ブロコリ サイトマップ | ご利用ガイド | 会員登録 | メルマガ登録 | 有料会員のご案内 | ログイン
トップ ニュース コンテンツ ショッピング サークル ブログ マイページ
*JOONといっしょ*
*JOONといっしょ*(https://club.brokore.com/0404)
    *★☆★ペ・ヨンジュンさんをはじめ、いろんな話題で井戸端会議しちゃいましょう。楽しい仲間が、待っています。★☆★
サークルオーナー: ★joon | サークルタイプ: メンバー制 | メンバー数: 629 | 開設:2005.05.16 | ランキング:22(14749)| 訪問者:2660926/3006748
開設サークル数: 1238
[お知らせ] 更新のお知らせ
容量 : 88M/100M
メンバー Total :629
Today : 0
書き込み Total : 8609
Today : 0
図書室
創作文、感想文、本の紹介等は、こちらにどうぞ。
No 79 HIT数 107
日付 2006/07/05 ハンドルネーム ぷうすけ
タイトル 【創作】「もう一つの四月の雪」 その13
本文 インスとソヨンは、灯りがともった街の中を、

肩を並べて歩いた。

ソヨンは、インスに質問してみた。

「インスさんは、運動をしているのですか?」

「いいえ。どうしてですか?」

「さっき、雪を投げていたから。」

「照明の仕事をしています。コンサートとかの。」

「楽しそうなお仕事ですね。」

「作っている時は、楽しいですが、終わってしまうと、

 むなしいですよ。仕事は、何をしてるんですか?」

「普通の主婦です。家事をしています。」

「大変な仕事ですね。」

「ありがとうございます。

 そう言ってもらえると、うれしいです。」

通り沿いに、喫茶店を見つけたインスは

「お茶していきませんか?」と、ソヨンに聞いた。

ソヨンは、だまったまま、うなずいた。

二人は、喫茶店に入ると、奥のほうの窓辺の席についた。

ウエイトレスが、注文を取りに来ると、

二人は、ホットコーヒーを頼んだ。

ソヨンは、運ばれてきたコーヒーを一口飲んだ。

そして、インスに

「奥さんとは、どうやって知り合ったのですか?」と聞いた。

「大学の時に、音楽サークルでライブをやったんです。

 その時に、彼女が写真を撮ってくれたんです。」

「主人も、写真が好きでした。」

「妻は、大学で写真部でした。」

「主人も、写真部でした。」

「奥さんは、どちらの大学でしたか?」

「中央大学です。」

「主人も、同じ大学でした。」

「同じ大学の同じ写真部だったんですね・・・。」

インスとソヨンは、スジンとギョンホが大学生の時に、

知り合っていたことを、初めて知った。

大学の時、二人は、ただの先輩と後輩だったのだろうか?

それとも、恋人として付き合っていたのか?

