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*JOONといっしょ*
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図書室
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No 73 HIT数 81
日付 2006/07/01 ハンドルネーム ぷうすけ
タイトル 【創作】「もう一つの四月の雪」 その10
本文 病院の廊下のベンチで、ソヨンと保険会社の男性社員は、

インスが来るのを、待っていた。

インスが少し遅れて、二人のところにやって来た。

保険会社の男性社員は、インスにベンチに座るように言うと、

今回の事故の説明をした。

被害者の男性が、まだ若く示談にするのが難しいので、

インスとソヨンが二人で、弔問に行った方がいいと言われた。


インスの車で、二人は被害者の男性のお葬式に出かけた。

草木が枯れた田舎の町の中を、インスの車が走り抜けていく。

田畑が枯れ、道路に沿って立っている木々も、

葉を落とし、枯れた枝をつけていた。

そんな殺風景な冬の田舎の景色は、物悲しく、

インスとソヨンの心を表しているように思えた。

本通りから、細い道へ入っていくと、

被害者の男性の家が、あった。

インスは、路肩に車を止めた。

インスとソヨンは、車を降りた。

インスは、ソヨンに、「ここで、待っていますか?」と聞いた。

ソヨンは、だまったまま、そこにたたずんでいた。

インスは、ソヨンを残して、歩き始めた。

しばらくして、ソヨンがインスの後を追って、歩き始めた。

庭先にテントが張られ、弔問客が、そこで酒を飲んでいた。

さらに、奥へ歩いていくと、母屋があった。

香典を箱に入れると、近くに座っていた老女が話しかけてきた。

「ヨンギの友達かい?」

「本当に、申し訳ございません。事故を起こした者の夫です。」

と言うと、インスは、深々と頭を下げた。

それを聞いた老女は、顔色を変えて、

へなへなと座り込み、泣き崩れた。

部屋の中から、喪服を着た女が出てきた。

老女のそばに行くと「お母さん。」と叫んだ。

もう一人喪服を着た女が、インスとソヨンの前に出てきた。

「どなたですか?」と、聞いてきた。

ソヨンが「申し訳ございません。事故を起こした者の妻です。」と言った。

すると、血相を変えて、ソヨンにつかみかかってきた。

「弟を返して。」と、その女は叫んだ。

ソヨンは、抵抗せずに、されるがままにしていた。

インスが間に入って止めようとした。

すると、横から男が出てきて、インスに殴りかかってきた。

別の男が駆けつけて、二人を引き離そうとした。

インスとソヨンは、その場にに立ち尽くした。

すると、老女が、「早く帰っておくれ。」と、

何回も言いながら、手で追い払うしぐさをした。

しかたなく、インスとソヨンは、だまってお辞儀をすると、

向きを変えて、インスの車のところまで歩いた。


その帰り道、ソヨンは、ずっと窓の外の景色を眺めていた。

ソヨンは、とても辛かった。

世界中の人々から、見放されたように感じていた。

誰も、自分のことを気に掛けてくれず、

理解してもらえないような気がして、

とても、孤独で寂しかった。

世界の果てに、置き去りにされたような、

孤独感に襲われた。

「ちょっと、車を止めてください。」と、ソヨンはインスに言った。

インスは、路肩に車を止めた。

ソヨンは、インスの車を降りると、道路を横切り、

道端にしゃがみこむと、声をあげて泣いた。

辛くて、涙が次から次へと溢れて、こぼれ落ちた。

車の中から、ソヨンを見ていたインスは、

運転席のドアを開けて、外に出た。

道路を横ぎり、ソヨンから少し離れた場所に立ち止まり、

遠くを見つめた。

インスもソヨンと同じように、辛かった。

インスは、枯れた野原を見つめて、心の中で泣いていた。

枯れた野原の上に、青白い三日月が浮かんでいた。

ソヨンの涙が枯れ果てると、二人はインスの車に乗り、

サムチョクに、向かった。

泣き疲れたソヨンは、助手席で眠ってしまった。

インスは、国道の途中の路肩に車を止めた。

ソヨンを起こさないように、そっと車から降りて、ドアを閉めた。

インスは、ジャケットのポケットからタバコを取り出すと、

ライターで火をつけた。

