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Milky Way Library
Milky Way Library(https://club.brokore.com/sunjyon)
「Hotelier」にインスパイアされた創作(written by orionn222)の世界です
サークルオーナー: Library Staff | サークルタイプ: 公開 | メンバー数: 732 | 開設:2008.11.22 | ランキング:51(8198)| 訪問者:139887/417298
開設サークル数: 1238
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Imagination
Cottage
Private
Congratulations
Gratitude
容量 : 39M/100M
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K&R
こちらは、ドンヒョクとジニョンの娘『かれん』と、その恋人『レウォン』のお話のお部屋です。
二人とも全くのオリジナルキャラクターですので、それでも、OK,OKとお思いの方は、どうぞお付き合いくださいませ。 尚、『レウォン」は、太王四神記で青龍の守り神を演じた「イ・フィリップ」ssiをイメージして創作しております。
かなーーり、個人的な趣味に走ったお部屋ですので、「まーこーゆーのも、ありよねーー」とお考えの方のみ、お入りいただけると嬉しいです。
No 31 HIT数 1510
日付 2009/03/08 ハンドルネーム Library Staff
タイトル おかえり
本文

『おかえり』



彼女の名前は・・・シン・かれん
濡れた夜のような黒髪に、pureな輝きを放つ黒曜石の瞳
彼女が、笑っている。話している。目を閉じて、なにかを考えている。

その姿に、引き寄せられるように目が離せないのに、俺はそんな彼女を、遠 くからただいつも見ているだけ・・・
そんな季節を四つも過ごし・・・
今日もまた意味のないlove gameに興じるけれど、近づいてくる彼女の目をじ っと見つめることもできない。

友人と談笑しながら歩く彼女の目には、俺はどう映っているのだろう
大学一のプレイボーイで遊び人?唾棄すべき女性の敵?
それとも・・・目にもはいっていないのかな

女の子の肩を抱く俺の目に、ベルベットのような黒髪をふわりと揺らし、こちら に向かって歩いてくる彼女の姿が飛び込んでくる。
強い光を湛えたその瞳は、いつもしっかりと前を向いて輝いている。
まっすぐに彼女と向き合うこともできないような、こんな俺には、目もくれない か・・・
だんだんと彼女が近づいてくるけれど、その瞳が俺に向けられることはない。
99人の女の子を堕とせても、たった一人の本気で愛した彼女に声もかけられ ないのなら、百戦錬磨の手練手管も全く意味がないな。

俺は、自嘲のため息を押し殺し、隣の女の子の瞳を覗き込みながら、優しく 囁く。
近づいてくる彼女の姿を目の端で捉えながら・・・
やがて俺の横を通り過ぎる彼女の気配を感じながらも、肩を抱き寄せて隣の 女の子の髪にキスを落とす。

その色が彼女の髪の色に似ていたから・・・

どうしても欲しいもの 手に入れたいものは、確かに目の前に存在するのに、 掴み損ねたときの事を思うと、怖くて、前に踏み出せない。
哀れで愚かなほどの・・・俺の片想い・・・
全く・・・嘲笑っちまうよな・・

あれは、同じグループでの課題研究
レポート用紙の端に書かれた彼女の文字
そっとなぞると、なんだかそこだけ、輝いているようだ。

あの時、偶然、俺の荷物にまぎれていた彼女の万年筆

一晩中、この手の中に抱いて、眺めていた。
手にするだけで、温かくて柔らかな何かが、指先から、心へ流れ込んでくるよ うで・・

翌朝、彼女に声をかけた。

「これ、かれんのだろ?」
「あ、ありがとう、探していたの。」

俺の手から彼女の手に渡る、一本の万年筆・・・
・・・お前、いいな、いつも彼女といて・・・あの手に包まれて・・・

「あら、かれん、見つかったの?よかったわね」
「失くしたりしたら大変だわ。大切な人からのプレゼントだから・・」

そういって、彼女が愛しそうに胸に抱いた。
その言葉に、俺の胸が締め付けられる。

大切な人・・・

それは・・・・誰?

束縛することにも、されることにも、無縁の関係
独占欲も、ジェラシーも感じたことなどなかったし、ステディな関係にも、なん の興味もなかった。
ただお互い楽しく遊べればよかったし、一夜限りのloverで十分だった。

なのに・・・

突然湧き上がる初めての感情
ジェラシーという名の、とてつもなく激しく荒れ狂う暗雲
誰かが彼女の持ち物に触れただけでも、この胸が妬ける。

彼女が振り向いたとき、髪の先が俺の頬を掠めた。

「あ、ごめん」
「・・いや・・・」
その途端、胸の奥がぎゅっと締め付けられて、欲望の魔手に喉元を掴まれて 息が止まる。

彼女が欲しい・・・

この腕に抱きたい。
あの唇にkissがしたい。
肌に触れ、彼女の全てが知りたい。
彼女が・・・かれんが欲しい・・・

はっ

どうして、こんな夢を見たんだろう
じっとりと汗ばんで目を覚ました夏の夜
あの頃・・・かれんを見つめることしかできなかったあの頃の追憶・・・
ふと全身で感じる違和感に、どんより曇った頭を振って肩肘をついて身を起こ す。