インスとソヨンは、お互いの伴侶のことで、

もう、これ以上、傷つくことはないと思っていた。

だが、スジンとギョンホが自分達よりも、

早くに出会っていたことに、心が揺れた。

心がざわついて、落ち着かなかった。

やっと笑顔を取り戻し、心が和んでいたのに、

冷たい空気が流れ、沈黙が訪れた。

しばらくして、インスが「出ましょうか?」と、ソヨンに話しかけた。

ソヨンは、黙ったまま、うなずいた。

インスとソヨンは、喫茶店を出て、来た道を戻りながら歩いた。

「このまま戻らずに、お酒でも飲みに行きませんか?」

インスが、ソヨンに聞いた。

ソヨンは、一瞬とまどったが、

「はい、飲みに行きましょう。」と答えた。

二人は、通りに出て、タクシーを拾って、

海沿いの海鮮料理のお店に行った。

テーブルの上には、お刺身や活きのいい魚を使った料理と、

焼酎とビールの瓶が、所狭しと並べられた。

インスは、ソヨンに、「お酒にしますか。それともビールにしますか?」

と聞いた。

「じゃあ、ビールをいただきます。」とソヨンが、答えた。

インスはソヨンのコップに、ビールを注いだ。

そして、自分のコップに焼酎を注いだ。

料理を食べながら、ソヨンは、インスに質問した。

「一番、幸せな時は、いつですか?」

「眠っている時。」

「私もです。」

インスとソヨンは、お互いの顔を見て笑った。

今度は、インスがソヨンに聞いてみた。

「どこで、ご主人と知り合ったのですか?」

ソヨンは、少しためらいがちに、

「卒業して。。。父が早く結婚しろとうるさくて・・・。

 お見合いしたんです。とても、いい人だったんです。

 そのときは・・・。」

ソヨンの表情が、少し曇った。

ソヨンの話を聞きながら、インスは自分のコップに、

焼酎を注いで、飲んだ。

ソヨンは、またインスに問いかけた。

「仕事をしている女性は、魅力的なんでしょ?」

「いいえ、そんなことないですよ。」

ソヨンは、インスの言葉を聞いて、

主婦の私にも、魅力があるのかしらと思った。

「全部夢だったらいいのに・・・。」ソヨンが、つぶやいた。

「夢・・・。」

インスは、笑いながら、この辛い現実が夢だったら、

どんなにいいのだろう。

気持ちが、どんなに楽になることかと思った。

「主人が目を覚ましてくれれば・・・。

 言い訳が聞きたい・・・。」

「・・・・。」

インスは、ソヨンの気持ちが痛いほど、よくわかり返す言葉がなかった。

「意識が戻ったら、どうしますか?」

ソヨンの質問に、インスは、少し考えた後に、

「復讐します・・・。」(笑いながら)と、言った。

ソヨンも、くすくすと、笑った。

インスは、どうやって復讐するというのか・・・。

インスは、自分で言いながら、馬鹿げてると思った。

「私達、付き合いましょうか?」

「・・・・。」

インスは、ソヨンの言葉に、目には目を歯には歯をというのも、

馬鹿げてる。

そんなこと、できるわけがないだろうと、思った。

「ちょっと、風に当たってきます。」

ソヨンは、酔いを醒ますために、席を立ち、店の外へ出て行った。

インスは、一人で酒を飲みながら、ソヨンの言葉を思い出していた。

苦笑いしながら、ゆっくりと酒を飲んだ。

しばらくして、ソヨンが外から戻り、席に着いた。

インスは、腕時計に目をやり

「そろそろ、帰りましょうか?」

と、ソヨンに言った。

「そうですね。帰りましょうか。」

「ここは、僕が払います。」

インスが、会計を済ませると、

タクシーを拾って、モーテルに戻った。

モーテルの廊下のインスの部屋の前で、

「今日は、いろいろ話せて楽しかったです。

 ありがとうございました。」

と、ソヨンが言った。

「僕も、楽しかったです。ありがとう。おやすみなさい。」

「おやすみなさい。」

インスとソヨンは、挨拶をかわすと、それぞれの部屋に戻った。

ソヨンは酒を飲み、インスといろいろ話して、心が少し軽くなった。

ベッドに入ると、インスが冗談交じりに言った言葉を、思い出した。

「復讐します・・・。」ソヨンは、くすっと笑った。

そして、体を横に向けると、静かに眠りについた。

インスも、ベッドの中で、ソヨンの言葉を思い出していた。

「私達、付き合いましょうか・・・?」

そんなこと、ありえないよなぁと、思いながら、眠りについた。


                           ~つづく~

 
ぷうすけ
少し心が打ち解けたかな。馬鹿げてると思っていたことが現実になっていく・・・これが二人の運命なのか・・・。 2006/07/11 08:38
