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B.S.J.
B.S.J.(https://club.brokore.com/bsj)
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satovic劇場Annex
satovic劇場Annex
No 28 HIT数 2545
日付 2004/10/04 ハンドルネーム 最高尚宮
タイトル 10days story -1
本文 タイトル | Satovic(手抜き)劇場 day1 | [219.207.144.77]
投稿者 | satovic 投稿日 | 2004/07/09 22:41:35 アクセス | 5801
内容

Satovic(手抜き)劇場  10days story

テラスで 海を見つめる彼の髪の毛が やさしく風になびいている。
マグカップを片手に 私を振り返り 微笑んだ彼は 
またゆっくりと 首を回して海を見つめている。
その広い背中をみつめながら
思い出してほしい......  でも思い出して欲しくない....
ふたつの思いが私の中で交差する。

あの日、日本の左側通行のつもりで 
間違って対抗車線に飛び込んでしまった私の正面に 
彼の自転車が飛び込んできて....ボンネットの上に 
はねとばされた彼の顔を見たとき、
私は息が止まるかと思った。
まさか.....! そんな.....!
毎日眺め続けていた あの愛しい顔が 私のすぐ目の前にあった。

病院で目を醒ましたとき、まだもうろうとした状態の中で 
私の顔を眺めた彼は 布団のはじから ゆっくりと右手をさし出した。
どうしていいかわからなくて、 私は その手を握り返した。
彼は安心したように うっすらと 微笑んで また眠りにおちた。
悪魔が、私の心の中に忍び込んだ瞬間だった。

彼はIDカードも、パスポートも そして自分が誰であるかの
記憶も持っていなかった。
カリフォルニアとはいえ、韓国系住人の少ないこの田舎町では 
誰も 彼の顔を知る人はいないだろう。
彼が韓国人であることすら アメリカ人達にはわかっていなかった。
彼等には 韓国語も日本語も おなじように聞こえるのだろう。

私は 少し韓国語がわかる。彼のドラマを見て覚えたからだ。
そして彼は ここ2ケ月の猛特訓のおかげで 日本語が大分わかるようになっていた。
名前を思い出せないという彼を、私は あえて森さんと呼ぶことに決め、
彼から聞いた名前を書き取るようなふりをして 入院の申請書に森勇俊と書き込んだ。
国籍は Japanese....
これでしばらくは 彼を捜す人々の目から、彼を隠すことができるだろう。

家に帰ると私は 壁一面に貼られていた 愛する人のポスターや写真をすべて剥がし、
雑誌も DVDも コンピューターの壁紙からも、すべて、彼の顔がわかるものを
撤去した。少しだけ、ほんの少しだけ、私だけの彼でいて欲しいのだ。

数日後、退院した彼を自宅にひきとった。
日本に一時帰国している夫が帰ってくるまでの 10日間.....
いや、彼の記憶がそれまでに戻ってしまったら、もっと短く終わってしまうのかも
しれない....。でも、私は この10日間を 彼のためだけに生きることに決めた。

                            ......つづく 

さて、あなたなら この10日間を どうすごしますか? 
みなさんのレスによって、10日間の物語りを作っていきたいと思います。
みなさんに おもいきりロマンチックな展開や 劇的な展開を考えていただいて
Satovicはそれをまとめていくという手抜きをしようと考えているのでございます。

まず最初の1日目....あなたなら どうなさいますか?
あまり面白くなければ、すぐに勇俊さんに記憶をとりもどして差し上げて
必死に捜すマネージャーさんやトレーナーさんの元へお返ししたいと思います(笑)が、
これは物語りですから....ヨンジュンさんのいるLAに思いをはせながら
どうぞ 御自由に空想の翼をひろげてみてください!

え?結末?「マジソン郡の橋」的結末でもいいし、「逆ローマの休日」的な結末でもいいし
みなさまのリクエストに応じて決めていきたいと思います。ただし!禁じ手はあります。
いきなり「円谷プロ的結末」だけは禁じ手です(笑)
.それから「お手紙指導...オデイポジャ...」も8日目までは禁じ手とします!

ではでは....

