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aoiルーム
aoiルーム(https://club.brokore.com/hollyhock)
aoi32の創作ストーリーを集めたお部屋です。 どなたでもご覧いただけます。 どうぞごゆっくりお過ごしくださいませ。
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マイガール
恋した彼は親友の叔父さんだった!  クール&スマートな永瀬を取り巻くラブコメディー©
No 7 HIT数 7147
日付 2010/12/07 ハンドルネーム aoi32
タイトル マイガール -7- あなたの彼女になれますか?
本文 マイガール




-7- あなたの彼女になれますか?

 

 

“先にゆずの方から終わりにしても構わない
 たとえ 明日気が変わっても 僕は気にしないから…”

 


「え? さと叔父ちゃんったら そんなこと言ったの?」


「うん」


「それって さと叔父ちゃんは ゆずが本気だって思ってないってことよね?
 もうっ、ホントに叔父ちゃんって冷静というか、疑り深いというか…
 ゆずを送る時にはあんなキザなセリフ言ってたのに!」


「え? 何か言ってた?」


「…“何度も同じことを言わせるな、彩の友達を一人で帰すわけにいかない
 それに 僕が付き合っている女性を送らないような… 冷たい男に見えるのか?”
 なーんてこと言ってたでしょ?」


「ああーー!!! すごく、かっこよかったよね!
 わたし、もうドキドキしちゃった!!!」


「…ゆずにはドキドキのセリフだったのね…」


「え? 彩はそう思わないの?」


「まあ、いいわ。 人はそれぞれだもんね。
 …で? その後はどうだったの? 何か話をした?」


「うん、だからね お試し期間は1ヶ月じゃなくて2ヶ月にすれば良かったって
 思ったの。
 そうすれば クリスマスもお正月も一緒に過ごせるでしょ?
 一緒に初詣に行っちゃったりしてーーー!」


「………」


「なーんて、さすがに言えなかったけどね」


「言えなかったのか…
 それで? その後はどうしたの?」


「う…ん、それで 家に着いて、車から降りて…
 その後は… えっと、今日の記念に…」


「記念に?  なに?」


「握手してください…って言ったら、すごく優しく手を握ってくれて…」


「手を握った? そ、それから?」


「それからって? え? それで すごく恥ずかしかったから お休みなさいって言って
 慌てて家の中に入ったけど?」


「………」


「彩?」


「ホントにかわいいね、ゆずは…」


「え?」


「いい? これから一ヶ月間は それ以上のことはダメよ!
 その先のことはお試し期間が終わって、正式に付き合うって決まってからよ?」


「え? 正式に付き合う、なんて… それ以上のことって?」


「まっ、さと叔父ちゃんには釘を刺しておいたから 迫ったりしてこないと思うけど
 でも、キスぐらいならいいかって、思ってるかもしれない」


「キッ、キスって… え? えーーー???」


「何、驚いてるの?」


「だって、キ、キ、キスなんて… キス…???
 …あ!!!  もっ、もしかして… 
 さっきの… 使用済み?返品、不可…って… え? そういうことなの???」


「やだ、今頃、気づいたの?」


「きっ、気づいた… って… えっと、あの… 」


「もう、ホントにゆずはコドモなんだから…
 しっかりしてよ、大丈夫???」

   
「大丈夫… じゃない…かも」


「もうーー、ダメよ! さと叔父ちゃんだって男なんだから
 自分の身は自分で守らないとね!」


「う、うん」


「ゆずはまだバージンなんだから、しっかりガードするのよ?
 これはテーソーの危機なんだからね!」


「貞操の危機… なんて、彩も難しい言葉を知ってるのね」


「ゆず!」


「あ、はい わかりました。 しっかりします」


「まったく… ゆずとわたしがこんなに大騒ぎしてるのに 当のさと叔父ちゃんは
 動じないっていうか 平然としてて、憎らしいくらいだわ」


「…永瀬さん… 今何してるの? お仕事?」


「ゆずを送って帰って来て 今、シャワー浴びてるみたい」


「そ、そう」


「あ、ゆずったら 今 想像したでしょ?
 そうだ! シャワー浴びてるところを こっそり写メして送ってあげようか?
 …動画にする? きゃ~」


「ばかばか! 彩ってば何てこと言うのよ!」


「きゃ~ん、ゆずが真っ赤になってるのが目に浮かぶわ」


「しっ、知らない!!!」

 

深夜の携帯電話でのガールズトークは その後も賑やかに続いたのだった……。

 

 

 

 
*  *  *  *  *

 

 

 

 


翌朝


突然の訪問者に部屋の扉を開けると 緊張した面持ちで柚子が立っていた。


その思いつめたような眼差しに 永瀬は首を傾げた。


「お、おはようございます」


「おはよう… 彩はもう大学に行ったけど?」


「あ、わたしは2時限目からなので」


「そう。 それで、今日は?」


「あの… その、確かめに来ました」


「何を?」


「昨夜の出来事は本当だったのかなって…」


「え?」


「今朝起きたら何も残ってないし… もしかしたら全部、夢だったんじゃないかって
 そしたら居ても立ってもいられなくなって…」


「ゆずと僕が付き合うってこと?」


「え…」


「本当のことだ」


「ホントに? 夢じゃないですよね?」


「ああ」

 


