ブロコリ サイトマップ | ご利用ガイド | 会員登録 | メルマガ登録 | 有料会員のご案内 | ログイン
トップ ニュース コンテンツ ショッピング サークル ブログ マイページ
Milky Way Library
Milky Way Library(https://club.brokore.com/sunjyon)
「Hotelier」にインスパイアされた創作(written by orionn222)の世界です
サークルオーナー: Library Staff | サークルタイプ: 公開 | メンバー数: 732 | 開設:2008.11.22 | ランキング:51(8198)| 訪問者:139830/417241
開設サークル数: 1238
[お知らせ] 更新のお知らせ
Imagination
Cottage
Private
Congratulations
Gratitude
容量 : 39M/100M
メンバー Total :732
Today : 0
書き込み Total : 898
Today : 0
K&R
こちらは、ドンヒョクとジニョンの娘『かれん』と、その恋人『レウォン』のお話のお部屋です。
二人とも全くのオリジナルキャラクターですので、それでも、OK,OKとお思いの方は、どうぞお付き合いくださいませ。 尚、『レウォン」は、太王四神記で青龍の守り神を演じた「イ・フィリップ」ssiをイメージして創作しております。
かなーーり、個人的な趣味に走ったお部屋ですので、「まーこーゆーのも、ありよねーー」とお考えの方のみ、お入りいただけると嬉しいです。
No 49 HIT数 1580
日付 2009/03/16 ハンドルネーム Library Staff
タイトル この指に未来
本文
『この指に未来』



3月14日 white day
ポストに小さな包み
差出人は・・・君

そっと包みを胸に抱いて、エレベーターに乗り込む。
あのsurpriseのValentineから、数週間・・・
君は、また何で私を驚かせてくれるの?

部屋の鍵を開けるのも、なんだか、ちょっともどかしくて、つい急ぎ足になってしまう。
ソファーに座って、手の中の包みをゆっくりと眺めてみる。
宛て先を記した、君の文字
愛しさと懐かしさで、そっと指でなぞってみる。
今日は、white day
この前のsurpriseで、私は十分だったのに、やっぱり、君はスルーしないんだね。

・・・ありがとう・・・
そっとつぶやいて、包みを大切に胸に抱く。
イベント事なんて、たいして気にしていなかったはずなのに、君と離れてからはなんだか人並みに気にする自分がいる。
こうして、君から「お返し」があったりすると、素直に嬉しい。

その折々をとおして、深まっていく私たちの愛
ゆっくりと、でも確実に・・・
離れているからこそ、敏感に感じることもある。
Valentine・・・ White day・・・
何事にも意味があるのね・・・なんて、私らしくもなく思ったりして・・・

胸をときめかせながら、丁寧に包みを開ける。
中から出てきたのは・・・
Silverのリング・・・
春の陽射しを弾いてキラリ・・・と輝いた。

エメラルドのエンゲージリングは君から贈られたけど・・・
そういえば・・・ネックレス、イヤリング、ブレスレット・・・と、アクセサリーはいくつか君からプレゼントされたことはあったけれど、こういったリングは、初めて・・・

掌でそっと転がしてみる。
二本のラインに囲まれて、ぐるりと一面に・・・Ⅰ Ⅱ Ⅲ ・・・
ローマ数字?が刻まれている。
ううん・・・そうじゃなくて・・・
数字の周りを彫り込んであって・・・数字が浮かび上がっているんだわ・・・

これは・・・もしかして・・・
指輪をじっと見つめてみる。
これは・・・もしかして・・・君の手作り?
どこか、素朴な温かさを感じて・・・

同封されていたカードには、『かれんへ・・・愛を込めて  made by R 』って、君のサイン
なんでも、器用にこなす君だけど・・・これを作るのは、きっとそう簡単なことじゃなかったはず・・・
ふいに涙が溢れてきて・・・
ねぇ・・・君はどうしていつも、こんなことができるの?
私の心を、愛の波で激しく揺らし、溺れさせる。
やっぱり、君は特別な人・・・ただ一人の特別でかけがえのない人・・・

RRRRRRR・・・
その夜、君の帰りを見計らってcallする。

『white dayのプレゼントをありがとう。とっても素敵ね。これは、レウォンが作ったの?』

相変わらず可愛らしい事が言えず、単刀直入すぎる自分にちょっと呆れる。
ごめんね・・・君はいつもこんなに私を喜ばせてくれるのに・・・

『ちゃんと14日に届いてよかったよ。そう。俺が作った。前に話しただろう?ハイスクール時代の友人にアクセサリーのデザインなんかをやってる奴がいるって・・・』

『ええ・・』

君の声を聞きながら、思わず胸元に手をやる。
そこには、君から贈られたキャッツアイのネックレス・・・

『そいつから、材料なんかを分けてもらって、工房を借りて作ったんだ。気に入った?』

『もちろん』

『よかった。リングはやっぱりちょっと特別だから、white dayのお返しには自分で作ったものを贈りたいって思ったんだ。サイズはどう?』

・・・自分で作って・・・君のその言葉に胸が切なくきゅん・・・と疼いた。

『ええ、サイズもぴったりよ。あ、でも・・・この数字は何?デザイン?』

『それは・・・俺たちの年月』

『えっ?』

私たちの年月?
君の言葉に、指輪の数字を確かめる。
Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅴ Ⅵ Ⅶ Ⅷ Ⅸ Ⅹ