--------↑このスレッドにたくさんの方がレスの中で 素敵な物語りを作ってくださいましたので公式のモトスレで御覧下さい。こんなにもたくさんの発想の仕方があったのか....と、思えます。その中のひとつ Ottokkeさんのレスの物語りです↓--------



テラスで 海を見つめる彼の髪の毛が やさしく風になびいている・・・・・
退院して来てまだ体力も回復していないのです。
身の置き所のなさそうな彼に私はとにかく落ち着いた環境を作ってやろうと決め
たのです。
どこにも出かけないで一緒にテラスで海を眺めています。会話もほとんどありま
せん。時々かわすにこっりフェイスのキャッチボールの他は・・・
途中、椅子をとりに部屋に入ります。
彼の座るのは、体が楽になるように藤で出来た、背もたれのあるくつろげそうな
形の椅子です。
そして自分の為にもう一つ、キッチンの脇に立てかけてあった折りたたみの
スチールパイプ椅子。お互いの視点の位置関係が逆転しました。
そんなわずかな変化だけを楽しんで一秒、一分、一時間を大事に静かに過ごしま
す。

夕方になり体に当たる風が少し冷え始めたので部屋に入ります。
暖かいコーヒーを入れるためポットを火にかけます。
豆をゆ~~っくりごりごりごりごりごりごり・・・
音と香りで一杯目をまず堪能するのです。
聞こえてくるのは金属の歯が乾いた豆をひく単調な音と、かすかな波の音だけで
す。
ぼってりとしたマグカップと赤いホーローのカップを用意し
安ペーパーフィルターをセットし、ポットからゆっくりと湯を注ぎます。(あえ
て椅子もカップも同じにしない事で同居人の気配を消してます。)

本当は遠い所のヒトだけど今は隣にいる・・・・
「今」という限られた時間、少しだけ、ほんの少しだけ、私だけの彼でいて欲し
い・・・



 二日目は入院中にたまった洗濯物をごっそりあらって屋上に二人で干しにいき
ます。
カリフォルニアの抜けるような青空にはためく、気持ち良さそうな
ずらっと並んだTシャツ&パンツ!
 私は主婦ですゆえ、男性の下着を干すのに抵抗がなかったのですが、
彼はあわてて自分で干そうとします。
 
洗濯物を干し終え、近所のスタンドコーヒー屋でサンドウィッチとアイスカフェ
オレを買い、河原に散歩に出かけます。
川の流れをぼんやりとみながらサンドウィッチにかぶりつきます。
川面を渡ってくる風は少々生暖かいのですが、
アイスカフェオレの冷たさがかえって心地よく感じられます。

彼は川の流れから視線をはずし、ふと足下をみると陶器のかけらが目にとまりま
した。
拾ってひっくり返してみると文字があるのがわかります。
日本のお寿司屋さんにある「魚ヘンの漢字が並ぶ湯のみ」のかけらでした。
彼はそれをみせてにっこり笑います。
見ると「鮪」「鰯」「鮹」の文字。一つずつ指差して「まぐろ・・・いわし・・
たこ」などとゆっくり教えてみせると、彼は「?まぐろ??」と反応を見せま
した。
「マグロ知ってるの?」と聞くと、暫く考えて曖昧な笑い顔にもどってしまいま
した。(思い出してほしい・・・でも思い出して欲しくない・・・二つの思い
が私の中で交差する)

散歩の帰りにマーケットにより[MAGURO]のサクをひとパック買って帰り、
ご飯を炊き、酢メシをつくり、鮪の握りをつくってみました。

彼は作っているすぐそばから手をヒョイッとのばし、
慣れた手つきで醤油をつけてぱくっとつまみ食い。
親指をたててふか~く頷いて見せたのです。
そのしぐさに笑うでもなく咎めるでもなく複雑な表情になってしまった私。
(舌の記憶は残っているんだ・・・)     


「彼」はここでの生活に少しづつなじんできたようで、
リラックスした時間を過ごすようになってきました。
大リーグやNBAの中継を好んで見るようになり、一番くつろげる場所を発見し
(ソファーの左側に斜めに座って足を投げ出します。不思議なことに、
私の夫と反対の方向が気に入っているようです、後ろから見ると新鮮です)
そしていつのまにかその姿勢で居眠りしてしまうのです。
大スターであろうが遠い国の人であろうがよろず、男の人というものは
やることが共通しているのだな、としみじみと見てしまいます。
見慣れている光景のような、新鮮なような、
そして、私にとってはくつろいでくれていることに喜びを感じてしまう
どきどきする時間でもありました。

