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Milky Way Library
Milky Way Library(https://club.brokore.com/sunjyon)
「Hotelier」にインスパイアされた創作(written by orionn222)の世界です
サークルオーナー: Library Staff | サークルタイプ: 公開 | メンバー数: 732 | 開設:2008.11.22 | ランキング:51(8198)| 訪問者:139983/417394
開設サークル数: 1238
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K&R
こちらは、ドンヒョクとジニョンの娘『かれん』と、その恋人『レウォン』のお話のお部屋です。
二人とも全くのオリジナルキャラクターですので、それでも、OK,OKとお思いの方は、どうぞお付き合いくださいませ。 尚、『レウォン」は、太王四神記で青龍の守り神を演じた「イ・フィリップ」ssiをイメージして創作しております。
かなーーり、個人的な趣味に走ったお部屋ですので、「まーこーゆーのも、ありよねーー」とお考えの方のみ、お入りいただけると嬉しいです。
No 36 HIT数 1270
日付 2009/03/08 ハンドルネーム Library Staff
タイトル 7.5センチの秘法
本文
『7.5センチの秘法』



「む、無理よ、母さん!!」
「なに言ってるの!これぐらい履かなきゃ!!」

「で、でも・・・」
「私がかれんくらいの時には、これくらいのヒールを履きこなして、ホテル中を駆け回ってたわよ!」

「本当に?」
「ま、最近は、中ヒールの安定型にしてるけど・・・でも、ドンヒョクssiと出かけるパーティなんかでは、これくらいは履いてるわよ!」

「あのね、私はまだ学生なんだから、こんなハイヒールは必要ないわよ」
「なーに言ってるの!!これから必要になってくるわよ。今から履きこなしていかないと、いざというとき、膝ががくがくして、みっともないわよ!それに卒業パーティーだってあるじゃない!」

「卒業パーティーではダンスもあるのよ!絶対に無理!!」
「駄目よ。パーティーでは7.5センチは絶対ラインよ。
なにも10センチを履けって言ってるんじゃないでしょう?」

「10センチ!ふくらはぎがつるわよー」
「今、履かなくていつ履くのよ!若い今だからこそ、ハイヒールもより映えるのよ。それに、そんなローヒールばかり履いてちゃ、スタイルだって、悪くなるわよ。」

「えー、本当?」
「なによ、その疑わしそうな目は・・・本当よ!こうやってハイヒールを履くでしょ?そうすると自然にぴんと背筋も伸びて、姿勢もよくなるのよ。バストアップの効果ありよ。それに、これを履いて綺麗に歩くためには、爪先とかかとを同時につけるのがコツなのよ。そうすれば、ふくらはぎに力がはいって、足首だってきゅっと締まるのよ。」

「・・・そう?」
「そうよ。母さんを見れば、わかるでしょう?ドンヒョクssiは、ジニョンはずっと魅力的なスタイルをキープしてるねって言ってくれるのよ。」

「・・・父さんの瞳には、愛というぶ厚ーーーーいフィルターがかかってるのね」
「かれん!」

「だって、いくら母さんがハイヒールを履いていたって地球の重力の影響は免れないと思うけど・・・」
「・・・と、とにかく、、この7.5センチのハイヒール!これはマストアイテムよ!」

「・・・5センチ・・・いや5.5センチじゃ駄目?」
「駄目!」

「そんなーーー」
「全く、これじゃなんのために、女の子を産んだのか分からないわ。ハイヒールを履いて、ドレスを着て、輝くようなかれんが見たいのよ・・ああ・・・それが女の子を持った母親の夢なんだからーーー母親の夢を壊す気?!」

「わ、分かったわよ・・なんとか履いてみるから・・でも、この色は・・・」
「あら、綺麗な色じゃない」

「黒の方が断然無難よ。なんにだって合うし・・・金色って・・」
「金色じゃないわよ。これはブロンズ色よ。」

「・・・同じだと思うけど・・・こんなゴールド色の靴を履く機会はたいしてないわよ」
「だから、ブロンズ色よ。あら、結構この色はどんなドレスにもあって、便利な色なのよ。たくさん靴を持っている私の意見に間違いはないわ。ええ、絶対にこれは買いよ!」

「・・・・はぁ・・・」
「あのね、かれん、実用主義もいいけれど、こういった靴も、一足は持っていなくっちゃ、素敵な靴っていうのはね・・・」

「素敵な場所に連れて行ってくれるんでしょう?何度も聞いたわよ。母さんのそのメルヘンチックなセオリーは・・・」
「メルヘンチックって・・・あのね、これは母さん自ら実証済のセオリーなんだから!!本当よ。だってね、母さんがドンヒョクssiと出逢ったあの旅・・・あの旅行は、ちょっと気の重い旅だったの。だから、自分の気持ちを奮い立たせるために、一番のお気に入りの靴を履いていったのよ。そうしたら、ドンヒョクssiと出逢ったの。やっぱり、素敵な靴は素敵な人に出逢わせてくれるのよー」


