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Milky Way Library
Milky Way Library(https://club.brokore.com/sunjyon)
「Hotelier」にインスパイアされた創作(written by orionn222)の世界です
サークルオーナー: Library Staff | サークルタイプ: 公開 | メンバー数: 732 | 開設:2008.11.22 | ランキング:51(8198)| 訪問者:139834/417245
開設サークル数: 1238
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Imagination
Cottage
Private
Congratulations
Gratitude
容量 : 39M/100M
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K&R
こちらは、ドンヒョクとジニョンの娘『かれん』と、その恋人『レウォン』のお話のお部屋です。
二人とも全くのオリジナルキャラクターですので、それでも、OK,OKとお思いの方は、どうぞお付き合いくださいませ。 尚、『レウォン」は、太王四神記で青龍の守り神を演じた「イ・フィリップ」ssiをイメージして創作しております。
かなーーり、個人的な趣味に走ったお部屋ですので、「まーこーゆーのも、ありよねーー」とお考えの方のみ、お入りいただけると嬉しいです。
No 44 HIT数 1697
日付 2009/03/08 ハンドルネーム Library Staff
タイトル salty chocolate
本文
『salty chocolate』


カチリ・・・キラリ・・・スルリ・・・
キラリ・・・スルリ・・・カチリ・・・

ふぅ・・・
淡いため息が零れ落ちる久しぶりの休日

私ったら、さっきから何度同じことを繰り返しているんだろう
君から贈られたエメラルドのエンゲージリング
箱から取り出しては指にはめて眺めてみたり・・・指からはずしてはまた箱に しまってみたり・・・

はぁ・・・

なんて、ソファーに寄りかかった私の目は、テーブルの上に置きっぱなしにな っている一冊の本の上に留まった。

「チョコレートの作り方」

柄にもなく、こんな本まで買って、一応 日持ちするタイプの「プチショコラ」なる ものを作製して君に贈ったのは、もう一週間も前のこと・・・

正直・・・どうだったんだろう・・・
ちらっと不安が胸をよぎる。

ああいったスイーツ系はあまり自信がなくて・・・
もちろん、君からは「ありがとう、美味しかったよ」って電話やメールはあった けれど・・

でも・・・

せっかくなら、君の顔を見て渡したかったな・・
つい、そんな言葉が零れてしまう。

そして、君の反応をこの目で確かめたかったな・・・
失敗作でも、いまいちでも・・・どんな出来だって、君と一緒だったら笑って過 ごすことができるのに・・・

なんて、どんどんわがままな気持ちがエスカレートしていく。
全く・・・恋って欲張りでわがままね・・・

こら、かれん
クリスマスに逢えたでしょう

そう、お互い忙しいスケジュールをなんとかやりくりして、帰省先の韓国で 一 緒にクリスマスを過ごすことができた。

つかの間のランデブーだったけれど・・・
あれで、十分なはずよ

だから、ヴァレンタインには、喉元まで出かかった「逢いたい」って言葉を飲み 込んだ。

恋って欲張りでわがままだけど、愛って、忍耐なのかしら・・
はぁ・・・なんて、またため息をついて窓の外の風景を眺める。

一面の雪景色のここイギリスでビジネスの修行中の私と、アメリカで大学院 に通いながら、友人たちと起業した君・・・

そんな二人が、ヴァレンタインを一緒に過ごしたいなんて、欲張りすぎよ

でも・・・

また、箱から指輪を取り出しながら、想い出にふける

去年のヴァレンタインは・・・
思わず、くすっと思い出し笑いが零れる。
だって、君は一日中、私の側を離れなかった。
厳密に言えば、ヴァレンタインの前日から・・・

「トラウマなんだよ」って、ちょっとすねたように君は緑色の瞳をくすませた。
いつかのヴァレンタインに、私が、君曰く「行方不明」になったことが、そんな にショックだったの?
どこへ行くにもぴたりと側に寄り添って、一日中離れなかったね。

そして、二人で作ったハート型のトリュフ

君はふざけて、自分の頬にチョコレートをつけると「食べる?」って悪戯っぽく 聞いてきた。
ふいに、あの時の君の誘いかけるような声音を思い出して、胸がどきっと波 打った。