棚の一番上においてあるキッチンペーパーに手を思い切り伸ばしてとろうとする

後ろからヒョイッと手が伸びてきてとってくれたり、
食器を棚にしまうのに手が塞がっていると(要領悪いのでこんなことをドタドタ
としょっちゅうやっている私です)ほいよっ!って感じで開けてくれたり、
普段経験したことのないさりげない優しさが感動的であり
また心拍数をあげてくれちゃったりします。
つねにBGMは例の「ははははっ!」という低ーい笑い声だったりします。    
                                 
   
あるとき、キッチンの引き出しの中をごそごそと覗いている彼。
大きな体を二つに折り曲げ熱心に何か探している後ろ姿を私は興味津々で
見ております。
すると振り向きざまに手にしたものを見せて「これイイデスカ?」と聞きます。
???お好み焼き用の金属のへら(専門用語あるのでしょうか?これ)と金串一
本。????何に使う???
とりあえず『ぷり~~ず!』と笑いながら手のひらを上に向け、
彼の方に少し動かしてみました。
彼はカンカンカンッカカンカンカッカッ・・カッカッカンカン・・となんだかリ
ズムを取りながらベランダに出るとこちらに背を向けて座り込み、何か始めた
ようです。
 ごりごりごりごり、
   かりかりかりかり、
     しゅっっしゅっしゅっ、ふー!!
覗いてみたい!何始めてるのか!しかし「鶴の恩返し」が頭をよぎり、
のぞいた瞬間に魔法がとけてお空に飛んでいってしまってはあまりにも悲しい結
末なので、『がまんしよう』と決心し、買い物に一人で出掛けることにしまし
た。      



味覚の記憶があるかもしれない。
これをきっかけにしたら全ての記憶がもとにもどるかしら???と、
ふと思ったのでした。
ふるさとのオモニの味をなんとか再現できないものか?
本屋に飛び込み韓国家庭料理の本を探し出した。
ぱらぱらとめくり私にできそうな無理のないレベルのレシピ、レシピ、レシピ・
・・・
『チヂミ』・・・・・・これだ・・・・
材料調達のためにマーケットへ向かいます。
あれやこれやと買い物の袋を両手にぶら下げ家に戻ると早速
キッチンにてとりかかりました「おもいでの味療法作戦」!!!    
部屋中に立ちこめる野菜の放つ強い香り。
この香りに既に治癒のエネルギーがこもっているかのようです。

彼はガラス越しのベランダですからこちらの作業には全く気づいてません。
レシピ通りに作業を終え、味を見てみるに、なんかひと味足りないのが作るのが
初めての自分でもわかります。
やっぱりあれを使うか・・それは「万が一の為」「納得いかなかったときのため
」「どうにもならなかった時のため」とあれこれ理由をつけてついつい手に
取ってしまった「オモニの味/KOREAN COOKINGの友」といういわば化学調味料
・・・これを一振り「えいっ!ままよ!」と投入し再び味見をして驚きました。
すばらしい!これに間違いない!これならきっといけるはず!         
             

しばらくするとベランダから部屋に入ってきた彼。
出来上がったものを母親に見せるような顔して持ってきたのは、
漢字の「鮪」と「鮹」をヘッドにし革ひもをつけたブレスレットとチョーカーで
した。
自分は「鮹」を首にかけ、
私の左の手を取り、手首に「鮪」ブレスレットをつけてくれたのでした
(ホテリアのジニョンが頭をよぎり卒倒しそうでしたが、気絶している場合では
ありません)「あなたのつけている方を私にくれませんか?」と指差しながら
言ってみました。
世界の大スターに君臨する人が首から「鮹」を下げるのはいかがなものかととっ
さに思ってしまった私。
わがままを言っているように聞こえたのか、笑いながら取り替えてくれました。
      