「はいはい・・・・」
「それにね、靴ってお洒落の中でも一番大切なのよ。ホテリアーとして身だしなみには人一倍気を使っているけど、どんなに制服がぴしっとしていても、靴が汚れていたり、よれよれだったりしたら、それだけでもうホテリアー失格よ。それくらい靴って重要なのよ。」

「ただの黒いパンプスに見えるけど・・・」
「何言ってるの!毎日毎日ちゃんと自分で磨いてるのよー!」

「はいはい、わかりました。でも・・・・」
「あら、かれん!この靴もよくない?ね、ちょっと履いてごらんなさいよ。」

「母さん、このヒール、8.5センチもあるわよー!」
「あら、1センチ高くなっただけじゃない。じゃ・・・これはどう?あ、これも綺麗よーーこっちは、10センチのヒールだけど、上品でエレガントよー」

「母さん!!」


次々と目移りする母さんをなんとか押しとどめて、結局私は7・5センチのハイヒールを購入させられた。

7.5センチねぇ・・・

家に帰り、自室に持ち込んだそのハイヒールをデスクの上に置いてみる。
確かに・・・・確かに母さんご推奨のとおり、私が普段履いているローヒールの靴より、その靴は格段にエレガントでノーブルなフォルムだ。

ちょっとお行儀が悪いけれど・・・ハイヒールを履いて鏡の前に立ってみる。

そうね・・・・確かに・・・

普段着の足元が、なんだか急によそ行き顔になって、気のせいか足首もちょっとほっそり締まって見えるから不思議だ。

『素敵な靴は素敵な場所に連れて行ってくれるのよ』

素敵な場所ねぇ・・・・

母さんの言葉を思い出しながら、鏡の前でくるりと回ってみる。

っと!!
うーん・・・これを履いて綺麗に歩くには、練習が必要だわ。


まさに、レディは一日にして成らずって事ね。
でも、・・・そうね・・・なんだか、ちょっと華やいだ気持ちになってくるのは、否めない。

なんて、鏡の前を行ったり来たりしていると・・・・

リビングからは、母さんのはしゃいだ声


くすっ・・・


せっかく買い物に来たんだから・・・とかなんとか言って、母さんが今日買った靴を、早速父さんにお披露目しているのね。


『綺麗だよ。ジニョンの脚によく似合う。』
『えーーそう?ちょっと派手かなって思ったんだけど・・・』

『そんなことはないよ。足元が華やかだとシンプルなドレスが生きてくるよ。そうだ。この靴に合うドレスを買いに行こうか?』
『えードレス?そうね・・・どんなドレスがいいかしら?』

『ジニョンなら、どんなドレスだって素敵だけど・・・でも、そんなジニョンを他の男に見せる訳にはいかないな』
『もう、ドンヒョクssiたらっ♪』


あーあ・・・全く、あの二人は・・・・


ちょっと呆れた笑いを洩らしながらも、なんだか、胸がきゅん・・となってくるのは何故?

これを履いたら・・・君はなんて言うかな・・・

私は、ちょっとかがんで足元のハイヒールに触れてみた。


上質で滑らかなその手触りは、どこか幸せになる魔法の力を秘めているようで・・
母さんを父さんのもとへと運んだ靴は、どんな靴だったのかしら・・・・
ねぇ・・・・あなたは私をどこへ運んでくれるのかしら
どんな場所へ・・・どんな未来へ・・・
そう・・・恐れず歩き出すから、できるなら君と一緒の明日へと、私を連れて行ってね。

鏡の前で、ぴんと背筋を伸ばして、すっと立ってみる。

それだけで、ちょっと大人の女性になった気もするわ。

素敵なレディへの第一歩
7.5cmの秘法
ハイヒールの持つ不思議な魔力
女の子の憧れと願いを込めて・・・

さぁ、背筋を伸ばして愛する人のもとへと、歩き出そう。

ね、これを履いたら・・・

背の高い、君にちょっと近づけるかな・・・



   *****************


「7.5センチの秘法」をお届けさせてくださいー

そういえば、最近ハイヒールって履いてないなって・・・思う方もおられるのでは?

たまには、ちょっと無理をして、ハイヒールを履いてみようかなって、思う秋です・・

素敵な出会いがあるかな?(笑)




(2008/10/09 Milky Way UP)

 
 
 

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