タバコの煙を、深く吸い込み、ゆっくりと吐き出しながら、

国道を走り抜ける車の流れを、眺めた。

二本目のタバコを吸っている時に、ソヨンが目を覚ました。

ソヨンは、車にもたれかかり、タバコを吸っているインスを見つめた。

夜空を見上げる横顔が、寂しそうだった。

インスが、車に戻り、車を再び走らせた。

高速道路を走り、夜遅く、サムチョクのモーテルに着いた。


インスとソヨンは、モーテルの廊下を歩いていた。

ソヨンが自分の部屋のドアの鍵を開けようとした時に、

インスが、ソヨンに声をかけた。

「元気を出して・・・。」

インスは、そう言うと、自分の部屋の鍵を開けて、

部屋の中に、入っていった。

ソヨンは、インスの言葉が、うれしかった。

インスのさりげない一言が、ソヨンの心を温めてくれた。


                      ~つづく~
 
ぷうすけ
辛い現実が重くのしかかる・・・。孤独感と戦う二人。別れ際のインスの言葉がソヨンの心にしみた。。。 2006/07/07 09:14
ぷうすけ
michng31ちゃん、弔問した時のシーン、韓国ドラマ独特の雰囲気でしたね。特に老女が「アイゴー、アイゴー。」と叫んでいるところ。。。 2006/07/07 09:03
michng31
弔問先でのシーンが唯一、この映画のなかで俗っぽく感じました。と同時に厳しい現実を思い知らされた二人、どうなるのかしら? 2006/07/06 22:17
ぷうすけ
うん、うん。インスの一言が、ソヨンの心にしみて、ソヨンの心を溶かし始めたね^^。 2006/07/04 13:57
ぷうすけ
車の中で眠ってしまったソヨン。そんなソヨンを気遣い見守るインス。心の距離が少し縮まったかな。 2006/07/04 13:55
ぷうすけ
バックに流れていた曲と、マッチしていて、物悲しさが倍増していた気がしたの。さすが、ホ・ジノ監督だわ。 2006/07/04 13:52
ぷうすけ
初めて映画を見たときに(初日の初回)に、殺伐とした田舎道を走るインスの車を見て、涙がこぼれちゃったの。 2006/07/04 13:50
ぷうすけ
映画館ではじめて見た時に、ソヨンの気持ちが少しわかった気がしました。 2006/07/04 13:48
ぷうすけ
話の流れがわからないから、ソヨンの気持ちがつかめなかったの。 2006/07/04 13:47
ぷうすけ
catちゃん、ソヨンが道端で号泣するシーン、メイキングで見たときは、何でそんなに泣けるんだろうと思ったの。 2006/07/04 13:46
ぷうすけ
インスは、涙枯れるまで泣いたソヨンを見守りながら、心に同じ痛みを感じ、ソヨンを身近に感じていたでしょうね。 2006/07/04 13:37
ぷうすけ
Qちゃん、インスの車の中で、眠ってしまったソヨン。号泣するソヨンをそばで見守ってくれたインスに、少し心を許しはじめてるよね。 2006/07/04 13:34
cat402
これからの二人の関係を暗示していたのかも~うん、きっと、そうだ~モーテルの一言はソヨンの固まった心を溶かし始めた気がします~ 2006/07/03 22:11
cat402
ということを、感じた気がします。二人の気持ちが、少し近づいたかなぁ?車の中で眠ったソヨン、見守るインス、 2006/07/03 22:08
cat402
あの殺伐とした場所、二人の孤独感を際立たせていましたね。ソヨンの側でたたずむインス、この時、初めて、二人が同じ立場だ 2006/07/03 22:01
cat402
最初に映画を見たとき、ソヨンが道路の端で、号泣しているシーン、とっても、心に残りました。 2006/07/03 21:42
naturalQ
まだ意識はしてなくても,惹かれてると思うの。 2006/07/03 20:10
naturalQ
インスの車で眠ってしまうソヨンが好きです。私がインスなら,そこでグッとソヨンを身近に感じ, 2006/07/03 20:09
ぷうすけ
reijubabaさん、弔問に出かけたインスとソヨン、とても辛い一日でしたね。インスの一言がソヨンに心にしみたの。 2006/07/03 10:11
reijubaba
このシーンは、わたしでもわかったヨン。葬式に行くまでの道のりは、二人の心を表しているんだと思った。 2006/07/01 18:21
 
 

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