彼はふと部屋中に立ちこめる懐かしいにおいに反応しました。
「いいにおいがするけど何?」 今度はこちらが秘密のプレゼントを公開する番
です。
おそるおそる先ほど苦戦した末の作品、「チヂミ」の皿を彼の前に出してみまし
た。「作ってみたんだけどどう?」彼は箸をとり一口ぱくっと口に入れました。


・・・・・彼の動きが止まりました。
・・・・・・・やはり・・・
頭の中を過去の時間が一気に津波のようにぐるぐると押し寄せてきているのが
見ているだけでわかります。
・・・どくっどくっどくっ
私の速さを増している脈が指先の感覚でわかります。
・・・・・・・・ついに彼の口から出てきてしまった言葉

『今日は何日ですか?』

・・・私はカレンダーを黙って持ってくると今日の日付に線をひきました。
・・・絶句した数分の後、

『電話をお借りしたいのですが』

・・・電話を彼に差し出すと私は沈黙のまま部屋からでました。

もうさっきまでの彼ではなくなっていました。私が見慣れている、画面の向こう
の男の顔になっていました。


それからの三時間はあっという間に過ぎていきました。
電話のやり取りを数件行い、すぐに駆けつけたスタッフ数人と部屋の中で話し合
い、
それぞれがもってきたケータイ電話で飛び交う韓国語、英語。
あちこちと連絡をとりあい、パソコンが数台持ち込まれ、
さながら仮説オフィスと化してしまった我が家。
その喧噪の中にはお茶を出す間もなくただおろおろしている私。
それに気づいた彼が手招きして隣の部屋に呼びます。

事故に遭わせてしまったこと、
記憶がなかったから無断でひきとってしまったことなど
ひたすら私は彼になんとか伝えようと日本語で言ってみたり、
知っている韓国語をまぜてみたり、英語で言い直してみたり汗びっしょりになり
ながら
必死で謝りました。
私の言葉の勢いを彼は手でストップストップと笑いながらさえぎり、
ぎゅっと抱きしめて背中を何度もとんとんとんとんとたたいて
「わかったからもういいよ」を表現してくれたのでした。
そして一言ささやくように言ったのでした『だいじょうぶだよ』(これ、ホテリ
アのだーいすきなシーンです、パクらせてください) 

-----------------------この文章を受けてsatovicがつけた完結編です↓--------


彼は私の背中をトントンとタタいて 大丈夫、大丈夫と繰り返した。そして.....

ヨ:「....きて...くれませんか?」と、彼は言った。
私:「え?」
  ハグされてボーッとしていた私は 最初の一言を聞き逃してしまった。
私:[タシ ハンブン....マレバ...ヨンジュンシ....」
  ドラマで覚えた言葉をつなぎあわせて もういちど言ってくれませんか?と
頼んでみた。
ヨ:「ソウルへ 僕と一緒に きてくれませんか?」
私:「ウェ?」(どうして?)
ヨ:「本物のチジミを食べさせてあげたいんです。
 あのタレ..オモニの味/.Korean cookingのモトを使ったでしょう?(笑)おい
しいけれど、
 コチュジャンの味がちょっと.....辛いんです。本当のオモニの味はね、もっと
甘くて
 複雑なんです。僕の母のジョンは最高ですよ! だから本物の味を教えてあげ
ます!」と
 お茶目に笑ったヨンジュンさんは 少し真顔になってこう言った。

ヨ:「ソウルへ来て、僕の両親に、会ってください」
私:「?へ? な、何を...言っているの?」
ヨ:「あなたと一緒にいた10日間、僕はとてもくつろげました。
 あなたは いつも僕を楽しませようとしてくれて....、でも、それが
 負担になっているようではなくて、あなた自身が楽しんでいましたよね。
 僕がお皿を割った時にも すぐに冗談にしてくれたでしょう? 
 僕が何も思い出せなくて落ち込んでいた時にも 大リーグで大きな声を出させ
てくれて....
 あなたはまるで、僕に必要なもののリストを持っているかのようでした。
 今まで、こんな愛情で 僕のことを思ってくれた人は オンマしかいませんで
した。
 こんな人と一生を暮らせたら、きっと僕は幸せになれる、って そう思ったん
です。」