永瀬の言葉に それまで不安げだった柚子の顔がぱっと花ひらいた。


透きとおるように青白かった顔も 見る見るうちに明るい笑顔に変わり
沈んでいた瞳もきらきらと輝き出す。


あまりにも嬉しそうな柚子につられて 永瀬も思わず笑ってしまった。

 


「良かった! これで安心して大学に行けます」


柚子は両手を合わせて幸せそうな仕草をすると、ふふっと笑った。


上気した頬が ほんのりとピンクに染まっている。


思わず、永瀬の動きが止まった。

 


「やだ、わたしったら… ホントに単純ですよね」


「…もっと ちゃんと実感してみる?」


「え?」

 


きょとんとして 目を丸くした柚子の腕を 永瀬はそっと掴み ゆっくり引き寄せると
両手でやわらかく その華奢な身体をくるみ込んだ。

 


え…?

 


突然の永瀬の抱擁に混乱した柚子は どうしていいかわからずに 目をますます大きく
見開いたまま じっと腕の中に包み込まれている。

 


…あ…の… 

 


「…これで もう、疑う必要はないだろう?」


柚子の頭の上の方で 永瀬の低い声が響いた。

 


「なが…せ…さん…」


抱きしめられて 言葉をなくし、身動きできない柚子は 目の前の永瀬の胸に
頬を押し当て そして、そっと顔を上げた。


柚子の目の中に入ってきたのは 永瀬の綺麗な首筋とすっとした顎のライン。

 


…ああ…  わたし 今 永瀬さんに抱きしめられているんだ…

 


永瀬さんの胸は 広くて 逞しくて 力強くて とても温かくて 安心できて


なんだかいい香りがする…

 

柚子はうっとりと目を閉じた。


そして おずおずと永瀬の背中に両手を伸ばし、シャツをきゅっと掴んだ。


大好きな永瀬の胸の中で 柚子は囁く。

 


「…わたし… 永瀬さんの彼女に なれますか…?」

 

 

 

 

 


*  *  *  *  *

 

 

 

 

 


「…気がついたら抱きしめていた…」

 


永瀬はぼそっと呟くと マルガリータを口に含んだ。

 


「なぜ あんな子供を… 自分が信じられない…」

 


…一ヶ月も付き合えば 自分が勘違いしてるのだと気づくはずだ


あの子は 恋に夢中になっている自分に酔っているだけだ


ずっと年上の男に 亡くなった父親の面影を重ねて
憧れているだけなのだと…


だから 男は本当はずるくて、不誠実で、そして 
自分勝手な生き物だということを知れば


無垢で潔癖症な彼女は 幻滅して 熱も冷めるはずだと…


そう思ったから あの子の申し出を受け入れた

 


「あの時 断っても 彼女は納得しないと思ったから…」


永瀬はそう言うと深くため息をついた。

 


「…何だか さっきから言い訳ばかりだな」


バーカウンターで隣に座っていた 友人の深沢潤は面白そうに永瀬の顔を
覗き込んだ。


「やっぱり、永瀬は“柑橘系”が気に入ってるんだな」


「僕があんな子供を? そんなわけないじゃないか」


「…僕はカクテルのことを言ってるんだが…」


深沢に言われて 永瀬は手元にあるカクテルグラスを見た。


ほのかにライムの香りがするマルガリータ…


「………」


「動揺する永瀬を見たのは何年ぶりだろう…」


深沢は満足そうに言うと くすくす笑った。


「お前… 面白がってるな」


「永瀬だって 昔は散々 僕のことをからかったじゃないか」


「今頃、仕返しか?」


「意外と 根に持つタイプなんでね」


「それは初耳だな」


「だろう? 僕も今、初めて知った」


「………」


二人は顔を見合わせると同時に噴き出した。


「まったく…」


永瀬が呆れたように笑い またカクテルグラスに手を伸ばしかけた時
突然、ジャケットの内ポケットからバイブル音が静かに響いた。


彼は携帯電話を取り出し、メールの着信を確認する。


その日、ずっと深沢から からかわれる破目になった原因を作った
相手からだった。

 

 

 


“ゆずでーす❤❤❤

 明日の火曜日、いつものカフェで待ってますね

 もうテラスだと寒いかもしれないから、中にいるかもしれません。

 だから いないと思って帰らないでくださいね(*^_^*)

 雨でも雪でも嵐でも 必ず行きますから!