ぞくっとするような、緑の瞳と共に・・・
・・・なんてね・・・

一人ぼっちの部屋で、ちょっと自嘲めいたため息を洩らす。

君は今、なにをしているのかな
この週末は少し忙しいと言っていた。
だから、メールも電話もできずにいるけれど・・・

こんなことなら、忙しくしているほうがよかったのかもしれない。

ヴァレンタインなんてイベント、たいして気にもしてなかったはずなのに、こうし て一人でいると、なんだか普段より寂しさが募ってくる。

でも・・・離れてみて初めて気づくこともある
こんなにも大切なお互いの存在
魂を分け合ったかけがえのない人だと・・・

さてと・・・

いつまでもこうして自己憐憫に浸っていても、しょうがないわ
君が頑張っているのだから、私も負けないように頑張らなくちゃ・・・
しばらく、この指輪ははめたままで・・・君を感じながら・・・

気分転換に珈琲でも淹れようとソファーから立ち上がったら、部屋のインター ホンが鳴った。
また母さんが、何か送ってくれたのかしらと、ドアを開けると・・・

君がそこにいた。

「Hi、かれん」
「!!!」

あまりの驚きで声もでない私をぎゅっと抱きしめると、「ヴァレンタインのチョコ レートをありがとう。ちゃんとかれんの顔を見てお礼が言いたかったんだ」と、 君が囁いた。

「でも・・・・だって・・・・なんで・・・」
私らしくもなく支離滅裂な返事
君はちょっと面白そうに笑うと、私の肩を抱いて部屋に入った。

「ヴァレンタインを一緒に過ごしたかったから・・・」って、君はまるで大学時 代、私の部屋にふらっと立ち寄ったような気軽さで言う。

でも、優しく私を見つめるその緑色の瞳には微かな疲労の影・・・
あんなに忙しい毎日を送っているのに・・・

わざわざ、逢いに来てくれたの?
君は、肩にかけていた鞄から小さな箱を取り出した。

あ・・・それは・・・
私が贈ったプチショコラ

「ひとつだけ食べて、あとは、大切にとっておいたんだ。部屋に飾って・・・」
君が、ちょっとはにかんだ笑顔を見せた。

「レウォン・・・」

「one week遅れのヴァレンタインだけど、一緒に食べよう。」
君がそっと差し出しながら、囁いた。

ふいに涙が零れ落ちた。

だって・・・この週末の時間を作り出すために、君がどれほどの激務と睡眠不 足に耐えてくれたのだろう・・・
そう思うと、胸がつまって・・・

わがままを我慢した私と、君が耐えてくれた数々のHard work

やっぱり、愛って忍耐かしら・・・
でも・・・私が言いたくても言えなかった「逢いたい」っていう言葉・・・
君にはちゃんと聞こえていたんだね・・・

「かれん・・・」

私は、きゅっと涙をぬぐうと、君が大好きだといってくれた笑顔を取り戻した。
だって、せっかく君と一緒にいられるのに、泣いてなんかいられない。
ねぇ、こんな風に君の前で不覚にも泣いてしまうなんて、あのファーストkiss 以来のことかしら
君のsurpriseには、いつもちょっぴりの涙がつきものなのかもしれないね・・・