ぷうすけ
michng31ちゃん、お酒を飲みながら会話をするシーン・・・ソヨンが本音をはき、それを受け止めるインス。 2006/07/11 08:27
michng31
でも「復讐」「私達、付き合いましょうか?」 怖い会話ですね。そして馬鹿げていることが現実になっていく・・・ 2006/07/10 23:39
michng31
どのシーンもどのシーンも息をのんで観ていましたが、此処は少しだけ気楽に観ることできました。 2006/07/10 23:32
ぷうすけ
インスは、自分の中で不倫を否定していて、自分は不倫しないと思っていたのね。この時はね。 2006/07/08 01:12
ぷうすけ
でも、何回か見るうちに、インスは心の中で「馬鹿げてる」と思ったのではないかと、思いました。 2006/07/08 01:09
ぷうすけ
Qちゃん、私も最初に映画を見たときは、「付き合いましょうか?」の「付き合う」にただ反応して笑っているんだと思いました。 2006/07/08 01:07
naturalQ
「ありえないよなぁ」とまた。あぁ,この時点ではすごくインスは自分を信じてるし,まさにコレがインスなんだなぁと思いました。 2006/07/07 18:53
naturalQ
新鮮!私,表情ではその場をごまかしつつ,心がその言葉自体に動揺したんじゃないかと思ってたの。もう一度思い出しながら 2006/07/07 18:52
naturalQ
「私達、付き合いましょうか?」とソヨンにいわれて,インスは【馬鹿げている】と思ったんだ。私が思ってた印象と少し違って, 2006/07/07 18:50
ぷうすけ
catちゃん、ふぐの説明ありがとう。ネタばれ四月の雪、懐かしいなぁ。映画を見に行くたびに、みんなで語って楽しかったね。 2006/07/06 09:51
ぷうすけ
人の心も同じだと暗示している。人間は優しそうに見えても、心の中で恐ろしいことを考えてるかもしれない。そんな感じかな。 2006/07/06 09:48
ぷうすけ
reijubabaさん、ふぐの水槽、はぶいちゃって、ミアネヨ。m(__)m ふぐは、平然と泳いでいるけれど体に毒を持っていて危険。 2006/07/06 09:46
ぷうすけ
お酒を飲みに行った後、二人はこんな感じだったのかなぁと思いました。眠る前に相手の言葉を思い出したんじゃないかなぁ。。。 2006/07/06 09:42
ぷうすけ
catちゃん、スジンとギョンホ、大学生の時は先輩と後輩で、憧れというか淡い想いがあったかもね。 2006/07/06 09:39
ぷうすけ
★joonちゃん、インスとソヨンは、お酒を飲みながら話した相手の言葉が、心に残ってしまったのね。それで眠る前に思い出したのよね。 2006/07/06 09:33
reijubaba
catちゃん、そうだったの~。少しわかったヨン。 2006/07/06 07:44
cat402
それぞれが、お互いの言葉を思い出している姿が、またいいよ~(^^) 2006/07/05 22:44
cat402
ぷうすけちゃんの感性が、インスとソヨンの姿を、生き生きとさせていますよ。モーテルの廊下での挨拶、 2006/07/05 22:44
cat402
毒が潜んでるってことを暗示しているのじゃないかって、言う意見が出てたと思う(確かそんなニュアンスだったような・・・) 2006/07/05 22:39
cat402
reiチャン、水槽のフグ、『ネタバレ四月の雪』でも、話題になったのヨン。フグって毒を持ってるでしょ、平凡な生活の中にも、 2006/07/05 22:39
reijubaba
水槽のふぐ、どんな意味があったのかわからない。意味ないのかな?いまだにわからないだらけのreijubabaです。 2006/07/05 20:48
cat402
インスとソヨンの心がまた一歩近づいて、お互いを意識し始めたのね、映画のなかに、こんなシーン欲しかったなぁ~ 2006/07/05 19:51
cat402
同じサークルの先輩、後輩(きっと淡い恋心があったのかも・・)偶然の出会いから、懐かしさが、二人を近づけたのかもしれないね~ 2006/07/05 19:49
cat402
ぷうすけちゃん、映画では、スジンとギョンホの関係が、どうしても、わからなかったの。同じ大学、 2006/07/05 19:48
★joon
お互いの心に、残ってしまったのね・・・。 2006/07/05 17:35
★joon
ベッドに入って寝付く前のお互いの事を・・・言葉を無意識に呼び起こしていた・・・まだ、何も起っていないのに・・ 2006/07/05 17:34
 
 

IMX