 では お仕事頑張ってください

 お休みなさい zzz(-。-)y-゜゜゜”

 

 

 


「………」


思わず目眩がしそうになった永瀬はこめかみを押さえた。


 

「どうした? もしかして彼女から?」


深沢は目を輝かせると 永瀬の手から携帯電話を取り上げて画面を見た。


「これは… 」


深沢は目を丸くして永瀬を見つめ、そしてくっくっと笑い出した。


「永瀬の地味な携帯には およそ不似合いな可愛いメールだな。
 ピンクのハートがチカチカしてるぞ。
 すごいな、うちの奥さんでも最近はこんなに絵文字は使わないな」


そこまで言って、深沢は耐え切れなくなったのか 肩を震わせて笑い出してしまった。



永瀬は相変わらずムスッとしたまま 不機嫌そうな表情を浮かべている。



「頑固で偏屈な永瀬を翻弄させるのは 二十歳の女の子ってわけか。
 恐るべし、女子大生…だな」



「やめてくれ」



「永瀬が いたいけな女の子に自分のことを幻滅させようとする前に 
 彼女の方が先手を打ってきたというわけか」



「予想不可能な行動をするんだ」



「確かに、あの年頃の子は何をするかわからないところがあるな。
 それで… フェミニストの永瀬に出来るのか?
 自分のことをまっすぐに見つめてくる彼女を冷たくあしらうなんて
 君には出来そうで出来ないことだと思う」

 

「誰のことを言ってるんだ? それは お前のことじゃないのか?
 昔の自分を思い出してるんだろう?」



「確かに…。 そう、僕はその件に関しては経験者だからな。
 だから 永瀬、何でも僕に訊いてくれ。相談に乗るよ」



「…それは… 有り難過ぎて、涙が出るね」

 


やれやれと首を振る永瀬に、深沢はさも可笑しそうに笑った……。

 






 








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aoi32
あきちんさん、ありがとうございます。ふふ、どうしても潤先生を登場させたくて~(笑) クールな永瀬が柚子に振り回されます。次回もお付き合いくださいね。 2010/12/13 23:06
あきちん
永瀬さんの胸の内は潤さんに打ち明けるのね・・・なるほど経験者だもんね。さて思惑通りにいきますか(笑)楽しみだわ~。 2010/12/13 18:33
aoi32
来週はいろいろ楽しみですね~^^今からドキドキしています(*^_^*) 2010/12/11 23:04
aoi32
ここでお知らせです。次回 8話は都合により、16日(木)以降のUPとなります。その時には またお付き合いくださいね。 2010/12/11 23:02
aoi32
まさりんさん、ありがとうございます。…ドキッ!永瀬だけでなく柚子もジニョンに似てきました?そういえば…な~んて、一人で納得~(笑) 2010/12/11 22:55
aoi32
kutauniさん、ありがとうございます。はい、まだ子供だ、と言ってるわりには 永瀬は柚子のことが気になって仕方がないという感じでしょうか。次回もお付き合いくださいね♪ 2010/12/11 22:48
aoi32
見えるの(*^_^*)わあ~、私もそうなんですよ♪←すっかりゆずになりきっている(笑) 2010/12/11 22:45
aoi32
takitubosanさん、ありがとうございます。はい、韓国の女優さんは背が高い方が多いので、彼と抱き合うと肩のあたりに頬が当たりますが(わお) 柚子はもう少し小柄なので 彼の首筋と顎のラインが 2010/12/11 22:43
aoi32
次回も、永瀬が振り回されますので(笑) またお付き合いくださいね。 2010/12/11 22:36
aoi32
ちのっちさん、今までも読んでくださってありがとう。浮上してくださって嬉しいです^^面白くなってきました?良かった~♪ 2010/12/11 22:35
aoi32
mizukyさん、ありがとうございます。はい、こういう恋が始まる時が ドキドキして楽しいんですよね。次回も遊ばせていただきまーす^^ 2010/12/11 22:33
まさりん
あ~~なんだかゆずちゃんを見てたらジニョンさんと被ってしまいました^^。永瀬さんもドンヒョクっぽいし♪続きが楽しみ^^。 2010/12/11 22:11
kutauni
永瀬先生の心にゆずちゃんが浸透しはじめてきたのでしょうか。先が楽しみですね。ゆずちゃん、かわいいですね。 2010/12/09 12:48
takitubosan
「目の中に入ってきたのは 永瀬の綺麗な首筋とすっとした顎のライン」を想像!いつの間にかゆずになってしまいました(*^_^*)純粋な女子大生は手ごわいですよ、な・が・せ・先生↺ aoiさん先が楽しみです 2010/12/09 11:26
ちのっち
今までレス入れなくてすみません。でも、読んでましたよ。(^^ゞ なんだか俄然面白くなってきましたね! 振り回される永瀬さん・・・もっと見たいで~す^^♪ 2010/12/07 23:04
mizuky
ふふ・・・完全に振り回されてるよ・・永瀬さん。でもいいねぇ。。。こういう時期が一番楽しいんだよねぇぇ♪ 2010/12/07 16:39
 
 

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