.......絶句した。....か、彼は今、何を言っているのだろう?こ、これは もし
かして...?
 あわてて私は身をはなした。

私:「ダ、だ、だめよ、ヨンジュンさん!何を考えているの?
  私はあなたより10才も年上だし.....事故の加害者だし.....それに....日
本人なのよ。
  あなたのファン達をガッカリさせたくないわ。それに...」

ヨ;「それが何です?」
             いともアッサリ、涼しい顔でヨンジュンさんがさえ
ぎった。
  「国際結婚なんてよくあることです。年齢なんて...僕には感じられません。
 
   多少歳が離れていたって 一緒にいて楽しければ それが一番じゃないで
すか?」

......たった一歳でも年が違えば 大きな壁ができる韓国社会の中で、10才の
 姉さん女房なんて、彼が笑われてしまうことは確実だった。
 しかし、抗いがたい強い力で、ヨンジュンさんの手が 私の体をグイッと引き
寄せて
 抱き締めた私の耳もとに たどたどしい日本語で囁いた。.......

ヨ:「お願い.......僕と....一緒に......来て!...来て...欲しいんです!
   やっと見つけた 僕のしあわせ..........あなたと...一生おしあわせに...
できます
   ね? お願い、いいでしょう?」

.....体を放すと、背中にまわしていた両手で私の頬をはさみ、彼はゆっくり目を
閉じて....
   首をすこーし傾けながら あつい唇が私のほおに.近付いてきた......
  ..........私も目を閉じ.......息を止めたその瞬間!   部屋のドアがバ
タンと開いた。

   ヤン室長が手許のメモに目を落としながら叫んでいる
ヤ:「ボスー!夕方の便なら 成田経由のソウル便がとれそうです。ブッキング
するのに
   至急、彼女のパスポートナンバーが必要なんです.....が......。
   (メモから目をあげた彼は あわてて体を放した私たちの状況に気がつい
た)
   ....あ、すいません....ハハハ.....お取り込み中でしたね.....」

ヨ:「うん、ちょっと待ってて。今プロポーズしてたんだ(笑)終わったらすぐ
いくよ」
ヤ:「はいはい、これから記者会見も 式場もセッテイングしなくちゃいけない
んですから、 
   しっかり決めてくださいよー!」

照れ隠しに わざと大きな声で言ったヨンジュンさんに 勢いのよい笑い声で返
すヤン室長。
ああ...この人たちがさっきから忙しくしていたのは、そんな準備をしていたから
なのね...
 
ヨ:「気が早いだろう?(笑)でも、スタッフ達もみんな とても喜んでいるん
だ。
  行方不明だった僕が見つかったこと、そして僕が運命の人を見つけたことを
!」

そう言うなり、彼は 私の前にひざまづこうとして大きな体を折り曲げた。

私:「No ! No ! No! No!」

 そ、そんなことをされては困る!そんなロマンチックなプロポーズなんてされ
たら...
 私は断れなくなってしまう....
 私は あわてて彼を立たせると、全身の力がぬけて天を仰いで暖炉のわきの壁
に背をもたれた
 彼はその壁に手をついて 大きな背中をかがめて 私の顔におおいかぶさるよ
うに 私を見つめていた。

 温かいけれど、涼し気な瞳....高い鼻筋...輝く白い歯....美しいアゴのライン...
 毎日 毎日、ポスターで眺めつづけた あの完璧な顔がすぐ目の前にあった
 誰よりも...!.誰よりも.......!愛している人だけれども.....
 彼の将来のことを思ったら、やはり隣にいるべき人は 私ではなない.......
 もっと、彼に相応しい.....独身の 若い女性がいるはずだ......
 深く深呼吸をすると、こんな風に私は話しを切り出した。

私:「ねえ、ヨンジュンさん.....こんな話しを知ってる? 
   本当の愛は.... その中にひとつの星(ビョル)を秘めているからこそ、
   美しいんですって....」

ヨ:「うーん、知りません。星って...どんな星?」
  と ニッコリ笑って聞く彼に オチを言うのは辛かった....

