも、もうすぐその理由がわかるはずよ。
その時、教室の後ろの扉が開いて、パパの姿が見えた。 それまで、なんとなくざわめいていた教室が一瞬、しんと静まり返った。
パパ!
教室の温度が確実に、2度上昇した。
パパ・・・
確かにパパは目が弱いわ。 小さい頃に怪我をして、今でも目が疲れやすいとママが言っていた。
でも、スーツにサングラスでの登場は、ちょっとドラマティックすぎない?! 忙しい仕事の合間の時間を縫って、急いで駆けつけてくれたのは分かるけど、 そのビジネススーツはちょっと決まりすぎじゃないかしら・・
夕べ、パパのワードローブの中から、一番地味なスーツを慎重に選んだはずなのに・・ あれでも、ちょっと目立ちすぎだわ!
そして、グレーのスーツに濃い目のサングラスをかけたパパは、ぐるりと教室を見渡した。
なんとなく、先生までがぎこちない。
パパは私を見つけると、サングラスをはずし、ちょっと指を振って私に合図をした。 にっこり笑って・・・
ずどん
誰かのお母さんのハートが落ちる音が聞こえたような気がした。 急に後ろの保護者席がざわめいてきた。
パパはスーツの胸ポケットにサングラスを引っ掛けると、内ポケットからいつもの眼鏡を出すと、すっとかけた。
その流れるような優美な動きに、確実に5人のお母さんのハートも落ちた・・・
なんとなく落ち着かない浮ついた雰囲気で授業が続けられ、次々に生徒が発表するのに・・
ちょっと、シンジャのお母さん! 自分の子供が発表しているのよ。 パパに話しかけてないで、ちゃんと見てあげたらどうなの?
「この後、保護者の茶話会がございますの。もしよろしければ、シン・ドンヒョクssiも参加なさいませんか?」 「あ・・ええ・・いえ、まだ仕事の途中ですので・・今日はちょっと・・」
って、パパが断っているのに、強引に自分の携帯の番号を渡そうとするのは何故?
「ほら、連絡になにかと便利ですし・・」
って、ちゃんとクラス連絡網があるわよ。ご心配なく!
「シン・かれんさん」
パパを気にしているうちに、私が当たってしまったわ。 でも、大丈夫。 このくらい楽勝よ!
「はい。正解です。」
何人もが答えられなかった難しい問題をクリアした私にパパが軽くウインクをした。
その瞬間・・・
軽く20人くらいのハートがひらひら舞い上がっていくのが、見えたような気がしたわ。
ふぅ・・・
「かれん。ちょっと消しゴム貸して」
となりのテヒョンが私に囁いた。 途端にパパの視線が鋭くなる。
パパ。
そんな怖い顔しなくても、テヒョンはただのお友達よ。 大体ボーイフレンドの一人や二人いないようじゃ、立派はレディとは言えませんからね。
その時、小さく携帯の着信音が聞こえてきた。
パパ!
教室ではちゃんとマナーモードにしておかなくちゃ!
パパはちょっと目で周りに謝ると携帯を取って小声で話し出した。
「ああ・・レオ・・その件については、変更は無しだ。そのまま進めてくれ。」
パパの仕事モードの少し厳しい表情に、たぶん6人分くらいのハートがピンクに染まったんじゃないかしら・・
パパは携帯を切ると「すみません」と周りに謝った。
「いいえーー」
途端にこの大合唱が後ろの保護者席から沸き起こった。
はぁ・・全く・・・
この騒ぎは一体いつまで続くのかしら・・・
次は運動会? それとも音楽会かしら・・
とにかくうちのパパは、何かと騒動の種ね。
ママ・・・お気の毒さま・・
そして、数日後、私は学校から1枚の書類を受け取った。
中味は・・
・・・PTA会長就任のお願い・・・・
パパをPTA会長に推薦ですって? やれやれ、また厄介なお願いね・・
でも、もしパパがPTA会長になったら、学校行事への保護者の参加率は格段にアップするでしょうね。
学校主催のボランティア活動や、バザーやPTA総会や・・・ きっと大勢の保護者が参加するわ・・・それも母親ばっかり・・
それに・・・
委員のなり手もたくさん出るかもしれない・・ 去年うちのママは新しい役員を選出する係りだったものだから、なり手を捜して走り回っていた。
パパがPTA会長になったら、きっと委員は立候補ばかりで、ものすごい競争率になるんじゃないかしら。
ふぅ・・・
全く、お騒がせなパパね。 娘の苦労も少しは分かってよね! パパ!
(2005/05/22 サファイアUP)
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