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*JOONといっしょ*
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図書室
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No 9 HIT数 205
日付 2005/08/12 ハンドルネーム Marinche
タイトル エルマ 第一章 ~ 再会 Ⅱ
本文






     ( Ⅱ )



玄関脇にある姿見に何度目かの視線を向けると、エルマは溜め息をついた。
勇俊に買ってもらった指輪は随分前に外したが、ネックレスはまだ外せずにいる。
彼は見たらきっと気付き思い出すだろう、あの時のことを…。

今日の装いに一番似合うが、エルマはそれを外し寝室に戻った。
ジュエリーボックスの中にはいくつもの思い出が隠れているが、それらを避けて別なひとつを取り出した。
何気なく窓の外を見ると、見慣れた車がアパートの前で停車した。
グリーンのBMWカブリオレ…、勇俊のお気に入りだ。

まだ乗っていたのね…。さすがに今日は幌がつけてある。
楽しいけれど実用的じゃないと言ったのを覚えていた?

中から勇俊が出てきて辺りを見回し、アパートのドアに向かった。

ベルが鳴る…。
エルマは会っても動揺しないようにと目を閉じ自分に言い聞かせた。
インターフォンで答えると、鍵を開けずにこういった。
「今行くわ…」
そして姿見でもう一度隙はないかチェックして、表情が見えないよう帽子のつばを少し引きドアノブをまわした。


エルマがアパートを出ると、車にもたれかかっていた勇俊がすぐエルマに駆け寄った。
抱きしめたいのは明らかだ。勇俊が両手を広げる。
だがエルマは右手だけを差し出した。
勇俊はにっこり笑ってその手を取ると、礼儀正しくキスをした。
「エルマ、相変わらず美しい…」

勇俊はそのまま手を引きエルマを車へエスコートした。
「ありがとう。さて、どこへ連れて行ってくれるの?」
「先ずは、ロエベでドレスと靴を見て、その後食事でどう?リッツのテラスに予約を入れてある。」
「…結構よ。」

助手席のドアを開けエルマをシートにつかせると、勇俊は運転席に乗り込んだ。

にこやかな勇俊と硬い表情のエルマを乗せて、車は軽快に走り出した。


「その服も君のお気に入りのロエベかな?よく似合う…。
 僕は久しぶりにあの店に行くので、少し緊張しているよ。」

「……」


「講師の仕事は順調?今は夏休みだね?サマースクールでは教えないんだろ?」

「…ええ…」




「…いつ戻ったの?」
「今日。電話は空港から掛けたんだ。断られたときはどうしようかと思ったよ。」

「元気だった?」
「ああ、案外健康的な生活を送っていた。少し色も黒くなっただろ? 君は…」
「安心して!この上なく元気だったから!」

溢れそうになる涙を隠して、エルマは横を向いた。
待っているつもりなど毛頭無かったのに、正直な心が恨めしい…。



2人でロエベに行くのは久しぶりだったので、エルマも少しばつが悪そうに、店長に挨拶した。

「勇俊様、お待ち申し上げておりました。エルマ様が寂しい思いをなさっておいででしたよ。
 お詫びのプレゼントですか?今日はどのようなものをお探しでしょうか?」
「さすがだね、そのとおりだよ。
 僕の姫が機嫌を直してくれるような、最高のパーティードレスをプレゼントしたい。」

決してモデルのように高い背ではないが、
メリハリのあるボディーに大胆なカットのローブは美しく映えた。
そして、着替える度に勇俊がエルマの隣に並ぶ姿は、居合わせた人々の目を釘付けにした。

「あなたといると注目されて疲れるわ。」
エルマが精一杯気のない素振りを見せるのは、それが自分で決めた心を守る唯一の方法なのだろう…。
「注目されているのは君だと、知っているよね?
 学生達の視線でさえ、どれだけ僕をハラハラさせたか…。」



店を出ると外はすっかり夕闇に包まれていた。
ライトアップされた街は昼とは別の表情を見せる。
久しぶりにこの車に乗ったので、少しドライブがしたいと言う勇俊は、
夕食の時間にはまだ間があるから、時間調整が必要だと言い訳もした。

いつもより饒舌な勇俊に対して、エルマはなるべく口数を少なくしていた。
でも、座り慣れたシートと滑らかな勇俊の運転はエルマの身と心を優しく包み、
勇俊を冷たくあしらうことにかなり努力が必要になっていた。
見慣れた景色が懐かしく感じられる助手席からの眺めさえ、エルマの心を揺らす…。

車はホテル・リッツの正面に滑り込んだ。
勇俊は車のキーをドアマンに渡してエルマの手をとると、「ここではこれが自然かな?」と、自分の腕に絡ませた。




夜の風と控えめな照明、人々の笑顔と明るい声が美しい庭を彩る…。
そして、五感を刺激する計算されたプレートが優雅にテーブルを飾る…。


エルマは、ワインのテイスティングをする優雅な勇俊の動きを見て溜め息をついた。
「きれいな黄金色…。
 味わう時に目をつぶる癖は相変わらずね。それだけで美味しいものだと分かるわ。」
エルマの語尾が優しく変化したことで、勇俊にも笑みがこぼれた。
ソムリエにワインを注ぐよう促し、「いつも君には最高のものを!」とグラスを挙げた。