「遅れてなんかいないわ。一足早いwhite dayよ。」
君を見上げて、にっこりと笑った。

君も私の大好きな笑顔になる。
「しまったな、white dayのプレゼントを持ってこなかった」

私は、プチショコラを飾っていた一筋のリボンをしゅるり・・・とはずすと、君の 手に巻いた。

「私にとっては、こうしてレウォンが来てくれたことが、なによりのプレゼント よ」
「それじゃ・・・」

君はちょっと悪戯っぽく笑うと、そっと耳元で囁いた。

「食べる?」
「もう・・・」

って、ちょっと怒った振りをするけれど、またも涙が溢れてきて・・・

こんな風に君と過ごせることが、こんなにも幸せなことなのだと、改めて思う。

「かれん・・・」
君は優しく私を見つめて、そっと涙を長い指でぬぐってくれた。

「Be My Valentine」
そう言いながら、私の涙をぬぐった指先で、君はチョコレートをつまむとそっと 口に入れてくれた。

ちょっぴり塩辛いチョコレート味が口の中に広がった。

「I'd love to」
私の答えは、君の唇の上でとけていっって・・・

二人で味わうプチショコラ
甘くて、ちょっぴり辛くて、やっぱり甘い・・

私たちの愛の味わい

でも・・・
ね?知ってた?
君に抱かれてソファーに沈み込みながら、瞳を閉じる。

たくさんのsugarを入れるより、一つまみ、saltを入れたほうが、より甘さが引 き立つんだってこと・・・



『おまけ』



その夜、チョコレートも蕩けてしまうような、甘い甘いひと時を過ごした後、ベッ ドの中で・・・

「あ、でも、この週末、以前バイトしていたところから、どうしてもって頼まれて 仕事に行くって言ってなかった?」

君は、エンゲージリングをはめた私の指にそっとkissをすると、にっこりと笑っ た。

「かれんの弟って、本当に素直で可愛いね」
「??」



          in U・S・A

「なんてだよ!!なんで、俺がイタ飯屋の新装開店で働かなきゃならねーん だよ!!!!あ、いらっしゃいませ」



『おまけのおまけ』


「って、ことで今日は本当にひでー目にあったぜ!」
「えーー、大変だったね」

「全く、姉貴といいあの彼氏といい!!どこまで俺をこき使う気だよ!」
「でも、ちゃんとバイトを代わってあげて、えらかったね。かれんオンニもフィア ンセさんもきっと逢えて喜んでるよ」

「まぁ・・それはそうだけど・・・・」
「離れてるってやっぱり・・・寂しいもんね・・・」

「・・・ユミン・・・あ、そうだ、チョコレート・・・ありがとな」
「あ、ちゃんと14日に届いた?」

「ああ・・・すげー美味しかったぜ。売ってるのなんかより、お前の作ったチョコ レートの方が、何倍も綺麗で美味しかった」
「毎年、オッパにはチョコレートを渡してたけど・・・今年はちょっと頑張ってみ たの・・だって・・・なんていうか・・オッパと・・・お付き合いって言うか・・・彼氏 に贈るチョコっていうか・・・」

「俺は、やっと彼氏に昇格か?」
「それは、私の台詞だよ・・・だって・・・ずっと・・・オッパのこと・・・」

「そのわりには、まだオッパって呼ぶんだ。」
「えーだって、なんて呼んでいいいかわからないもん・・」

「ジェイでいいよ」
「それは・・ちょっと・・じゃ・・ジェイssiは?」

「ジェイssiって・・ジェウォンssiならわかるけど、あだ名にssiっておかしいだ ろ。誰も、そんな呼び方してねーぞ」
「えーでも・・・なんていういか・・・・かれんオンニのとこみたいに、二人だけの 呼び名っていうのも、なんかいいなって・・」

「それは・・・まぁ・・・・」

「ね?ちょっといいでしょ?」
「じゃ・・・俺はお前のこと、なんて呼んだらいいんだ?」

「えっ?えっと・・・それは・・・オッパの好きなように・・・」
「いや・・そう言われても・・・」

・・・・・・・・

「やだーーなんか、恥ずかしいねーー」
「別に・・・恥ずかしくもねぇけど・・・」

・・・ずっと、妹扱いしてきたユミンとのこんな会話・・・正直ちょっと照れるな・・ でも・・・少しこそばいけど・・・ こうしてユミンと話していると、げんなりしてい た気分がどんどん上向いてくる・・・きっと何時間話していても飽きることない んだろうな・・

「あ、でも、お父さんたら、ひどいんだよ」
「テジュンおじさんが?」

「うん。私が超気合入れてチョコレート作ってるの見て『誰に贈るんだ』って怖 い顔して聞いてくるから『ジェイオッパ』って言ってるのに、『またまた、ユミン は冗談が過ぎるぞ、エイプリルフールにはまだ早いぞー』なんて、笑って本気 にしてくれないんだよー」

・・・あの親父・・・やっぱあの夢は正夢だったのか?

・・・って、ことは・・・

「ユミン、お前って子供好きだよな?」
「・・うん・・・大好きだけど・・・」

「そうだよな。幼稚園の先生になるか、ホテリアーになるか、迷ったんだもん な」
「うん・・・それがどうかしたの?」

「いや・・なんでもない・・・」

・・・例の計画をそろそろ本格的に開始しないとな
・・・まずは・・・kissの次のステップから・・・



********

「salty chocolate」をお届けします♪

ここリビングにも、ヴァレンタイン創作を・・と思いながら、時間切れ・・(爆)
でも、ちょこっと遅刻のヴァレンタイン創作をお届けさせてくださいm(__)m

だって、ここリビングが大好きなんですー♪
皆さんと、交流しながらの創作って、とっても楽しいです♪

文中の「Be My Valentine」「I'd love to」
というのは、あちらでなよく使われるフレーズのようです。
女性から男性に・・・という構図でもないアメリカでは、ヴァレンタインカードなどに、こう書いて女性に渡したりするそうです。

意味は、「僕のヴァレンタインになってくれ」「喜んで」だとか・・

僕のヴァレンタインって・・??という疑問もありますが(笑)とりあえず、そんな感じでー(爆)

お付き合いいただけると嬉しいです♪




(2009/02/20 Milky Way UP)

 
 
 

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