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No |
71 |
HIT数 |
3214 |
日付 |
2005/04/30 |
ハンドルネーム |
minin |
タイトル |
インスの愛 |
本文 |
コンサート会場は熱い熱気に包まれていた。
舞台で熱唱する歌手の心のままに 時に激しく時に優しく聴衆の心は動いていた。
インスは激しい愛の歌には燃える様な赤を 切ない愛の終わりの歌にはトーンを落としたブルーを 指先で器械をコントロールする表情を押し殺したインスはいつもと変わらない照明監督であった。
しかし インスの心は乱れていた。
激しい愛の詩にソヨンへの想いが心をおおっていた。
悲しい別れの愛の詩にソヨンへの慕情がふきだしていた。
そっと触れたソヨンのやわらかい唇
じっと見つめる憂いを含んだ黒いつぶらな瞳
うなじから肩にかかるなだらかなやわらかい線の透き通る白い肌
どれも目を閉じれば鮮明に甦ってきた。
別れの言葉は少なかった。何を言えばいいのだろうか!
こんなに愛しあってしまった二人の心を閉じてしまわなければならない言葉はみつからなかった。
しっかりと抱き合った二人が流す涙はお互いに見ることは出来なかった。
ただ お互いの心臓の響きだけが悲しみとなって二人の体と心を包んでいた。
インスは裏切った妻を憎んでいた。 許せなかった。
そして 自分の忘れられないソヨンへの愛の罪も許されないものだと知っていた。
舞台と聴衆の心が一体となりコンサートは終わりに近づいていた。
インスは徐々に照明をしぼりスイッチを切った。
白いものが空からヒラヒラと落ちてきた。 インスの頬をなでるように滑り落ちた。
「雪だ」「四月の雪」 会場がザワザワとゆれていた。
やがてそれが歓喜にかわった。
インスは車に走った。
「行かなければ・・・・」「あの島に行かなければ・・・・」
フロントガラスに当たり砕ける雪をワイパーで払いながらインスは船着場に車を飛ばしていた。
「ソヨン!」「ソヨン!!」
インスの心の叫びは徐々に激しくなりスピードは増していった。
一瞬ピカッと光る激しい電光の中にインスは包み込まれた。
その時 インスは妻を許した。
そしてインスも又自分が神に許されたのだとわかった。
インスの車に音もなく雪は降り続けすぐに水滴となって流れ落ちていった。
それは ソヨンの涙だったかもしれない。
完
追記 私は「インスお願い生きて~~」と叫んでいます。
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mikechan
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え~、インスが死んじゃうの?・・・でも、あり得る・・・。 |
2005/05/01 13:37 |
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junpei58
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わたしも、生きて~!!と、叫びたいこの頃です。決して命を粗末にしないで~~って、誰か伝えていただけません? |
2005/05/01 00:36 |
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