白ワインは少しずつエルマの心を溶かし、話を聞くエルマの表情を穏やかなものにした。
そして赤ワインは…、エルマの熱い心を呼び覚ました…。



でもエルマは、心の揺らぐのを感じながらも理性を失うまいと勇俊からなるべく目を逸らせた。
そして以前、表面の仕事以外の影が見え隠れする勇俊の行動に疑問を持ち、距離をおこうとした自分を必死で思い出した。


「よかったら、バーでもう一杯飲まないか?」
食後のコーヒーを飲みながら、勇俊はエルマを見ずに何気なく言った。
自分の気持ちをはっきりと言う機会をまだ見つけていなかったので、「一杯だけなら…」とエルマは誘いに乗った。


伝票にサインをしただけで済ませたときに気が付くべきだったと、後でエルマは思ったが、
熱くなった心と冷静を求める頭の葛藤が、そんな簡単な事さえ、見過ごさせてしまった。


エレベーターから降りたフロアにバーは無く、
勇俊は自分の宿泊するスイートルームのドアを開けて、

驚くエルマの手を取った。






                                     つづく



 
Marinche
手にキスをされたい・・・(#^_^#) 2005/08/18 10:33
feeling
エルマの心の揺れが感じられ、ドキドキしながらお話の中に入っちゃいました♡ 2005/08/18 08:34
feeling
わぁ~勇俊素敵です。あんな風にエスコートされたらメロメロで誘いにのってしまいます♡絶対に(笑) 2005/08/18 08:28
Marinche
うわ!ドンちゃんだと思うと一層ドキドキ…(#^_^#) 2005/08/17 21:56
akatuki58
「あなたといると注目されて疲れるわ。」っていってみたい^^*勇俊=ドンちゃまイメージして読ませていただいてます。 2005/08/17 20:48
Marinche
keithさん、そう、私もそう思いながら書きました。勇俊の誘いに乗らないで~^^; 2005/08/15 19:20
Marinche
cat402さん、勇俊の強引な誘い…、でも、一生懸命で可愛いでしょ?(*^_^*) 2005/08/15 19:17
keith
きや~も~うぅ、、い、いけません、勇俊の誘いにのってはダメよ~・・・ 2005/08/15 17:34
cat402
やっと、エルマⅡを読めました~、きゃ~勇俊のちょっと強引な誘いには、断れませんね。お部屋に入ったら、どうなる~?気になる~ 2005/08/15 14:54
Marinche
え?え?早すぎます?ドッキン!ふたりとも、落ち着いて~(^^;) 2005/08/14 06:42
楓花
でも、初日から勇俊のスイートルーム?Marincheさん、ちょっと早過ぎるんじゃないんですか~?? 2005/08/14 02:24
楓花
勇俊もエルマも二人とも愛し合っていて別れたのだから、お互いを思う気持ちは変わってないんですね。 2005/08/14 02:22
Marinche
nonakoさん、私も無駄な抵抗はしません♪ 2005/08/13 00:26
nonako
ななななんと!スマートで強引なjoonも好きヨン!私なら無駄な抵抗はしないわ。 2005/08/12 23:48
Marinche
ええ~?エルマ、このまま流されちゃうの~? いやん、勇俊ったら強引なんだから~(#^_^#) 2005/08/12 23:16
ペイブメント
私も「蒼い月」頑張って描かねば・・・て、何を言ってるんだろう?爆 2005/08/12 21:34
ペイブメント
エルマ、勇俊のお部屋に入ったら・・お酒飲むだけじゃ終わらないわね・・当然ムフフ・・になるわけで・・・(^^) 2005/08/12 21:33
Marinche
石は硬い…あたりまえ(^^;) エルマの○○も… うふふっ♪お楽しみに(*^_^*) 2005/08/12 13:16
ぷうすけ
エルマと、よりを戻したい勇俊。勇俊の誘いを断れないよねぇ。お部屋の前まで行っちゃったら・・・。 2005/08/12 12:02
ぷうすけ
女性の扱いに慣れている勇俊。さりげなく、自分のスィートルームに連れてくるなんて、さすがですぅ! 2005/08/12 11:58
Marinche
そそそそんなに動揺されると、なんだかとっても恥かしい~~(#^_^#) はなびさん、脱落しないで~(^^;) 2005/08/12 09:48
はなび
気づいて欲しかった~ なんと大胆な勇俊~ 続き知りたいような知りたくないような・・・ 2005/08/12 09:36
ぴかちゅ
そそそそそそそそんなうらやましいこと。ワタシなら、すぐさまごぉ~~~。 2005/08/12 09:30
★joon
なななななななんとぅいうこと、スイートルームのドアがそこにぃ~。 2005/08/12 08:34
 
 

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