私:「その星(ビョル)の名はね、離別(イビョル).....」

 そう言いながら 私は 暖炉の上のソープストーンの小箱に手をのばし
 中にしまっておいたマリッジリングをとり出して左手の薬指にはめた。
 事態がのみこめず、愕然としているヨンジュンさんに ダメを押すように私は
言った。

私:「ごめんなさい。私....結婚しているの.....」

 重い 沈黙が流れたあと....ギュッと目をつぶり、天を見上げてから、彼が聞
いた。
 ドラマでよく見る、ジェホの表情だった。

ヨ:「愛して....いるの?」

 私は答えなかった。ウソは言いたく無かったし、本当のことを言ったところで

 彼によけいな期待を持たせるようなことはしたくなかった。
 ジッと彼を見つめていたら......、涙がひとすじ、流れておちた。
 彼はすべてわかった、というように うなづくと 微笑みながら 
 大きな指で私の涙をぬぐってくれた。

私:「大事に...するわ。」

 私は無理に笑って 首につけた「鮹」のチョーカーに手をやった
 彼も手首にまいた「鮪」のブレスレットをかざして笑うと クルリと背を向け
て 
 ドアをあけ スタッフ達の中へ飛び込んでいった。
 
 それから1年後、新しい映画の記者会見をテレビで見ていた私は 小さくアッ
!と声をあげた。
 彼の手首には 「鮪」のブレスレッドが.....
 ああ、やっぱり「鮹」でなくてヨカッタ(^^;)
 彼がはじめて監督したその映画のタイトルは「星(ビョル)」だった。

----------------ここから再びottokkeさんのレス↓に戻ります-------------

 私はいつものように夫を送り出し、家事をひととおり終え、
ゆっくりとお茶を飲みながらひとりでテレビを見ています。

夢のような時間はあっというまに、
本当にあったことなのか自分でも自信がないくらい、
遠くの記憶になって過ぎていってしまいました。
そしていつものように今日もテレビで「彼」の出そうな番組をさがしています。
いつものように。

彼が失踪した期間のことでインタビューをうけています。
「アメリカでトレーナーとダイエットをかねて体型作りにこもっていました」(
ぜんぜん動かない生活をしていたのでかなり無理のある答えになっています/
汗)
ぼんやり見ていて目が一点に釘付けになりました。
彼の袖口から「鮪」の文字が・・・!!!!!

・・・・・・それから巷ではやってしまった「鮪」ブレスレット・・・・
通販で飛ぶように売れ、私の住んでいるカリフォルニアでも愛用者を時々見かけ
るようになってしまったのです。
遊びにきた友達もゲットしたといって見せにきました。
ふと、私の胸元を指差しぷっ!っと吹き出した友達。
「あなた、それ偽物よ!ほら本物は裏にロゴが(!)入ってるでしょ?
それにそもそも、あ~たっ!ふっふっ、それ「タコ」じゃないの!
文句言って取り替えてもらってきなさいよ~!」
です。私は「いーの、これが気に入ってるんだから!」とにんまりと一言いった
のでした。
手元にある「鮹」チョーカーと体の感覚で覚えている背中とんとん付きハグ。
そして耳に残っている「ははははっ」の笑い声。
これを一生の宝物にして私はいつものように
友達にコーヒーのお代わりを入れるのでした。

エンドロールにおまけつけときます。アップになった「鰯」ペンダント。ひもの
ところに紙が結びつけてあり、「ご主人にどうぞ」とサイン入りで書かれてあ
りました。



 
baecさん
本当に静かに感動と幸せな気持ちが湧いてきました。。Ottokkeさんのいつもと一味違う真面目な文章も素敵ですね^^ 2004/10/24 21:36
baecさん
satovicさんとOttokkeさんの合作 とても素敵な物語です。現実に起こっても可笑しくないような。。 2004/10/24 21:35
norita
初めて読んだ時も涙が出たけど、また涙してしまいました。悲しい涙ではなく…気分はさわやかです。 2004/10/06 00:34
norita
ちょっと見ないうちにBSJは色んなお部屋が…このスレとレス感動した一人です。 2004/10/06 00:32
byjforever
懐かしいです!私が初めて日本公式を開けた日に、このスレと出会い、satovicさんの過去スレの旅に。 2004/10/05 05:00
 
 

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