そうか・・・腕の中が空っぽだ・・・
暗闇に名前を呼んでみる。

「かれん・・・」
たちまち不安の暗雲が忍び寄ってくる。

「かれん・・・」
ベッドの上に半身を起こして呼んでみるけれど・・・
返事はなく、俺の声だけが薄い闇に吸い込まれていく。
胸の中の暗雲が大きく立ち込めてきて・・・

「かれん」
ベッドから起き上がって、寝室を出ると少し大きな声で呼びかける。

「レウォン、どうしたの?」
その時、薄いローブを羽織ったかれんが、ベランダから顔を覗かせた。

「かれん・・・」
かれんの顔を見た瞬間にほっとして、全身から強張ったしこりが溶けていっ た。

ベランダに出ると、かれんの手にはマグカップが・・・
俺の部屋においてある、かれん専用のマグカップ
それを見ただけで、なんだかふわりと甘い気持ちになる。

「なんだか目が冴えちゃって・・・で、ちょっとこれを飲みながら涼んでいた の。」

そう言って、階下の景色を見渡すかれんの手には、ホットミルク・・・
アルコールではなく、ホットミルク・・・
かれんらしいな。

ふっと微笑んだ途端に「くしゅん」って、可愛いいくしゃみ
ホットミルクを手に、少し身を乗り出すようにしてベランダから樹木を眺めるか れんを、後ろからぎゅっと抱き寄せる。

その髪に唇を寄せて・・・

「かれん・・」
「うん?」
「かれんなんだな・・・」
「えっ?」
「俺のかれんだ。俺だけのものだ・・・」

くすっと笑って揺れたかれんの髪から甘い香り・・・

「髪の先から、爪の先まで、全部俺のものだ」
「そうなの?」
「そう。」
「じゃ、勝手にヘアスタイルも変えれないわね」
「そう、俺のものだから・・・」

しばらく、その髪に唇を埋めて、ただ静かに抱き合う俺たちの回りに深い夏の 夜の匂い。

「あのね・・・・」
俺に後ろから抱かれながら、かれんが静かに話しだした。

「愛し合う恋人同士のことを、こう言ったりするでしょう?元はひとつだった魂 が、二つに分かれてそれぞれの体に宿ったから、お互いを探すっていう・・・ better half・・・ でも、私は、なんだか、ちょっと違うように感じるの。」
「違う?」
かれんの首筋に唇を埋めながら、聞いてみる。

「どんな風に?」
「そうね・・・なんていうか・・・そう、きっと、私の魂は、元はレウォンの体に宿 っていたのよ。そして、レウォンの魂は私のここに住んでいて・・・」
そう言って、かれんはそっとその胸に手を当てた。

「だからね・・・それで、私の魂はレウォンの元へ・・・レウォンの魂は私の元 へ・・・どうしても帰りたいの。だから、捜し求めて帰ってくるのよ。」
かれんの澄んだ声が、樹木の隙間を縫って一巡りすると、俺の耳に優しく届 いた。

「うん、きっとそうだ・・・」
俺の声は、夏の夜風に乗ってかれんの耳に届いたかな。

「もう一回、抱いていい?」
かれんの耳元に優しく囁く。

「聞くの?」
くすっと笑うと、手にしたミルクがさざめいた。

「一応・・・」
かれんの心にも、甘い漣を立てることができたかな。

「今度は優しく抱くから・・・」
そう言いながら、かれんの首筋についた紅い痕を優しくなぞる。

「だって・・・かれんの中に、帰らないと・・・」
そう言うと、俺は唇を柔らかなかれんの頬に寄せた。

かれんが小さな声で俺に言った。

「お帰り」
「ただいま」

それを合図に、俺たちの唇が優しく重ねられると、蒼い夜に溶けていった。

**********

「おかえり」を届けさせてください。

ほんとーに、またK&Rかい!!って自分で突っ込んでおきます。(爆)
なんか、だんだん、恐る恐るアップしたりして・・(笑)
どーか、ご興味のある方のみ、お付き合いくださいませーーーーm(__)m

今回の、脳内BGMは、綾香の「おかえりーーーまいーーほーーむ」とB'Zの「今夜月の見える丘で」でした。
ああ・・あのドラマ・・良かったな・・
ビューティフルライフーー(涙)

次回は、お盆休みの間のお留守番創作でもお届けできたらいいなって思っています(間に合えばーー)
D&J+K&R+T&Sで、何か書けたらいいなー♪


(2008/08/07 Milky Way UP)

 
 
 

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