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*JOONといっしょ*
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図書室
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No 12 HIT数 207
日付 2005/08/17 ハンドルネーム Marinche
タイトル エルマ 第一章 ~ 再会 Ⅴ
本文




      ( Ⅴ )
 



勇俊の最後の言葉はエルマを困惑させた。
ごめん…って、どういうこと?

髪を解きながらも膨らむ不安…。
私が示した選択肢以外に何があるの…?

エルマは、居ても立ってもいられず勇俊に電話をした。

「勇俊、どうして私に謝ったりしたの?
 ねえ、明日本当に話してくれるのよね?
 いえ、それより、もうどこにも行かないわよね?
 …勇俊、聞いている?」

「…ああ、聞いているよ。安心してもうお休み。寝不足は肌に悪いだろ?」

「私たち、話し合いが足りなかった?
 私は自分の考えだけで満足してしまったけれど、
 他にも選択肢があったのじゃないかと、不安なの…。」

「……」

「勇俊…、お願い、戻ってきて…。」

「…エルマ…、今日はもう帰るよ。君のところへ戻ったら、お互い眠れなくなってしまうからね。」

「どこにも行かないわよね?」

「…エルマ…、愛しているよ…。お休み…」




ホテルに着きタクシーを降りると、
まるでまわりは何も目に入らないかのように勇俊は立ち尽くした…。

重い足取りで部屋に戻りソファーに深く腰掛ける…。
交錯するエルマへの想いと、この仕事を手配してくれたアランの声…。
「やっとエルマを紹介してもらえるな!」と、楽しみにしていた彼の顔を振り払い、
覚悟を決めてフロントへの内線を押した。

「遅い時間で申し訳ないが、チェックアウトしたい。
 準備をしておいてくれないか?」

「少々お待ちください。」

勇俊はタバコに火を点け、ベッドに腰掛けた。

「もしもし、斐勇俊様、何かお気に召さない点がございましたか?
 不手際があったのでしたら…」

勇俊は支配人の言葉を遮って、急用が出来たからと丁寧に言った。

「かしこまりました。ただいま機械の調整中ですので、少々お待ちください。
 清算が済み次第、ご連絡申し上げます。」

受話器を置くと、大きく溜め息をついてベッドに身体を預けた。

エルマ、ごめん…。
僕自身どれくらいの危険があるか、まだ把握していないんだ。
それなのに、君を巻き込むわけには行かないよ…。
君が一番大切だから…、許してほしい…。

勇俊は電話が来るまでの時間だけでも、と、エルマの影を探した。

カウンターに残るラムのグラス…。氷は殆ど解けてしまった。
指先に水をつけてふちを滑らせると、キーンという音がする。

もう少し高い…。
勇俊は水割りになったラムを少しだけ飲み、もう一度指を滑らせた。

そうそう…、こんな感じ。
エルマの美しい声は、ヴァイオリンの調べを聴くように心地よい…。

グラスを持って窓辺に寄ると、グラスを受け取るエルマが居る…。
…いったい僕は何のためにこの仕事をしているのだろう…。
愛する人を守れないような仕事に、意味があるのだろうか…。



ラムの甘い香りは、思考すら軟弱にするらしい。
グラスを一気に空けると、アランに貰ったジタンに火を点けた。
独特のきつい香りと強いニコチンが勇俊を覚醒させる。

王子には違うアプローチの方法を考えよう、今すぐである必要はないのだ。

この先の行動のシミュレーションをしながら、
あまりおいしいとは思えないタバコを吸い顔をゆがめると、
自虐的な自分に冷笑した。

電話の代わりに鳴ったドアベルの音に一瞬驚いたが、
タバコをもみ消しドアに向かった。

これで終わる…。
勇俊は深く息を吐いてから、ドアを開けた。





                   つづく





 
Marinche
手に汗握るサスペンス…、なかなかそうは出来そうにありません(^^;)でも、期待には応えられるかも~ 2005/08/22 00:32
Marinche
勇俊をステキに書くのは、基がいいので案外楽です。だって皆さんJoonを想像してくださるから…(*^_^*) 2005/08/22 00:29
Marinche
楓花ちゃん、ツルンペタンの私も到底ナイスボディーにはなりきれませんが、そこは気合でなっています(^^;) 2005/08/22 00:22
楓花
これから、手に汗握る、サスペンスになるでしょうか?ドアをノックしたのが、誰か・・もしかして殺し屋なんてないよね。。 2005/08/21 18:28
楓花
やっぱり、Marincheさんの書く、勇俊もラブストーリーも素敵です。今回は、勇俊の心の動きがとても丁寧に書かれていますね。 2005/08/21 18:25
楓花
ぴかちゃんも、nonakoさんもエルマになりきっちゃっているのね♪私にはどうしても、ボンキュボン!のナイスボディになりきれない~。 2005/08/21 18:18
楓花
あ~ん、ちょっと留守にしたらMarincheさん、2つもUPしてた!暑いから頑張りすぎて体調こわさないで下さいね♪ 2005/08/21 18:14
Marinche
ぴかちゅちゃんに語り部をしていただきたいわ(*^_^*) 2005/08/19 23:36
ぴかちゅ
そしてそれこそが、二人の愛を永遠にしてくれる。あ~、勇俊早く来て~!(なりきり) 2005/08/19 21:27
ぴかちゅ
nonakoちゃん方式でいきますゥ!ワタシが勇俊と結ばれるまでにはまだまだ幾多の艱難辛苦が... 2005/08/19 21:26
Marinche
次回、皆さんの期待を裏切らないよう、頑張ります(^^;) 2005/08/18 18:48
feeling
誰が、来たのかなぁ~気になる・・・つづき楽しみに待ってます(*^_^*) 2005/08/18 09:14
yumomo
ん~~。。。一波乱も、二波乱も・・・うー、ほんと・・・玄人。。。つづきが楽しみです。。。 2005/08/18 00:25
Marinche
オモ!サスペンスチックとな!? 第二章ではそうなるかも~(*^_^*) 2005/08/17 22:15
Marinche
でも、見える風景はとても美しくて…。色々な感情で苦しい今日この頃の、私の逃げ場になっています。 2005/08/17 22:11
Marinche
みなさん、色々想像してくださって嬉しいわ(*^_^*) 私もかなり感情移入して書いています。とっても切なくて、 2005/08/17 22:08
はなび
ほーっ ハラハラドキドキこんなサスペンスチックになるとは・・・この展開にはプロですね! 2005/08/17 22:08
keith
ドアベルを鳴らしたのは、エルマ?ホテルのボーイ?それとも危険の影?あ~どうなんだろう? 2005/08/17 22:02
akatuki58
「…○○○…、愛しているよ…。お休み…」くぅ~っ、言って貰いたい。。。@@勇俊の所に誰がきたの? 2005/08/17 21:40
cat402
想像が、膨らんでいくヨ~ン、エルマ~、勇俊を追いかけて~捕まえて~(希望で~す。) 2005/08/17 21:34
cat402
勇俊は、これから、どうするの?エルマは・・・?ドアの向こうには・・・アァ~気になる~ 2005/08/17 21:33
nonako
勇俊置いて行かないで~!(エルマになりきる事にしました)^^ 2005/08/17 16:52
ぷうすけ
勇俊、チェックアウトしちゃうの~。だ・だ・だれが来たのかなぁ。もしかして、エルマかしら・・・。 2005/08/17 16:41
 
 

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