『一から十まであるけれど・・・?』

『そう・・・かれんと出逢ってからの年月に想いを馳せて作った。』

『でも・・・私たち、まだ出逢って10年もたってないわよ・・』

左手の薬指にはめた指輪をそっとなぞってみる。

『それは・・・俺たちの過ごしてきた年月と、今と、これから過ごす年月・・・』

『えっ・・・』

私たちの過ごしてきた年月と、今と、これから?
その言葉に、急にいろんな想い出が甦ってきた。
君と私・・・出逢ってから今日まで・・・
指輪の数字をそっとなぞってみる。

Ⅰ年目・・・君と出逢って・・・でも、お互い何も言えず・・・ただ気になるだけの時間が過ぎていって・・・

Ⅱ年目・・・君の突然の告白、そしてfirst kissから始まった私たちの年月・・・やがて、一つに結ばれてお互いの全てを分かち合う日々・・・

Ⅲ年目・・・愛する・・・という意味を初めて知って、変わっていった私たち・・・
静かに・・・でも確かに・・・君の横で眠るというたとえようもない幸せを得て・・・

Ⅳ年目・・・深く強く結ばれた私たちの日々・・・あのハーバードで・・・笑ったり泣いたり語り合ったりして、昼と夜を共有した。時にはちょっぴり喧嘩もして・・・そんな風にたくさんの時間を君と過ごした・・・かけがえのない私たちの青春時代を共に駆け抜け・・・

そして・・・

Ⅳ年目・・・これからの人生を共に歩むために、それぞれの道に歩き出した私たちの今・・・
そんな月日が、この指輪に・・・

君は、そんな想いを込めて、この指輪を作ってくれたの?
あの忙しい毎日の合間を縫って、どれだけの時間と手間をかけて作ってくれたのだろう・・・
ふいに胸が一杯になって、言葉に詰まる。
でも・・・溢れそうになる涙を飲み込んで、明るく聞き返す。
だって、泣いたりしたら君が心配する。

『でも、これって・・・10年までしかないけど・・・』

ちょっと意地悪に聞いてみる。

『10年目には、また新しいのを作って贈るよ。世間ではsweet 10 ダイヤモンドとか言うだろう?もうちょっといいのを・・・』

『ううん・・・これで十分よ。10年目には・・・・』

『10年目には?』

どこか真剣味を帯びた君の問いかけに、ふと言葉が途切れる。
10年目には・・・私たちは、どうしているのだろう・・・
どこで、何をしている?
きっと・・・いろいろ変わっているのだろう・・・
君も私も・・・
でも・・・たぶん・・・いいえ・・・きっと・・・

『10年目には、一緒に作りましょう。それで、お互い交換するの』

『それもいいな。じゃ、俺は、今度はネックレスを作ろうかな。かれんの胸元のキスマークが隠れるような・・・』

『もう!』

なんて、怒った振りをするけれど・・・

ありがとう、レウォン
最高のwhite dayの「お返し」よ。
君の手作りのsilverリング。
溢れるほどの愛をこの手に・・・

『でも、どうやって作るの?難しくなかった?』

『アートクレイシルバーっていう粘土みたいなので作るものもあるけれど、これは、まず銀の平板から糸鋸で切り出して・・・』

って、君の製作秘話のあれこれを楽しく聞いて・・・
こんな風に、君と過ごす時間が今の私を支えている。
きっと、これからも・・・
それから、またついいつものような長電話になってしまう。

『今日はどう?忙しかった?』

『今日はちょっと時間があったから、大学のジムでトレーニングをして走ってきた。でないとメタボになって、かれんに嫌われてしまうからな』

『メタボって・・・レウォンのそんな姿はちょっと想像できないけど・・・それより、食生活を気にしなさい。ちゃんと食べてる?』

『今日は、ジェイがランチをおごってくれたよ』

『ジェイが?へぇ・・・あの馬鹿もたまには役に立つわね』

なんて、君とあれこれ話しながら、そっと指を翳してみる。

私の指を彩る過去と現在と未来
私たちの、これまでと、今と、これからと・・・

ねぇ・・・この先、流れ行く時間の中で、いろいろな事が起こり、思ってもみなかった出来事にぶつかったり、予想とは違う結果になったり、数々の困難や試練が待ち受けているかもしれない・・・そんな中で、いろいろなことが変わっていったとしても・・・

君の声を聞きながら、そっと君のぬくもりが残る指輪に触れてみる。

この指に刻まれた私たちの時間と約束した明日に向かって・・・

そう・・・なにが起こり、どんな明日が待っていても・・・
確かなことは一つだけ・・・
ねぇ、レウォン・・・
この指に未来・・・
とわに、君と共に・・・



****************

「この指に未来」をお届けさせてください。

ちょっと遅刻しましたが、white day創作を、ここリビングにもアップしたかったので・・

お付き合いいただけると嬉しいです♪



(2009/03/15 Milky WayUP)

 
 
 

IMX